オークションハウスのお話

 By : KITAMURA(a-ls)

ビンテージ品を含む、すでにディスコンとなっている時計や貴重な時計などを探す場合・手放す場合、大きな選択肢のひとつとなるのがオークションハウスだ。

時計を扱うオークション・ハウスで、世界で広く知られているのは、主に以下の4つとなる。

クリスティーズ http://www.christies.com/features/welcome/japanese/overview.aspx

フィリップス www.phillips.com

アンティコルム  https://www.antiquorum.swiss

サザビーズ http://www.sothebys.com/ja/inside/locations-worldwide/tokyo/overview.html

だが、実際のところ、どうしたら参加できるのかなど、なかなか知られていないところも多いと思うので、自分が知り得る範囲ではあるが、ちょっとご紹介してみた。


【出品】
オークションハウスが一番頼りになるのは、手放したい時計の価値がよくわからないときであろう。

その場合、定期的に開かれる査定会(ヴァリューエイション)に申し込むのがまず最初の一歩だ。
これは、オークションハウスの時計エキスパート(時計の価値や構造や歴史などを把握した時計評価の専門家的な方)が数日間来日して、コレクターの時計を査定するもので、各オークションハウスのHPなどにスケジュールが告知されている。希望の方は連絡して、時間の予約をするだけ、費用などは一切かからない。

この記事を書く前提で、先日開催されたアンティコルムのヴァリューエイションに許可を得て、ランゲのヴィンテージ懐中やパイロット・ウォッチや、親戚宅から発掘されたヴィンテージ・ウォッチなどを持ち込んで査定をしてもらってみた。



今回担当してい戴いたのは、香港から来日された日本人エキスパートの方。
外観、キズ、文字盤の状態、機械などをチェックしたあと、過去のオークションデータを検索して、だいたいの金額を(今回はドル・ベースで)、提示してくれる(幾らから幾らの間と、幅を持って提示されることもある)。
価値がわからなかった時計に関しては、その値段をベースに、オークションに出品するかどうかを判断すればよい。

ひとつ注意が必要なのは、その金額でオークションハウスが買い取ってくれるわけではなくて、『この金額でオークションカタログに掲載すれば、落札される(=売れる)可能性が高いですよ』、という話だということ。
つまり、その時計のマキシマム・プライスではなく、標準もしくは、そのやや下くらいの金額提示になっているケースが多く、これをエスティメート・プライスといい、オークションのスタート金額となる。
入札者がヒートアップすれば、その何倍にもなることもあるし、逆に誰も入札せずに、不落札に終わることもある。不落札でもオークションハウスは保証はしてくれません。
つまり、査定価格に不満があって、査定会で交渉してエスティメートを高くしてもらっても、入札されなければ売れないわけで、この辺の判断はすべて自己責任となる。

また、エキスパートは、査定の結果オークションで扱いづらいものであった場合、「中古屋さんで幾らくらいで引き取ってくれると思います」とか、金無垢時計などの場合なら「潰して金の価格で買い取ってもらったほうが良い」など、処分や販売の方向性をアドバイスしてくれるので、価値の解からない時計をお持ちの方は、査定会への参加がお勧めだ。

近々では、フィリップスの査定会がある。







ああ・・・
東京の方はごめんなさい。

ちょっと掲載が遅れてしまいました・・・。

名古屋、大阪は、ギリギリですが、

ご興味ある方は
03-6273-4818 まで
連絡を取って見てください。


 いざ出品を決めた場合、かかる諸経費としては、オークション開催場所の支社までの運賃、輸送保険料、場合によってカタログ掲載料などが必要となる。そして、落札された場合、これはいくつかの例外はあるが、だいたい10%の手数料を支払うケースが一般的だ。

その他の注意事項として、オークションハウスの多くが、複数の場所でオークションを開催していて、たとえばジュネーブ、香港、ニューヨークなどがメインなのだが、時によっては、ドバイや上海、北京などでも開かれる。
オークションハウスによっては、出品先を指定することもできるそうなので、アジア市場が強いとかヨーロッパの方が売りやすいとか、時計によっていろいろ考えて出品される方も多いそうだ。

決済のサイトはオークションハウスごとにルールがあるようだが、決済自体は販売地の通貨で行われる。もちろん、振込日当日のレートで換算して、円での振込もしてくれる。


【入札】
次に、カタログに掲載された時計を買うため、入札を行う場合はどうするのかを説明しよう。

基本的には事前の登録が必要とされるケースがほとんどだ。登録に必要な書類には、①本人を証明できるもの、②資産を証明できるもの、主にこの2点を確認するため書類の添付が求めらるれる場合が多いが、具体的な書類はオークションハウスごとに規定があるので、まず問い合わせてほしい。

登録申し込み後(たいてい審査があるが)、それが認可され一度登録されれば、あとはもう会場に直で乗り込んでも、電話でも、ネットでも、世界中からオークションに参加可能となる。

落札時に留意すべきは、落札価格に対して、バイヤーズプレミアムという手数料がかかることだ。
これもオークションハウス、そしてオークション開催場所の税制などによっても異なるが、大まかに目安をいうと、各オークションハウスとも、落札額1500万円くらいまではその25%、1500万を超えたところから3億円くらいまでの部分に20%、それ以上を超えた部分に12%前後の手数料が設定されている。実際は、場所や入札方法によってかなり細かい規定があるので、詳細は必ず当該のオークションハウスに問い合わせてほしい。


さて、その入札だが、時計関連のオークションで、近々最も注目されているのは、クリスティーズが手掛ける
Only watch 2017ではないだろうか!  http://www.onlywatch.com/the-watches/

当サイトでも、出品作は紹介済みだが、https://watch-media-online.com/blogs/881/
これらの作品に関しては、クリスティーズ・ジャパンを通じて日本からで入札が可能なので、興味のある方はぜひトライしてみてはいかがだろうか。



WATCH MEDIA ONLINEは、今後、レア・ピースやコレクターズ・アイテムといった、各オークションハウスのオークション・ハイライトをはじめとする時計情報も随時掲載していきますので、どうかご参考にしてください。


また、この稿に関して、なにかご質問等がある方は、
コメント欄からお気軽にどうぞ。