A.ランゲ&ゾーネ新作の第一報は「オデュッセウス・クロノグラフ」~新開発のリセット機構を搭載し 世界限定100本

 By : KITAMURA(a-ls)

いよいよ Watches&Wonders2023が開幕した。

まずはA.ランゲ&ゾーネ新作の第一報だが、なんと「オデュッセウス・クロノグラフ」、しかもその一択!! 
新作はそのジャスト・ワンモデルのみという、まさに渾身の一本勝負だ。

画像がこれ!!



しかしなぜ、今年はこの「オデュッセウス・クロノグラフ」一本勝負なのか?

これに関しシュミットCEOにいろいろと話を伺ったが、その理由の一つとして、
「過去3年間のコロナ禍の影響で、オンラインのみでWatches&Wondersに参加した方々の多くが、新作の実機を見られていません。なのでA.ランゲ&ゾーネとしては、そうした方々にも改め過去3年間の素晴らしい新作実機を見ていただこうと、それらを一堂に展示することにしました。そのこともあって、今年の新作第一弾としてはこの作品ひとつに集中したのです」という、なんか胸がジーンとする理由を答えていただいた。

シュミットCEOのインタヴューは、別途記事として掲載する予定なので、この他にも語られた深い意味合いはまたのお楽しみとしていただくとして、まずは「オデュッセウス・クロノグラフ」である。



赤い針がクロノグラフ針、銀色の針は積算計で、ともに60を区切りとして、ダイヤル外周の目盛を使用する。
ダイヤル上にアウトサイズデイトの日付窓と曜日という大きなサイズの要件を必須とするオデュッセウスの文字盤表示が情報過多にならないよう、クロノ針と積算針をすっきりと同軸にまとめている、良いデザインだ。

そして、基本ムーブとなる"ダトマチック"の発展形なので、A.ランゲ&ゾーネとしては初となる自動巻きクロノグラフでもあるのだが、特筆点はそのリセット時にある。
リセットボタンを押せば、通常は瞬時にデフォルトの"0"ポジションに戻ることになっているクロノグラフ針が、計測時に進んだ分だけ逆回転してスタートポジションに戻るというのだ。つまり、5分を計測してリセットすれば、クロノグラフ針は反時計回りに5回の逆回転を見せることになる。

とりあえずプレスリリース全文を掲載しておく。




オデュッセウス・クロノグラフ~A.ランゲ &ゾーネ初の自動巻きクロノグラフ

A.ランゲ&ゾーネ は 4年前に、美しい仕上げ装飾を施した新開発の専用ムーブメントとユニークなデザインが目を引く、ブランド初のエレガントなスポーティウォッチ、オデュッセウスを発表しました。この度、好評を博す このオデュッセウスファミリーに、オデュッセウス・クロノグラフが登場します。ステンレススチール製ケース に収められるのは、新開発でA.ランゲ&ゾーネ初の自動巻きクロノグラフムーブメント、キャリバー L156.1です。革新的なダイナミックリセット機能は、果敢に新しい道を切り開き、機械式時計をさらに進化させようとする、A.ランゲ&ゾーネの意気込みの表れです。オデュッセウス・クロノグラフは、複雑なムーブメントを搭載している為、世界100本の限定モデルです。



オデュッセウス・クロノグラフ
デザインと機能の 新境地へ

A. ランゲ&ゾーネ は、新境地 の開拓に挑戦し続けます。2019年には、モダニティとエレガンスを兼ね備えたオデュッセウスを発表し、エレガントなスポーティ ウォッチというカテゴリーに新風を吹き込みました。
この時計の開発にあたり 、開発 チームは時計制作技術の未開の地に足を踏み 込み、このモデル専用の、かつて ない 独創的なムーブメントを作り上げました。それがキャリバー L15 6.1 DATOMATICです。



さらに、デザイン面においても新しく、かつ独創的な進歩を遂げました。オデュッセウスの開放的で軽やかな印象と個性的なフォルムが創り出す現代的な外観は、他のスポーティ ウォッチとは一線を画すものです。また、細い ベゼルによって広がった ダイヤルに、槍形の針とメゾンならではの 日付・曜日表示を配置することで 、高い視認性を確保しています。


ムーブメント
開発 への挑戦

オデュッセウス ファミリーに仲間入りしたこのモデルで、A.ランゲ&ゾーネは未知の領域に足を踏み入れ、ショートタイム計測におけるメゾンの専門性の高さを示します。今日においても、クロノグラフキャリバーの設計と製作は、時計作りの最難関の一つとされ、そのような複雑なムーブメントを開発・製作することができる技術力を有するマニュファクチュールは、ほんの一握りしかありません。 1999 年以来、A.ランゲ&ゾーネが開発したクロノグラフムーブメントは13個を数え、それらの 搭載モデルはいずれも高い評価を得てきました。

「オデュッセウス・クロノグラフは、 モダンでユニークな デザインのこのプロダクトファミリーを、技術的にさらなる次元へ高めました。この モデルは、A. ランゲ&ゾーネの機械式時計の特徴を何一つ犠牲にすることなく、多様な用途に対応するストップウォッチの要件をすべて満たしています」と、商品開発ディレクターのアントニー・デ・ハスは語ります。



オデュッセウス特有のダイヤルデザインを叶えるため、この時計専用のムーブメントを開発し、先端が尖った分積算針とレッドカラーのクロノグラフ秒針の両方をダイヤル中央に配置しました。その結果、3時と9時位置には、積算計ではなく、アウトサイズデイトと曜日表示を配置することができています。



また、計測可能な時間が 30分から60分に増えたことにより、クロノグラフの用途も広がります。さらに、革新的なダイナミックリセット機能も搭載。 計時後、4時位置のリセットボタンを押すと、ダイヤル上で短時間ながら見応えのあるパフォーマンスを見ることができます。
分積算針が瞬時に元の位置に戻る一般的な動きを見せる一方、赤いクロノグラフ秒針は瞬く間に進んだ距離だけ逆回転します。
つまり、計測1分あたり1周ずつ針がグルグルと巻き戻されるのです。分積算針がまだ30分のマーカーに達してい
ない場合には、両方の針が反時計回り方向にゼロ位置に向かって動きます。分積算針がすでに30分のマーカーを越えていた場合には、両方の針が時計回り方向に帰零します。この時、クロノグラフ秒針は1時間に満たない分数だけグルグルと電光石火のごとく回転します。




デュアルファンクション・ ボタン

クロノグラフをできる 限り確実かつ容易に操作できるように、開発者たちは防水仕様のピラミット形ボタンに、まったく新しいデュアル機能を装備しました。2時と4時位置にある二つのボタンは、ねじ込み式リューズが通常位置にあるときには、クロノグラフ操作用として計時の開始、停止、リセット操作ができます。リューズを引いて中間位置に入れると、ボタンで日付・曜日を調整できます。 また、時刻合わせは、リューズを三つ目のポジションに入れる、つまり完全に引き出す ことで、ボタン操作ができなくなり、リューズを回して時刻を合わせることができます。




個性的なデザイン

オデュッセウス・クロノグラフの直径 42.5mm、3ピース構造のステンレススチール製ケースは、120mの防水性能と、着用したままレジャーや軽運動を楽しめる堅牢性を持ち併せています。このプロダクトファミリーの他モデル同様、ツヤ消し仕上げのケース にはエッジに面取り仕上げが 施されアクセントになっています。
ステンレススチール製ブレスレットのラグとコマの ひとつ ひとつにも表面にブラシ仕上げを施し、角を面取りすることで 美しい光の戯れを創り出し、ケースとの調和 が図られています。



世界限定100本のオデュッセウス・クロノグラフは、これまでのオデュッセウスモデルと同じように、奥行きを感じさせる 特殊な構造のダイヤルを搭載しています。ブラックのメインダイヤル上、内側の表面には粒状感を出し、ホワイトゴールド製の溝が入ったバーインデックスを、スモールセコンドの目盛り同様外側の同心円状模様の面に取り付けています。ダイヤル外周のパラジウムカラーのフランジには、2種類の目盛りがプリントされています。



外側は1秒未満単位の目盛りで、その内側が分単位と秒単位を示す目盛りです。 12時位置に赤でプリントされた 60の数字と赤いクロノグラフ秒針は、オデュッセウス・クロノグラフのエレガンスと躍動感を印象づけます。オデュッセウス ファミリーのモデルでは、ランゲ独特の 槍型 の時分針が背景からよりくっきりと浮かび上がるデザインになっています。この時針と分針にも、バーインデックス の中央部分同様に夜光塗料が塗布されています。 一際大きな曜日・日付表示にも、ランゲらしさが うかがえます。デジタル化が進む現代にふさわしいこの表示は、A.ランゲ&ゾーネの歴史とゆかりの 深い 、ドイツ・ ドレスデンのゼンパー歌劇場の五分時計に着想を得たものです 。この有名な舞台時計は、 1841年に行われた同歌劇場の こけら落としに合わせて宮廷時計師ヨハン・クリスチャン・フリートリッヒ・グートケス によって製作され たもので、デジタル式表示の時計は当時、非常に珍しいものでした。 A. ランゲ&ゾーネの創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲは、そのグートケスのもとで時計作りを学び、後に彼の娘と結婚したのです。


完璧を追求する独自の仕上げ工程

オデュッセウス・クロノグラフに搭載されているキャリバー L156.1 DATOMATIC は、A.ランゲ&ゾーネ初の自動巻きクロノグラフムーブメントです。DATOMATIC(ダトマティック)とは、ドイツ語の日付を意味する"Datum" と自動巻きを意味する"Automatik" を組み合わせた造語です。

スケルトンタイプで一部にブラックロディウム加工を施したプラチナ 950製分銅付きセンターローターが、ゼンマイをしっかりと巻き上げます。香箱は、完全に巻き上げると 50 時間のパワーリザーブを蓄えることができます。調速機は、歩度を最大限安定させることを考えて設計されています。その目的を達成するために、毎時28,800 振動のテンプを受け板で支持しています。そのテンプ受け板には、この時計が防水仕様であることと着用
したまま軽い運動ができることを示唆する波模様が手彫りで描かれています。

A.ランゲ&ゾーネは、ムーブメントの製作と仕上げにおいて、常に独自の道を切り開いてきました。 キャリバー L156.1 DATOMATICも、最高の精度を追求するため、二度組方式で組み立てます。また、素材の特性を生かした洋銀製のブリッジや地板、ハンドエングレービング入りテンプ受け、あるいはブルースクリューで留めたゴールドシャトンなど、数々 の A. ランゲ&ゾーネ ならではの伝統的要素が盛り込まれています。さらに、組み立て後は 隠れて見えなくなってしまう部品も含め、すべての部品が手作業による精巧な仕上げ加工が施されます。その成果は、サファイアクリスタルのシースルーバックから見ることができます。

A.ランゲ&ゾーネ CEO のヴィルヘルム・シュミットは、
「オデュッセウス・クロノグラフは、未開の分野を研究し、困難を乗り越えて新しい技術を開発しようとするわが社の先駆の精神を象徴する時計です。 A.ランゲ&ゾーネの強みは革新性と創造力です。この二つの力をもって私たちは今後も、伝統的な機械式時計の世界に新たな方向性を示していきます」と抱負を語っています。


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毎年の新作予想、今年はハズしてしまった形だが、まぁかろうじて文中に『なんか今年はクロノグラフ系に光が当たってそうな予感がある。』という一文を書いているので、赤点10点くらいな感じだなぁ。

逆回転するクロノグラフ針の仕組みや輪列図など、これから実機を拝見して勉強する段階なのでまだ何とも言えないところだが、こうしたダイナミックな見せ場を持つモデルには弱点も多いのが常なので、そういう点をじっくり見定めたいところだ。
しかし、限定100本ということなので、入手はたぶん困難を極めるのではないだろうか。

以下、スペック。




【仕様】
オデュッセウス・クロノグラフ
Ref.463.178

[ムーブメント]
ランゲ自社製キャリバーL156.1 DATOMATIC®。ランゲ最高品質基準準拠、手作業による組立ておよび装飾。
・自動巻き、五姿勢調整済み
・プラチナ950製分銅付き片方向巻上げ式センターローター
・ハンドエングレービング入りテンプ受け板
ムーブメント部品数:516
石数:52
ビス留め式ゴールドシャトン:4
脱進機:アンクル脱進機
調速機:調整用ビス4個および耐震機構付きテンプ、最高品質の自社製ヒゲゼンマイ
・毎時28,800振動(4 Hz)
・カムおよびスワンネック形バネにより微調整可能な速度調整装置
パワーリザーブ:完全巻上げ状態で50時間

[機能]
時、分およびストップセコンド機能搭載スモールセコンドによる時刻表示
・日付表示および曜日表示
・ダイヤル中央から伸びるクロノグラフ秒針と60分積算針付きクロノグラフ
[操作系]
巻上げおよび時刻調整用ねじ込み式リューズ
・日付・曜日調整およびクロノグラフ操作兼用ボタン2個

[ケース]
ステンレススチール
ケース寸法:直径42.5 mm/高さ14.2 mm
ムーブメント寸法:直径34.9 mm/高さ8.4 mm
防水性能:最大12 気圧(120 m)
風防ガラスおよび シースルーバック:サファイアクリスタル(モース硬度9)

[ダイヤル]
真鍮、ブラック
・針および アプライドインデックス
・時分針:ホワイトゴールド、夜光塗料
・60分積算計:ロジウム加工スティール、夜光塗料
・クロノグラフ秒針:アルミニウム
・インデックス:ホワイトゴールド、夜光塗料

[ベルト]
ステンレススチール
バックル:長さ調整機構および落下防止機構付きバックル

限定数:100本、限定番号刻印入り、ブティック限定


【お問合せ】
A.ランゲ&ゾーネ
TEL.0120-23-1845