ヴァシュロン・コンスタンタンが3つの複雑機構を持つユニークピース「レ・キャビノティエ テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション オープンフェイス」を発表
From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション オープンフェイス」
スプリットセコンド・モノプッシャー・クロノグラフ、ミニット・リピーター、球体ヒゲゼンマイを備えたトゥールビヨン調速装置という、3つの複雑性を実現した稀有なキャリバー2757 Sを搭載。その美しさと複雑さを正面から堪能できるサファイアクリスタルの新しいオープンフェイス ダイヤル越しに見えるのは、メゾンの厳格な審美性の基準を守り、ムーブメントのすべての部品に手作業で施した緻密な仕上げ。複雑機構の伝統を受け継ぎ、機械式時計の卓越性と審美性を融合した、メゾンの歴史を紡ぐユニークピースの誕生。
ミニット・リピーター、スプリットセコンド・クロノグラフ、トゥールビヨン調速装置をひとつの腕時計の中に組み込むことは技術的挑戦であり、これまでに実現された例はほとんどありません。「レ・キャビノティエ・テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション・オープンフェイス」では、この3つの複雑機構に、ヴァシュロン・コンスタンタンが誇る最新の技術革新と素材への弛まぬ研究を注ぎました。700個近くの部品で構成したキャリバー2757 Sは、装飾と手作業による仕上げにも特別なこだわりが表れ、複雑なサファイアクリスタルダイヤルと45mmの18Kピンクゴールド製ケースのサファイアケースバックからその技巧を眺めることができます。卓越した技術の粋を結集したこのタイムピースは、機械式時計を時を刻む芸術作品へと昇華させました。
歴史あるノウハウの進化
「レ・キャビノティエ」の新作に搭載された複雑機構は、ヴァシュロン・コンスタンタンの中心的価値観のひとつである、時計製造技術の世代を超えた継承を体現しています。1819年にメゾンが製作した独立式デッドビートセコンドとクォーター・リピーターを備えた懐中時計は、この種の時計の先駆けとなるものでした。デッドビートセコンド機構は、時の微小な単位をより正確に計測するため、18世紀後半にさまざまな時計メーカーによって開発されました。この機構は独自の輪列を持つ独立したメカニズムとして設計され、通常の計時機能とは別に秒針を停止・再開させることができるため、クロノグラフの前身ともみなされています。

Pocket watch - 1819
スプリットセコンド・クロノグラフ機構は同軸上に2本の秒針を配します。2本目の針を停止させて中間タイムを計測することができ、それを再スタートさせると1本目の針に追いつく仕組みです。1831年に単針のシステム、1838年に2本針のシステムが登場すると、ヴァシュロン・コンスタンタンはいち早くこの技術を自社の懐中時計クロノグラフに取り入れました。
メゾンのチャイム機構付き時計もまた、歴史に深く根差しています。時・15分・分を音で告げるミニット・リピーターは、任意で作動させることができ、2世紀以上にわたりヴァシュロン・コンスタンタンの時計製造において重要な要素であり続けています。製造台帳に最初に記録されたメゾンのチャイム時計は、1806年のクォーター・リピーターを備えたゴールド製の懐中時計です。
以来、メゾンはチャイム機構やリピーター機構に関する専門性を確立しています。1827年に製作したメゾン初のグラン・ソヌリおよびプチ・ソヌリ搭載の時計は、そのノウハウを示す印象的な例です。


Pocket watch - 1827
1940年代初頭のリファレンス 4261では、厚さわずか3.28mmのムーブメントにミニット・リピーターを組み込みました。そして、リファレンス 57260では、グラン/プチ・ソヌリ(前者はウェストミンスター・チャイムを採用)とミニット・リピーター、アラームを含む57もの複雑機能を組み込む偉業を達成しました。

Reference 4261 - 1940
トゥールビヨンもメゾンの歴史とともに進化を遂げてきました。
重力の影響を軽減することで等時性を大きく向上させるこの機構は、1901年、パリの顧客から注文を受けて製作しました。以来長年にわたり、メゾンの時計師は多軸構造をはじめとする新技術を生み出し、トゥールビヨンの技術革新を推し進めてきました。球体ヒゲゼンマイを備えた2軸トゥールビヨン搭載の腕時計「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」と、3軸トゥールビヨン調速機を備えた「レ・キャビノティエ・ザ・バークレー・グランドコンプリケーション」は、その専門性を物語るにふさわしいタイムピースです。


Les Cabinotiers The Berkley Grand Complication - 2024
トゥールビヨン調速装置を備えるムーブメントにクロノグラフとミニット・リピーターを組み合わせた例は、一部の優れた懐中時計に見られるものの、腕時計では今なお稀です。ヴァシュロン・コンスタンタンは、270年にわたりメゾンを象徴する複雑機能を搭載した時計の伝統に則り、新たなタイムピースを製作する機会と捉えました。高級時計製造の最も象徴的な3つの複雑機構であるクロノグラフ、ミニット・リピーター、トゥールビヨンは、製作の難易度が極めて高く、ましてやそれらを組み合わせることは至難の技です。メゾンはこの課題に挑み、2022年には、稀有で独創的な組み合わせを単一のメカニズムで実現するキャリバー2757を、「レ・キャビノティエ」からユニークピースとして発表しました。
「レ・キャビノティエ・テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション・オープンフェイス」を手掛けた時計師は、等時性をさらに向上させるため球体ヒゲゼンマイを採用した新たなムーブメントを開発し、これにより、オープンワークのダイヤルからムーブメントの美しさと複雑性を堪能できる、唯一無二のタイムピースを完成させました
時計製造の卓越性
キャリバー2757 Sは696個の部品で構成され、特にクロノグラフ機能に関してはパフォーマンスを重視して設計されました。その複雑さにも関わらず、時計師はメゾンの哲学であるエレガンスに忠実に、厚さわずか10.4mm、直径33.3mmという精緻なムーブメントを完成させました。

自社製のキャリバー2757は、スプリットセコンド・クロノグラフのために追加したプレートにおいて、動作の効率性を高めるよう部品の配置を綿密に計算して設計しています。この最適化により実現したムーブメントの薄型化は、新素材の採用によってさらに完成度を高めています。輪列の一部の歯車は、チタンで製造されたり、ニッケル-リンで電鋳されています。また、秒針のブレを防ぐため歯車の噛み合わせを改良したヴァシュロン・コンスタンタン独自の歯形設計を採用しています。
研究を重ねた結果、クロノグラフ秒針には剛性を備え、極めて軽量なアルミニウムが使用されています。また、注油を必要としない超軽量素材のシリコンを、スプリットセコンドのレバーとアイソレーターに用いています。部品の軽量化と摩擦の低減により、香箱が放出するエネルギーの損失を抑え、クロノグラフ作動時でも約50時間というパワーリザーブを確保し、パワーリザーブ表示は裏蓋に配置しています。

ムーブメントは毎時1万8000回で振動し、1/5秒単位の精度の計時を可能にします。中央の2本の秒針が経過時間をダイヤル外周のミニッツトラック上に示し、2時位置には30分積算計が配されています。極めて高度な精度が求められる機能であることから、メゾンの時計師はクロノグラフ用とスプリットセコンド用として、2つのコラムホイールを備えた構造を選択しました。

クロノグラフの基本操作(スタート/ストップ/リセット)は、2時位置のモノプッシャーで、そしてスプリットセコンドの操作(ストップ/リセット)は4時位置のプッシュボタンで行います。後者を押すと、一方の針は動き続けたまま、スプリットセコンド針が中間タイムで停止します。もう一度ボタンを押すと、スプリットセコンド針が動いている針に瞬時に追いつき、2本の針が重なって動き続けます。
求心式調速ガバナーと球体ヒゲゼンマイ
キャリバー2757 Sのミニット・リピーターにも、ヴァシュロン・コンスタンタンの技術革新が活かされています。そのひとつが画期的なフライング・ストライク・ガバナー(調速機)です。この装置は、ガバナーの回転軸でブレーキの役割を果たすよう形作られた2つのウェイトを備え、リピーターのゼンマイが発するエネルギーの流れを平滑化します。ここでは、遠心力と求心力という相反する力を利用し、ガバナーが回転すると、遠心力によってウェイトの片端が外側に向かって回転するため、もう一方の端が回転軸にブレーキをかけます。これにより、回転と打鐘のリズムが一定に保たれます。

このガバナーのメカニズムは無音で動作し、打鐘のリズムと持続時間の両方を制御します。そのため機械的な「雑音」は一切生じず、澄みきった音色が際立ちます。この機構の特徴は、遠心力を利用してガバナーの回転軸上で「モーターブレーキ」として機能するよう、特別な形状に設計された2つのフライウェイトにあります。これにより、香箱が放出し、ガバナーによって制御されたエネルギーが均一に保たれます。

6時位置に配したトゥールビヨンには、球体ヒゲゼンマイが搭載されています。この形状によってゼンマイが同心を保ちながら拡張・収縮することにより、等時性が向上します。メゾンの象徴であるマルタ十字から着想を得た特徴的なトゥールビヨン・キャリッジは、手作業で面取りを施したブリッジに支えられ、1分間に1回転し、軸に取り付けられたスモールセコンドが秒を示します。

高度な技術を際立たせる高級時計製造ならではの仕上げ
新作「レ・キャビノティエ・テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション・オープンフェイス」の美学を象徴するのが、透明なサファイアクリスタルダイヤルです。厚さわずか0.5mmのサファイアクリスタルには、複雑な仕上げを組み合わせています。 ポリッシュ仕上げとフロスト仕上げを交互に施したカウンターを18Kゴールドのリングで囲み、さらにサファイアクリスタルディスクの裏側にはメタル加工を施しています。アワーマーカーにはグレーのNAC処理を施し、クロノグラフマーカーはエングレービングし、インクを塗布しています。30分積算針と2本のクロノグラフ秒針は、アルミニウムにPVDコーティングを施しています。オリーブグリーンの色合いが、45mmのピンクゴールド製ケースに合わせたグリーンのアリゲーターストラップと調和しています。

サファイアクリスタルのダイヤルとケースバックは、ムーブメントの部品に施した手仕上げの技を披露し、時を刻む芸術作品としての美しさを際立たせています。面取り、ポリッシュ仕上げ、サテン仕上げ、グレイン仕上げ、ペルラージュ仕上げ、エングレービング、ビーズブラスト仕上げなど、多彩な仕上げが反射と光の魅惑的な競演を生み出します。

ダイヤルを通して見えるスケルトン加工のブリッジは、側面に手作業でヘアライン仕上げと面取りを施し、表面には円形サテン仕上げを加えています。歯車のホゾ磨きとポリッシュ仕上げを施し、アームに面取りを施しています。特にチタン製の歯車では、専用の工具を用いた繊細な作業が求められます。動くパーツのメタリックな色合いと、ブリッジや地板に施したブラックのNACコーティングとのコントラストが際立ちます。

ムーブメントの裏側には、時計師が施した装飾を見ることができます。ブラックカラーのブリッジは、余分な箇所を削ぎ落した後に手作業で細かなサンドブラスト円型サテン仕上げ仕上げを施し、手作業で側面はヘアライン仕上げ、縁にはポリッシュ仕上げの面取りが施されています。また、受け石とネジのためのくぼみにも、手作業による面取りとミラーポリッシュ仕上げを施しています。ブラックのブリッジ、ポリッシュ仕上げの縁取り、そして動くパーツのゴールドトーンによるコントラストが、ムーブメント構造の美しさを一層高めています。ストライク機構のガバナーには、ジャン=マルク・ヴァシュロンに敬意を表して「JMV」のイニシャルを刻印しています。ガバナーを支える半円形のブリッジには、8時間もの緻密な作業を要するラウンドポリッシュ仕上げを施しています。

このムーブメントは細部へのこだわりから、部品の仕上げには組み立てやケースへの組み込みの2倍の時間が費やされました。18世紀の「キャビノティエ」と呼ばれる熟練職人たちがそうであったように、このタイムピースも、ひとりの時計師が部品の仕上げから、組み立て、調整、ムーブメントのケーシングに至るまで、すべての工程を手掛けました。これは、世代を越えて時計製造の技の継承に取り組むヴァシュロン・コンスタンタンの姿勢を雄弁に物語っています。

[インタビュー}
クリスチャン・セルモニ(スタイル&ヘリテージディレクター)
――ミニット・リピーター、クロノグラフ、トゥールビヨンという機能の組み合わせは、なぜこれほど珍しいのでしょうか?
『この複雑機構の組み合わせが腕時計として極めて稀であるのは、限られたスペース内に収める難しさと、高い精度を維持する設計の困難さにあります。複雑機能を搭載した時計の中には、ミニット・リピーターとパーペチュアルカレンダーの組み合わせを多く目にします。それらも、もちろん高度な技術を要します。しかし、クロノグラフはクラッチとコラムホイール機構を備え、また本作はスプリットセコンド機構を追加した構造を採用したため、小型化は困難を極めました。また、ムーブメントの厚さだけでなく、ゴングの響きにも課題が生じます。ケースの内部に部品が「詰め込まれて」いればいるほど、音質が損なわれるおそれが出てきます。さらに、トゥールビヨンのためのスペースも必要です。こうしたことから、これら複雑機構の組み合わせが腕時計よりも懐中時計の大きさに適していることがお分かりいただけるでしょう。本作で我々が強調したかったのは、まさにこの点です。2022年に発表された最初のバージョンでは隠れていたトゥールビヨンの優美な動きを含め、メカニズムの複雑さを余すことなく披露するために、新バージョンのキャリバー2757ではオープンワークのサファイアクリスタルダイヤルを採用しました。』

――この時計の性能面についても教えてください。
『このグランドコンプリケーションには、究極の精度が求められる機能であるスプリットセコンドを加えた、高度なクロノグラフが搭載されています。メゾンの時計師が特に注力したのもこの点であり、精度はジュネーブ・シール取得においても必要不可欠な要素でした。ジュネーブ・シールは原産地証明であるだけでなく、何よりも品質と精度の保証です。特に、7日間のテストの後の誤差が1分以内でなければ認められません。クロノグラフの信頼性と機能性についても、優れたパフォーマンスとエネルギー伝達の最適化を実現するため、素材に関する研究
を重ねました。』

――部品の仕上げに、ムーブメントの組み立てや調整の2倍の時間を要したのはなぜですか?
『機構の卓越性と同様に、外観の美しさも重要です。すべてのムーブメントの部品には、機械加工の後で手作業による調整と仕上げを施し、求める美しさを授けています。面取りやラウンドポリッシュ仕上げ(ベルサージュ)など、一部の工程は非常に時間がかかります。また、ブリッジへの手作業の仕上げは、例えばポリッシュ仕上げの縁とサンドブラスト仕上げの組み合わせは、正確さが求められ、職人は手の動きにわずかなミスも許されません。こうした細部へのこだわりによって、高級時計製造の基準を上回る仕上げが完成します。キャリバー2757の696個という部品数は、この機構の技術の複雑さのみならず、装飾的な仕上げでも膨大な労力が費やされていることを示しています。ヴァシュロン・コンスタンタンでは、時計製造の装飾に関しても決して妥協をすることはないのです。』

【技術データ】
レ・キャビノティエ・テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション・オープンフェイス
リファレンス」 9750C/000R-215C
ユニークピース

ムーブメント:キャリバー 2757 S(ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造/機械式手巻き)
・ムーブメントサイズ:直径 33.30mm/厚さ 10.40mm
・パワーリザーブ 約58時間
・2.5Hz(毎時1万8000回振動)
・部品数 696
・石数 61
・NAC仕上げ
・ジュネーブ・シール取得
・表示:オフセンターの時・分表示
・トゥールビヨン上にスモールセコンド
・クロノグラフ
・スプリットセコンド・クロノグラフ
・30分積算計
・ミニット・リピーター
・トゥールビヨン
・ケースバックにパワーリザーブ
・レ・キャビノティエ・テンポリス・デュオ・グランドコンプリケーション・オープンフェイス
ケース :18K(5N)ピンクゴールド
・ケースサイズ:直径 45mm/厚さ 16.40mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
・時計裏面に« Les Cabinotiers »、« Pièce unique »の文字と« AC »紋章の刻印
文字盤 サファイアクリスタル
・18K(5N)ピンクゴールド製の時分針、秒針
・グリーンカラーのクロノグラフ針、スプリットセコンド・クロノグラフ針
ストラップ:グリーンのミシシッピ アリゲーターレザー
・ハンドステッチ、サドルステッチ、ラージスクエア・スケール
・クラスプ 18K(5N)ピンクゴールド製フォールディングクラスプ
・ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字
付属ボックス
・「レ・キャビノティエ」モデル
【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)
[ヴァシュロン・コンスタンタン]
1755年、ヴァシュロン・コンスタンタンの飽くなき探求の旅はジュネーブで始まりました。創業以来、一度も途切れることなく受け継がれてきたこの探求心は、今日に至るまでメゾンの独自性を形づくる原点となっています。卓越した技術への探求は、複雑機構、計時精度、小型化、独創的な表示、精巧な仕上げ、そして常に革新的であり続けるという確固たる意志によって表現されています。芸術性への探求においては、エレガントなデザインや複雑な装飾の創造を育むだけでなく、芸術や文化、工芸品や職人への長期的な支援へとつながっています。
またこの探求心は、人とも結びついています。メゾンは絶えず学びを深め、改善の余地を探ると同時に、知識やノウハウの継承にも力を注いでいます。
「できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である」。1819年に、フランソワ・コンスタンタンが記したこの言葉が表す探求の精神こそが、270年間、メゾンの創造と革新の歴史を導いてきたのです。
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