チャペック「PLACE VENDÔME COMPLICITÉ (プラス・ヴァンドーム コンプリシテ)」~ Two friends, two hearts, one watch 二人の友人、二つの心、そして一つの時計

 From : Czapek (チャペック)





チャペックは、1930年に最初に開発された、腕時計では非常に珍しいダブル・エスケープメントをユニークに再解釈したプラス・ヴァンドーム コンプリシテを発表します。2つの独立した脱進機がそれぞれのペースで鼓動し、歩度の変動は12時位置の差動装置によってバランスが保たれます。すべての機構はダイヤル側に美しくレイアウトされています。



いつものように、プラス・ヴァンドーム コンプリシテの開発は技術的、芸術的な物語であると同時に、人間的な物語でもありました。
基本的な価値観として、チャペックはエタブリサージュの概念を擁護しています。エタブリサージュとは、かつて時計製造業界全体を定義していた専門工房のエコシステムです。これにより、各時計製造技術において最も才能のある独立した専門家を選び、指揮者がオーケストラの音楽家を団結させるように、彼らを集結させて優れた時計を製造することが可能になります。チャペックにとって、サプライヤーは創造性のパートナーであり、これがプラス・ヴァンドーム コンプリシテの実現の決定的な要因になりました。


In Pursuit of Beauty
美を追求して
この時計のアイデアは、チャペックの有名なファーストモデル、ケ・デ・ベルクとプラス・ヴァンドームの進化系として2018年に生まれました。これらのムーブメントの構造は、ダイヤルの7時30分と4時30分の位置にサブダイヤルを備えた独特のチャペック・フェイスを生み出します。



ダブル・エスケープメントのコンセプトの技術的側面は、チャペックのCEOであるザビエル・デ・ロックモーレルと、メゾンを取り囲むコレクター、投資家、愛好家を構成とする「レアな人々」にとって魅力的でした。しかし、チャペックの指針として重要な原則は、メカニズムの美しさがアビヤージュ(外装部、ダイヤル、針、ケース)の美しさと同様に重要であるということです。そのためすべてのチャペックのムーブメントのアーキテクチャは、技術的要素と美的要素を結びつけるよう設計されており、両方を均等に機能させ、強化するように設計されています。



コンプリシテの出発点は、オリジナルのプラス・ヴァンドームのダイヤル・レイアウトを尊重することでした。2つの特徴的なサブダイヤルがピラミッドの底部を形成し、その頂点には第3のサブダイヤルが配置されています。その後、初期のスケッチが作成されました。エスケープメントが7時30分と4時30分位置に配置され、それらを接続するディファレンシャル・ギアが12時位置にあり、両方のエスケープメントの輪列が中心を取り囲む形になっています。

「このアイデアの真の美しさは、12時位置のディファレンシャル・ギアを中心要素として、ダブル・エスケープメントを表現する方法にあります。」とザビエル・デ・ロックモーレルは説明します。「そして、メカニズムをダイヤル側にもってきてすべてをオープンワークにすることで、美しい動きのある彫刻のような作品になるのです。」

しかし、このようなムーブメントを構築するということは言うは易し行うは難しでした。美的要素と技術的要素を調和させることができる製造パートナーを探し求めるも、結果的にアイデアは一時保留されました。そしてある日、家族と友情の物語がそれを蘇らせました。ザビエルの子供の一人であるポールは、独立時計職人ベルンハルト・レデラーの娘とヌーシャテルの学校で同じクラスに属しており、共通の友人が2人の父親を紹介しました。彼らの出会いは友情、アイデアの相互交換、アドバイスや支援につながり、最終的には問題が解決し、新しいダブル・エスケープメントの構造が可能となり、新しい時計が誕生しました。



新しいタイムピースの名前、プラス・ヴァンドーム コンプリシテは、このコラボレーションを示すものであり、また協力して動作する2つの独立したエスケープメントの一体感を意味しています。


Aesthetics and Sophisticated Mechanics: an Unbreakable Bond
美学と洗練されたメカニック : 不断の絆
ダブル・エスケープメント レギュレーターの原則は、2つの独立したバランスホィールが個別に振動し、ディファレンシャル・ギアを介してひとつの香箱からのパワーが供給される動力によって、重力や日常生活における様々な要因によって引き起こされる可能性のある歩度の変動が打ち消され、より高い時間の正確性が確保されるというものです。

ダブル・エスケープメントがその核となるチャペックの新しい自社製ムーブメントSHX8は手巻き式で約72時間のパワーリザーブを備えています。巻き上げ残量はテン輪の間の6時位置のダイヤル上に表示されます。2つのサファイア・ブリッジによりダイヤル側の輪列全体を明らかにし、それらはボックススタイルのサファイア・クリスタル・ガラスで保護されています。



特徴的なトライアングル・ブリッジによって支えられたテン輪により、この美学は現代性と伝統を融合させ、さまざまなパーツの異なる金属の色彩で遊びながら、ムーブメントの内部構造に深く視線を引き込みます。当然のことながら、高級時計製造の手法による仕上げが満ち溢れており、伝統的な手作業による仕上げに加え、より現代的な装飾手法も採り入れられています。これはダイヤル側だけではなく、ムーブメント側にも18ヶ所のインワード・アングルが施されています。

クラウン・ホイール・メカニズムは、ベルンハルト・レデラーの隠れたシグネチャーであり、コンプリシテの開発に対する彼の貢献へのさりげない敬意として、ムーブメントのデザインに組み込まれています。

ムーブメントの背景として、2つのダイヤルカラーが用意されています。ホワイトゴールドのケースとさりげない調和を生み出すクールなグレーの色調と、チャペックのより冒険的なスピリットを体現するローズゴールドのケースに深いサファイアブルーという大胆な組み合わせです。フランジとインデックスリングのサテン仕上げは、ベースプレイトのマットなグレイン仕上げとのコントラストを生み出しています。

現代的なスタイルを加えるために、針は剣のような形状で、メカニズムの視界を妨げないようにオープンワークになっており、その形状は、アプライドのインデックスとシンクロしています。



すべての針とインデックスはケース素材に合わせたゴールドプレイトが施され、暗い環境でも視認性を高める蓄光コーティングがなされています。真のチャペック・スタイルという観点から言うと、ほとんど隠されたディテールにも美的効果のための仕上げがなされています。例えば、ムーブメントの奥深くを見ると、針が取り付けられているポストがオープンワークになっており、小さな「アルカード・デ・ウール(時間のアーケード)」が作られているのがわかります。

ケ・デ・ベルクとプラス・ヴァンドームのケースからインスピレーションを得たこのケースは比較的コンパクトで非常に着用しやすい41.8mmです。チャペックのシグネチャーであるケース表現の要素が凝集されており、より鮮明なラインが現代的なセンスを加えています。ケースサイドの流れるような曲線とラグ側面のくぼみの鮮明な角度が生み出すダイナミックな緊張感が目を惹きます。そしてブラッシュとポリッシュ仕上げの組み合わせによって、光と影の遊びが増幅されています。アンサンブルを完成させるのは、各ダイヤルの色と一致するアリゲーター・ストラップで、ゴールドのフォールディング・バックルが付属します。



「チャペックのヴィジョンは、モダンな高級時計製造の進化の最前線に立ち、時計製造の伝統を未来に投影することです。」とザビエル・デ・ロックモーレルは言います。「過去とのつながりは基本的な要素ですが、それを新しい方法で表現します。プラス・ヴァンドーム コンプリシテは、精度、創造性、美学、オープンさ、コラボレーションという哲学を示した最新の例です。」

この2モデルは、それぞれ50本の限定版です。

OnlyWatch2023のために、チャペックはスティール製ケースのプラス・ヴァンドーム コンプリシテのユニークピースを製作しました。ダイヤルは、レマン湖の水面のさざ波のパターンを、チャリティのオフィシャルカラーで表現したシャンルベ技巧によるエナメルのリングで囲まれています。このユニークピースは、11月5日、ジュネーブで開催されるOnlyWatchオークションに寄付されます。


ベルンハルト・レデラーについて
ベルンハルト・レデラーはヌーシャテル近郊のサン・ブレイズに住む、ドイツ生まれのマスター・ウォッチメーカーで、数々の賞を受賞しており、画期的なコンセプトと卓越した時計の発明者です。彼の創造性と革新的なコンセプトは、彼の挑戦への取り組み方から生まれています。彼は伝統的なコンセプトと技術を尊重し、分析しますが、常にそれに挑戦します。これらすべてにはウォッチメイキングの伝統に対する深い理解と、過去の巨匠たちへの多大な敬意が込められています。彼のセントラル・インパルス・クロノメーターは、2021年ジュネーブ・ウォッチ・グランプリのイノベーション部門を受賞しました。
ベルンハルト・レデラーは結婚しており、2人の子供の父親です。彼は非常に名誉のあるAHCI(独立時計師アカデミー)の最初の歴史的メンバーの一人です。



【仕様】
プラス・ヴァンドーム コンプリシテ ハーモニー・ブルー

Place Vendôme Complicité – Harmony Blue


12位置にディファレンシャルギアを備えたオープンワークのダブル・エスケープメント
Bernhard Lederer(ベルンハルト・レデラー)との共同開発
50本の限定生産

FUNCTIONS
-時・分・秒表示
-パワーリザーブ表示

MOVEMENT
-Czapek キャリバー SXH8 : 手巻き / ベルンハルト・レデラーとの共同開発
-オープンワーク
-オープンワークのディファレンシャル・ギアによるダブル・エスケープメント / センターセコンド
-約72時間のパワーリザーブ
-振動数 : 21,600 VpH(3Hz)
-4つのゴールド製慣性ウエイト(マスロット)を備えたフリースプラング・テンプ
-2つのサファイア製ブリッジ
-6つのゴールドシャトン

FINISH
-手作業による面取り
-手作業による18のインワード・アングル

CASE
-18Kローズゴールド / ボックス型サファイア・クリスタル / サイドに窪みのあるラグ / リューズガード
-ケース : 41.8mm(径)13.3mm(厚)
-ガラスを含めない厚さは8.8mm
-無反射加工がなされたサファイア・クリスタル
-5気圧防水

DIAL
-ガルバニック処理されたブルーのメインプレート / 表面はグレーネ(粒子)仕上げ
-サーキュラー・グレイン仕上げのミニット&アワーリング
-部分的にスケルトン化されたソード・シェイプの針先端にスーパールミノーバ
-ファセット加工されたミラーポリッシュ仕上げのスティール製インデックス

BRACELET
-アリゲーター
-18Kローズゴールド(5N)製のフォールディング・バックル



プラス・ヴァンドーム コンプリシテ スターダスト
Place Vendôme Complicité – Stardust
12位置にディファレンシャルギアを備えたオープンワークのダブル・エスケープメント
Bernhard Lederer(ベルンハルト・レデラー)との共同開発
50本の限定生産

FUNCTIONS
-時・分・秒表示
-パワーリザーブ表示

MOVEMENT
-Czapek キャリバー SXH8 : 手巻き / ベルンハルト・レデラーとの共同開発
-オープンワーク
-オープンワークのディファレンシャル・ギアによるダブル・エスケープメント / センターセコンド
-約72時間のパワーリザーブ
-振動数 : 21,600 VpH(3Hz)
-4つのゴールド製慣性ウエイト(マスロット)を備えたフリースプラング・テンプ
-2つのサファイア製ブリッジ
-6つのゴールドシャトン

FINISH
-手作業による面取り
-手作業による18のインワード・アングル

CASE
-18ホワイトゴールド / ボックス型サファイア・クリスタル /サイドに窪みのあるラグ / リューズガード
-ケース : 41.8mm(径)13.3mm(厚)
-ガラスを含めない厚さは8.8mm
-無反射加工がなされたサファイア・クリスタル
-5気圧防水

DIAL
-ガルバニック処理されたブルーのメインプレート / 表面はグレーネ(粒子)仕上げ
-サーキュラー・グレイン仕上げのミニット&アワーリング
-部分的にスケルトン化されたソード・シェイプの針先端にスーパールミノーバ
-ファセット加工されたミラーポリッシュ仕上げのスティール製インデックス

BRACELET
-アリゲーター
-18Kホワイトゴールド製のフォールディング・バッ



【関連 Web Site】
CZAPEK Geneve:
https://czapek.com/

Noble Styling:
http://noblestyling.com/



[Czapek&Cie]
チャペックは、19世紀のチェコ生まれのポーランド人ウォッチメーカー、フランソワ・チャペック(FrançoisCzapek)の精神を受け継いだ現代のウォッチ・メゾンです。1832年にチャペックは、ワルシャワでの政治的混乱から逃れ、ジュネーブに亡命しました。そして1830年代に数々のビジネスを創業しました。1845年にCzapek&Cie.(チャペック時計会社)を設立したのち、彼はナポレオン3世の宮廷時計師となり、パリのヴァンドーム広場に最初期の時計ブティックを開きました。
チャペックの名前は、2015年にメゾンの歴史とクラフトマンシップを再興しようとする時計愛好家のグループによって復活しました。1850年代のチャペック製ポケットウォッチからインスピレーションを得た、ファースト・コレクションである「ケ・デ・ベルク 33bis」は、2016年のGPHG(ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ)でパブリック・プライズを受賞しました。2020年同社は、初の自社製ムーブメントを搭載したスポーツシックなコレクションである、アンタークティックを発表しました。現在、チャペックの時計は、独特なデザイン、高品質の職人技、限定生産で知られています。ジュネーブに本社を置き、ラ・ショードフォンに自社工房を構えるチャペックは、”etablissage”(エタブリサージュ -水平分業)というコンセプトを現代的な方法で徹底的に守っています。
#wecollectrarepeople