IWCの果てなき挑戦、 "空"へと向かうパートナーシップ~完全民間の宇宙飛行ミッションInspiration4と超音速旅客機ブーム・スーパーソニック

 By : KITAMURA(a-ls)


今年夏、日本でも話題になった、世界初の完全民間の宇宙飛行ミッションInspiration4。
IWCシャフハウゼンは、このミッションを支援するために、4本のタイムピースを製作していた。
このミッションの大きな価値観とされる「リーダーシップ」、「希望」、「寛容」、「繁栄」という4つのテーマを表現した、一連の一点物の「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」をデザインし、寄付したのである。

そしてこの4本のウォッチは4人のクルーメンバーが宇宙への旅において着用し、地球への帰還後にセント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ病院® による命を救う活動を促進するために資金を集めるという、このミッションの使命の一環として、オークションにかけらることになっていた。
地球と宇宙とを往復するという壮大な舞台に立ったこの「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」4本のオークションが先頃行われ、405,000(約4600万円)ドルを調達、セント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ病院へ寄付された。


以下、とても美しいホワイトセラミック・ケースに収められたこの4つのピースについて、IWCからの資料をまとめてみた。





IWCがINSPIRATION4をデザイン~ミッションの「リーダーシップ」、「希望」、「寛容」、「繁栄」という価値観を表現した4つの一点物のパイロット・ウォッチが宇宙に旅立ちます。そして、これらのウォッチは、セント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ病院®を支援するためにオークションにかけられました


パイロット・ウォッチ・クロノグラフ「Inspiration4」エディショ ンのケースは、圧巻なホワイトのセラミックでできています。こ の独特な色は、酸化ジルコニウムと他の金属酸化物とを特別 な比率で混合する複雑な製造工程によって得られます。
セラ ミックは、ダイヤモンドに次ぐビッカース硬度を示す、地球上でも屈指の硬い物質です。
ダークブルーのラッカー仕上げの文字盤は、無数の星とともにパッドプリントされ、宇宙の深みと暗さを採用しました。また、Inspiration4 のロゴも備わっています。
内部で脈打つのは、IWC社製クロノグラフ・ムーブメン ト、キャリバー69380です。
4つのウォッチの各々のチタン製ケースバックには、各クルーメンバーが表現しているミッションの価値観と名前が刻まれています。これらのクロノグラフには、布製インレイを備えた人目を惹くホワイトのラバーストラップが組み合わされます。




人類の宇宙飛行と探検の新時代を象徴する、この地球低軌道への数日間の旅は、セント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ 病院支援して、すばらしい可能性に関する人道的メッセージを送るという多様な4人のクルーのミッションを踏まえ、 Inspiration4と名づけられました。
このミッションは、38歳の起業家兼熟達パイロットのジャレド・アイザックマンの考案によるもので、彼が船長も務めます。打ち上げは、9月に米国フ ロリダ州にある歴史的なケネディ宇宙センター第39発射施設で行われ、宇宙船は高度約575 km(357マイル)、 時速27,360 km(時速17,500マイル)以上で地球の軌道を周回、数日間の旅ののち、クルーは地球の大気圏に戻り、フロリダ沖で軟着陸しました。


IWCシャフハウゼンのCEO、クリストフ・グランジェ・ヘアは 次のように語りました。
「創業者フロレンタイン・アリオスト・ ジョーンズがアメリカからスイスに渡って時計製造に革命をも たらして以来、果てしない革新への意欲に熱いIWCは、先駆者の企業です。私たちと多くの価値観を共有するInspiration4 ミッションとパートナーを組み、一緒になって歴史をつくり、こ うしたすばらしい目的のために資金を集める とができるというのは、信じられないほど誇らしいことです。」




また、アイザックマンはこのようにコメントしました。
「Inspiration4 は生涯の夢の実現です。IWCシャフハウゼン が参加していただき、セント・ジュード・チルドレンズ・リサー チ病院のために資金を集めるという私たちのミッションを支援していただけることに対し、クルーを代表して謝意を述べたい と思います。」 Christoph Grainger-Herr, CEO von IWC Schaffhausen

4 つのミッションの価値観を代表するクルー
Inspiration4 の核心をなすのは、ユニークで多様なクルーです。船長を務めるアイザックマンは、「リーダーシップ」のミッション・シートに座ります。彼はShift4 Payments 社の創業者兼CEOであると同時に、飛行関連の複数の世界記録をもつ、 民間機・軍用機の熟達パイロットでもあります。
「希望」を表現 するミッション・シートに座るのは、小児癌を経験したことの あるセント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ病院の29歳の 医師助手、ヘイリー・アースノーです。
「繁栄」のミッション・シー トに座るのは、ビジネス・コンペに優勝して参加することに なった51歳の起業家兼熟達パイロット、シャン・プロクターで す。
最後に、「寛容」ミッション・シートに座るのは、41歳の航 空宇宙産業の従業員で米国空軍の退役軍人、クリストファー・ センブロスキーです。
彼は、資金集めキャンペーンに献金した ところ、幸運にも、Inspiration4 のシートが提供されることになったのです。

PHOTOGRAPH BY INSPIRATION4/JOHN KRAUS

SpaceXにおいて民営の宇宙飛行士トレーニ ングを受けたクルーは、軌道力学を中心に、微小重力、無重力、その他の形態の負荷試験を受け、さらに、緊急事態に対する準備訓練や、完全な宇宙船への出入り訓練を受け、政府やNASAなどの宇宙機関が一切関与しない史上初めての宇宙旅行へと旅立ちました。


Inspiration4 の詳細や、この歴史的な宇宙への旅を支援し、 見守る方法については、
www.Inspiration4.com をご覧くだ さい。

ソーシャルメディアでは、
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そしてもうひとつ、宇宙はもちろん、ブルー・エンジェルスや、米国空軍飛行隊などと特別なコラボレーションを持ち、大空への希求を続けるIWCが、今度は世界最速かつ最も持続可能な超音速旅客機を製造して いるブーム・スーパーソニック社と新しいパートナーシップを結ぶことを発表した。

こちらのニュースもプレスリリースを掲載しておこう。



IWCシャフハウゼンは、世界最速かつ最も持続可能な超音速旅客機を製造して いるブーム・スーパーソニック社と新しいパートナーシップを結ぶことを発表しました。両社の「時間」との特別な関係、優れた エンジニアリングの追求、サプライチェーン全体に持続可能性を組み込む努力が、このコラボレーションの基本的な概念となります


このパートナーシップの枠内で、IWCとブームはそれぞれの業界において持続可能な実践を進めるためのベストプラクティス を共有することを計画しています。

2014年に米国コロラド州デンバーで設立されたブーム・スー パーソニック社は、持続可能な超音速飛行によって民間による 空の旅を刷新することを目指しています。同社の超音速旅客機、オーバーチュアは、ネットゼロカーボンで、100%持続可 能な航空燃料(SAF)を使用し、現在最速のジェット旅客機の2倍の速度で飛行することができます。ブームのオーバーチュ アは、2025年にロールアウトし、2026年に飛行を開始し、 2029年までに乗客を運ぶことを予定しています。



IWCシャフハウゼンは、1868年、アメリカの時計技師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズによって創立されました。伝統的なスイスの職人技とアメリカの現代的な産業技術を組み合わせることで、スイス初の一環された時計製造体制を確立しました。現在では、クロノグラフやカレンダーなどの独創的で使い勝手の良い複雑機構に力を入れています。また、最先端材料の分野でも独自のノウハウを蓄積しています。


IWCシャフハウゼンのCMO、フランツィスカ・グゼルは、こう語ります。
「1930年代に初のパイロット・ウォッチを設計して以来、航空への情熱は、ブランドの歴史を通じた共通のテーマになってきました。私たちは、つねに先駆者と一緒に作業し、空を制覇する任務をサポートしてきました。優れたエンジニアリングと持続可能性の追求という共通点を原動力として、ブーム・スーパーソニックと協力できることを光栄に思っています。」

Franziska Gsell, CMO of IWC Schaffhausen 


ブーム・スーパーソニックの社長兼最高商務責任者キャシー・サビットは言います。
「優先事項となる持続可能性に関して、IWCとパートナーシップを結ぶことができ、光栄に思っており ます。持続可能な設計と製造の先駆者であるIWCは、多様な産業の企業に多くの知見を提供しています。時間の価値に対する情熱を共有している私たちは、持続可能な事業の未来を 構築するためにも、IWCとの進行中のコラボレーションに期待しています。」

KATHY SAVITT,President and Chief Commercial Officer of Boom Supersonic


ブームとIWCとのパートナーシップは、両社に固有の3つの 主要な柱に基づいています。すなわち、「時間」との特別な関 係、優れたエンジニアリングの追求、サプライチェーン全体に 持続可能性を組み込む努力です。

時間の測定と 時間の概念の変化
150年以上前から、IWCは時間を計測するための精密機器を製造してきました。ムーブメントのテン輪の完全に均一な振動 によって1日を8万6,400秒に分割することで、計時に必要な基本情報、クロノグラフによるストップ時間の計測、あるいは 2499年までほとんど調整の必要ないIWCの伝説的な永久カ レンダーを実現してきました。
他方、ブーム・スーパーソニック社の使命は、新しい時代の超音速の空の旅の到来を告げることで、世界へのアクセスの可能性を劇的に高めることです。ロ ンドンからニューヨークまで、従来の6時間30分ではなく、ま もなく3時間30分で移動できるようになれば、時間の概念や時の進み具合が根本的に変化することでしょう。主要な目的地の間の移動時間が約半分になることで、もっと多くの人々、場 所、文化が体験できるようになるでしょう。


エンジニアリングと革新の最前線で
一方は、世界最速かつ最も持続可能な旅客機の製造。他方は、機械式時計のムーブメントのような複雑な機構の製造。ブーム もIWCも、エンジニアリングの最先端に身を置きながら、物理的限界をたえず押し拡げていく必要があります。たとえば、ブームは高度なコンピュータシミュレーションや風洞試験を駆使することで、性能と燃料効率を最大化できるようにオーバー チュアを設計しています。
それだけでなく、熱的に安定な炭素複合材料で機体部品を製造するには、材料科学の専門知識も 求められます。IWCは、1980年代に時計業界におけるチタンとセラミックの使用の先駆者となり、それ以来、この分野で独自のノウハウを獲得してきました。現在、IWCの新しいエンジニアリング部門であるIWCエクスペリメンタルは、重力加速度からの保護やセラタニウム® などの最先端の技術素材の開発などの分野で、最前線において常に革新を推進する上で決定的な役割を果たしています。


IWC本社

製品ライフサイクル全体での持続可能性
最後に、両社とも、バリューチェーン全体に持続可能性を組み込むことを最優先課題の一つとしています。ブーム・スー パーソニックは、初のネットゼロカーボンの民間航空機メー カーとなることが期待されています。たとえばオーバーチュア は、燃料効率に優れた設計を備え、100%持続可能な航空燃料(SAF)を使用できるでしょう。また、ブームは耐用年数が過 ぎたらオーバーチュアをリサイクルすることを目指しています。 他方、IWCの機械式時計は、何世代にもわたって使用できるように設計されているという点で、本質的に持続可能性を備えています。ただし、これらに責任をもって製造する必要があり ます。IWCは、持続可能性への協調的で透明な取り組みによって高級時計業界をリードしており、活動レポートの隔年報告を約束し、測定可能な目標を定めています。
責任ある材料調達、パッケージの容積・重量の削減、紙ベースのストラップなどの 持続可能な新素材の開発など、IWCは自社製品の設計、製造、 流通、修理の各要素を一貫して改善しています。ブーム・スーパーソニックとIWCシャフハウゼンのパートナー シップから、今後さまざまな共同プロジェクトが生まれる予定です。ブームとIWCは、たとえば持続可能性という優先事項に特に焦点を当てて共同作業を実施していきます。ブームも IWCも、それぞれの産業のサプライチェーンを通じた持続可能な製造の実践に尽力しています。



[ブーム・スーパーソニック社]
ブーム・スーパーソニック社は、持続可能な超音速飛行によって民間の空の旅を刷新しようとしています。ブームの画期的な民間航空機、オーバーチュアは、速度、安全性、持続可能性に関する業界最高レベルの基準にしたがって設計されていま す。オーバーチュアは、ネットゼロカーボンで、100%持続可能な航空燃料(SAF)を使用し、現在最速のジェット旅客機の 2倍の速度で飛行することができます。オーバーチュアの受注は、購入とオプションを含め70機に達しており、またブーム はオーバーチュアの政府向け用途のために米国空軍とも協力しています。デモンストレーション用の航空機であるXB-1は 2020年にロールアウトし、現在、ネットゼロカーボン飛行のテストプログラムが進行中です。同社を支援している世界的な 投資企業としては、ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ、プライム・ムーバーズ・ラボ、エマーソン・コレクティブ、アメリカン・エキスプレス・ベンチャーズなどがあります。詳しくは、 https://boomsupersonic.com をご覧ください。



【お問い合わせ】
IWCカスタマーセンター 0120-05-1868