MB&F x エディ・ジャケ LM スプリットエスケープメント-8点限定

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )

MB&Fはその15年の歴史を通じて、カリ・ヴティライネン、エリック・クドレ、ステファン・マクドネル、ジャン=マルク・ヴィダレッシュ、ステファン・サルパネヴァをはじめとして、才気溢れる独立時計師と数々のコラボレーションを行ってきました。長年タッグを組んできたエリック・ジルー、斬新なアラン・シルベスタイン、彫刻家の夏航(Xia Hang)、現代美術作家セージ・ヴォーンなど、デザイナーやアーティストも然りです。MB&Fは今回初めて、伝統的な職人の技術に光を当てます。LM(レガシー・マシン)スプリットエスケープメント「エディ・ジャケ」限定エディションは、ジュール・ヴェルヌの小説の世界を、著名なエングレービング作家が並外れた想像力と技術を駆使して描き出した、ユニークな作品8点からなるシリーズです。



独立時計師愛好家の仲間内では、エディ・ジャケは斬新なタッチで時計を豊かな物語のタペストリーへと様変わりさせることができるアーティストとしてよく知られています。長きにわたってMB&Fを見守ってきたファンは、彼の作品をよくご存知でしょう。レガシー・マシンのエンジンの流れるような字体はエディ・ジャケの手によるものです。彼の芸術的才能の真骨頂は、こうした僅かな作業からも窺い知ることができます。MB&Fの創設者マキシミリアン・ブッサーは次のように述べています。「MB&Fはエディと何年にもわたって協力してきたが、ムーブメント上にエディ・ジャケが名前を刻んでくれるなんて、ストラディバリウスで『エリーゼのために』を演奏してもらうようなもの。些細なものにこれほどの素晴らしい才能を使うなんて、これ以上の贅沢は考えられない。」



ヌーシャテルを拠点とするジャケの代表作は、その深みや大胆さに特徴があります。古典的なスタイルで、人物像が英雄のように表現されます。LM スプリットエスケープメント エディ・ジャケ限定エディションの統一テーマは、ある意味、自然な流れで決まりました。ブッサーは言います。「テーブルを囲んでブレーンストーミングをしていたとき、咄嗟に頭に浮かんだテーマはジュール・ヴェルヌの物語でした。一つには私がSF好きだからです。そしてもう一つの理由は、もしMB&Fの創業が150年前だったら、今回エディが取り組んだレガシー・マシンコレクションのような時計を制作していたと思われるからです。」

レガシー・マシン スプリットエスケープメント(LM SE)が選ばれたのは、エングレービングに利用できる面が広いためで、この画期的なコラボレーションには自然な選択でした。エディ・ジャケはシリーズの予備調査として、19世紀の多作なフランス人作家ジュール・ヴェルヌの作品を読み尽くしました。彼が読んだ小説と短編小説作品は60冊にも及びます。最終的に限定エディションのデザインに選ばれた8つの物語には、彼の最も好きな作品、『海底二万里』のほか、『ハテラス船長の冒険』などあまり知られていない作品も含まれます。



意義深いのは、これらのイラストがすべて描き下ろしであるということです。デザインは、ジュール・ヴェルヌの著書を読み、映画化された作品や原作に基づいてクリエートされた作品を見た後に、ジャケが考案しました。エングレービングはいずれも、ジャケが想像力を羽ばたかせてストーリーのシーンと重要な瞬間を複雑な図柄として構成したものです。これらがLM SEエンジンの上で表現されるように特別に構想されました。
ジャケは創造性とエングレービング技術を最大限に発揮するとともに、LM SEエンジンの仕様と制約を考慮しなければなりませんでした。エングレービングのスペースとして文字盤が指定されました。メインのLM SEシリーズは、上面は平らですが実際にはエンジンのさまざまな部品に対応して裏側の厚みが異なっています。文字盤全体に均一な厚みがあるかのようにエングレービングを施すことは不可能でした。特定の部分に深いレリーフ彫りが必要な場合は芸術作品のキャンバスにうっかり穴を開けないように、薄い部分はどこか、慎重に確認しなければなりませんでした。

制作部門の側においても、オリジナルのLM スプリットエスケープメントに多少の調整が加えられ、ジャケがエングレービングペースを最大限に活用して存分に彼らしいノウハウを表現できるようにしました。新しいオープンワークの日付ダイヤルとパワーリザーブのサブダイヤル、よりワイドな文字盤が生まれました。ワイドな文字盤を配するスペースを確保するために、ベゼルのデザインはよりスリムになり、ケースのサイズも見直されました。ベゼルとケースのサイズが変更されたため、直径が大きくなったドームはカーブを控えめにした新しい文字盤用サファイアクリスタルを制作しなければなりませんでした。



描かれたシーンを完全に表現するために、ジャケはディテールごとに求められるシェーディングを調整し、ダークロジウム合金を手作業で塗布しました。たとえば、『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』 の文字盤に描かれた火から上がる煙は抑えたタッチが必要であったのに対し、『地底旅行』の文字盤に描かれた地底海にはグラデーションシェーディング技法が用いられています。多数の部品を設計し直すところから始まって、実際にエングレービングが施された文字盤の装着に至るまで、LM SEエディ・ジャケ限定エディションの作品1点あたりに300時間を超える追加作業が必要でした。

このシリーズではジュール・ヴェルヌ作の以下8作品の物語が描かれています。


『海底二万里』


『月世界旅行』


『八十日間世界一周』


『気球に乗って五週間』


『ハテラス船長の冒険』


『地底旅行』


『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』


『征服者ロビュール』

8つのユニークな作品はいずれも18Kレッドゴールドケースに納められています。

エングレービングについて

LM SEエディ・ジャケ限定エディションのエングレービングの文字盤は、SF小説の第一人者として広く認められている19世紀のフランス人作家ジュール・ヴェルヌの物語にインスパイアされたものです。著名なエングレービング職人であるエディ・ジャケは、ユニークピースそれぞれの原作であるジュール・ヴェルヌの著作を読み(時には読み返し)、出版時の原書の(ジュール・ヴェルヌ自身が承認したと思われる)挿絵など、原作に基づいた二次創造物や映画を参照しました。それから、文字盤のテンプレートに各ストーリーの主要なシーンを彼自身のオリジナルスケッチで描き出しました。物語を紡ぐ挿絵のタペストリーとして1つの文字盤上に複数の図柄を組み合わせることもありました。

『海底二万里』にインスパイアされた作品の文字盤には、何処ともしれぬ深海を彷徨う潜水艦「ノーチラス号」が描かれています。パワーリザーブダイアルのすぐ上にある破壊された2本の柱は、これがネモ船長と乗組員が失われたアトランティス大陸の遺跡を探索するシーンであることを示しています。対照的に、『地底旅行』にインスパイアされた作品の文字盤は、主人公たちが地球の内部に降りていくシーン、先史時代の生命に溢れる地底海、そして遠く離れて(ネタばれ注意!)小説の結末に火山が彼らを地表に噴き上げる場面を結集させています。



限られた直径の文字盤でこれらの豊かなシーンを表現することは、それ自体が特殊な挑戦の連続でした。中にはジャケが予見して計画を立てることができたものもあれば、エングレービングを施す中でソリューションを見つけなければならないものもありました。『気球に乗って五週間』に着想を得た、最初の文字盤のエングレービングにジャケが取り組む中で詳細を書き綴ったプロジェクトノートには、文字盤のさまざまな厚みに関する観察が記されています。文字盤のプレートは、上部は平らですが裏面は非常に不規則で、LM スプリットエスケープメントエンジンのさまざまな部品に対応するようあちこちに穴が開けられています。

文字盤の厚みはある部分では1.15 mmあり、深い浮き彫りが十分に可能なスペースがありました。とりわけ脆弱な3つの部分では、文字盤の厚みはわずか0.35 mmであり、複雑なディテールを持つエングレービングの美しさ全体が損なわれないようにしながら、その箇所では非常に軽いタッチが必要でした。



この文字盤プレートに関する同じプロジェクトノートでは、ジャケは日付ダイヤル部分に見られる、アフリカのサバンナの水飲み場で静かにくつろぐ3匹のシマウマについて述べています。ジャケの最初のコンセプトスケッチにこれらの動物は描かれていませんでしたが、美的にバランスをとるための重要なポイントとしてエングレービング工程の終盤になって追加されました。ただしこの変更のために、近くの2匹のカバの位置を調整することを余儀なくされました。こうした繊細なプロジェクトには、俊敏性と対応力が不可欠であることがわかります。

文字盤の特定のエレメントに視線を導き、その場面の劇的な効果を向上させる手段として、ジャケは色を暗くする処理を多用しています。求められるコントラストを生み出すために、暗色のコーティングを均一に塗布した後に部分的に除去するという一般的な手法の代わりに、ジャケははるかに労力を要する(そして最終的には美的インパクトのある)方法をレガシー・マシン スプリットエスケープメントのために選択しました。ジャケはジュエリー職人が使う電気メッキペンを使用して、ダークロジウム合金イオンを含む溶液を文字盤の各プレートに丁寧に塗布しました。通常は銀白色のロジウムを他の金属からなる秘密の混合物と合金化したこの技法を用いると、光沢のあるダークグレーのコーティングが生まれます。



アーティストが絵筆をふるうように電気メッキペンで何回も溶液を塗り重ね、ロジウムメッキ液のナチュラルな傾向を利用して、文字盤の溝と表面に沿って描画することで、ジャケはさまざまなグレーの色調を生み出し、異なる質感や光の強さを表現しました。この明暗法の技術は、『皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ』の文字盤に描かれた煙のような炎を表現するのにも遺憾無く発揮されています。墨のようにダークな色調の部分もあれば、光が漲る部分もあり、炎はジュール・ヴェルヌの描写さながらに教会の尖塔の周りに渦を巻いています。『気球に乗って五週間』の文字盤に描かれたカバの皮膚のダークでなめらかな光沢は、絵画的なアプローチを使用した繊細なハイライトで表現されています。『月世界旅行』や『地底旅行』は、空間と海の陰影のグラデーションは正確な技術、高度な集中力、ロジウム液の複雑な重ね塗りを要するもので、モアレ効果が演出されている箇所もあります。

レガシー・マシン スプリットエスケープメント エンジンについて

エングレービングを施すことができる広い領域が文字盤にあることの他にも、レガシー・マシン スプリットエスケープメントは現代の時計製造の世界で最も才能のある職人の1人であるエディ・ジャケとのコラボレーションに非常に適しています。熟練時計師のステファン・マクドネルがMB&Fのために開発し、レガシー・マシン パーペチュアルに初めて搭載された独自の脱進機であるLM スプリットエスケープメントは、ジュール・ヴェルヌにインスピレーションを得たエングレービングを施すのに最適なMB&Fの作品です。さらに、レガシー・マシンは当初、MB&Fの創業者マキシミリアン・ブッサーによる大胆なコンセプトラボの成果となった作品のコレクションです。彼が1967年ではなく1867年に生まれていたら、彼はどのような時計を制作したでしょうか。ジュール・ヴェルヌの物語が答えを教えてくれます。

すべてのMB&Fマシンには心臓部が2つあります。ストーリーやインスピレーションを表す比喩的な側面、そして文字通りの機械的なオシレーター(発振器)の側面があります。これらの2つの側面が歩みを完全に同じくして、レガシー・マシン スプリットエスケープメントの本質的な目的を達成するのです。



最初のレガシー・マシンは、19世紀末から20世紀初めにかけて開催された万国博覧会における、驚きと希望に満ちた雰囲気をイメージして製作されました。ワクワクするような高揚感が、LM スプリットエスケープメントの代名詞的なメカニズムとなって現れます。確立された時計製造の伝統に、きっぱりと別れを告げることで得られた効果です。LM スプリットエスケープメントでは、振石、アンクルおよびガンギ車の位置をエンジンの反対側に移すことで、謎めいたテンプのインパクトを高めています。これは、奇術師が最後の場面で観客の拍手を誘うためのからくりを入念に隠す手法と似ています。

テンプは繊細な部品であり、計時精度においては極めて重要な役割を果たしているため、時計メーカーは通常、脱進機の製作に関して従来の常識から大きく逸脱することは避ける傾向にあります。純粋な機械理論では、拍動点はできるだけオシレーター(発振器)に近づける必要があるとされています。バランスアセンブリが現在の形、つまりテン輪とヒゲゼンマイの真下に振石が配置された、高さの制限があるコンパクトなコンポーネントの形態をとるのはこのためです。

テン輪と振石の距離は11.78 mmで、これが、ムーブメントを貫き、文字盤の表に突き出てテンプを支えるテン真の長さとなります。テン真が長い場合、テンプが損傷されたり、絶えずねじれの力を受けてテン真が変形する可能性が高くなります。この微妙な問題の鍵となる要因はテンプの慣性とテン真の強度であり、LM スプリットエスケープメントのエンジンは、完璧な計時を実現できるように精密に設計されています。



スプリットエスケープメント機構の製作は技術的なチャレンジだったにも関わらず、LM スプリットエスケープメントのエンジンは、芸術性とクラシックなスタイルを念頭に置いて設計されています。そのため美しい左右対称のデザインで、下側に位置する部品を支えるブリッジは、ゴールドシャトン(石座)と穴石に沿って滑らかなカーブを描いています。そして完璧に実行されたアクションと同様に、こうした仕掛けは時計を見る側からは見えません。見えるのは優美さとシンプルさだけです。MB&Fとエディ・ジャケは、ジュール・ヴェルヌの息をのむような独創性、創造の一貫性、大胆さを体現するには、レガシー・マシン スプリットエスケープメント以外の選択はなかったのです。



エディ・ジャケについて



時計製造の世界にもれっきとしたロックスターが存在します。時計の世界ではたちまち賞賛と敬意を呼び起こすビッグネームが存在するのです。ジャン=フランソワ・モジョン、カリ・ヴティライネン、ジャン=マルク・ヴィダレッシュ、ステファン・サルパネヴァ、エリック・クドレ、ステファン・マクドネルといった、ムーブメントを制作する時計師の仕事ぶりは、国際的な時計製造愛好家による少人数のグループに長きにわたって親しまれています。デザイナーのエリック・ジルーやアラン・シルベスタインには、彼らを信奉し献身する熱心なファンがいます。しかし、同世代のアーティストの中でも最も才能ある1人であり、文字盤のエングレービングを通して稀代のストーリーテラーであるエディ・ジャケの名前を知るのはごく少数の愛好家だけです。

エディ・ジャケは1965年、ヌーシャテル郊外の小さな村で生まれました。ラ・ショー・ド・フォンの応用美術学校で技術を学んだジャケは卒業後も天職として、1987年から今日に至るまで絶えることなくエングレービングのキャリアを積みました。完全に独立した1994年以降は、時計の文字盤上に優美な芸術作品を生み出してきました。

彼の作品の多くは既存の物語や伝承に基づいていますが、そこには神話創造のエスプリが豊かに脈打っています。ジュール・ヴェルヌの小説をジャケがそのイマジネーションで新たに解釈し、手作業でハンドグレービングを施したユニークピース8点からなるシリーズ「レガシー・マシン スプリットエスケープメント エディ・ジャケ限定エディション」がこのエスプリを余すところなく伝えています。エディ・ジャケは、最初のレガシー・マシンに搭載されたムーブメントのブリッジに、彼の技術を活用してカリ・ヴティライネンとジャン=フランソワ・モジョンの名前を彫り込んだ2011年以来、MB&Fの友であり続けています。

レガシー・マシン スプリットエスケープメント-MB&F x エディ・ジャケ

技術仕様


ジュール・ヴェルヌの小説8作品に着想を得てエディ・ジャケによるグレービングが施された文字盤の8点のユニークピース限定エディション:
• 海底二万里
• 月世界旅行
• 八十日間世界一周
• 気球に乗って五週間
• ハテラス船長の冒険
• 地底旅行
• 皇帝の密使ミハイル・ストロゴフ
• 征服者ロビュール

エンジン
ステファン・マクドネルが開発したMB&FのLM スプリットエスケープメント用ムーブメント。
スプリットエスケープメント(分割された脱進機)のテンプは文字盤の上で吊り下げられ、アンクルとガンギ車はムーブメントの下側に配置。
2つのメインスプリングバレルを搭載した手巻き式。
パワーリザーブ:72時間
ムーブメント上部に従来型調整スクリューを備えた、専用の直径14mmのテン輪。
全体に19世紀のスタイルを踏襲した最高の手仕上げ、面取り加工を施した内部の縁(手作業で研磨)、研磨した面取り部、コート・ド・ジュネーブ装飾、手作業によるエングレービング。
テンプの振動数:18,000 bph / 2.5 Hz
部品数:296
石数:35

機能 / 表示
時・分、日付およびパワーリザーブインジケーター。
日付ダイヤルの横に、クイック日付調整用のプッシュボタン。

ケース
素材:5N レッドゴールド
サイズ: 44.5 mm x 18.2 mm
部品数:50
防水性能:30m / 100フィート / 3気圧

サファイアクリスタル
表面と裏面のサファイアクリスタルはともに両面反射防止加工済み。

ストラップ&バックル
ケースに合わせた5N レッドゴールドのフォールディングバックル付きダークブラウンの手縫いアリゲーターストラップ。

「レガシー・マシン スプリットエスケープメント-MB&F x エディ・ジャケ」担当のフレンズ




コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
デザイン:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)
技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
ユニークピースである文字盤プレート8点への手作業によるエングレービング:エディ・ジャケ
ムーブメントデザインと仕上げ仕様:ステファン・マクドネル
ムーブメント開発:ステファン・マクドネル、(MB&F)
研究開発:シモーヌ・ブレット、トマ・ロレンザト(MB&F)

歯車、ピニオン、軸:ジャン=フランソワ・モジョン(Chronode)、Atokalpa、ダニエル・ギュミ(Decobar Swiss)、ポール=アンドレ・タンドン(Bandi)、Swiss Manufacturing 、Le Temps Retrouvé
テン輪ブリッジとプレート: バンジャマン・シニュード(AMECAP)
テン輪:アンドレアス・クルト(Precision Engineering)、マルク・ボリス(2B8)
ヒゲゼンマイと香箱:ステファン・シュワブ(Schwab-Feller)
ケース:アラン・ルマルシャン&ジャン=バティスト・プレト(MB&F)
ケース精密仕上げ:Bripoli
ムーブメント構成部品:アラン・ぺレ(Elefil)
ムーブメント部品手仕上げ:ジャック=アドリアン・ロシャ、デニス・ガルシア(C.-L. Rochat)
ゴールド インゴット CoC(証拠保全):ナタリー・ギボ(Cendres et Métaux Lux)
ムーブメント組み立て: ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アン・ギテ、エマニュエル・メートル、アンリ・ポルトブフ(MB&F)
アフターサービス:トマ・インベルティ(MB&F)
品質管理:シリル・ファレ(MB&F)
文字盤:ハサン・シャイバ&ヴィルジニー・デュヴァル(Les Ateliers d’Hermès Horloger)
バックル:G&F Châtelain
リューズ:Cheval Frères
針:イザベル・シリエ(Fiedler)
サファイアクリスタル:Stettler
サファイアクリスタルの反射防止加工:アントニー・シュワブ(Econorm)
ストラップ:Multicuirs
化粧箱:オリヴィエ・ベルトン(Soixanteetonze)
製品ロジスティックス:ダヴィド・ラミー&イザベル・オルテガ(MB&F)

マーケティングおよび広報:シャリス・ヤディガログルー、ヴィルジニー・トラル、アルノー・レグレ(MB&F)
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ、ジュリエット・デュル(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、ヴィルジニー・マルション、ジャン=マルク・ボリー(MB&F)
グラフィックデザイン:アドリアン・シュルツ、ジル・ボンダラス(Z Z)
製品撮影:ローラン=グザビエ・ムーラン
ポートレート撮影:レジス・ゴレ(Federal)
ウェブマスター:ステファン・バレ(Nord Magnétique)、ヴィクトル・ロドリゲス、マチアス・ムンツ(NIMEO)
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX)
テキスト:スザンヌ・ウォン(Worldtempus)

MB&F – コンセプトラボの誕生

2005年に設立されたMB&Fは、世界初の時計コンセプトラボです。 20個におよぶ驚異的なキャリバーにより、絶賛に値するオロロジカルマシーンとレガシー・マシーンのベースを構築するMB&Fは、伝統的な時計製造の枠を超え、3Dキネティックアートを制作する、創始者兼クリエイティブディレクターのマキシミリアン・ブッサーのビジョンを継承しています。

マキシミリアン・ブッサーは高級腕時計ブランドで15年管理職を務めた後、2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターを辞任、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボなのである。

2007年、MB&Fは初のオロロジカルマシンHM1を世に送り出した。HM1の彫刻のような立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカルマシンの基準となり、その後、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されていく。こうして製作されたオロロジカルマシンでは、宇宙(HM2、HM3、HM6)や大空(HM4、HM9)、道(HM5、HMX、HM8)、そして動物の世界(HM7、HM10)を探索するマシンがイメージされている。

2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。これらはMB&Fにとってよりクラシカルなもので、現代的な芸術品を創作するために往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈し、19世紀の腕時計製造の卓越性への敬意を払っている。LM1及びLM2に続いて発表されたLM101は、全て自社開発したムーブメントを搭載する初のMB&Fマシン。そして、コレクションの幅をさらに広げるレガシー・マシン・パーペチュアル、レガシー・マシン・スプリットエスケープメント そしてレガシー・マシン・サンダードームの登場。2019年は史上初のレディース用MB&Fマシン「LM フライングT」の制作によりターニングポイントを迎えた。MB&Fは創設以来、現代的で型破りのオロロジカルマシンと、歴史からインスパイアしたレガシー・マシンを交互に発表している。

MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「フレンド」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きだった。

そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルだった。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品だ。一方、コラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造する。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時を語るマシンだが、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作された。

ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンに、その魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いついた。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後台北、ドバイ、香港にもM.A.D.ギャラリーがオープン。

MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきた。全てを網羅することはできないが、名高い「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」においては5つもグランプリを獲得している。2019年にはLM FlyingT(LM フライングT)が「ベストレディースコンプリケーション賞」を、2016年にはLM Perpetual(LM パーペチュアル)が「ベストカレンダーウォッチ賞」を受賞。2012年にはLegacy Machine No.1(レガシー・マシン No.1)が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「ベストメンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞。また2010年の同グランプリでは、HM4 Thunderbolt(HM4 サンダーボルト)で「ベストコンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。そして2015年には、HM6 Space Pirate(HM6 スペースパイレート)が、国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞した。






詳細についてはこちらまでお問い合わせください
シャリス・ヤディガログルー cy@mbandf.com / アルノー・レジュレ arl@mbandf.com
MB&F SA, Rue Verdaine 11, CH-1204 Genève, Switzerland
電話番号: 41 22 508 10 38