MB&Fより、レガシーマシーン No2 ホワイトゴールド パープルが12本のみの限定エディションで発売

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )



Legacy Machine
No2 White Gold Purpleレガシーマシーン No2 ホワイトゴールド パープル
12本のみの限定エディション




人間の目で見ることができる光、すなわち可視光線のスペクトルは赤から紫までの範囲にあり、赤外線と紫外線はそれぞれ、この可視スペクトルの両端、赤と紫のすぐ外側にある。パープルカラー(紫)を見た時、実際に目がとらえているのは、人間の目で認識可能な最も高い周波数の光なのだ。

 

一方Legacy Machine No.2(LM2:レガシーマシーン No.2)は、時計製作の領域で最高の水準を誇る作品だ。
2013年に発表されたこのマシーンは、当時の市場において、機械式時計の伝統を最先端の感覚で表現したタイムピースのひとつだった。今日もなおLM2は、革新的な時計製作が目指すべき到達点とみなされている。そうした位置づけを体現するのが、見る人の目を引く立体感が演出されたパープルの文字盤の新作モデルだ。

 

新しいLM2では、初登場時のモデルのひとつに使用されていたホワイトゴールドを素材として復活させ、控えめながらも高貴なケースには、うっとりするような魅力を放つエンジン(ムーブメント)を搭載。
LM2 White Gold Purple(LM2 ホワイトゴールド パープル)は、リデザインされたLM2 Titanium(LM2 チタニウム)におけるしなやかなラインのテンプ受けを受け継ぐとともに、オリジナルのLM2の独創的でインダストリアルなスタイルに、よりエレガントな感性を加えてデザインされている。サンレイ模様の文字盤面は、化学蒸着法(CVD)によって均一にコーティングを施すことで、パープルカラーに仕上げられている。これにより、文字盤に様々な角度で光が当たると、濃いバイオレットから電気的な発光現象を思わせるプラズマパープルまで、多彩な色味が浮かび上がるのだ。

Legacy Machine(レガシーマシーン)は、史上最高の時計師たちが生み出した傑作をリメイクした珠玉の一品だ。
Legacy Machine No. 2(LM2)でまず目に入るのは、優雅な弧を描く4本のアームで文字盤から高く浮き上がった2つのフライングテンプ。空想の世界からやって来たようなそのデザインが醸し出すコンテンポラリーな個性は、はじめはエキセントリックに感じられるかもしれない。だがLM2は、250年以上の歴史の結晶とも呼べる時計であり、史上最高と呼ばれる3人の時計師、アブラアム=ルイ・ブレゲ(1747~1823年)、フェルディナン・ベルトゥー(1727~1807年)、アンティド・ジャンヴィエ(1751~1835年)のセンスを強く受け継いでいる。

18世紀に活躍した時計史の偉大な巨人たちは、天才的な発明でその名を馳せただけではなく、置き時計や腕時計に2個のテンプを採用したという点でも共通している。

空中で振動するLM2のダブルテンプは、時計史でも屈指のメカニズムと呼ばれるデュアルレギュレーターへのオマージュとして誕生した。さらに異色なのは、Legacy Machine No. 2のデュアルレギュレーターの平均速度はディファレンシャルギアで単一の歯車列に伝達するメカニズムを採用していることだ。一般的なメカニズムでは2つの独立したムーブメントが使われている。

ドーム型のサファイアクリスタルに守られた文字盤は、対称の美そのものであり、優美に仕上げられたムーブメントのトッププレートの役割も果たしている。上下に視線を走らせれば、まず12時の位置に、短針と長針がブルーゴールドに光るストレッチトラッカーをかけた白い副文字盤があり、さらに、6時の位置の一段高くなった大きなディファレンシャルギアとの調和に目を奪われる。そして左右には、2枚のフライングテンプとそのエスケープメントが、ヒゲゼンマイを固定するスタッドホルダーの位置に至るまで、完全な鏡像になるよう配されている。

 

見る者の視線を集めて離さないのは、空中で振動するデュアルレギュレーターのテン輪だが、Legacy Machine No. 2の真の心臓部は、文字盤に燦然と輝く大きな遊星ディファレンシャルギアにある。いくつものレギュレーターをディファレンシャルギアでまとめ上げた時計はごく少ない。マイクロエンジニアリングの粋を集めた、複雑で高精度のこのようなメカニズムは、製作が極めて難しいためだ。このディファレンシャルギアには、3つの役割がある。まず、動力をそれぞれのレギュレーターに伝達すること。次に、各テンプからそれぞれ計時量の入力を受けること。そして、レギュレーター2つの平均速度を、最終的に時刻を表示する歯車列に伝達することだ。


Legacy Machine No. 2のムーブメントは、受賞歴を持つ時計師ジャン=フランソワ・モジョン(2010年度「ジュネーブ時計グランプリ」で最優秀時計師賞を受賞)とクロノード社の職人たちが、MB&Fの仕様に従って開発した。そして、19世紀の伝統的な高級時計に匹敵するムーブメントの美しさや、最高の手仕上げは、有名な独立時計師カリ・ヴティライネンによるものだ。

 

完璧なコート・ド・ジュネーブ仕上げ、ゴールドシャトン、機械では仕上げられない緻密な傾斜加工を施した内部の縁をはじめとする、鏡面仕上げの傾斜部やブリッジ。ムーブメントの仕上げはまさに極上だ。そしてクリエーターを尊重するMB&Fの精神に則り、裏側には、ムーブメントの製作に携わった2人の名前が手彫りされている。

世界最高の時計師3人が、2つのテンプをムーブメントに組み込んだ時代から2世紀半。MB&Fはその偉業を讃えて、ムーブメントからテンプ2つが浮き上がった時計、LM2を製作した。

Legacy Machine No.2については2013年に、18Kレッドゴールド製モデル、18Kホワイトゴールド製モデル、およびプラチナ950製の限定エディション(18本)が発表されている。そして2017年、新デザインによるチタン製の限定エディション18本が登場した。

シリーズ最新モデルのLegacy Machine No.2 White Gold Purpleは12本のみの限定エディション。

 

 【Legacy Machine No. 2の詳細】

デュアルレギュレーター腕時計の歴史
コンピューター支援設計(CAD)プログラムや超高精度を誇るコンピューター数値制御(CNC)機器が普及した今日でも、高級機械式腕時計の高度に複雑なムーブメントが、どのような向きでも正確に動き続けるようにするには、熟練した組み立てと調整を行う技術が欠かせない。腕時計を平ら、側面を立てた垂直、リューズを上、リューズを下にしたときなど、それぞれの向きが内部部品に、そして何よりもテンプに影響を与え、計時速度にわずかなずれが生じる。

18世紀には、製作時のばらつきが大きく油も低品質だったため、今日では当然とされる高い精度までムーブメントを調整するのは事実上不可能であった。そこで当時の偉大な時計工たちが、計時の性能を改善すべく、実にさまざまなメカニズムを試したことは想像に難くない。

フェルディナン・ベルトゥー
(1727~1807年)が2つのレギュレーターを機械的に平均化した一方、アブラアム=ルイ・ブレゲ(1747~1823年)とアンティド・ジャンヴィエ(1751~1835年)の2人は共に、2つのテンプの速度の平均化に共振現象を用いるデュアルレギュレーターの時計を作り上げた。そして、デュアルレギュレーター腕時計のほとんど、特に共振を使って2つの機構を対にするタイプは、2つのレギュレーターに留まらず、ムーブメント全体を2対用いていた。

こうした時計史上の天才たちですら、デュアルレギュレーターの置き時計や腕時計をごく少数しか作らなかったという事実から推すと、その苦労から得られる価値が疑わしいと自分たちでも考えていたのだろう。
それからほぼ100年が経った1930年代になると、ヴァレー・ド・ジュウ時計学校の優れた学生の数人が、テンプ2つの速度を遊星ディファレンシャルギアで平均化した、デュアルレギュレーターの懐中時計を製作する。学生たちは通常、自分用と学校用の2個を製作しており、そうした時計は10個現存するとされる。

ヴァレー・ド・ジュウを拠点とする独立時計師のフィリップ・デュフォーは、そのような懐中時計の1つに出会い、そのときの感銘がDuality(デュアリティ)の製作につながったという。1996年に発表されたDualityは、2つのテンプにディファレンシャルギアを組み合わせた、初の腕時計と言われている。
遊星ディファレンシャルギアによる利点は、2つのテンプが固有の速度で刻み、その2つの完全に独立した振動数の平均をディファレンシャルギアが供給する点にある。一方のテンプがもう片方の速度を増減して平均速度を達成する他のメカニズムでは、機構全体で若干の負荷が発生する。 

文字盤面
Legacy Machine No. 2 は、見かけ上、伝統的な丸形腕時計のように見えるが、その三次元構造はさまざまな面で見る者を魅了する。一見、主文字盤のように見えるものは、実はムーブメントのトッププレートだ。精巧にカットし、メッキを施した後、ディファレンシャルギアの下に「Legacy Machine」と手彫りしている。
文字盤には時分の副文字盤が少し浮いて配されており、周囲を囲む緻密なゴールドが、ストレッチトラッカーによる文字盤の純白を引き立たせている。このストレッチトラッカーとは、ラッカーを幾重にも塗って加熱し、文字盤の表面全体にしっかりと広がる(ストレッチ)ようにする処理のことだ。そうして生まれた白が、明るくブルー加工を施した18金の針と見事なコントラストを描く。この針は、副文字盤の微妙な凸面に沿うよう、わずかにカーブしている。そして、文字盤の純粋な美しさと伝統的なローマ数字を引き立てるべく、底面の洗練された固定部分には目障りなねじを一切使っていない。
表面には遊星ディファレンシャルギアも誇らしげに輝いており、3石の大きな宝石がはめられた、二重弧の美しい鏡面仕上げブリッジによって支えられている。複雑なディファレンシャルギアはデュアルレギュレーター機構の中心的な存在であり、ムーブメントからわずかに浮かせることによってメカニズムがよりよく見えるようになっている。

 

副文字盤とディファレンシャルギアの上に浮いているのが、振動するカスタムメイドのテンプ2つだ。2つのテンプにはブレゲオーバーコイルが使われており、完全に機能する4つのタイミングスクリューで取り付けられている。また、鏡像になるように配されているため、異なる力には異なる反応を示す。さらに、テン輪間の距離は、調整時に悪影響を与える共振を起こさないよう、極めて入念に計算されている。フライングテンプをつり下げる優雅で華麗なアームは、それ自体が彫刻のような美を湛えている。


精密仕上げと史実に対する忠実性
Legacy Machine No. 2 のムーブメントの型や仕上げにおいて、歴史的な正確性を実現する責任を担ったのは、熟練した独立時計師カリ・ヴティライネンだ。
ムーブメントプレート(文字盤面)上部に刻まれた繊細なサンレイ模様は、ある角度でわずかに視線を捉えるが、純白の副文字盤やフライングテンプ、浮き上がったディファレンシャルギアから気を逸らさせることはない。だがヴティライネンは、ムーブメントの背面から見えるブリッジとプレートのスタイルや仕上げで、歴史的な忠実さを見事に再現した。エレガントにカーブしたブリッジのフォルム、そしてブリッジ間やブリッジとケース間に空けられた伝統的な広い空間がそれだ。

ムーブメントの背面では、つややかに磨き上げられたビス留めゴールドシャトンに輝く大粒のルビーが、官能的なカーブを描いたブリッジとクロスするコート・ド・ジュネーブ仕上げと、絶妙なコントラストをなして目を引きつける。このルビーのベアリングは、アンティークの高級懐中時計のムーブメントで見られる大粒の宝石をルーツとしているが、実用性も兼ね備えており、大ぶりのカナを支えつつより多くの潤滑油を保持する役割を果たしている。

 

インスピレーションと実現
18世紀と19世紀の懐中時計に対してマクシミリアン・ブッサーが抱く愛情は、今に始まったことではない。現代の時計の複雑な機構は、事実上すべてがその時代に考案されただけではなく、洗練されたコンピュータープログラムを使わずに紙とペンだけで開発され、今日の標準から考えると非常に未発達の電気を使わない機械を用いて、極めて高精度の部品が製作された上に、今日ですら達成するのが困難な、驚くほど高いレベルの仕上げや組み立て、調整が行われてきた。
そして、現在の腕時計に比べるとサイズが大ぶりなため、ムーブメントは美しいフォルムのブリッジやプレートが整然と並んだ構造だ。

MB&Fの未来的なHorological Machine(オロロジカルマシーン)は、伝統的な時計学の粋を集めた結晶だが、ブッサーはその豊かな伝統にオマージュを捧げたいと考えていた。もし彼が1967年ではなく、その100年前の1867年にこの世に生を受けて入れば、彼自身が製作していたかもしれない時計に思いを馳せながら。LM2の特徴である、2つのフライングテンプ、浮き上がった遊星ディファレンシャルギア、歴史あるデザインのブリッジ、そして伝統的な精密仕上げは、才気と情熱にあふれた昔のデュアルレギュレーター腕時計に対するオマージュである。


【Legacy Machine No. 2 White Gold Purple技術仕様】

明るいパープルの文字盤を備えた18Kホワイトゴールド製Legacy Machine No.2 White Gold Purpleは、12本の限定エディション。

機構:
・三次元オロロジカルムーブメント(クロノードのジャン=フランソワ・モジョンと カリ・ヴティライネンがMB&F専用に開発)
・手動巻き上げ、単一の主ゼンマイ香箱
・作動時間:45時間
・ディファレンシャルギア:遊星ディファレンシャルギア(ギア3個とカナ5個)

テン輪
ムーブメントと文字盤から浮き上がった、カスタムメイドの11mmテン輪2個(伝統的な調整ねじ4個付き)

ヒゲゼンマイ
伝統的なブレゲヒゲ(スタッドホルダーで固定)

テンプ振動数:毎時18,000振動/2.5Hz

部品数:241個

宝石数:44石

全体に19世紀のスタイルを踏襲した最高の手仕上げ、面取り加工を施した内部の縁(手作業で研磨)、研磨した面取り部、コート・ド・ジュネーブ仕上げ、ゴールドシャトン(研磨した皿穴付き)、手彫り文字

 

機能:時と分、遊星ディファレンシャルギアが、2つのレギュレーターの平均速度を単一の歯車列に伝達

ケース:18Kホワイトゴールド製(先行モデルは18Kレッドゴールドまたはホワイトゴールド製モデル、プラチナ製、チタン製)

寸法:44mm x 20mm (チタン製モデルは19mm)

防水性能:30 m / 90' / 3 atm 

サファイアクリスタル:表面は高いドーム型のサファイアクリスタル、裏面はサファイアクリスタル、両面とも反射防止コーティング済み

ストラップとバックル:ケースと調和したフォールディングバックルを備えた手縫いのアリゲーターストラップ

 Retail price of the LM2 White Gold Purple: CHF 148,000 VAT (USD 159,000 VAT)

 

Legacy Machine No2 White Gold Purpleを創ったフレンズ

・コンセプト:マクシミリアン・ブッサー/MB&F
・デザイン:エリック・ジルー/スルー・ザ・ルッキング・グラス
・技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ/MB&F・
・ムーブメント開発:ジャン=フランソワ・モジョン/クロノード
・ムーブメントデザインと仕上げ仕様:カリ・ヴティライネン
・研究開発:ギヨーム・テヴナン、ルーベン・マルティネス、シモーヌ・ブレット/MB&F
・歯車:ジャン=フランソワ・モジョン/クロノード
・テン輪ブリッジ:バンジャマン・シニュード/AMECAP
・テン輪:プレシジオン・エンジニアリング
・ゼンマイ・歯車:アラン・ペレ/エレフィル・スイス
・プレートとブリッジ:ジャン=フランソワ・モジョン/クロノード
・ムーブメント彫金:エディ・ジャケ、グリプト
・ムーブメント部品手仕上げ:ジャック・アドリアン・ロシャ、ドニ・ガルシア/C-Lロシャ
・ムーブメント組み立て:ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェジー、アン・ギテ、エマニュエル・メートル、アンリ・ポルトブフ/MB&F
・品質検査:シリル・ファレ/MB&F
・社内加工:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト/MB&F
・アフター・サービス:トマ・インベルティ/MB&F
・ケース・バックル:ドミニク・メニエ/G&F シャトラン
・文字盤:ハサン・シャイバ、ヴィルジニー・デュヴァル/アトリエ エルメス オルロジェ
・針:ピエール・シリエ、イザベル・シリエ/フィドリー
・サファイアクリスタル:マルティン・シュテットラー/シュテットラー
・ストラップ:カミーユ・フォルネ
・化粧箱: ATSアトリエリュックス
・ロジスティックスおよび製造:ダヴィド・ラミー、イザベル・オルテガ、ラファエル・ブュイジーヌ/MB&F

・マーケティング・広報:シャリス・ヤディギャログル、ヴィルジニー・メイラン、ジュリエット・デュル/MB&F
・M.A.D. Gallery:エルヴェ・エスティエンヌ/MB&F
・セールス:リザ・ナルズ、ステファニー・レア、ジャン=マルク・ボリー、ティボー・ヴェルドンクト/MB&F
・グラフィックデザイン:ティボー・バラロン/MB&F、アドリアン・シュルツ、ジル・ボンダラス/Z Z
・時計写真:マーテン・ファン・デル・エンデ
・人物写真:レジス・ゴレ/フェデラル
・ウェブマスター:ステファン・バレ/ノール・マニエティック、ヴィクトル・ロドリゲス、マチアス・ムンツ/ニメオ
・フィルム:マルク・アンドレ・デシュー/MAD LUX
・テキスト:イアン・スケラーン/クイル&パッド、スザンヌ・ウォン/レボリューション


 

MB&Fコンセプトラボの誕生

2015年、MB&Fは10周年を迎えた。
史上初のオロジカル・コンセプトラボが経験した豊かな10年。MB&Fを一躍有名にした、かの有名なオロロジカル・マシンとレガシー・マシンを構成する11個のキャリバーが象徴する、極限の創造性の10年と言える。

15年間高級時計ブランドのマネージメントに徹したマキシミリアン・ブッサーは、2005年にハリー・ウィンストンのマネージングディレクターを辞任し、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を設立。MB&Fは、ブッサー氏が尊敬しコラボレーションを共に楽しむ才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプトの腕時計デザインと小規模の製作を行う、アートとマイクロエンジニアリングのラボである。

2007年、MB&Fは初のオロロジカル・マシンHM1を発表。HM1の彫刻のような3次元ケースと美を追求して仕上げられたエンジン(ムーブメント)は、奇抜とも言えるその後の同社オロロジカル・マシンの基準となった。HM2、HM3、HM4、HM5、HM6、HM7、HM8、HM9そしてHMX。すべては時刻を告げるためだけのマシンではなく、自らが時を知るマシンなのだ。

2011年にはMB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン・コレクションを世に送り出した。MB&Fの視点から言えばよりクラシカルなこのラインアップは、現代的な芸術作品に仕上げる上で、過去の偉大なオロロジカル革新者が生み出した複雑エンジンを新たに解釈し直し、19世紀の優れた時計製造技術を讃えている。LM1とLM2に続いて発表されたLM101は、完全自社開発したムーブメントを搭載している初のMB&Fマシンとなった。2015年は完全一体型のパーペチュアルカレンダーが特徴の「レガシー・マシーン・パーペチュアル」を発表。MB&Fは、現代的かつ非常に斬新なオロロジカル・マシンと、時計製造の歴史をインスピレーションの源とするレガシー・マシンを交互に発表している。

MB&Fは、オロロジカル・マシンとレガシー・マシンの他にも、オルゴール製造を専門とする「リュージュ」とのコラボレーションによる宇宙時代を象徴したオルゴール(Music Machines 1、2、3)や、「レペ1839」とのコラボレーションによる宇宙ステーションをイメージしたフォルムの独特な置時計(Starfleet Machine)、クモをモチーフにした時計 (Arachnophobia)、さらに4つのロボットクロック(Melchior、ShermanとBalthazar、Grant)、そして機械式ウェザーステーションThe Fifth Elementなどを製作している。2016年にはMB&Fと「カランダッシュ」が共同で、アストログラフ(Astrograph)と名付けられた機械式のロケット型万年筆を制作した。

またMB&Fの軌跡における、その革新的な本質を証明する受賞機会もあった。すべてを網羅することはできないが、名高い「ジュネーブ時計グランプリ」においては4つものグランプリを獲得している。2016年には「レガシー・マシーン・パーペチュアル」が「ベストカレンダーウォッチ賞」を受賞。2012年にはレガシー・マシーンNo.1が「パブリック賞(オロロジーファンによる投票)」と「最優秀メンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」を受賞した。また2010年には、MB&F のHM4サンダーボルトが「最優秀コンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。さらに2015年には、HM6スペースパイレートが、国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最高位の「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞している。

 

【MB&F】
Rue Verdaine 11
1204 Geneva, Switzerland
Tel: 41 22 508 10 33
www.mbandf.com