A.ランゲ&ゾーネ、新たなる"ルーメン”をダトグラフ・アップ/ダウンで、200本の限定製作!

 By : KITAMURA(a-ls)

新たなる"ルーメン"の登場である!

前回ブログで、世界4例目となる1815ステンレス・スティールの発見記事を書いたのだが、その記事内で、

『黒文字盤ばかりだが・・・ほかに、なにかお気づきの方はいらっしゃるだろうか。
㊙㊙㊙㊙㊙・㊙㊙㊙㊙ですが、もしかしたら、A.ランゲ&ゾーネから黒文字盤にまつわる、なんらかの発表があるかも・・・気になる方は、ここ数日の間、WATCH MEDIA ONLINEをこまめにチェック!!(拙ブログより)』

などと、ちょっともったいぶった書き方をしたのだけれど、その答え合わせがコレだったのだ。

奇しくも、こちらも世界4例目となる"ルーメン"。
㊙の伏せ文字部分に入る文字は"ダトグラフ・ルーメン"で、画像の一番左端に少しだけ映り込んでいるリューズこそ、ダトグラフ・アップ/ダウン"ルーメン"の実機のものだったのだ。

●リューズだけ切り取る加工の前の画像がコチラ



今回WATCH MEDIA ONLINEはなんと、メディアとしては世界最速の"実機"撮影をスクープしたのだ!!







では、まずは、ブランド発表のプレスリリースの全文から。
(※写真は一部オリジナルを使用してます)




ダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”~
光彩を放つクロノグラフ



A.ランゲ&ゾーネが暗闇での高い視認性を特徴とする新作を発表します。
昼夜を問わずいつでも時刻が分かるだけでなく、ストップウォッチ機能も、日中でも夜でも使用できます。暗闇でもすべての表示をはっきり読み取れるのは、半透明ダイヤルと夜光性表示のおかげです。
フライバック機能、プレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターおよびパワーリザーブ表示を搭載するこのクロノグラフは、製作数200本の限定モデルです。




ダトグラフ・アップ/ダウンは、その精悍さが漂うバランスの良いダイヤルデザインで、一目でそれとわかります。
十の位と一の位を仕切る縦桟を付けた表示窓に収めたアウトサイズデイト表示が、ダイヤル上部中央で存在感を示します。そして、スモールセコンドとプレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターをダイヤル下部の左右に配置し、アウトサイズデイトを頂点とする正三角形を描いています。
ダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”は、この均整の取れた配置によって、暗がりで斬新な美しさを発揮します。
それを可能にするのは、目に優しい特徴的なグリーン系の光を放つ蓄光顔料です。この材料をすべての表示に塗布し、暗がりでその光が半透明ダイヤルを透過する仕組みです。時針および分針に蓄光顔料を塗布し、クロノグラフ秒針全体をこの顔料でコーティングしました。

ブルースチールの秒針と分積算針は、夜光サブダイヤル上で時を刻みます。ダイヤル外周リングに刻まれた5分の1秒単位に細分化された分目盛りと、その外側にあるタキメータースケール、さらには小さな三角形のパワーリザーブ針も、暗がりで明るいグリーンに輝きます。


●暗闇に時刻が光るダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”

最大の見どころは何と言っても、夜光アウトサイズデイトです。十の位と一の位の二つの表示窓を持つこの日付表示は、深夜12時に日付が変わった瞬間にも光を放ちます。その秘密は、十の位用十字プレートと一の位表示用ディスクにあります。十字プレートには蓄光顔料を塗布し、ガラス製の一の位表示用ディスクにブラックで数字をプリントしています。一の位の背景には蓄光顔料が塗布されています。2枚の数字ディスクは、ダイヤルの下で日中の光を蓄えねばなりません。半透明ダイヤルを採用したのはそのためです。
このダイヤルは日中も、時計に独特の美しさを添えます。ダイヤルのコーティングは明るいところで、表示の良好な視認性を約束するだけでなく、十字プレートに塗布した顔料が発光するのに必要な光を蓄えるのを保証します。
明るいところで時計を見ると、アウトサイズデイト機構がよく見えるので、深夜12時に明かりを付けていれば、半透明ダイヤルを通して日付表示が切り替わる様子をつぶさに見ることができます。


●暗闇でダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”のすべての表示が光る様はまさに神秘的


ダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”は、A.ランゲ&ゾーネが2010年に初披露した“ルーメン”シリーズの4つ目のモデルです。サファイアクリスタル製の半透明ダイヤルに施されたコーティングは、可視光の大部分を通さず、蓄光顔料が光を蓄えるのに必要な紫外線を通すという特殊なものです。
周辺が暗くなるにつれ、暗がりを背景に光る表示が鮮やかさを増します。

A.ランゲ&ゾーネは1999年に発表したダトグラフで、クロノグラフムーブメントの新標準を確立しました。そのフライバック機能により、4時位置のボタンを1回押すだけで計時を一旦中断するや、間髪入れずに次の計時をスタートするという連続計時が可能になりました。この希少な機能は時間を節約につながります。普通のクロノグラフでは停止、帰零、計時再スタートという3つの手順が必要ですが、フライバック機能なら1回の操作で済みます。
クロノグラフのプレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンターは、クロノグラフ秒針が60秒目を刻んだ瞬間、つまりゼロを通過すると同時に一目盛り先に進みます。たとえその瞬間に計時をストップしても、分積算針はきちんと1分をカウントするのです。
この複雑な機構により、容易に正確に計時できます。2012年に発表されたダトグラフ・アップ/ダウンは、昔ながらのコラムホイール制御式クロノグラフに改良を重ねただけでなく、完全巻上げ時には60時間あるパワーリザーブの残量を知らせる機能も備えています。6時位置に配されたパワーリザーブ表示がそれです。3日目に小さな三角形の針が赤いエリアに入ると、ムーブメントにエネルギーを補給する時期が来たことが分かります。


サファイアクリスタルのシースルーバックからは、454個の部品で組み立てられ、丹念な装飾模様が施されたダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”の手巻きキャリバーL951.7の美しい姿がのぞきます。
ランゲが独自に開発した偏心錘付きテンプは内製したフリースプラング式ヒゲゼンマイを備え、2.5ヘルツで、すなわち1時間に18,000回振動します。この振動数とダイヤル外周リングに合計300本ある分目盛りにより、5分の1秒単位の精度での計時を可能にします。





直径41ミリのプラチナ製ケースにブラックのアリゲーターベルトとプラチナ製ピンバックルを組み合わせたこの新作を、200本限定で展開します。


*****


【仕様】
ダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン” Ref. 405.034

ムーブメント :ランゲ自社製キャリバーL951.7、手巻き、ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾、五姿勢調整済み、素材の特性を生かした洋銀製の地板および受け、ハンドエングレービング入りテンプ受け
ムーブメント部品数 :454
石数 :46石
ビス留め式ゴールドシャトン :4石
脱進機 :アンクル脱進機
調速機 :耐震機構および偏心錘付きテンプ、ランゲ自社製ヒゲゼンマイ、毎時18,000振動、スワンネック形バネと側面にある調整用ビスにより微調整可能な速度調整装置
パワーリザーブ :完全巻上げ状態で60時間

機能 :時、分、ストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示/プレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンター搭載フライバック・クロノグラフ/パワーリザーブ表示/アウトサイズデイト

操作系 :ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ/クロノグラフ操作ボタン2個/アウトサイズデイト用ワンタッチ調整ボタン
ケース寸法 :直径:41.0 mm、高さ:13.4 mm
ムーブメント寸法 :直径:30.6 mm、高さ:8.1 mm
ケース :プラチナ
ダイヤル :研磨仕上げの洋銀製ベースダイヤル(外周リング)/コーティング処理したサファイアクリスタル製ダイヤル/夜光性のアウトサイズデイト、サブダイヤル、分目盛り、タキメータースケールおよびパワーリザーブ表示

針 :ロディウム仕上げのゴールド製夜光時針および分針、ロディウム仕上げのスチール製夜光クロノグラフ秒針、ブルースチールの秒針および分積算針
風防:ガラスおよびシースルーバック、サファイアクリスタル(モース硬度9)
ベルト :手縫いアリゲーターベルト(ブラックのレザーにグレーのステッチ)
バックル :プラチナ製ピンバックル
限定数 :200本
日本定価:11,458,800円(税込)



プレスリリースは以上である。

実機のインプレッションを少し付け加えておくと、まず感じるのは、プレスリリースにも触れられていたグリーン系の蓄光顔料の採用によってだと思うが、過去の"ルーメンズ"たちと比べても、発光がとてもファッショナブルというか(笑)、たいへんに品の良い印象を受けた。
試みに、グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ “ルーメン”との比較画像を掲載しておく。

これが"素"の状態。


そして"発光状態"での比較が、次の画像である。



お解かりと思うが、グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ “ルーメン”でとても評判の良かったムーンフェイズ部分のグリーンの輝きが、今回のダトグラフ・アップ/ダウン“ルーメン”のパルスメーターからの文字盤外周に表現されていて、それが全体のイメージを穏やかなものにしている。

従って、黒文字盤と呼ぶにはやや微妙な気もするが、"ルーメン"シリーズが4作目にして到達した、この美しい輝きが意味するルーメンの変遷史や、そもそもA.ランゲ&ゾーネにおける黒文字盤の位置づけなど、次回以降のブログで改めて触れてみたい。

ま、その予告というわけでもないけれど、冒頭の"正解補足写真"を、"正しい位置関係"に置き換えてご覧いただき、今回の締め括りとしましょう(笑)。



ダトグラフ・アップ/ダウン"ルーメン"をセンターに囲んだ、黒文字盤の集合写真





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ここから先は、独り言。
・・・・しかしまぁ、ランゲ1"ルーメン"以降、ルーメンのシリーズでは200本という限定数がお約束となっているので、これも、かなりハードルの高い競争率になるのではないだろうか。

今回に限らず、A.ランゲ&ゾーネの新製品発表は、世界同一時刻に情報解禁されることが決まっているのだが、とはいえその時間(業界ではこれをエンバーゴ・タイムと呼びます)自体がドイツ本国にとってのベストなタイミングなので、こういう限定時計に関しては、日本はちょっと不利かもしれない。

たとえば今回のケース、エンバーゴ・タイムはグラスヒュッテ時間で10月24日13時解禁なのだが、時差の関係で日本のその時刻は同日24日の21時にあたるのだ。極端な話、この情報を知ったドイツの愛好家は、すぐさま馴染みの時計店に電話なり場合によっては駆けつけることが可能だけれども、日本では翌朝の開店時間まで、じりじりと過ごすしかない。この10時間くらいの出遅れが入手の運命を分けることだってあるんじゃないのかなぁ~。
だから前例とかにこだわらずに、こういう人気の高いものは限定にしないで、誰もが店頭でそのスゴさ・綺麗さを体感できるようにしてほしいなぁ~。

さて、こうしたことが日本のランゲ愛好家の皆さまの不利益にならないよう、ドイツ本国相手の折衝などに尽力されてきた、A.ランゲ&ゾーネ・ジャパンの若きCEO、エドモン・ブスマール氏が、ご自身の都合もあり10月末日を持ってその職を辞され、リシュモン・グループではない新たな地(日本には留まられる)で、さらなるチャレンジをされることになった。「6年間ご苦労さまでした」の言葉とともに、氏のますますのご発展を心からお祈りする次第である。
なお、A.ランゲ&ゾーネ・ジャパンの後任CEOはまだ決まっていないとのこと。こちらも、新情報や進展がありましたら、(書ける範囲で)皆さまにお知らせします。

以上、独り言終了(笑)。