IWCが 4,500万年のムーンフェイズ精度を誇る「ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー」を発表

 From : IWC (アイダブリューシー)





4,500万年のムーンフェイズ精度を誇るIWCシャフハウゼンのポルトギーゼ・エターナル・カレンダー

IWCシャフハウゼンは、ジュネーヴで開催されたウォッチズ&ワンダーズ展で、ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーを発表しました。40年近く前に永久カレンダーを導入して以来蓄積してきたカレンダーに関する広範な知識を駆使し、このたびIWCは初の世紀永久カレンダーにより、改めて限界を押し広げることになりました。毎月の長さの違いや4年ごとに追加される閏日に加え、ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーではグレゴリオ暦の複雑な閏年の例外的な規則も考慮されます。新たに設計された400年歯車により、4世紀間で3回だけ、自動的に閏年がスキップされるのです。これが次に起こるのは2100年です。この製品のもうひとつの大きな特徴は、非常に正確なムーンフェイズ表示です。新たに開発された減速歯車により、このダブルムーン™ フェイズ表示で月の満ち欠けが1日狂うのは4,500万年後となります。ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーは、手の込んだ仕上げのプラチナケースに収められ、サントーニ社製のブラックのアリゲーター・ストラップが組み合わされます。ガラスの文字盤、ダブルボックスガラスのサファイアクリスタルなど、ガラスの要素をふんだんに使用することで、創意工夫に富んだ内部の機構を眺めることができます。また、透明な部分が増えたことで、明るさ、陽気さ、控えめなエレガンスの独特な感覚が生まれています。



不規則なカレンダーを機械式腕時計の機構においてプログラミングするというのは、精密時計でも屈指の困難な技術的課題であり続けています。現在、多くの地域と文化圏で使用されているグレゴリオ暦は、1年を28日、30日、31日の12の月に分けます。4で割り切れる年は閏年となり、2月末に29日が挿入されます。しかし、実際の太陽年にカレンダーを同期させたままにするには、さらなる補正が必要で、1世紀に1回の末尾00の年は、400で割り切れる年だけを閏年とし、その他の年は通常の年とする必要があるのです。つまり、2000年や2400年は閏年ですが、2100年、2200年、2300年は普通の年となります。
しかし、従来の永久カレンダーは、4年サイクルでプログラミングされており、3年通常の年が続いたら、必ず閏年が挟まるようになっています。設計上、2100年も閏年となるので、修正が必要となります。同じことが2200年と2300年にも起こります。その結果、永久カレンダーとはいっても、400年に3回の修正が必要となります。それに対して、このポルトギーゼ・エターナル・カレンダー(Ref. IW505701)のような世紀永久カレンダーは、こうした複雑な例外も織り込んで機械的にプログラミングされています。こうして、少なくとも西暦3999年までは、正確に閏年が計算されます。西暦4000年を閏年にするかどうかは、まだ正式には決定されていないからです。



『1980年代にクルト・クラウスが伝説の永久カレンダーを開発して以来、IWCシャフハウゼンはデザインの点でも使い勝手の点でも独創的で効率のよい機械式カレンダーに関する独自の専門知識を蓄積してきました。新しいポルトギーゼ・エターナル・カレンダーは、かつてないほど冒険を進め、永遠の限界に迫っています。このIWC初の世紀永久カレンダーは、グレゴリオ暦の複雑な閏年の例外の規則を自動的に考慮に入れ、400年間に3回、閏年をスキップします。この技術的驚異に加え、たえず限界に挑戦する時計技師の精神を受け継ぎ、4,500万年後に1日しか狂わないムーンフェイズ表示も組み込みました』と、IWCシャフハウゼンのCEO、クリストフ・グランジェ・ヘアはこのように語ります。


4世紀間に3 回だけ閏年をスキップする400年歯車
ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーは、従来の永久カレンダーと同じモジュール式の同期されたデザインをベースとしています。どの表示も、リューズを使って進めることができます。ただし、通常の永久カレンダーが4年サイクルでプログラミングされているのに対し、ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーには、もうひとつ機構が追加されています。


400年歯車

4 年ごとの2 月末には、閏年にするかどうかを新しいモジュールがカレンダーに知らせるのです。これは400年歯車と呼ばれ、4世紀に1回転だけします。この歯車には3つの刻み目が付いており、これによってこの間に3回だけ閏年がスキップされます。このモジュールは、驚くほど効果的に、また技術的にエレガントに設計されており、わずか8個のパーツで構成され、精密時計に対するIWCシャフハウゼンのモノづくりのアプローチを強調しています。


4,500万年先まで計算済みの高精度なムーンフェイズ
40年ほど前に永久カレンダーを導入して以来、IWCはムーンフェイズ表示の精度をたえず向上させるために多大な努力を払ってきました。1985年のダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ(Ref. IW3750)には122年の精度のムーンフェイズが備わり、2003年の初のポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー(Ref. IW5021)では577.5年という驚くべき精度のムーンフェイズが採用されました。このたび、IWCの技師は、前例のない精度の新しいムーンフェイズ表示の開発という課題に挑みました。



時計の文字盤でムーンフェイズを表示するのが困難なのは、月は地球の周囲で回転し、1日のリズムとは異なる点にあります。新月から新月までの周期(朔望月)は、30日には届かず、29日12時間44分2.88秒です。したがって、カレンダーの1か月の時間を遅らせ、できるだけ月の周期に近づける必要があります。このために、ベースムーブメントとムーンフェイズディスクの間に減速歯車を挟みます。精度を高める鍵となるのは、使用する歯車の枚数、比率、歯数です。今回、IWCの技師は、特殊なコンピュータプログラムを駆使し、22兆通りを超える組み合わせをシミュレーションしました。ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーでは、3個の中間車を用いた新しい減速輪列を考案しました。計算上、4,500万年に1日しか、月の軌道からずれることがありません。もうひとつの課題は、この新しい輪列を永久カレンダーモジュールの狭いスペースに組み込むことでした。

ムーンフェイズは、北半球と南半球から見た月を示す、特徴的なダブルムーン™表示によって文字盤上で表示されます。この表示は、2枚の重ねたディスクで構成されます。2つの点のある固定された下側ディスクの上で、2つの小さな円形開口部のある天上ディスクが回転します。このネガティブな表現により、2つの小さな月が満ち欠けしているように見えます。このモデルでは、下側ディスクはチタン製で、ギョーシェ仕上げが施されています。上側ディスクはガラス製です。


複雑な製造工程を経たガラスの文字盤とダブルボックスガラス
ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーは、表面にポリッシュ&サテン仕上げを施した、手の込んだ仕上げのプラチナケースに収められています。


もうひとつのハイライトとなるのは、複雑な製造工程を経たガラスの文字盤です。まず最初に、文字盤の裏側をつや消し加工し、ホワイトのラッカー仕上げにします。サブダイアルは、別途、機械加工して研磨してから、文字盤に取り付けます。次に、プリント加工を施し、手作業でアプライドを取り付けます。ガラスの厚みにより、プリントとアプライドに浮遊するような軽さが与えられます。数字と特徴的なポルトギーゼの分目盛は、ガラスの文字盤とフロントガラスの間のホワイトのラッカー仕上げを施したフランジにプリントします。ボックスガラスのサファイアクリスタルは、入念な工程で機械加工され、ポリッシュ仕上げが施されます。ポルトギーゼ・エターナル・カレンダーは、イタリアのレザー職人を擁するサントーニ社製のブラックのアリゲーター・ストラップおよびプラチナ製フォールディングバックルと組み合わされます。


7日間パワーリザーブが備わるIWC自社製キャリバー52640
プラチナケースの内側に搭載されるのは、新たに開発されたIWC自社製ムーブメント、キャリバー52640です。この最高級ムーブメントには、効率に優れたペラトン自動巻き機構が採用されています。双方向へのローターの動きを利用し、高い信頼性とともに2つの香箱に7日間(168時間)のパワーリザーブを蓄えます。



非常に大きな負荷のかかる巻き上げ機構のパーツは、実質的に摩耗のない酸化ジルコニウム・セラミックでできています。ムーブメントにはペルラージュ装飾とコート・ド・ジュネーブ装飾が丹念に施され、これはボックス型のサファイアガラスの裏蓋を通して眺めることができます。



【仕様】
ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー
REF. IW505701
[特徴]
機械式ムーブメント – ペラトン自動巻き機構 – パワーリザーブインジケーター – 日付、曜日、月、4桁の西暦を表示する世紀永久カレンダー – 4,500万年の精度を備えた永久ムーンフェイズ(北半球と南半球に対応)– 閏年の例外を認識する400年歯車 – 秒針停止機能付きスモールセコンド –18Kゴールド製ローター – サファイアガラスのシースルー裏蓋

ムーブメント:IWC自社製キャリバー 52640
・振動数: 28,800回/時(4 Hz)
・石数:54
・パワーリザーブ:7日間(168時間)
・巻き上げ: 自動巻き
ケース素材:プラチナケース
ガラス: 両面反射防止加工を施したダブルボックスサファイアガラス
防水性: 5気圧
ケースサイズ:直径44.4 mm/厚さ 15 mm
文字盤:ホワイトラッカー仕上げのガラス
・ロジウムメッキの針とアプライド・インデックス
ストラップ/バックル:サントーニ社製の背革のアリゲーター・ストラップ/プラチナ製フォールディングバックル


【お問い合わせ】
IWCカスタマーセンター
0120-05-1868



[IWCシャフハウゼン]
IWCシャフハウゼンは、スイス北東部のシャフハウゼンに拠点を置く、スイスの大手高級時計メーカーです。ポルトギーゼやパイロット・ウォッチなどのコレクションを擁するこのブランドは、エレガントな時計からスポーツ時計まで、あらゆる種類の時計を扱っています。1868年、米国の時計技師でエンジニアでもあったフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが設立したIWCは、人間ならではの職人技と創造性、その最良の部分と最先端の技術および工程とを組み合わせた、時計製造に対する独自のエンジニアリングで知られています。150年以上にわたる歴史の中で、IWCは精巧かつ丈夫で使い勝手のよいプロ仕様の計器時計や、複雑機構(とりわけクロノグラフとカレンダー機能)を組み込んだ時計をつくり、高い名声を得てきました。チタンやセラミックの採用の先駆者であるIWCは、現在、カラーセラミック、セラタニウム®、チタンアルミナイドなどの先進的な素材を用いた、高度なエンジニアリングと専門知識を駆使したケースも製造も行っています。
持続可能な高級時計の第一人者であるIWCは、責任をもって素材を調達し、環境への影響を最小限に抑えるための努力を惜しみません。透明性、循環、責任という3つの柱に沿って、このブランドは何世代にもわたって長持ちする時計をつくり、責任をもって製品を製造、流通、修理するためのあらゆる要素を継続的に改善しています。さらに、IWCは子供たちと青少年への支援に向けて世界的に活動している組織とも提携しています。

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