Basel world 2018 ブルガリ:世界最薄自動巻きトゥールビヨン

 By : KAIROS
毎年、Basel worldでは色々な話題が会期中の目玉になる。勿論それが世界中を駆け抜け、紙面を飾ることとなる。
有名ブランドの新機種、次世代の新素材や技法を使用した時計、そして世界で1位を競う時計などなど。
 
 そんな世界で最も薄い時計に力を入れ始めているのがブルガリである。
2014年より薄型時計を発表している同社は、4番目になる世界で最も薄い自動巻きトゥールビヨンを発表した。
それがOCTO FINISSIMO TOURBILLON AUTOMATICである。


 この自動巻きは、世界最薄の手巻きトゥールビヨンをベースに、ローターが取り付けられているが、ローターは重さを二分するようにホワイトゴールドとアルミニウムのペリフェラルローターを採用している。機械の薄さは手巻きと同じく1.95㎜であり、残念ながら裏からはその様子を見ることが出来ないが、ローターの動きを表側の1時5時と9時位置より確認することが出来る。
 更に驚くのはそのケースサイズである。手巻きモデルは径40㎜厚さ5㎜だったのに対し1㎜大きい42㎜のチタンケースに、厚さはなんと3.95㎜という他を全く寄せつけない薄さである。
 実は同社は、オーデマ・ピゲの自動巻きトゥールビヨン“the 1986 reference 25643, Caliber 2870"のもつ厚さ4.8㎜という記録を抜かすことを念頭に置いて設計していたと考えられる。 (5年ほど前にref 25643について細かく聞かれた事を思い出し、ただの偶然ではない事が察せられる。)
 そして自動巻きとしてのトゥールビヨンだけでなく、自動巻きの機械式時計としても世界で最も薄い時計になるという事を計算して設計していたのだ。つまり1つの時計で2つの世界記録を打ち立てたことになる。
 
 SIHHでは2㎜という機械式手巻きのコンセプトウォッチも登場したが、恐らく自動巻き化がはかられ、今後さらなる薄型競争が進むであろう。
 



そして、もう1本のレコードブレーカーであるOCTO FINISSIMO MINUTE REPEATERがカーボンケース&ブレスレットになり登場した。

 こちらは2016年に発表の世界最薄ミニッツリピータームーブメント3.12㎜を、最新の技術によりカーボンケース&ブレスレットに収めたもの。カーボンの模様とブラックの面持ちが斬新なデザインはさすがブルガリである。  
 搭載するムーブメントは30年以上も前に開発され、世界で最初に量産に成功したと言われる名機。鳴り物の聖地ル・サンティエの工房で昔からの伝統技法によって作られた由緒正しきムーブメントが、最新の薄型カーボンケースに収められ、その重さはわずか47gはまさに驚愕の軽さである。

実機写真
 


更にブルガリはブルガリのジュエリーウォッチ誕生100年を記念し、世界最薄リピータームーブメントを使用したレディースウォッチを発表した。

DIVA FINISSIMAはブルガリのレディースウィッチであり、複雑時計ではその最高峰に位置することになるであろう。文字盤は漆を使用した日本の伝統工芸である蒔絵。
ジュエリーウォッチの華やかさの中に、シックで落ち着きのある蒔絵は今までイタリアンデザインとは一線を画すものになるが、そこにこの商品の面白さがある。

 
 

  
  

そしてもう1モデル、ブルガリらしい時計を紹介したい
それはLVCEAである。今までのLVCEAの機械式スケルトンバージョンとブルガリを代表するトゥボガス(ガス管からのインスピレーション)をブレスレットに使用している。

ここからは説明が不要なので写真を見ていただこう


33㎜ケースにスケルトン加工したムーブメントにBVLGARIロゴの文字盤

ブレスレットがトゥボガス

その他にも新作はあるのですが、実機写真を含めてご紹介いたします。


チタンケースのブルガリ オクト

 
ステンレススティールとゴールドの世界最薄自動巻きムーブメントを搭載したオクト フィニッシモ

オクト フィニッシモ スケルトンのゴールドケース
サンドブラスト仕上げがムーブメントを引き立ててますね!


  


オクト ローマのブルー、グレー、そしてブラウンの新色文字盤
 

  


 以上が今年のブルガリである。
 まだ紹介できていないものもあるのだが、人気のあまり商品がないという。また取材のチャンスがあれば、ご紹介したい。

 今年のブルガリは、昨年以上に薄型にこだわりを持つようになっている。また素材にチタンやセラミックを多用し、カジュアル感を出す一方、薄型を強調したクラシック感を見事に融合させている。
 このブランドは伝統的に異素材の組合せを得意としてきた。その歴史からかコンビネーションをも得意とする数少ないブランドの一社でもある。
 
 古典に範をとりながらも進化をし続けているブルガリ。
古代ローマ帝国が、状況を把握しながら他国の文化を吸収し、自分の文化に融合させ発展していったように、ブルガリも古代ローマ帝国のごとく進化し、発展している事が、商品を見ればわかる。

 時代をリードし、発展していくブルガリの商品が、これからも非常に気になるところである。



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 ブルガリ ジャパン
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