ニューヨークのために時を創り出してきたティファニーウォッチ イーストウエスト&新作情報

 By : KAIROS
“ティファニーが時計の販売を開始したのが1847年の事。それから4年後、ティファニーはパテック・フィリップと契約を締結し、ティファニーはアメリカで初めてのパテック・フィリップ製ウォッチを販売するリテーラーとなる。”(リリースより)

 170年に及び時計製造にかかわってきたティファニーは、1874年にはジュネーブのプラス・コルナヴァンに最新設備を整えた自社工房をも備えていたのです。
 その後に続く時計製造の歴史は輝かしいもので、ニューヨークに本社を置くティファニーは世界を代表するジュエラーであり、同じく時計製造においても世界の注目を浴びてきました。
 私たちの記憶に新しいのは、80年代にティファーの正面玄関にあるアトラス クロックをモチーフにしたアトラス ウォッチの流行。スウォッチ グループとの問題。そして常にニューヨークの時を築き、時代を駆け抜けてきたティファニーだからこそ表現できる「ニューヨークの濃厚な1分」を過去のクラシカルなデザインで再現した「CT60」でしょうか。

 今回は「イースト ウエスト」について取材を申し出たところ、ティファニーPR部様のご好意により、これから発表される新作のご案内をいただきました。特に、8月発表される新作「メトロ」、そして驚きの情報を紹介していきます。
 
 なぜ私が「イースト ウエスト」を取材したかったのか?それは先日、ボールペンのレフィルを交換しにティファニーの店舗へ行った時の事。時計のショーケースの上でそのやり取りをしていたのですが、間近でこの時計を見た瞬間、衝撃を受けたのです。それ以来、この時計が気になり、連絡を取ったという経緯(笑)。

 
 「ティファニー イースト ウエスト」
 1940年代、アメリカでは鉄道の発達とともに、物や人の移動手段が大きく変わろうとしていた時代。そこで旅の必需品として重宝されたのが、トラベルクロックでした。この時代、ティファニーは多くのトラベルクロックを作成したと言われています。
 そのトラベルクロックからインスピレーションを受けたのが、この「ティファニー イースト ウエスト」。まさに東(ニューヨーク)→西へ旅をする、そして過去→未来を象徴する時計であり、未来→過去という今も昔も変わらぬ歴史を象徴するデザインになっています。
 通常の文字盤の向きとは違い、リューズ位置に“12時”が来ています。時計を外して置いた時にはデスククロックになります(下図)。そしてケースは、裏ブタがフラットなのに対し、文字盤中央部からストラップにかけて徐々にカーブしています。




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機能: 時/分表示
ケース: 37 x 22mm、ステンレス スチール、ラウンド ブリリアント カット ダイヤモンド 42石
文字盤: ホワイト、
シルバー プードレ仕上げの数字
クリスタル: サファイヤ クリスタルの風防
ストラップ: ブラック アリゲーター、 ステンレス スチール バックル、
ラウンド ブリリアント カット ダイヤモンド 28石
ダイヤモンド: 70石(0.71カラット)
ムーブメント: クォーツ式(TCO.0900)
防水性: 3気圧/30M/100F
価格: 745,000円(税別)

 上記は7月に発売される新作で、今までとの違いはサイドホーンにダイヤモンドをセッティングされたこと。そして文字盤とインデックスの色の組み合わせが新しいこと。
 新作には42x25㎜のケース径が大きいバージョン(875,000円税別)もあります。
 
 通常の「イースト ウエスト」には、もう1サイズ上の46.5 x 27.5mm (自動巻き)バージョンもあり、レディース、ボーイズ、メンズ(自動巻き)という3種類になります。

 さて、この時計の何に衝撃を受けたか?それは、まず針の取付け高さに注目してください。文字盤すれすれに時針が取り付けられています。

 昨今、超薄型時計が増えてきた事もあり、パーツの薄さやその取付けが極めて難しいという事は大分知られてきました。針が少しでも文字盤に接触したり、分針に当れば精度に影響を与え、止まってしまう事もあるからです。そのため多くの老舗高級時計ブランドはノウハウを活かし、組立てを行っているのです。
 でもこの時計は、超薄型ではありません。ではなぜ文字盤すれすれに針を取り付けているのか?この時計を見る限り、針をもっと高く取り付けて、リスクを回避することは可能でしょう。
 それは文字盤を上から見るとわかります。

 文字盤は、40年代当時のテーブルクロックをイメージした見やすい太い書体。特にスペースのある3時と9時は大きく太く、そしてカーブした時計に合わせるように文字盤(8,9,10時ラインと2,3,4時ラインの辺り)もカーブしています。注目すべきは文字の影。影を描くことで事でアプライド インデックスでもないのにすごい立・体・感!なのです。
 軽く荒らした文字盤表面に、より荒らしたカラーのアラビヤ数字で高低差があるように見せ、更にそこへ影をつけることで、より浮き出たように見せているのです。また低く取付けられた針を置くことで、まるでキャンパスに描かれた絵のごとく見える針と浮き出たインデックスが、目の錯覚を感じさせるトリックアートのような文字盤全体を芸術的な仕上がりにしているのです。そしてクラシック感だけではなく、横長のケースと文字盤の絶妙なカーブにより、斬新でスマートな印象をも演出しているのです。
 加えて、クォリティーが高い手の込んだサテンとポリッシュ仕上げのケースも、文字盤を引き立てるのに一役買っているのです。
 

 この時計、ただ横を向いた変わった時計と思ったら大間違いなのです。是非、店舗に行ってこの時計を見てください。そして腕にのせてください!
 特にレディースの針高さは、別の意味でもため息が出ます(笑)。老舗超薄型ブランドにも負けませんね!

 下はクォーツの2針ボーイズサイズ42x25㎜(税込¥496,800 )。私の腕にぴったりでした。これは欲しいです。

 その他レディースには、2巻きカラーストラップ等のカジュアル仕様や高級感のあるアリゲーターストラップがあり、簡単にストラップ交換が出来るので、色々なシーンで使えそうです。プレゼントにも喜ばれるでしょうね。


続いては、
「ティファニー メトロ」ウォッチコレクション

 ティファニーの新作ウォッチコレクション「ティファニー メトロ」は、洗練されたジュエリーのデザインと優れたスイスのクラフトマンシップを完璧に融合させたコレクションです。ティファニーのダイヤモンドの伝統が息づくそれぞれのタイムピースには、シリアルナンバーが振られたラウンド ブリリアントカットのダイヤモンドがクラウンにあしらわれています。
ニューヨークが刻む時のペースとエネルギーを彷彿させるクリーンでなめらかなラインを備えたウォッチ「ティファニー メトロ」は、真のエレガンスを表現しています。(リリースより)



 「ティファニー メトロ」は9月発売予定の時計のニューコレクション。28㎜クォーツが10種類、34㎜自動巻きが6種類。価格は税抜¥540,000~

  

 
  


 ジュエリーコレクション「ティファニー メトロ」からの時計というだけに、ジュエリー同様にダイヤモンドが嫌味なく主張し、デイリーでもイブニングシーンでも使えそうな、都会をイメージした美しいデザインになっています。
 特徴はケースのアシメトリーなラグデザインとインデックスのダイヤモンドが15分単位はバゲットダイヤモンド!それをフランケ仕上げの文字盤と細いリーフ針が、美しくエレガントに演出しているこだわりのある女性のための時計ではないでしょうか。
 ストラップはもちろんステッチ無しですっきり美しく見せ、メタルブレスレットは非対称のラグに合わせた流れるようなシングル駒の独特のデザイン。一見、昔からあるバネ式ブレスかと思いきや重厚感のあるメタルブレスレットで、ガタもなくしっかりとしたデザインです。また滑らかでフィット感も良く、駒の取り外しは裏側からネジで外す式のため、サイドにはピンやねじの穴はなく、シルエットが美しい作りになっています。やはりジュエラーの作る時計はフィット感がよく、美しくなければいけませぬ!

 
 

 そして最も注目したのはリューズ。この時計の特徴の1つなのですが、留め方が変わっているのです。

 ダイヤモンドのキューレットからガードルに向け、絞るように枠をまわして延ばし、ガードル部分3ヶ所をレール留めのようにおさえて石留をしています。その結果、得られる効果は?
 

 ダイヤモンドを最大限大きく見せる事が可能で、優美さと安全性も兼ね備え、そして操作性(自動巻き)も抜群なのです!何より、袖からちらっと見える時計に、これだけ光るダイヤモンド(D~Eクラス)がついていると、横からも正面からも目を引き付ける事でしょう。ブレスが裏側ネジ式の理由がここにもありますね。横から見られることを計算しているのです。
 そして実際に、ダイヤモンドは大きく、0.18ctと0.21ct(自動巻き)と時計にしては大きなものを使用していますが、それでこの価格とは。何とも戦略的であり、さすがキング・オブ・ダイヤモンド!

上記は、ダイヤモンドをセットした18Kローズゴールドケース。
バーガンディ文字盤に4つのバゲット、8つのラウンドブリリアント ダイヤモンド。
バーガンディカラーのステッチ無しアリゲーターストラップ、クォーツ。
10気圧防水、¥1,630,800(税別予価)。
個人的にこの色が好きでした!



 そして10月発売予定の新作について。
 ティファニーは1837年に創業して、今年は180周年記念。それを記念して今年の10月に自社ムーブメントを発表するのです。
 画像を見せてもらいましたが、スクエアーケースにスクエアーの手巻きムーブメント!四角い時計に四角いムーブメントを入れるという事は時計業界では、実は限られた時計ブランドがやること。昨今、四角いケースに汎用性がある丸いムーブメントを入れてコストを抑えるので、実は四角いムーブメントは希少価値が高いのです。そんな四角いムーブメントを自社第1弾とは・・・本気ですね。
 文字盤は、1920年代のアールデコを彷彿とさせるデザイン。180周年という事で180本限定だそうです。
 これに関しましては、より細かい情報が入りましたら、追ってどこかで紹介したいと思います。


 最後に・・・
 私はこれらの時計を見せてもらってから、再度ティファニーのジュエリーや歴史を読み返してみました。1900年代の世界の中心地ニューヨーク。時は流れても本質は失わず、常に最先端の文化を発信する一大都市。そこに本社を置くティファニーもまた大都市ニューヨークと共に時を刻みながら、その時代に合った洗練された最先端の美しい商品を作り続けていること。それがしっかりと商品に息づいていることを再発見しました。特に時計に関しては、ヨーロッパやスイスとは一味違うデザインや考え方が新鮮で興味深いものであり、とても勉強になりました。
   
ティファニーPR部の皆様、ありがとうございました。

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