クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ、CVDKプラネタリウム 実機拝見!

 By : CC Fan

WMOでも再上陸のニュースをお伝えした
オランダの天文コンプリケーションを得意とする独立時計師ブランド、クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ(CHRISTIAAN VAN DER KLAAUW)。
実機が上陸した!と伺い拝見してきたのでレポートします。

既に引き合いがあって、クロノグラフのハイパーノヴァ(Hypernova)は販売済みとのこと、今回は水金地火木土の惑星の公転周期を表示するCVDKプラネタリウムを拝見しました。



ロイヤル・アイゼ・アイジンガー リミテッド エディションは世界で最も古い現存するプラネタリウム、オランダのEise Eisinga Planetariumをオマージュしたモデルで、文字盤上にプラネタリウムを特徴づける特徴的な内装カラーをアーティストのガエル・コロン(GaelColon)が手掛けた油彩塗装で再現しました。



おそらく、木製の板を組み合わせて塗装されたと思しきオリジナルの内装を再現するかのように、文字盤にも縦の継ぎ目の模様が表現されています。
初見ではこれは薄くスライスした木を貼っている?!と思いましたが、巧みな油彩塗装によるものとのこと。



新しい時計ではあるのですが、古い建物が持つ「歴史の蓄積」を感じされる風合いが文字盤から感じられます。
写真に写しこむのはとても難しい…
色名としてはターコイズカラーとなりますが光の当たり方によっても表情が変わり、見ごたえがあります。

CVDKの時計に共通する意匠として時計の上半分(9~12~3)だけインデックスが設けされ、下側のインデックスが省かれています。
これは、9時と3時を結ぶ線を「地平線」に見立て、12時には南中を示す太陽の意匠(CVDKのマーク)が配置されています。
6時側には天文コンプリケーションが配置され、この時計では長周期の惑星の示すプラネタリウムです。



12時側にあるのが同軸の通年カレンダーで外側の日付の針は1年で12周、内側の月の針は1年で1周します、これをさらに減速させたものが6時位置のプラネタリウムを駆動し、中央の太陽から見て順に水星(87.97日)、金星(224.70日)、地球(365.24日)、火星(686.98日)、木星(11.86年)、土星(29.46年)までの各惑星の公転周期を精密に表示します。

仕組みとしては永久カレンダーではなく1年を372日(12ヵ月×31日)で表現した「1年」の回転が12時位置の通年カレンダーを駆動し、それを加減速輪列でそれぞれの惑星の周期を近似するように変換したものが各惑星を駆動する、と読みました。
惑星位置の合わせ方も、個別調整ではなく、ある日付での各惑星の位置があらかじめ作りこまれており、そこから日付を進める・戻すをしても関係は常に一定でなので日付を合わせれば惑星位置も合う、と言う「全連動」のようです。
基本的には天文時計のお約束と言いますか、「止めない」と言う前提があり、専用のワインダーが付属します。



木製の古い校舎の理科室を思わせる文字盤はノスタルジーも感じます。
ケースはホワイトゴールドで、それに対してローズゴールドのインデックス・針・プラネタリウムリングのコントラストとターコイズブルーの文字盤の組み合わせはなかなか見ない組み合わせですが、美しく調和していると感じます。



天文コンプリケーションは文字盤側に作りこまれているため、グラスバックからの眺めは一般的な自動巻きムーブメントです。
自動巻きローターには天文学の意匠が散りばめられ、中央には12個の爪(Klaauw= 爪)を様式化した太陽が配されています。



自動巻きなので、ワインダーを併用することで天文時計に必要な「動き続ける」を実現することができます。



リストショット。
スモールセコンドがオミットされ、その部分に超長周期を表現するプラネタリウムが配置されているため、ゆったりとした時の流れを感じることができます。



大きな減速比を持つプラネタリウムモジュールのためか、厚みはかなりご立派…
9時位置には日付・プラネタリウムの修正プッシャーがブランドアイコンの太陽の意匠と共に配置されています。



このダイヤルの質感は是非実機で見てほしい!と思います。
使い込まれた木の建物のような懐かしさを覚える意匠です。



惑星の公転に思いを馳せる作品です。

関連Web Site

CHRISTIAAN VAN DER KLAAUW
WWW.KLAAUW.COM

Noble Styling
http://noblestyling.com/