躍進するファーブル・ルーバ、 Baselworld2018新作「レイダー バシィ 120 メモデプス」、「レイダー・シーキング」を見る

 By : KITAMURA(a-ls)

どうも自分は、いろんな意味で"筋を通してる"ブランドが好きなようだ。
創業から281年、途中いろいろあったとはいえ、ブランドが世界を席巻した当時のDNAを現代の技術で進化させることにこれほどまでにこだわる名門ブランド、ファーブル・ルーバの3世紀にもわたってブレない、そんな姿勢(笑)は見ていてとても清々しい。

まず新作その①
繰り返しになるが、創業から281年、約3世紀である。江戸時代ですら264年間だったことを思うと、ちょっと想像すら難しいその歴史の中でも、常にブランドを象徴するラインであり続けた“レイダー・コレクション”からの新作を、今年も届けてくれた。

「レイダー・シーキング」である!



●新作「シーキング」、上からオーシャンブルー、ミッドナイトブラック、スレートグレーの各文字盤から選ぶことができる。

シルエットや細部にブランドの歴史を踏襲しながらも、仕上げなどには最新のテクノロジーを盛り込んだ、彼らの言うところの“レトロフューチャーデザイン”が特徴だ。
まずはそのレイダー・コレクションについてまとめておこう。

【レイダーコレクションとは】
正確なメカニクスと、完璧さ、力強さを象徴するスタイルと、高度な実用性を両立したコレクション。そのデザインDNAは時計産業の歴史を進めた過去の傑作モデルを継承する。たとええば、14角形の風防リングや、ディープブルー(オリジナルモデル)のインデックス、バシィ(オリジナルモデル)の長短針などが、現代のレイダーコレクションのデザインにも採用され、決して流行などに流されないブランドとしての筋を通している。
現代のレイダーコレクションは、こうした過去のDNA継承のみにとどまらず、現代の冒険に合わせそれらを再構築している。過去のデザインDNAそしてシャープなラインと大きなサイズが特徴の未来的なデザイン、それらの綿密な統合によって、ファーブル・ルーバの"レトロフューチャー"な世界はある。
【シリーズ紹介】
・レイダー・ビバーク 9000は世界で初めて高度9000mまで測定できる機械式腕時計。
 世界の時計専門誌編集者が選ぶ「ウォッチスターズ2018」において、Newスターズ部門のグランプリを獲得。
・レイダー・ハープーン、レイダー・ディープブルーは専門家や競技者にも愛用されるダイバーズウォッチ。
 精度やデザインに妥協をしない現代の冒険者に愛される本格モデル。
・レイダー・シーバードは昨年のバーゼルで発表されたレディースコレクション。レディースながら100メートル防水を採用。
・レイダー・シースカイは、水陸双方に対応する多機能クロノグラフ。

新作レイダー・シーキングは、14角形の風防リングやフル―テッドベゼルなど、レイダー・シーバードと共通のデザインであり、ブランドの哲学を採用しつつ、カジュアル、フォーマル問わず着用できるモデルだ。



●左:新作のレイダー・シーキング(オーシャンブルー文字盤・アンテロープレザー)、右:既存モデルのレイダー・シーバード(37㎜自動巻きモデル・チョコレートブラウン文字盤)

ファーブル・ルーバのDNAを強調する個性的な風防リングやベゼルのデザインは、サテン仕上げと鏡面仕上げのコントラストを持ち、時計に立体感と力強さをもたらしてる。

ケースのラグとラグの間を結ぶアーチのデザインは、ブランドの過去の傑作モデルを継承するものであり、過去から現代にまで脈々と連なるイノベーションの歴史が、厳然とここにはある。

以下、プレスリリースより引用する。
「スイス高級実用時計ブランド、ファーブル・ルーバより」
レイダー・シーキングは持ち主の個性をも反映するデザインでなければなりません。持ち主の個性に合わせ、3種類の文字盤をご用意しています―控えめかつ紳士的なスレートグレー、スタイリッシュなミッドナイトブラック、優雅なオーシャンブルー。また、過去の傑作モデルのデザインを継承した大きな四角形のアプライドインデックス、視認性に優れた発光する長短針は、実用計器としてのアイデンティティーを体現するものです。
フラットなサファイアクリスタルの風防は両面に反射防止加工が施され、あらゆる状況において、はっきりと文字盤を見ることが可能です。

ファーブル・ルーバは機能、デザインの双方において、細部に工夫を加える歴史を積み重ねてきました。レイダー・シーキングにおいても、そのスクリューケースバックは、エングレービングされたロゴがケースに対して正確な位置に留まるように設計されています。また、ラグも、手首に合わせた位置と角度で設計されているため、文字盤とのデザインバランスが良く、着け心地も快適です。なお、ブレスレットには、ステンレススティールのブレスレット または アンテロープレザーのベルトをお選びいただけます。


■ レイダー・シーキング スペック
ムーブメント:自動巻き
機能: 時、分、秒、日付表示
ケース: ステンレススティール、両面に反射防止加工を施したサファイアクリスタル、スクリューケースバック
ケース径:41mm、10 気圧防水
文字盤: ミッドナイトブラック、オーシャンブルー、スレートグレー
ブレスレット :アンテロープレザー(ピンバックル) 、ステンレススティールブレスレット(セーフティーフォールディングクラスプ)

価格: ステンレススティールブレスレットモデル…220,000 円(税別)
      アンテロープレザー(ピンバックル)…195,000 円(税別)
発売予定 :7月



そして、さらにすごいのが、新作②

「レイダー バシィ 120 メモデプス」である!



ダイビング中に達した最大深度(水深120m内)を記録する「メモデプス」機構を搭載しつつ、ダイバーズウォッチの標準仕様である200m防水を可能とする機械式時計なのだ。

思い返してほしい。昨年、ファーブル・ルーバがメディアでも広く紹介され、俄然脚光を浴びるようになったのは、創立280周年のアニヴァーサリーとして発表した「レイダー・ビバーク9000」の凄さゆえであった。それは、標高9000メートルまで計測可能な高度計を備えた機械式時計、しかも世界中どこにも9000メートルもの高所などは存在しないのにもかかわらずであった(エベレストの頂上でようやく8848メートル)!

そして今年、彼らは深さへ挑んだのである。
標高9000メートル(高度&気圧計)から水深120メートル(測定&記録機能)まで、つまり2年間にわたり、高地から深海まで、冒険家たちのロマンを計測という技術で支える、実用的高級機械式時計ブランド、ファーブル・ルーバの面目躍如たる新作なのである!!


●2年連続の躍進的作品を並べる。左「レイダー バシィ 120 メモデプス」、右:「レイダー・ビバーク9000」


そもそも「ビバーク9000」は、ファーブル・ルーバが半世紀以上前(昨年2017年からは55年前)の1962年に発表した、海抜約3,000mまでの高度と気圧を計測することのできる機械式腕時計「ビバーク」の55周年時計である。
自社の歴史への敬意ならびに冒険には欠かせない計測技術への探求・開発心という、ブランドの根幹的なDNAへ筋を通す揺るぎない姿勢から生まれた作品なわけだが、今年2018年は、「レイダー バシィ 120 メモデプス」のオリジナル・ピースである「バシィ」の発表から50周年の節目にあたるのだ。
今年、ファーブル・ルーバがバシィを進化させたのは、当然の流れであるとご理解いただけるだろう


このあたりのドラマについては、ちょっと長くなるが、再びプレスリリースから引用したい。

「スイス・ジュラ山脈の南麓に位置するゾロトゥルン。この町にあるファーブル・ルーバのエンジニアリング・オフィスはシンクタンクを思わせるものです。ここでは、現代のいきいきとしたエンジニアリング・スピリットが、伝統的な時計作りを日々進化させています。このオフィスは日々新たな時間を刻み続けているのです。
ブランドの281 年の歴史と伝統を象徴するこの場所は、腕時計の新たな可能性の入口でもあります。過酷な自然環境下においても実用的な腕時計を提供するという大きな目標に向かい、機械式時計の新機能を研究・開発します。ここで開発されたタイムピースは世界最高峰を制覇し、深海の最も深い地点に到着することでしょう。一見不可能と思われる目標でも、それを達成するまでは決して私たちは満足することはありません。
人類が考えうる最も現実とかけはなれた夢でさえ、ファーブル・ルーバにとっては現実的な挑戦なのです。
1968 年、ダイバーズウォッチの理想形が現実となり、世界中のダイバーが驚愕し、そして注目しました。ファーブル・ルーバの「バシィ」は、浸透膜とセンター針を備え、正確な潜水深度の測定を実現した世界初の腕時計です。
オリジナルの「バシィ」は機械式腕時計の歴史に大きな足跡を残した時計であり、現在においても非常に人気の高いコレクターズアイテムです。


●ファーブル・ルーバの伝説的ダイバーズウォッチのアーカイヴ。200m防水の名機「ディープブルー」(右)と、世界初の水深計搭載モデルの「バシィ」(左)

2018 年はバシィ発売50 周年のアニバーサリーです。今こそ伝説の続きを紡ぐ時です。
しかしオリジナルモデル以上の実用面におけるイノベーションは存在するのでしょうか?
新作「レイダー バシィ 120 メモデプス」がその問いに対する答えです。
「レイダー バシィ120 メモデプス」のレトロフューチャーデザインは1968 年発売のオリジナルの「バシィ」を継承しています。しかしテクノロジーの観点ではまったく別の個体といっていいほどの最新のテクノロジーが搭載された時計です。現代のスタンダードに基づき、機能と素材に改良を加えました。伝説のオリジナルモデルへのオマージュであるケースデザイン、そして鮮やか、かつ実用的なカラーリングと、高い視認性を誇る針とインデックスを有します。
「形態は機能に従う」という原則からインスピレーションを得た「レイダー バシィ 120 メモデプス」の外観は281 年の歴史と現代的なデザインが調和したタイムレスなデザインです。直径48mm のチタン製ケースは、いかなる状況においても高い視認性を実現しています。水深計には、1968 年発売のバシィから得たアイデアと、モダナイゼーション・テクノロジー開発のたゆまぬ努力の結びついたものです。この水深計の真の実力はその性能にあります。
それは時計製造の既存のルールを覆すものです。時計の内部には絶対に水が入ってはならないのでしょうか?
いいえ、逆です。新しいバシィはケースバックに開口部を作り、内部に水を取り込みます。信じられませんか?




しかし、この開口部は水深計用に作られており、密閉状態であり、ムーブメントから分離されているのです。その礎となっているのは、自社設計の「膜」を変化させる仕組みです。
水は開口部を通じてケースバックからチャンバーに入り、水圧が増加するにつれて「膜」を押し出します。時計内部の機械的センサーがこの変化を検知し、水深計の針を通して情報が伝達され、最終的にダイアル上のセンター針が潜水深度をディスプレイに表示します。潜水深度は120 メートルまで非常に精密に測定できます。30 メートルまでは目盛りが細かくなっており、減圧停止が必要な5 メートルと10 メートルの2 カ所に赤いマークがついています。
また「レイダー バシィ 120 メモデプス」には、ダイビング中に達した最大深度を記録する機械式の記録用装置「メモデプス」も搭載されています。3 時位置にある水深計は、4 時位置にあるねじ込み式プッシャーでリセットされるまで、確実に潜水深度を表示し続けます。


これはプロが使用する現代のダイバーズウォッチに必ず搭載されている機能です。
「レイダー バシィ 120 メモデプス」の防水性は、ダイバーズウォッチの標準仕様と同じく最大200mです。理想的な計測ができる範囲は120mで、その範囲は1968 年に発売されたオリジナルのバシィ(50m)の2 倍以上になりました。
時計には機械式リミッターが内蔵されており、理想的な計測範囲より深く潜水した場合も、膜や水深計にダメージが与えられることはありません。
「レイダー バシィ 120 メモデプス」はダイビングの本質に焦点を当てたダイバーズウォッチです。光がほとんど差し込まない深海でのダイビングでも、視認性は抜群で、必要な情報をすべて読み取ることができます。ダイビングの興奮を妨げる不必要な問題が生じてはならず、またそれによってダイバーの集中力やリアクションが損なわれてもいけません。このような信念が、この時計のデザインと機能に対して、インスピレーションを与えました。
「レイダー バシィ 120 メモデプス」は、何にも束縛されず、重力すらも感じない水中での活動を容易にし、ダイビングをより一層魅力的にします。

どんなダイビングにも欠かせない安全に関する重要なポイントもおさえています。プロ用ダイバーウォッチには必ず逆回転防止ベゼル(またはモデルによっては風防内部の目盛りの刻まれたリング)が装備されていて、ダイビング開始前、ベゼルを反時計回りに回転させ、逆回転防止ベゼル上の三角形のマーカーを分針の先端に合わせます。こうすることにより、潜水時間をベゼルにて、分単位で確認することができます。



「レイダー バシィ 120 メモデプス」に装備されている逆回転防止ベゼルも同様の方法で、潜水の残り時間を計測します。誤って沈没船やサンゴ礁、または洞窟などに時計をぶつけると、ベゼルのポジションがずれ、本来の設定が変わってしまう恐れがあります。つまり、ベゼルが誤って時計回りに動くと、潜水時間を誤算して危険な状況に陥る可能性があるのです。バシィの逆回転防止ベゼルは、誤作動があっても反時計回りにしか動かないため、予定していた潜水時間が短縮されるだけです。これはダイバーにとって危険を意味するわけではありません。
ファーブル・ルーバの「レイダー バシィ 120 メモデプス」に搭載されているムーブメントは手巻きのキャリバーFL321。これはEMC 3903M キャリバーをベースとし、ファーブル・ルーバが自社開発の特別なモジュールを施したムーブメントです。
パワーリザーブは65 時間で、文字盤12 時位置にパワーリザーブインジケーターが配されています。


ダイビングへのチャレンジと安全性の確保は別で考えられるものではなく、お互いに密接しているものです。適切な安全対策がなければ、ダイビングはすばらしいものにはなりえません。ダイビングの興奮を味わえる環境作りに妥協することなく、ダイビングがすばらしいものになるようファーブル・ルーバは日々努力を怠りません。「レイダー バシィ 120 メモデプス」は、ダイバーズウォッチにおける新しい基準をもたらします。オリジナルのバシィにインスパイアされながら、すべての点で新しい解釈を加えた特別な計器です。「レイダー バシィ 120 メモデプス」は、ファーブル・ルーバの機械式時計のエンジニアリングの結晶なのです。
(以上、プレスリリースより引用)


■ レイダー・バシィ120 メモデプス スペック
ムーブメント: 手巻き(キャリバーFL321)、自社開発の水深計とパワーリザーブインジケーター
パワーリザーブ:65時間
機能: 時針、分針、スモールセコンド、潜水深度120mまで表示可能な水深計、最大潜水深度記録、パワーリザーブインジケーター、日付表示
ケース :チタン、アルミニウム製逆回転防止ベゼル、ねじ込み式リューズ、両面に反射防止加工を施したサファイアクリスタルガラス、スクリューケースバック
直径: 48mm、
高さ:19mm
防水性:200m
文字盤 :ブラック文字盤、ダイブセクターマーキング(青)、減圧停止用インジケーター(赤)、アプライドインデックス、夜光塗料(スーパールミノバ®)が塗布された時分針およびインデックス、潜水深度表示用のブルーのセンター針、最大潜水深度記録用サブダイヤル(3時位置)、時針、分針、スモールセコンド(9時位置)
ストラップ: ラバーストラップ
価格:920,000 円(税別)




1968年のオリジナル「バシィ」のべース・コンセプトはそのままに、2018年の最先端の技術で極限までブラッシュアップされた「レイダー バシィ 120 メモデプス」。
興味はやはり、機械式腕時計にもかかわらず、内部に水を取り込むことで可能にとなった水深計の仕組みなのだが、海水とムーブメントとの隔壁は銅をベースとした特別な合金であるなど、今後もこの驚くべきテクノロジーの続報・詳報をお届けする予定なので、ぜひともお楽しみに!!












問い合わせ先
ファーブル・ルーバ日本総代理店 スイスプライムブランズ株式会社
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