H. モーザー スイス アイコン ウォッチ ムービー対訳

 By : CC Fan
SIHHに出展するにもかかわらず、直前のタイミングで、挑発的なユーモアを備えたスイス アイコン ウォッチ(Swiss Icons Watch)を発表し、国内外のネット界隈で話題を振りまいたH. モーザー (H. Moser & Cie)、しかし残念ながら諸事情によりスイス アイコン ウォッチSIHHでの公開は取りやめになってしまいました。
私、CC Fanはその気概に賛同し、作品そのものの情報の掲載は間に合いませんでしたが、ブランドCEO エドゥアルド・メイランからのメッセージという形でニュースを掲載させていただきました。
H. モーザーが行った方法の是非はともかく、この問題提起について、一度は考え、自分なりに納得ができる結論を持つべきだと思ったからです。
いろいろ際どく、おそらく問題となった時計本体の造形については私は現時点ではコメントはしません、そのかわりと言っては何ですが、問題提起をしたプロモーションムービーの方に注目してみたいと思います。

モーザーは過去にも問題提起を行う作品に対して、洒落たプロモーションムービーを用意してきました。



スマートウォッチに対するスイス アルプ ウオッチ(Swiss Alp Watch)のムービー。
言うまでもなくスマートウォッチの雄、Apple Watchのプレゼンテーションのパロディ。
当初は限定ピースでしたが、好評につき仕様を変えてレギュラーピースになった大ヒット作です。



スイス製チーズを使ったケースで話題を集めた"100%スイス製"のスイス マッド ウォッチ(SWISS MAD WATCH)のムービー。
CEOのメイラン氏自らウィリアム・テル(調べたらスイスの偉人)に扮して小芝居しています。

今年のものは公式からは削除されてしまいましたが、幸いにして検索すればプレス資料を他のサイトが掲載したものを見ることができ、英語版の他に中国語版とスペイン語版が見つかります。
これが公式に作られたものか、"有志"によるものかはわかりません。
しかし、残念ながら日本語版はないようです。

日本にも広く紹介するためには日本語版があった方が良く、"無いなら自分で作るか"とは思ったものの、SIHHへのフライトが迫っているため、まずはブログで書きだして対訳することにしました。
個人的にはH. モーザーを応援する気持ちはあります、しかし訳についてはなるべく中立になるよう心がけましたので、よろしければご覧ください。
キャプションが表示されるタイミングは2018年1月13日現在、検索して一番上に出てくるaBlogtoWatch.comYouTubeチャンネルのものを使っています。

0:01
What Made Swiss Watchmaking Great?
何がスイスの時計製造業を偉大にしたのでしょう?

0:03
The determination, the innovation and the creativity of many visionaries.
それは、数多の先見の明がある人々の発明と創造性に他なりません。

0:05
Unfortunately recently visionaries were replaced by marketers.
不幸なことに、最近は先見の明がある人々はマーケティングを行う人に取って代わられました。

0:10
The Scientist
Send the watch to Mars... so you can dip it in the pool
Cost of watch:15%
科学者
時計を火星に送る… だからあなたはそれを着けてプールに飛び込むことができる
時計のコストの15%を占める

0:16
The Holywood Stars
Switch brands like roles
Cost of wach:37%(+22%)
ハリウッドスター
演じる役のようにブランドを切り替える
時計のコストの22%

0:24
The "Artist"
Just an alibi for a lack of creativity
Cost of watch: 53%(+16%)
"芸術家"
創造性の欠如に対するアリバイ
時計のコストの16%

0:28
The Ancestor
Brought back to life every 5 years for a new anniversary edition
Cost of watch: 66%(+13%)
祖先(または前身)
5年ごとに新しい記念モデルのために買い戻され生き返る
時計のコストの13%

0:36
The Sport Legend
An ambassador or a liability?
Cost of watch: 77%(+11%)
伝説的なスポーツ選手
アンバサダーまたは責任者?
時計のコストの11%
追記:liabilityはアンバサダーに対する"負債"、"お荷物"という意味ではないかという指摘をいただきました。

0:43
The "Influencer"
Sells his 144k (fake) followers for a free watch... then flips it
Cost of watch: 90% (+13%)
"インフルエンサー" (世間に対する影響力の大きい人物)
彼の14万4千人(嘘)の信者を無料の時計のために売る…そして反転する(手のひらを反す?)
時計のコストの13%

0:46
The Watchmaker
Does all the work, but not in switzerland... too expensive
Cost of watch: 100% (+10%)
時計師
全ての仕事を行う、しかしそれはスイス国内では行われない…高すぎるから
時計のコストの10%

0:47
True production cost: 10%
真に製造にかかっているコストは10%

0:51
STOP THE MARKETING BULLS#*!
マーケティングブル(慣用句?猛牛?)を止めよう
追記:コメントで教えていただきましたが、bull marketで値上がり傾向のマーケットという意味があるそうです。
これにも引っかけてあるのかもしれません。

0:53
Introducing the Swiss Icons Watch.
Tribute to the visionaries of watchmaking
#MakeSwissMadeGreatAgain
スイス アイコン ウォッチを紹介します
時計製造の先達たちに捧げます
#Swiss Madeを再び偉大にしよう

如何でしょうか?
一部なんか怪しいところや文章だけだと伝わりにくいところもありますが、動画と合わせてみていただければ大筋は伝わるかと思います。
この記事が公開されているころには私はスイスへのフライト中です。
スイスについたらこの記事が消えていたとか、SIHHから追い出されるとかないことを祈って…

翻訳について、識者のご指摘お待ちしております。

関連 Web Site

H. Moser & Cie
http://www.h-moser.com/jp/