MB&Fの「Legacy Machine 101」 に18本限定の希少金属パラジウム・モデルが登場

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )

Legacy Machine 101に
希少金属パラジウム・モデルが登場


2014年に発売された「Legacy Machine 101(=レガシー・マシン101、LM101)」は、MB&Fが一貫して自社開発した最初のムーブメントを搭載している。MB&Fで長きにわたって続けられているムーブメントの自社開発はここから始まった。
新しく加わったLM101パラジウムモデルは、希少な銀白色の金属パラジウムでできた、MB&F初となる作品でもある。パラジウムのナチュラルな白色は、光に応じてグレーと淡いブルーやグリーンの色合いの間で変化する新しいサンレイダイヤルとコントラストを見せる。



レガシー・マシン101は、40mmという伝統的なサイズにさまざまな機能を搭載している。 だがそれは、単なる「機能」というよりも、着想から実現までの100年以上にわたる「時」と呼ぶにふさわしい。
腕時計に欠かせない要素は3つある。精度を司るテン輪、巻き上げる必要があるかどうかを知らせる主ゼンマイの巻き上げ残量表示、そしてもちろん時刻だ。レガシー・マシン101はそうした腕時計の本質を形にし美の領域にまで高めた。



LM101でまず目に入るのは、宙に浮いた大ぶりのテン輪だ。
そのゆっくりとした振動は、見る者をさらに近くへといざなう。そして、繊細なサンレイ模様が刻まれたムーブメントのトッププレートのすぐ上に浮かび上がる、純白のサブダイヤルが2つ。
右上では、真っ白なバックと美しいコントラストをなすブルーゴールドの針がくっきりと時・分を示しながら、すぐ下の小ぶりでやはり純白のサブダイヤルは、45時間パワーリザーブ表示に使われている。
2つの限定版「フロスト」モデルでは、これらの要素が手作業でフロスト加工を施し仕上げられ、繊細な煌めきに満ちた文字盤を背景に、さらにはっきりとしたコントラストを見せる。

ミステリアスな雰囲気を醸し出しているのが、文字盤を保護するもその存在を感じさせないサファイアクリスタルだ。
エレガントなツインアーチから吊り下げられた心を奪う大ぶりのテン輪にも、指を伸ばせば触れるような錯覚に襲われるだろう。
また、このアーチは金属のブロックをフライス加工したものであり、手作業で何時間もの間研磨して鏡のような光沢を生み出している。

レガシー・マシン101を裏返してみよう。
ミドルケースの厚みを減らし腕時計が薄く見えるようドーム型にした文字盤裏のクリスタルを通して、手作業で優美に仕上げられたムーブメントが姿を現す。そして、官能的なカーブを描くプレートとブリッジは、アンティークの高級懐中時計が持つスタイルへのオマージュであり、歴史的な血統を受け継いでいることを表している。



うねるようなコート・ド・ジュネーブ仕上げ、手作業で研磨した面取り部分、ゴールドシャトン、ブルー加工した皿ねじを持つLM101のムーブメントは、単に往時に忠実なだけではない。新たな時代の幕開けを告げる存在でもある。それは、構想・設計を自社で完結した初のMB&Fキャリバーだ。
ムーブメントの精密な仕上げ仕様と時計史への忠実性は、受賞歴を持つ独立時計師のカリ・ヴティライネンの手による一方、その構造と組立は完全にMB&F製である。
LM101では、まず18Kレッドゴールド製と18Kホワイトゴールド製のモデル、次いでフロスト加工を施した2つの限定モデル「Frost」(フロスト)がそれぞれ18本、33本限定で登場。そして3本限定のプラチナ950製限定モデルがそれに続いた。
さらに、18本限定の新作LM101としてこのパラジウムモデルが加わった。



レガシー・マシン101の詳細

エンジン:レガシー・マシン101のムーブメントは、レガシー・マシン No.1(LM1)のものと外見的に似ているが、よく見ればまったく新しいキャリバーであることがわかる。もちろんLM1のムーブメントの小型版だというだけではなく、MB&F社内で構想・開発されたまったく新しいキャリバーなのだ。



あらゆる機械式腕時計のムーブメントにおいて、心臓部と言えるのがテン輪とゼンマイであり、時間間隔の一定したその振動によりムーブメントの精度が調整されている。ブッサーははるか以前から、現代で一般的な4Hz(毎時28,800振動)と比べてかなり遅い2.5Hz(毎時18,000振動)でゆっくりと振動する、アンティークの懐中時計が持つ大ぶりのテン輪に魅了されていた。そして当然ながら、それがブッサーの原点となった。
だが、ブッサーの手による徹底的な伝統のリメイクには、誰もが目を見張るだろう。ムーブメントの裏側という従来の見えない位置からテン輪を移動し、ムーブメントはおろか文字盤からもさらに高い位置に悠然と浮かせたのだ。

LM101の振動機構は、その位置によってアバンギャルドな趣を醸し出しているかもしれないが、そこには紛れもなく「伝統」も保たれている。それが、MB&Fのために開発された調整ねじ、ブレゲオーバーコイルを使ったヒゲゼンマイ、そして可動式のスタッドホルダーを使った、直径14mmの大きなテン輪だ。

この同じテン輪がレガシー・マシン No.1で目を惹くのは確かだが、LM101のさらに小さなケースに収められた姿はより大きく見えるだろう。




文字盤と表示
LM101を目にした時、まず目を奪うのは空中で時を刻むテンプだ。しかし、時刻とパワーリザーブを表示する純白の文字盤もそれぞれが美を主張し、くっきりとコントラストをなすブルー加工を施した針で高い視認性も確保されている。 宙に浮いているテンプの三次元デザインを引き立てるのが、ムーブメントのすぐ上に浮かぶブルーゴールドに輝く針を備えた白い文字盤だ。文字盤はゆるやかなドーム型を描き、「ストレッチトラッカー」により半透明の高い光沢を放つ。このストレッチトラッカーとは、ラッカーを幾重にも塗って加熱し、文字盤の表面全体にしっかりと広がる(ストレッチする)ようにした処理のことだ。
そして、文字盤の純粋な美しさを引き立てるべく、底面の洗練された固定部分には目障りなねじを一切使っていない。各文字盤の外周には洗練されたゴールドをあしらい、時代を越えたクラシシズムを優雅に主張している。


精密仕上げと史実に対する忠実性
ムーブメントの開発自体は完全に社内で行われたが、ムーブメントでブリッジデザインの歴史的な正確性と精密仕上げを実現する責任を担ったのは、、有名な熟練時計師カリ・ヴティライネンだ。

ムーブメントプレート表面(文字盤側)に刻まれた繊細なサンレイ模様は、ある角度でわずかに視線を捉えるが、時刻とパワーリザーブを表示する白い文字盤や、浮き上がったテンプから気を逸らさせることはない。そしてヴティライネンは、ムーブメントの背面から見えるブリッジとプレートのスタイルや仕上げで、歴史的な忠実さを見事に再現した。エレガントにカーブしたブリッジのフォルム、そしてブリッジ間やブリッジとケース間に空けられた伝統的な広い空間がそれだ。

ムーブメントの背面では、つややかに磨き上げられた皿ねじ留めゴールドシャトンに輝く大粒のルビーが、官能的なカーブを描いたブリッジとクロスするコート・ド・ジュネーブ仕上げと、絶妙なコントラストをなして目を引きつける。このルビーのベアリングは、アンティークの高級懐中時計のムーブメントで見られる大粒の宝石がルーツだ。だが実用性も兼ね備えており、大ぶりのカナを支えつつより多くの潤滑油を保持する役割を果たすことによって、摩耗の低減と長寿命化を図っている。


「フロスト」モデルのつや消し(フロスト)仕上げ
18世紀後半から19世紀初頭にかけては、コンポーネントを特殊な酸の混合物で処理した後、、裸火で熱してつや消し(フロスティング)加工を施していた(うまくいかないこともあった)。こうして加工すると、霜に似た銀白色の効果を得ることができ、表面を酸化から保護することができ、時計に耐水性がまったくない場合には重要な技術だった。

強力な酸を使用する危険に対して時計職人たちがより慎重になってくると、それに代わる方法が開発された。仕上げのクオリティについていえば、最も効果的な方法は表面をワイヤーブラシできわめて慎重にブラシをかけることだった。しかし、わずかに力をかけすぎたり、ブラッシング時間が長すぎりたりするとすぐに表面は損なわれてしまい、均一にマットな質感を得るのは極めて難しかった。

今日、伝統的なつや消し(フロスト)仕上げに必要な技能と経験を持つ職人は非常に少なく、彼らはその秘密を厳重に守っている。伝統的なつや消し(フロスト)加工は、現代では素材を研がずに金属を圧縮して表面を磨くことで、手で彫れないほど硬い仕上げとなっている。


インスピレーションと実現
MB&Fのレガシー・マシンは、マキシミリアン・ブッサーの想像の世界から誕生した。「1967年ではなく、1867年に生まれていたら何が起こっていただろう?1900年代初めに最初の腕時計が現れた時、手首に着用する3次元マシンを作りたいと思っても、グレンダイザーやスターウォーズも、戦闘機も、僕の着想の範囲にはなかっただろう。でも懐中時計はあったし、エッフェル塔を見て、ジュール・ヴェルヌを読んだはずだ。20世紀の初めに僕がマシンを作ったとしたら、どんな姿になっただろう?きっと丸くて(伝統的なフォルム)、3次元の作品(MB&F特有のマシン)だったと思う。レガシー・マシンは、こうした問いかけの答えとして生まれたのです。」



18世紀と19世紀の懐中時計に対してマキシミリアン・ブッサーが抱く愛情は、今に始まったことではない。今日見る時計の複雑な機構は、事実上すべてがその時代に考案されただけではなく、洗練されたコンピュータープログラムを使わずに紙とペンだけで生み出された。さらに、現代の水準から考えると非常に未発達な、電気を使わない機械を用いて、極めて高精度の部品が製作された上に今日ですら達成するのが困難な驚くほど高いレベルの仕上げや組み立て、調整が行われていた。そして、現在の腕時計に比べるとサイズが大ぶりなため、ムーブメントは美しいフォルムのブリッジやプレートが整然と並んだ構造だ。

MB&Fの未来的なHorological Machine(オロロジカルマシーン)は、伝統的な時計学の粋を集めた結晶だが、ブッサーはその豊かな伝統にオマージュを捧げたいと考えていた。100年早くこの世に生を受けていれば、自身で製作していたかもしれない時計に思いを馳せながら。悠然と振動する大ぶりのテンプ、ドーム型の文字盤、伝統的なブリッジデザイン、そして昔ながらの精密仕上げ。その夢は、極めて現代的でありながら伝統のエレガンスを湛え、レガシー・マシンとなってここに実を結んだのである。



Legacy Machine 101の技術仕様

[エンジン]

三次元オロロジカルムーブメント(MB&F自社開発)
ムーブメントデザインと仕上げ仕様:カリ・ヴティライネン
手巻き式、単一の主ゼンマイ香箱
パワーリザーブ:45時間
テン輪:ムーブメントと文字盤から浮き上がった、カスタムメイドの14mmテン輪(伝統的な調整ねじ4個付き)
ヒゲゼンマイ:伝統的なブレゲヒゲ(スタッドホルダーで固定)
振動数:毎時18,000振動 / 2.5Hz
部品数:229
石数:23
シャトン:ゴールドシャトン(研磨した皿穴付き)
全体で19世紀のスタイルを踏襲した最高級の手仕上げ、面取りを施した内部の縁(手作業)、面取り後研磨、つや消し(フロスト)加工が施された「フロスト」モデルの文字盤、コート・ド・ジュネーブ仕上げ、手彫り文字




機能]
時、分、パワーリザーブ表示。
大ぶりのテン輪を文字盤上に懸架。

[ケース]
18Kレッドゴールド製または18Kホワイトゴールド製、プラチナ950製(33点限定)、パラジウム950製(18点限定)。「フロスト」モデルは18Kレッドゴールド製(33点限定)、18Kイエローゴールド製(18点限定)の2種。
サイズ:40mm(横)×16mm(高さ)
部品数:35

サファイアクリスタル]
表側の高いドーム型サファイアクリスタル、裏側のサファイアクリスタルはともに両面反射防止加工済み。

[ストラップ&バックル]
手縫いのアリゲーターバンド(黒または茶)、ケースにマッチするゴールド、プラチナ、パラジウムのバックル。


limited to just 18 pieces.
Retail price of the LM101 Palladium is CHF 55,000 VAT (USD 58,000 / EUR 51,000 before taxes).






【LEGACY MACHINE 101の「フレンド」たち】
コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
デザイン:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)

技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
ムーブメントデザインと仕上げ仕様:カリ・ヴティライネン

研究開発:ルーベン・マルティネス、シモーヌ・ブレット、トマ・ロレンザト(MB&F)
ムーブメント開発:ギヨーム・テヴナン(MB&F)

ホイール&プロファイル研削:ジャン=フランソワ・モジョン(Chronode)、ポール=アンドレ・タンドン(Bandi)、アラン・ぺレ(Elefil Swiss)、Decobar
ゼンマイ:ステファン・シュワブ(Schwab-Feller)
テン輪ブリッジ:バンジャマン・シニュード(AMECAP)
テン輪:アンドレアス・クルト(Precision Engineering)
プレートとブリッジ:ロドリグ・ボーム(HorloFab)、マルク・ボリス(2B8)
ムーブメントの手彫り:エディ・ジャケ、シルヴァン・ベテックス(Glypto)
ムーブメント部品の手仕上げ:ジャック=アドリアン・ロシャ(C.-L. Rochat)
PVD処理:ピエール=アルベール・ステインマン(Positive Coating)
ムーブメント組み立て:ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アン・ギテ、アンリ・ポルトブフ、エマニュエル・メートル(MB&F)
社内機械加工:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト(MB&F)
アフターサービス:トマ・インベルティ(MB&F)

品質管理:シリル・ファレ(MB&F)
ケース:リカルド・ペスカンテ、ダミアン・フェルニエ(Les Artisans Boitiers)
バックル:ナタリー・ギボー(Cendres et Métaux Lux)
文字盤:ヴィルジニー・デュヴァル、ハサン・シャイバ(Les Ateliers d’Hermès Horloger)
針:ピエール・シリエ、イザベル・シリエ(Fiedler)
ガラス:マルティン・シュテットラー(Stettler)
ストラップ:Multicuirs
化粧箱:オリヴィエ・ベルトン(Soixante et onze)
プロダクションロジスティックス:ダヴィド・ラミー、イザベル・オルテガ(MB&F)
マーケティングおよび広報:シャリス・ヤディガログルー、ヴィルジニー・トラル、ジュリエット・デュル、アルノー・レグレ(MB&F)
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、アンナ・ルーヴール、ヴィルジニー・マルション、ジャン=マルク・ボリー(MB&F)
グラフィックデザイン:サミュエル・パスキエ(MB&F)、アドリアン・シュルツ、ジル・ボンダラ(Z Z)
製品撮影: マールテン・ファン・デル・エンデ、アレックス・トイスチャー(Alex Stephen Teuscher photography)
ポートレート撮影:レジス・ゴレ(Federal)
ウェブサイト:ステファン・バレ(Nord Magnétique)、ヴィクトル・ロドリゲス、マチアス・ムンツ(NIMEO)
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX)
テキスト:スザンヌ・ウォン(Worldtempus)



【問い合わせ】
MB&F
Rue Verdaine 11
1204 Geneva, Switzerland
Tel: 41 22 508 10 39
www.mbandf.com