ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ ミニットリピーター トゥールビヨン・スケルトン」~伝説的大作のスケルトン・ヴァージョンの誕生

 From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )



「レ・キャビノティエ ミニットリピーター トゥールビヨン・スケルトン」~機械的な複雑さをもつタイムピース

ヴァシュロン・コンスタンタンを象徴するムーブメントのひとつであるキャリバー2755。このムーブメントは、高級時計製造の頂点にある複雑機能を組み込むために設計され、トゥールビヨン・レギュレーターとミニット・リピーターを備えています。革新の精神に忠実に、1年という開発期間をかけ、今回、このムーブメントのスケルトンバージョンを発表します。

[ポイント]
トゥールビヨンとミニット・リピーターを搭載した伝説的キャリバー2755
TMR SQの美しさが際立つユニークピース
ムーブメントのスケルトン化に1年を費やして開発
部品を際立たせる高級時計製造ならではの仕上げ


「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン・スケルトン」は、スケルトン加工と仕上げの両方を際立たせるため、あえて装飾を削ぎ落とした外観に仕上げています。18Kゴールド製ケースは直径45mm、厚さ12mm。ベゼルとケースバックをわずかにくぼませ、細身のシルエットを強調しています。内部は、透明なサファイアダイヤルを通して、トゥールビヨンを眺めることができます。ダイヤルの外周には、シルバートーンのゴールド製リングが2つ配されています。フランジとなるリングには円形サテン仕上げが施され、それと同心円をなす細いリングにはコインエッジの模様が刻まれています。



サファイアの表面にインクを充填して作られたミニッツトラックは、深みのあるブルーの色合いが、トゥールビヨンの外周に秒を表示する円形サテン仕上げのリングと調和しています。そして、この構成を引き立てるように、11個の18Kゴールド製バトン型アワーマーカーが精緻にあしらわれています。


グランドコンプリケーションを誇示するムーブメント
2005年、ヴァシュロン・コンスタンタンは創業250周年を記念してキャリバー2750を開発しました。このムーブメントを搭載した「トゥール・ド・リル」は、16の複雑機能を備え、シリーズ生産される腕時計として当時世界で最も複雑なものとなりました。その後、メゾンは数年をかけて、このトゥールビヨン・キャリバーに高級時計製造の主要な複雑機構を組み込むための研究開発に取り組みました。その努力が結実したのが、2007年の「パトリモニー・トラディショナル・キャリバー2755」です。トゥールビヨン、ミニット・リピ ーター、パーペチュアルカレンダーを備えたこのムーブメントは、メゾンの当時のカタログの中で最も複雑なモデルでした。
2026年、ヴァシュロン・コンスタンタンはこの技術開発を礎に、トゥールビヨンとミニット・リピーターを備え、さらにスケルトン加工を施したキャリバー2755TMR SQを世に送り出します。



チャイム機構は、キャリバー2755のために開発した独自の求心式フライング・ガバナー(調速機)をベースとしています。この調節装置は、時・15分・分を告げる音が明確かつ調和のとれた響きとなるよう、音の持続時間を制御します。リピーター用の香箱のゼンマイがほどける速度の影響で、音がすぐ鳴り終えてしまうという問題を、これにより解決しました。また、伝統的なアンクルシステムが雑音や摩擦を起こしやすい課題を抱えていたのに対し、求心式ガバナーは完全な無音を実現しています。このガバナーは2つの慣性ブロックを備え、それがガバナーの回転軸にブレーキをかけることで、香箱が放出するエネルギーを平滑化します。さらに、調速装置にトゥールビヨンを備えることにより、2.5Hzで振動するムーブメントの精度が保たれています。




スケルトン加工:伝統技法から現代的な審美性へ
時計製造におけるスケルトン加工の歴史は、18世紀後半にまで遡ります。その頃から、地板と受けを繰り抜き、動く輪列を見せる手法が時計師の間で用いられ始めました。19世紀には冶金技術の進歩によってスケルトン加工技術も高度化し、精巧なエングレービングや緻密な仕上げが施されるようになりました。20世紀初頭、腕時計が世に広まる中でスケルトンは一時的に下火となったものの、1970年代に電子時計が台頭すると再び注目を浴びます。1990年代初頭、機械式時計が復権を果たす中、スケルトンウォッチは現代における時計製造の象徴の一つとしての地位を確立しました。

ヴァシュロン・コンスタンタンにおいて、スケルトンウォッチの伝統は1世紀以上におよびます。ロッククリスタルで作られた懐中時計、さまざまな形状を取り入れた1920年代のモデル、20世紀後半以降のレディスウォッチ、そして近年の複雑なタイムピースへと、その伝統は受け継がれてきました。手巻きキャリバー1003(厚さ1.64mm)や自動巻きキャリバー1120(厚さ2.45mm)などの超薄型ムーブメントのスケルトンモデルもそこに含まれています。
スケルトン加工では、受けや地板を中心にムーブメントの部品を繰り抜き、素材を削ぎ落とします。堅牢性と信頼性は損なわず、ムーブメントの深部を軽やかに披露し、機能的な構造を際立たせること。それは大いなる技術的挑戦であり、高い精度が求められます。



キャリバー2755 TMR SQのスケルトン化は、3Dモデルの制作から始まりました。調整を加えるべき要素を特定し、構造の剛性を損なわずにどこまで軽量化できるかを見極めるためです。3Dモデルとプロトタイプの制作だけで1年間が費やされました。ただ部品を繰り抜くだけではなく、遠近感と奥行きを生み出すために、時計師は部品を形づくり、再設計しています。
受けにはオープンワークを施し、地板は本来の体積から40%を削ぎ落としました。部品は建築的フォルム、曲線と鋭角、流れるようなラインを描き、ムーブメントの中へと視線を誘います。部品は構造であると同時にデザイン要素であり、ムーブメントの奥行きを覗き見させる視覚的な開口部を生み出しています。そして、メゾンの象徴であり、アワーホイールとリピーターの香箱の両方を形づくるマルタ十字も、スケルトン加工によって引き立てられています。



シースルー構造を際立たせる仕上げ
スケルトンキャリバー2755 TMR SQは、9つの精緻な仕上げによってその複雑さを際立たせています。仕上げの工程には、従来のムーブメントの4倍の時間が費やされました。その理由は、部品の小ささにあります。471個もの部品は、厚さわずか6.1mmに収まるよう設計されており、奥行き感を強調するため、各部品は異なる色調に仕上げられています。真鍮とステンレススティールの部品に加え、アンスラサイト仕上げを施した部品がコントラストに深みを加えています。

• ヘアライン仕上げ(エティラージュ):側面に施した仕上げ。研磨器具を用いて一方向に細い筋目を入れ、マットで均一な質感に仕上げています。ヘアライン仕上げをポリッシュ仕上げの面取りと組み合わせることでコントラストが生まれます。 .

• 表面仕上げ(ドレサージュ):天然樹脂から作られるシェラックを用いて、上面を滑らかにし、サテンのような光沢を帯びた完璧な平面に仕上げています。

• 面取り仕上げ:受けに施した仕上げ。表面と側面が交わる部分で、鋭利な角を落とし、面を作ります。続いて研磨を施し、明るい光沢を与えます。

• サンドブラスト仕上げ:受けに施した仕上げ。高圧で酸化アルミニウムを吹き付け、光を吸い込んだようなマットで繊細な質感に仕上げています。

• ラウンドオフ仕上げ:断面が半円形のトゥールビヨンの棒状の受けに施した仕上げ。接合部の内角も含めて精緻な研磨を施し、完璧な丸みと強い光沢を与えています。

• ミラーポリッシュ仕上げ:ハンマーに施した仕上げ。微粒子の研磨剤でコーティングした亜鉛板に、部品を丹念にこすりつけ、鮮烈で動的な反射を生み出します。

• ペルラージュ仕上げ:受けの下や、地板の奥まった部分に施した仕上げ。研磨材の付いた回転棒を手作業で押し当て、丸いモチーフを重ねて模様を生み出します。

• サークル仕上げ:歯車に施した仕上げ。部品を回転させながら研磨フィルムに押し当てることで、同心円状の細い線を付け、輝きを与えます。

• サンバースト仕上げ:丸穴車の中心に施した仕上げ。中心から外側に向かって放射状に研磨を施し、太陽の光を思わせるモアレ効果を生み出します。

仕上げを組み合わせることで生まれる光の戯れと視覚的なコントラストが、ムーブメントの複雑性とその構造の特性を際立たせます。



[インタビュー]
クリスチャン・セルモニ(スタイル&ヘリテージディレクター)

――時を経て、スケルトン加工はどのように変化してきたのでしょうか?
『2世紀以上前、時計師の間でスケルトン加工が用いられ始めた当初は、地板や受けなど、ムーブメントの中で特に重い部品を軽量化することがその狙いでした。工具が改良され、合金の強度と耐性が向上するにつれて、スケルトン加工の対象は徐々に広がり、香箱蓋やローター、のちには歯車、針、レバーまでもがスケルトン化されるようになりました。奥行き感を引き立てる鍵となるのが、ムーブメントの構造が持つ複雑さを優美に見せること、そして部品の多種多様さを強調する仕上げです。それは綱渡りのように緻密な作業で、単にダイヤルにオープンワーク
を施すのとは異なります。歴史的なスケルトン加工の例と比べると、古典的な渦巻装飾に代わり、現代ではより幾何学的なフォルムへとデザインが変化していることに気づくでしょう。そうした現代的な個性は、過去には知られていなかった表面加工によって引き立てられています。』



――ヴァシュロン・コンスタンタンのコレクションにおいて、 ミニット・リピーターは、どのような位置づけにあるのでしょうか?
『チャイム機構付き時計は、ヴァシュロン・コンスタンタンの豊かな歴史の一部を形づくってきました。記録によれば、メゾンは1806年に初のリピーター付き時計を、1827年にグラン・ソヌリとプチ・ソヌリ付きの時計を製作しました。アーカイブ資料を紐解くと、メゾンがこの分野で確固たる評判を着実に築き上げ、名だたる顧客から注文を相次いで受けていたことが分かります。
腕時計が世に登場すると、ヴァシュロン・コンスタンタンのスケルトン加工は、常にエレガンスに焦点を当てながらこの伝統を守ってきました。それはすなわち、スリムなケースと超薄型ムーブメントを意味します。特筆すべきは、1940年代初期に製作されたリファレンス4261です。搭載されたミニット・リピーターキャリバーは、厚さわずか3.28mmでした。この技術的偉業と肩を並べるようにして、約50年後に誕生した同じ厚さのキャリバー1755は、早くもスケルトン化を実現していました。2007年、トゥールビヨンとミニット・リピーターを備え、新しい求心式ガバナー(調速機)を採用したキャリバー2755が初めて登場します。続く2013年のキャリバー1731は、わずか3.90mmという薄さで、ミニット・リピーターの領域に新たな薄さの記録を打ち立てました。前モデルよりわずかに厚みが増しているのは、パワーリザーブを65時間へと延ばしたためです。』




【技術データ】
レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン・スケルトン
リファレンス:6580C/000R-343C
ユニークピース:時計裏面に《Pièce unique》、《Les Cabinotiers》の文字と《AC》 紋章の刻印

ムーブメント:キャリバー2755 TMR SQ(手巻き)
・ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造、ジュネーブ・シール取得
・ムーブメントサイズ:直径 33.90mm(14 ¾リーニュ)/厚 6.30mm
・パワーリザーブ:約58時間
・2.5Hz(毎時1万8000回振動)
・部品数: 473
・石数: 44
・表示:時、分、トゥールビヨン・キャリッジ上にスモールセコンド、パワーリザーブ表示
・トゥールビヨン
・ミニット・リピーター(時・15分・分、任意で作動)
ケース:18K(4N)ピンクゴールド製
・ケースサイズ:直径 45mm/厚さ 12mm
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
文字盤:サファイアクリスタル、ブルーのミニッツトラック
・シルバー仕上げの18Kゴールド製外周リング2つ:コインエッジ
・模様を刻んだリング、円形サテン仕上げを施したリング
・ブルーの円形サテン仕上げを施した18K(4N)ピンクゴールド製セコンドトラックリング
・18K(4N)ピンクゴールド製バトン型アワーマーカー 11個
ストラップ:テクスチャード効果を施したブルーのテクニカルカーフスキン
・レザーストラップ
・クラスプ:18K(4N)ピンクゴールド製フォールディングクラスプ、ポリッシュ仕上げ、半マルタ十字
ボックス&アクセサリー:「レ・キャビノティエ」モデル




【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)



ヴァシュロン·コンスタンタンの今年のテーマ
“EXPLORE ALL WAYS POSSIBLE”~あらゆる可能性を探求して
「できる限り最善を尽くす、そう試みることは少なくとも可能である」
フランソワ・コンスタンタンが1819年に記したこの言葉は、メゾンのモットーとなり、その先にどのような景色が待ち受けていようとも、絶えず卓越性と創造性の限界を押し広げる原動力となっています。
機械式時計の限界を超え、文化と芸術に新たな地平を切り拓き、伝統と遺産を解き明かすこと。それは、あらゆる可能性を探求する冒険へとメゾンを突き動かし、より遠くを見据え、異なる発想、創造的エネルギーをもたらしています。
世界に対して開かれた姿勢を通して、メゾンは自らの意義を見いだしました。それは計時を、技術的、歴史的、文化的な側面を含む広範な研究開発分野として捉えることです。
「Explore All Ways Possible - あらゆる可能性を探求して」:中国人アーティストでイラストレーターのシャン・ジアンとのコラボレーションが、探求を驚きと革新、知識の源とする驚きと詩情にあふれた旅へと誘います。
世界的に高い評価を得ているイラストレーターのシャン・ジアンは、故郷である上海から得たインスピレーションを作品に注ぎ込んでいます。彼が手掛ける作品は、超高層ビルと平屋住宅、古くからの習わしや伝統、そして現代的な概念や思想、さらには活気に満ちたサブカルチャーが融合されています。その芸術的インスピレーションの源は、中国の伝統技法である工筆画から、浮世絵、バウハウス、デューラー、ジャン・ジロー、エドゥアルド・パオロッツィまで、時代や国境を越えて多岐にわたります。細部への徹底したこだわりと無限の想像力に裏打ちされた彼の芸術的アプローチは、探求を通じて、卓越性と革新を追求し続けるメゾンの価値観と深く共鳴しています。


[ヴァシュロン・コンスタンタン]
1755年に設立されたヴァシュロン・コンスタンタンは、270年以上にわたり継続して生産を行っている世界最古の時計マニュファクチュールであり、何世代にもわたる熟練の職人を通じて、時計製造の卓越性と洗練された様式の誇りある伝統を忠実に受け継いでいます。
メゾンが製造する時計は、控えめで気品豊かなスタイルに高級時計の素晴らしい価値が体現され、その一つ一つに、最高峰の職人技と極めて高度な仕上げを施し、ヴァシュロン・コンスタンタンならではの技法や美意識が表現されています。
ヴァシュロン・コンスタンタンは、コレクションを通じて、比類ない伝統と革新の精神を実現しています。「メティエ・ダール」、「パトリモニー」、」「トラディショナル」、「オーヴァーシーズ」、「フィフティーシックス」、「ヒストリーク」、「エジェリー」はメゾンを代表するコレクションです。また、「レ・コレクショナー」のヴィンテージウォッチや、「レ・キャビノティエ」部門を通じてユニークピースを提案する貴重な機会を時計愛好家に提供しています。
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