パテック フィリップが「6300」と「5271」モデルにハイジュエリー・ヴァージョンを発表~そして新宿住友ビルの三角広場に飾られているクリスマスツリーは必見!

 By : KITAMURA(a-ls)


クリスマスのホリデーシーズンを前に、パテック フィリップから2つの華麗な贈り物が公開された。
ひとつは、新宿住友ビルの三角広場に飾られているクリスマスツリーである。



ブランドのアイコンであるカラトラバ十字を掲げたパテック フィリップのプレゼンテーションによるこのクリスマス・ツリーには、なんと、歯車が動く仕掛けも施されており、ライトアップされたツリーの輝きに感嘆する一般のみなさまとはこれまた別の視点から、時計愛好家ならばニヤリとできる機構を搭載(言い方w)しているので、お近くにお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってくださいませ。



そして、先頃発表されたもうひとつの贈り物は、ハイエンド・モデル「6300」ならびに「5271」のハイジュエリー・ヴァージョンだ。この手のモデルについてはついつい価格の話となりがちではあるが、まぁPOR(プライス・オン・リクエスト)アイテムである6300などは、前述したクリスマス・ツリーよりも高価だったりする(かもしれない)だろうから、ツリー同様、もし機会があれば眺めて愉しみたいなぁくらいの大きな心で、むしろその工芸技術や石のクォリティーに注目してみるのが吉である。もちろん、「5271」のほうなら逝けるんではないかという勇者志望の愛好家も大歓迎なので、いちおう価格も掲載しておきましょう。

では以下、パテック フィリップからのプレスリリースを掲載



パテック フィリップは、グランド・コンプリケーションをジェム・セッティングの芸術と結びつけた4点の例外的なニューモデルを発表し、現行コレクションをさらに充実させる


パテック フィリップは、当社の最も複雑な腕時計であるグランドマスター・チャイム6300 モデルに、燦めくバゲットカット・ダイヤモンドとバゲットカット・ブルーサファイヤをそれぞれセッティングした2 点の新しいハイジュエリー・バージョンを発表する。また永久カレンダー搭載クロノグラフ5271 モデルには、それぞれバゲットカット・ブルーサファイヤ、バゲットカット・ルビーで飾られた2点の新しいジュエリー・バージョンが登場する。これらの洗練された作品は、いずれもパテック フィリップのグランド・コンプリケーションの技術的卓越性と、きわめてエクスクルーシブなジェム・セッティングの芸術を組み合わせている。


●6300/400G-001

ジェム・セッティングは、ジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムに展示されたオールド・コレクションが如実に示すごとく、彫金、クロワゾネ七宝、七宝細密画などの他の希少なハンドクラフト技術と共に、常にタイムピースを装飾するために用いられてきた。1839年の創業以来、マニュファクチュール パテック フィリップは、多くの作品をジェム・セッティングにより装飾してきた。例えばヴィクトリア女王が1851年のロンドン万国博覧会で購入したペンダント・ウォッチ(No. 4719)は、ローズカット・ダイヤモンドで装飾されている。マニュファクチュール パテック フィリップは、婦人用の華麗なジュエリー・ウォッチを創作するのみでなく、最も洗練された複雑な機械式タイムピースのジュエリー・バージョン、ハイジュエリー・バージョンも提供している。


●5271/11P-010

そして今回、4点のニューモデルがこれらのグランド・コンプリケーション・コレクションに加わったのである。その完璧なデザインは、パテック フィリップ・シールに準拠した最高の品質、カット、セッティング技術による貴石によってさらに引き立てられている。これらの作品は、パテック フィリップの現行コレクションの卓越したタイムピースのラインナップをさらに豊かにするであろう。


●6300/401G-001

ムーブメントとケースの複雑さ、および最高の職人がスキルと経験を生かし、細心の配慮を注いで行うジェム・セッティングを考慮し、その年間製作個数は限定されたものとなる。


●5271/12P-010


パテック フィリップ・グランドマスター・チャイム・ハイジュエリー6300/400G-001 および6300/401G-001モデル

2014年、創業175周年を記念してマニュファクチュールパテック フィリップが創作し、全面に手彫金による装飾を施されたローズゴールド仕様のリミテッド・エディション、パテック フィリップ・グランドマスター・チャイムは2016年、現行コレクションに登場した。2019年からは、2つのブルー・オパーリン文字盤を備えたホワイトゴールドのバージョン(6300G-010モデル)がラインナップされている。

今回、パテック フィリップは、このマスターピースが誇る高度な機械的性能へのトリビュートとして、ホワイトゴールド仕様の2点の新しいハイジュエリー・バージョンを発表する。6300/400G-001モデルは、ケース、2つのベゼル、折り畳み式バックルに合計409個のバゲットカット・ダイヤモンド(31.35カラット)がセッティングされている。






6300/401G-001モデルは、前面ベゼルとバックルに118個のバゲットカット・サファイヤ(11.9カラット)、裏面ベゼルとケースに291個のバゲットカット・ダイヤモンド(20.54カラット)がセッティングされている。これらの希少な貴石をさらに引き立てているのは、ケース側面、ラグ側面、反転リンクを輝かせる《インビジブル・セッティング》と呼ばれる高度に洗練されたセッティング技法である。






両面に文字盤を備えたリバーシブル・ケースは、特許取得のシステムにより容易に反転させることができ、自由にいずれかの文字盤を上にして着用することができる。両面のゴールド文字盤はエレガントなエボニーブラック・オパーリン・カラーで彩られ、前面文字盤には手仕上げのギヨシェ装飾による《クルー・ド・パリ》(ホブネイル・パターン)モチーフが施されている。タイムピースは、コントラストを持たせたクリーム(6300/400G-001)またはブルー(6300/401G-001)のステッチが特徴のブリリアント・ブラック・アリゲーター・バンドと組み合わされている。

20の複雑機能を擁するこのモデルは、パテック フィリップの現行コレクションの中で、最も複雑な腕時計である。3つのゴングによるチャイム機構は、グランドソヌリ、プティットソヌリ、ミニット・リピーターと、チャイムによるアラーム、今日の日付を好きな時にチャイムで知らせるデイトリピーターという、2つの特許取得の世界初の機構からなる、5つのチャイム・モードを備えている。1,366個の部品で構成される手巻ムーブメント、キャリバー300 GS AL 36-750 QIS FUS IRMには、特許取得の4桁の年表示を含む永久カレンダーも搭載されている。



このタイムピースには、外周に一列のバゲットカット・ダイヤモンド(6300/400G-001)またはバゲットカット・ブルーサファイヤ(6300/401G-001)をセッティングしたホワイトゴールドのカフリンクスが付属している。
ホワイトゴールドのエボニーブラック・オパーリン・センターには、手仕上げのギヨシェ装飾による《クルー・ド・パリ》(ホブネイル・パターン)モチーフとパテック フィリップを象徴するカラトラバ十字を配している。



永久カレンダー搭載クロノグラフ 5271/11P-010および5271/12P-010 モデル
1941年に1518モデルが発表されて以来、永久カレンダー搭載クロノグラフは、パテック フィリップの偉大なクラシックとしての地位を確立している。2011年には、このきわめて追い求められるタイムピースに、マニュファクチュールによる完全自社開発・製造のキャリバーCH 29-535 PS Qが搭載された(5270モデル)。そして2014年、パテック フィリップはこれを新たに解釈し、バゲットカット・ダイヤモンドをセッティングしたプラチナ仕様のバージョンを発表した(5271P-001モデル)。カラー・ジェムがセッティングされた2点の新しいジュエリー・バージョンは、この洗練された機構に比類のない輝きを与えている。




新しい5271/11P-010モデルは、ベゼル、ラグ、折り畳み式バックルにセッティングされた80個のバゲットカット・ブルーサファイヤ(5.16 カラット)と、外周に向かって濃くなるブラック・グラデーションのラック・ブルー文字盤が際立っている。溝の入ったラグのスリムなプロフィールは、5つの異なるサイズのバゲットカット・サファイヤによって強調されている。コントラストを持たせたブルーのステッチを配したブリリアント・ブラック・アリゲーター・バンドが、このジュエリー・バージョンの洗練されたエレガンスを完璧なものとしている。



新しい5271/12P-010モデルは、ベゼル、ラグ、折り畳み式バックルにセッティングされた80個のバゲットカット・ルビー(5.25カラット)が比類のない輝きを与えている。外周に向かって濃くなるブラック・グラデーションのラック・レッド文字盤、ブリリアント・ブラックのアリゲーター・バンドとコントラストを持たせたレッドのステッチが、ルビーの深みのある色彩を反映している。




2点のタイムピースのプラチナ・ケースは全面がポリッシュ仕上げされ、ハーモニー溢れるプッシュボタンは、側面がサテン仕上げ、上面がポリッシュ仕上げとなっている。いずれのモデルも、パテック フィリップのプラチナ・モデルに共通な特徴として、ケース側面の6時位置のラグ間にブリリアントカット・ダイヤモンドがセッティングされている。



キャリバーCH 29-535 PS Qは、その伝統的なアーキテクチャー(手巻、コラムホイール、歯車による水平クラッチ)と、クロノグラフに関する特許取得の6つの技術革新、およびきわめて薄いカレンダー機構(部品数182個、厚さわずか1.65 mm)を特徴としている。サファイヤクリスタル・バックを通してムーブメントの精緻な仕上がりを鑑賞することができ、これは付属のソリッド・ケースバックと交換することもできる。



引用は以上。
6300モデル2種については文中にも記載したとおり、為替による価格の変動があるため"要問合せ"(プライス・オン・リクエスト)つまり時価の扱いとなっている。なお5271モデル2種のプライスについては下記のとおり。


5271/11P-010

価格:¥46,882,000

5271/12P-010

価格:¥46,882,000


個人的には、組み合わせをエメラルドとルビーにして、緑と赤の完璧なクリスマスカラーのほうが、よりシーズナブルだったなぁと感じたが、別にブランドはクリスマス云々に言及してるわけでもないのでこれは妄想だけれども、それにしても実機をどこかで見られる機会があったらいいなぁ。パテック フィリップの場合、宣材画像よりも実機のほうがはるかに存在感・美しさ・インパクトが高いので、特に外周に向かって濃くなるブラック グラデーション技法のラック・レッド ダイヤルを施されたルビー仕様の5271/12P-010なんて、たぶんその完成度は圧巻だろう。

最近の時計市場、特にセカンド・マーケットやオークションでの過熱ぶりはちょっと凄すぎるし、それらに触れたトピックの中にはほぼもれなくパテック フィリップのプロダクトが出てくる。でもまぁそんなことはいつまでも続くものではないので、この間はむしろこういう、雲の上の時計たちを美術館の絵画のように眺めつつ静かに過ごすのも良いのかもしれない。
ま、そんな異常な状況についてはいずれ別稿にするとして、いまはパテックフィリップからのクリスマス・ツリーなどを愛でつつ、ハッピーなクリスマスを迎えたいぞ。。。





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