シチズン 前人未踏の年差±1秒の精度を実現したCaliber 0100 (延長) 第八回~ 【私も買いました】1年後の精度を確認&インプレッション

 By : CC Fan

さて、12月ももう中旬、年末が見えてきました。

「1930のIC内蔵温度補償の解説をどう表現するか」が難航してスタックしてしまっている「年差クオーツ技術を探る」は書こうと思いつつ延び延びになってしまって(今確認したら2カ月…)申し訳ありませんが、今回は去年の「前人未踏の年差±1秒の精度を実現したCaliber 0100」の延長企画、定点観測での精度の確認から年差±1秒は実現できたのか?という事と1年使ったインプレッションを無軌道に書いていこうと思います。

まず精度の確認について、実機を見てピピっと来たアテッサブランド誕生 35周年記念限定モデル第2弾、結晶チタニウムを使用した⺠間月面探査プログラム「HAKUTO-R」とのコラボモデルがGPS電波による時刻合わせによって正確な時刻を表示することが出来るので、まずはこれと比較してみます。



無事、1年で+1秒以内を達成!!

室内での撮影のため、F950は直前にベランダでGPS電波を位置情報を含めて受信させています。
秒単位ではほぼ一致しており、よく見るとCal.0100の方が100ミリ秒程度?先に進んでいることが動画からわかります。
途中でF950の4時位置ボタンを押し、受信ステータスがOKになっていることも確認できます。
F950の受信ステータスは位置情報と時刻情報の受信を区別しないため、位置情報でも時刻情報でも同じ表示になります。

動画は撮っていないのですが、F950とCal.0100を屋内の同じ場所に置いてGPS電波を受信しない状態だとF950の方が徐々に進み方向にズレていきました、
F950の受信ステータスは6日間記録、6日以上受信していない状態で強い直射日光が当たる(≒屋外に居るはず)と自動受信する、と言う仕様から考えると1週間に1回ぐらいは受信させた方が良いのでしょう。

前回作ったプログラムでNTP同期したコンピュータとの比較も。



最上位のアスタリスク(*)マークが30ミリ秒ごとの概算表示、各秒ちょうどの200ミリ秒前から数値による描画を開始、「秒2桁_マイクロ秒6桁」で描画、200ミリ秒後まで数値描画し、再びアスタリスクの表示に戻るというプログラムです(前回の記事から少し修正しています)。

NTP同期時刻よりCal.0100の運針の方が先行しており、ズレが進み方向という事が分かります。
前回の様にコマ送りまではしませんが、100ミリ秒程度でしょうか。
プログラムを修正したのと、python(プログラミング言語)のバージョンが上がり、処理速度が高速化しているためか完全に同じ条件ではなくなってしまっています。

前回のものを見てみましょう。



前回はtick_ms(ミリ秒で表した測定単位)を50にしていましたが、変更して30にしたため、アスタリスクの数と事前・事後に表示している数字の数が増えていることが分かります。

画面自体が60fps(1フレーム16.7ミリ秒)の速度しかもっていないのでここら辺が限界でしょうか。

F950も比較してみましょう。



こちらの方がより秒ピッタリに動いているように見えます。

さて、1年使ってきてCal.0100はどうだったか?という事を考えたいと思います。

まず何といっても今回改めて実証された圧倒的な精度と省消費電力技術によるロングパワーリザーブはやはり魅力でしょう。
自律型なので電波受信や「親機」の存在を考えなくてもOKで、使いたい時にすぐに使えるというのは非常に優れています。
パワーリザーブは相対値で見ると同じくザ・シチズンで年差±5秒のA060の1.5年に比べると8カ月と短いように見えますが、絶対値で8カ月にある程度の長さ光に当てればいい、と見れば必要充分すぎる性能を実現できていると言えるのではないでしょうか。

ケースはアテッサや他のザ・シチズンが比較的マッシブなダイバーズ然としたケースなのに対し、よりドレスウォッチっぽい薄いケースになっており装着感は良いと感じます。
個人的には革ベルトが好きなので革ベルトとDバックルの組み合わせは良かったのですが、ベルトが薄すぎるきらいもあり、これはマイナスでした。
ベルトは作り直そうと思いつつ、今のところまだ純正を使っています。

蒔絵文字盤の影蒔絵は角度をつけた時だけ現れ、時刻の読み取りは邪魔しないと非常に良いバランスであると感じます。

強烈に「個性!!!」と主張してくるようなタイプではないですが、使っていてしみじみと「普通に良い時計」と感じるタイプかなと言うのは今までのインプレッションと同じです。

F950と比較して気になった点としては、多機能針で電池残量を知ることが出来るF950に対し、パワーリザーブ不足を知る方法が警告機能しかなく、警告が始まった時点では温度補償処理が最後の測定値を保持する保持状態になってしまうのは高精度機として少し気になります。
もちろん、定期的に光に当てればいいだけの話ではありますが、例えば段階をつけて保持状態になる前に警告するとか…
逆にF950にはライトレベルインジケーターと言う光強度を測定する機能があるので、これをうまく組み合わせることも考えられます。

F950はチタンで軽くて使いやすいんですが、やはりGPSアンテナを内蔵している都合なのか大きいのは気になります。
それ以外は衛星電波の受信も速く、各種操作に対して針が動くスピードも充分、と全く不満がないです。

どちらも、「普通に良い時計」として非常に優秀です。
Cal.0100もアテッサも海外出張で使ってみたいところ…

【お問い合わせ】
シチズンお客様時計相談室
フリーダイヤル 0120-78-4807
(受付時間 9:30〜17:30 祝日除く月〜金)