MB&Fの20周年を祝して「LM パーペチュアル ロングホーン」と「 LM シーケンシャル フライバック ロングホーン」を発表~ブランド初のアニバーサリー限定エディション
From : MB&F (エムビー アンド エフ )MB&Fの20周年を祝う「LM パーペチュアル ロングホーン」&「LM シーケンシャル フライバック ロングホーン」
MB&Fの20周年を記念して、ロジウムコーティング基板、光沢のあるブラックラッカー仕上げの文字盤、ブルーの針を備える2種類のステンレススティール製「ロングホーン」各20点限定エディションが発表されます。

MB&Fの20周年
2025年は、マキシミリアン・ブッサーが、現在「オロロジカル・マシン No.1」として知られるデザインのために「フレンズ」ネットワークを構築し始めた2005年にスタートした、ある冒険の20周年にあたります。20年を経て20を超えるキャリバーが誕生した現在、MB&Fチームは60名を超える従業員を数えます。これは大変な道のりでした。
これまでの20年間を振り返り、マックスは語ります。「まるで夢が叶ったようです。夢にも思わなかったことです。当時、私たちは現在の状況を想像だにしませんでした。本当に起こっていることだなんて信じられません。」

記念すべきこの年は、創造性溢れるMB&Fの技術を称え、記念する新しいタイムピース、コラボレーション、サプライズが目白押しです。まずは、2つのリミテッドエディションであるLM パーペチュアル ロングホーンとLM シーケンシャル フライバック ロングホーンがそれぞれ20点限定で登場します。
ロングホーンの冒険
ロングホーンのコンセプトは、2009年、MB&Fの最初のレガシー・マシンであるLM1の設計段階で誕生しました。「ホーン」とも呼ばれる長いラグを採用したデザインのアイデアは、美しいビジュアルながらも、バネ棒をケース近くに配するか、ラグの先に配するかという課題に直面しました。いずれの選択肢も、手首のサイズによってはフィット感が損なわれるおそれがあったため、長いラグではなく短いラグに変更され、誰もがそれで完結したと考えました。

時は流れ、2021年、LM1は10周年を迎えます。MB&Fがシリーズ終了を決定していたため、LM1モデルは残っていませんでした。1つだけ残されていたプロトタイプは、後にこの新しいモデルの開発における重要なマイルストーンとなったのです。このタイムピースが、従来の作品よりもさらに特別なものとなった経緯を考えてみましょう。ちょうどこのとき、ロングホーンの問題が再び持ち上がります。今回は、ラグに2つの穴を開けるという独創的なアイデアが採用されます。穴の1つはホーンの先端、もう1つはケースに近いところに開けて、お客様が決めることができるようにしたのです。

このユニークピースの特別な特徴はこれだけではありません。多くのLM1がゴールド、プラチナ、チタン製であるのに対し、ユニークなこのタイムピースはステンレススティール製で、レガシー・マシンのクラシックな白のサブダイヤルの代わりに、ロジウム仕上げの地板に光沢のあるブラックのダイヤルを備えます。黒い文字盤は、ほんの小さなホコリでも台無しになるため制作は困難をともなったものの、忍耐と粘り強さが勝りました。
この作品は、オークションハウス・フィリップスとバックス&ルッソ社が共同で開催したオークションに出品され、収益の大部分がセーブ・ザ・ライノ・インターナショナル(サイの保護プロジェクト)に寄付されました。LM1の歴史は幕を閉じましたが、販売後にも反響が大きく、ロングホーンとブラックとシルバーを反転させた配色が、これで終わるべきなのかという疑問が残されます。
初のアニバーサリー限定エディション2点
「よいことはいつか終わる」と言われますが、もう少し続けられるのであれば、そのチャンスを活かすべきではないでしょうか?こうした考えから生まれたのが、ステンレススティール製ケース、長いラグ、ロジウム仕上げの地板、光沢のあるブラックラッカーのサブダイヤル、ブルーの針を備えたアニバーサリーウォッチ2点です。

レガシー・マシン パーペチュアル ロングホーン
1つ目は、2015年に発表され、MB&Fが初めてジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)を受賞したパーペチュアルカレンダーを搭載したLM パーペチュアル ロングホーンです。これは、独立時計師ステファン・マクドネルとのコラボレーションにより開発されたもので、構成部品581個の完全一体型ムーブメントが特別に設計されました。従来のパーペチュアルカレンダーの欠点が解消され、はるかに使いやすくトラブルのないソリューションとなっています。

マクドネルのパーペチュアルカレンダーは、画期的な「機械式プロセッサ システム」を採用しています。カレンダーが切り替わる際に調整のプッシュボタンが自動的に停止するため、日付のスキップや歯車の嚙み込みを防ぐことができるのです。このアニバーサリーエディションは20点限定で、マクドネルが手がけた美しいビジュアルの自社製ムーブメントに、ロングホーン、そしてブラック、シルバー、ブルーのカラーが加わり、斬新な表情が生まれています。
レガシー・マシン シーケンシャル フライバック
2番目の限定エディション、LM シーケンシャル フライバック ロングホーンもステファン・マクドネルが手がけたモデルです。2022年に発表された、シリーズ初のモデルであるLM シーケンシャル エヴォは、MB&Fの20番目のキャリバーであり、初のクロノグラフでした。この製品は、大きな技術革新と「ツインバーター」バイナリスイッチによる画期的な計測モードの組み合わせ(独立計測モード、スプリットセコンドモード、積算計測モード、ラップモード)を特徴とし、時計製造界の最高賞である、名誉ある「エギーユ・ドール(金の針)」賞を受賞しました。

新しいフライバック エディションは、前作のエヴォからさらに進化しています。モーターレースに関係する従来の計測モードに加えて、本来パイロットのために考案されたフライバック機能が追加され、シーケンシャルを空の世界へと導きました。長いラグ、ブルーの針、光沢のあるブラックのサブダイヤルに彩られたこの2番目のリミテッドエディション20点もまた、MB&Fの20周年の幕開けにふさわしい作品です。
特別なフレンドへのオマージュ
「ステファン・マクドネルについて語らずして、MB&Fの歩みを語ることはできません」とマキシミリアン・ブッサーは説明します。「だからこそ、私たちは20周年の幕開けに、MB&Fのコレクションの中でも最も複雑なムーブメントのひとつである彼のキャリバーからスタートしたいと思ったのです。」

北アイルランドを拠点に活動する時計師ステファン・マクドネルは、まさにMB&Fフレンズの元祖の一人です。マクドネルとのコラボレーションは、MB&Fの初期に、オロロジカル・マシン No.1の最終段階の開発と組み立てに彼が携わったときから始まり、数年後、彼は前述のLM パーペチュアルとシーケンシャルを開発しています。
ロングホーンのこれら2つの限定エディションは、MB&Fの数多くのコラボレーションとクリエーションを称える記念すべき1年のほんの始まりに過ぎません。今後数か月にわたるさらなる展開にご期待ください。
【技術仕様】
LM パーペチュアル ロングホーン
20周年限定エディション:ブラックのサブダイヤルを備えるステンレススティール製モデル
限定20点

[エンジン]
MB&Fのためにステファン・マクドネルが開発した完全一体型パーペチュアルカレンダーは、ダイヤル側の複雑機構と、内蔵型安全メカニズムを備えた機械式プロセッサ システムが特色。
2つのメインスプリングバレルを搭載した手巻き式。
ムーブメント上部に、従来型調整スクリューを備えた専用14 mmテン輪。
手細工を強調する内部ベベルアングル、研磨ベベル、コート・ド・ジュネーヴ模様、手彫りなど、19世紀スタイルを尊重し、至るところに手作業による最高級の仕上げが施されています。
パワーリザーブ:72時間
振動数:18,000bph / 2.5Hz
部品数:581
石数:41
機能・表示
時・分、曜日、日付、月、レトログラード閏年及びパワーリザーブインジケーター
[ケース]
素材:ステンレススティール
直径:44 mm x 17.5 mm
部品数:69
防水機能:30 m / 90' / 3気圧
サファイアクリスタル
トップ及び表示装置裏に、両面反射防止加工処理を施したサファイアクリスタル
[ストラップ&バックル]
ステンレススティール製フォールディングバックル付きカーフレザーストラップ
LM シーケンシャル フライバック ロングホーン
20周年限定エディション:ブラックのサブダイヤルを備えるステンレススティール製モデル
限定20点

[エンジン]
ステファン・マクドネルがMB&Fのために開発した完全一体型のデュアルクロノグラフ フライバックシステム。複数の計測モードを可能にするツインバータースイッチを備えています。
2つのメインスプリングバレルを搭載した手巻き式。
12時位置に調整ネジを備えたフライングテンプ、ブレゲオーバーコイル。
最高級の手仕上げ。職人技を強調する面取り加工を施した内部の縁。研磨した面取り部。コート・ド・ジュネーブ装飾。手作業によるエングレービング。
傾斜がつけられたブラックラッカー仕上げの文字盤&ブラックのサブダイヤル
パワーリザーブ:72時間
振動数:3 Hz(毎時21,600振動)
部品数:619
石数:63
[機能]
6時位置の時刻表示(時、分)。
左側クロノグラフ:9時位置に秒表示、11時位置に分表示。10時位置にスタート/ストッププッシュボタン、8時位置にリセット/フライバックプッシュボタン
右側クロノグラフ:3時位置に秒表示、1時位置に分表示。2時位置にスタート/ストッププッシュボタン、4時位置にリセット/フライバックプッシュボタン
9時位置にツインバータープッシュボタン:両方のクロノグラフの現在のスタート/ストップステータスを反転させるバイナリスイッチ。
どちらのクロノグラフもフライバックを備えています。
ムーブメントの後ろにパワーリザーブ表示。
[ケース]
素材:ステンレススティール
サイズ:直径44 mm x 厚さ 18.2 mm
部品数:88
防水性能:30m / 3ATM / 90フィート
[サファイアクリスタル]
トップ及び表示装置裏に、両面反射防止加工処理を施したサファイアクリスタル
[ストラップ&バックル]
ステンレススティール製フォールディングバックル付きカーフレザーストラップ
LM パーペチュアル ロングホーンを担当した「フレンズ」

コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
製品設計:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)
技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
ムーブメントデザインと仕上げ仕様:ステファン・マクドネル&MB&F
ムーブメント開発:ステファン・マクドネル&MB&F
研究開発:ピエール=アレクサンドル・ガメ、ロバン・コトレル(MB&F)
メソッドとラボ: ヤニック・ジュルヌ、ニコラ・エライユ、マエル・メンデル、アントニー・ミュニエ(MB&F)
歯車、ピニオン、ムーブメント、軸の構成部品:ジャン=フランソワ・モジョン(Chronode)、シャフナー・フレデリック(Bandi)、ダニエル・ギュミ(Decobar Swiss)、ロドリグ・ボーム(Horlofab)、バンジャマン・シニュード(AMECAP)、マルク・ボリス(2B8)、Le Temps Retrouvé、D-Cojoux、Roud’Hor SA、ヴァンサン・オベール(NTE)
テン輪ブリッジとプレート:バンジャマン・シニュード(AMECAP)
テン輪:Precision Engineering
ヒゲゼンマイ:ステファン・シュワブ(Schwab-Feller)
ブリッジ: アレクサンドル・エム(Inhotec)
パーペチュアルカレンダー部品:アラン・ぺレ(Elefil Swiss)
ムーブメント手彫り:Glypto
ムーブメント部品手仕上げ:リザ=バセッティ・ロシャ、デニス・ガルシア(C.-L. Rochat)、フローラン・ボリス(DSMI)、アレクサンドル・エム(Inhotec)
PVD処理:ピエール=アルベール・ステインマン(Positive Coating)
ムーブメント組み立て:ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アンヌ・ギテール、エマニュエル・メートル、マチュー・ルクルトル、アマンディーヌ・バスクル(MB&F)、ミシュリー・セールス、クレマン・エラール
アフター・サービス:アントニー・モレノ、アンリ・ポルトブフ(MB&F)
社内機械加工:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト、ヨアン・ジョイヤール、ステファニー・カヴァロ、アルセーヌ・フートン、クビライ・コルクット(MB&F)
品質管理:シリル・ファレ、ジェニファー・ロングペ、アデリーヌ・カンディグ(MB&F)
ケース:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト、ヨアン・ジョイヤール、ステファニー・カヴァロ、アルセーヌ・フートン、クビライ・コルクット(MB&F)
ケース装飾:Bripoli、FIFAJ Horlogerie、Termin’hor
文字盤:ハッサン・シャイバ、ヴィルジニー・デュヴァル / La Montre Hermès SA
バックル:G&F Châtelain
リューズとコレクター:Cheval Frères
針:Waeber HMS
サファイアクリスタル:アントニー・シュワブ(Econorm)
ストラップ:Multicuirs
化粧箱:オリヴィエ・ベルトン(Soixanteetonze)
プロダクションロジスティックス:アシュレイ・ムシエ、ティボー・ジョアナール、マリリン・ルヴェック、エミリー・ビュルニエ、ダヴィド・ガヴォット、ジャン=リュック・リュエル、キャロリーヌ・ウヴラール、エティエンヌ・マルカデ(MB&F)
マーケティングおよび広報: シャリス・ヤディガログルー、ヴァネッサ・アンドレ、アルノー・レジュレ、ポール・ゲ、タルヤ・ラカン(MB&F)
グラフィックデザイン:ブノワ・ロシャ / MB&F
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、ヴィルジニー・マルション、セドリック・ルーセル、ジャン=マルク・ボリー、オーギュスタン・シヴォ、バティスト・ユール(MB&F)
テキスト:ソフィー・フュルレイ(WorldTempus)
製品撮影:ローラン=グザヴィエ・ムラン、エリック・ロシエ
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX)
ポートレート撮影:エリック・ロシエ(MB&F)
ウェブサイト:ステファン・バレ(Idéative)
LM シーケンシャル フライバック ロングホーンを担当した「フレンズ」
コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
製品設計:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)
技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
ムーブメントデザインと仕上げ仕様:ステファン・マクドネル&MB&F
ムーブメント開発:ステファン・マクドネル&MB&F
研究開発:ピエール=アレクサンドル・ガメ、ロバン・コトレル(MB&F)
メソッドとラボ:マエル・メンデル、アンソニー・ミュニエ、ヤニック・ジュルヌ(MB&F)
歯車、ブリッジ、ピニオン、軸:ジャン=フランソワ・モジョン(Chronode)、フレデリック・シャフナー(Bandi)、ダニエル・ギュミ(Decobar Swiss)、ロドリグ・ボーム(Horlofab)、バンジャマン・シニュード(AMECAP)、マルク・ボリス(2B8)、Le Temps Retrouvé、ホルヘ・ダ・コスタ(D-Cojoux)、Roud’Hor SA、ヴァンサン・オベール(NTE)
テン輪:セバスチャン・ジャンヌレ(Atokalpa)
ゼンマイ、ジャンパー: アラン・ぺレ(Elefil Swiss)
香箱:ステファン・シュワブ(Schwab-Feller)
ルビー:Pierhor、Crelier
ムーブメント手彫り:Glypto
フレックスリング:Laser Automation
ムーブメント部品手仕上げ:リザ・バセッティ=ロシャ&デニス・ガルシア(C-L Rochat)、フローラン・ボリス(DSMI Electronics SA)、CV Décor、MBG Watch Décor、ステファン・グレコ(Rhodior SA)
PVD/CVD処理:ピエール=アルベール・ステインマン(Positive Coating)
ムーブメント組み立て:ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アンヌ・ギテール、エマニュエル・メートル、マチュー・ルクルトル、アマンディーヌ・バスクル、クレマン・エラール、ミシュリー・セールス、ロイック・ロベール=ニクー(MB&F)
ケースとムーブメント部品:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト、ヨアン・ジョイヤール、ステファニー・カヴァロ、アルセーヌ・フートン、クビライ・コルクット(MB&F)
アフター・サービス:アンリ・ポルトブフ、アントニー・モレノ(MB&F)
品質管理:シリル・ファレ、ジェニファー・ロングペ、アデリーヌ・カンディグ(MB&F)
ケース装飾:Termin’Hor
文字盤と文字盤上のスーパールミノバ:La Montre Hermes
バックル:G&F Châtelain
リューズとコレクター:Boninchi
針:Waeber HMS
サファイアクリスタル:Novocristal
サファイアクリスタルの反射防止加工: アントニー・シュワブ(Econorm)
ストラップ:ジャン・ルソー
化粧箱: オリヴィエ・ベルトン(Soixanteetonze)
プロダクションロジスティックス:アシュレイ・ムシエ、ティボー・ジョアナール、ダヴィド・ガヴォット、エティエンヌ・マルカデ、ジャン=リュック・リュエル、キャロリーヌ・ウヴラール、マリリン・ルヴェック、エミリー・ビュルニエ(MB&F)
マーケティングおよび広報:シャリス・ヤディガログルー、ヴァネッサ・アンドレ、アルノー・レジュレ、ポール・ゲ、タルヤ・ラカン(MB&F)
グラフィックデザイン:ブノワ・ロシャ / MB&F
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、ヴィルジニー・マルション、セドリック・ルーセル、ジャン=マルク・ボリー、オーギュスタン・シヴォ、バティスト・ユール(MB&F)
テキスト:ソフィー・フュルレイ(WorldTempus)
製品撮影:ローラン=グザヴィエ・ムラン、エリック・ロシエ
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX)
ポートレート撮影:エリック・ロシエ(MB&F)
ウェブサイト:ステファン・バレ(Idéative)
レガシー・マシン パーペチュアルの詳細
レッドゴールド製、プラチナ製、ホワイトゴールド製、チタン製、イエローゴールド製、パラジウム製、そしてステンレススティール製のバージョンで2015年に発売されたLM パーペチュアル。

MB&Fとアイルランドの独立時計師であるステファン・マクドネルとが、時計の最も伝統的な複雑機構であるパーペチュアルカレンダーを白紙の状態から新たに考案した成果がレガシー・マシン パーペチュアルです。従来のパーペチュアルカレンダーの弱点を取り除くために徹底的に見直された、目を奪われるほど魅力的な自社製ムーブメントが特色です。
パーペチュアルカレンダーは優れた伝統的複雑機構の一つで、閏年の2月に29日あることも含め、各月で異なる日数のランダムな複雑性を計算するものです。しかし、従来のパーペチュアルカレンダーには、日付がスキップする傾向などいくつかの弱点があり、日付が変わる最中に調整されることで損傷を引き起こしてしまいます。また複雑機構は多くの場合、ベースムーブメントが動かすモジュールの折衷策となっています。
完全一体型のレガシー・マシン パーペチュアルのためのムーブメントでは、トラブルなく使用できるようゼロから設計されています。日付のスキップや歯車のジャミングをなくし、カレンダーが切り替わる時、調整プッシュボタンが自動的に動作を停止させるため、もう問題は起きません!
従来のパーペチュアルカレンダーのメカニズムは31日ある月を既定とし、日付切り替え中に余剰分の日を早送りすることによって日数の少ない月に不必要な日を「削除」しています。例えば従来のパーペチュアルカレンダーでは、2月28日から3月1日に変わる時、29日、30日そして31日を早送りして1日とするのです。
LM パーペチュアルはスペースを取る旧来の「大型レバー」システム構造の代わりに、「機械式プロセッサ システム」を用いて、従来のパーペチュアルカレンダーシステムを大きく刷新しました。機械式プロセッサ システムは28日ある月を既定とし、必要に応じて日を追加します。したがってそれぞれの月は、必要とされる正確な日数を既に備えていることになるのです。つまり、余分な日数の早送りやスキップがありません。さらに、従来のパーペチュアルカレンダーで閏年をセットするには、47か月分スクロールするしかありませんが、LM パーペチュアルでは、年を調整するための専用クイックセットプッシュボタンを備えています。
レガシー・マシン・パーペチュアルのために特別に開発された革新的システムを用いたサブダイヤルは、アタッチメントが見えないためムーブメントの上で浮かんでいるように見えます。このサブダイヤルはスケルトン構造で、隠されたスタッズの上に載っています。これは従来のパーペチュアルカレンダーのメカニズムでは「大型レバー」のムーブメントを妨げてしまうため、技術的に不可能なものです。
ダイヤルの時計回り方向、12時位置に、テンプの上品なアーチの間で寄り添う、時と分。3時位置に曜日表示、4時位置にパワーリザーブインジケーター、6時位置に月、7時位置にレトログラード閏年インジケーター、そして9時位置に日付表示を備えています。
レガシー・マシン・パーペチュアルは、2016年にGPHG(ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ)でベストカレンダーウォッチ賞を受賞しました。
レガシー・マシン シーケンシャル フライバックの詳細
LM シーケンシャルには画期的な設計が採用されています。単一のムーブメント内に、いずれも同一の脱進機とオシレーターにリンクされた2つの独立したクロノグラフを搭載しています。従来のクロノグラフにエネルギー損失がともなうことはよく知られています。2つのクロノグラフを1つのムーブメントに搭載するとどうなるでしょうか?損失が2倍になり、許容できないほど性能を引き下げるおそれがあります。1つの時計ですべての機能を実現するには、いかなるエネルギー損失も引き起こすことのない、抜本的な新しいクロノグラフシステムを発明しなければなりません。

これは、内部に宝石を埋め込んだ革新的な垂直クラッチとそれに付随する制御装置を用いてLM シーケンシャルが行っていることに他なりません。新しいフライバック機構には、宝石を組み込んだローラーも搭載されています。特許を取得したこれらのソリューションを用いることにより、シーケンシャル キャリバーはエネルギー効率と精度の点で従来のクロノグラフを超えるものとなっています。
LMシーケンシャル フライバックは、従来のクロノグラフが抱えていた問題を解決するだけでなく、革新的なツインバーター・プッシャーによって、これまでにないタイミング・モードの組み合わせを実現しています。
1. 個別モード
食事を準備する際には、さまざまな材料をさまざまなタイミングで、異なる時間をかけて調理します。沸騰したお湯にパスタを入れるときに1つをスタートし、野菜をオーブンに入れるときにもう1つをスタートする、というように、2つのクロノグラフをそれぞれのプッシュボタンを使って操作します。このアプリケーションによって、プライベートのあらゆるシーンで効率アップを図ることができるのです。例えばジムでは、1つのクロノグラフをセットしてセッション全体のタイムを計測しながら、2つ目のクロノグラフでマシンごとのタイムやその間のダウンタイムを記録することにより、ワークアウトのルーチンを最適化できます。
2. 同時計測モードまたはスプリットセコンドモード
このモードは、2人の競技者が同時に開始するレースなどの場合に使用できます。ユーザーは、ツインバーターを使用して両方のクロノグラフを完全に同時に開始でき、各クロノグラフが個別に備えるスタート/ストップボタンを押して複数のタイムを簡単に計測できます。事象の持続時間は、既存の多くのスプリットセコンドクロノグラフの限界である60秒を超えても問題ありません。
3. 積算計測モード
オフィスで1日を通して2つの異なるプロジェクトを往き来しながら作業する際に、それぞれに費やす時間を知りたい場合などです。1つのタスクを開始するときに1つのクロノグラフをスタートさせ、次に別のタスクにシフトするときにツインバーターを使用する(最初のタスクに戻るときは再び切り替える)ことにより、各タスクに費やした累積時間を簡単に把握できます。もう1つの使用例として、チェスの試合のタイム計測もあります。
4. 連続計測モード(またはラップモード)
タイムを競うスポーツでは、このモードを使用して個別のラップタイムを測定することができます。競技開始時に1つのクロノグラフをスタートし、ラップタイム測定時にツインバーターを使用すると、次のラップタイムを測定するために2番目のクロノグラフが即座に起動し、最初のクロノグラフが停止してタイムを記録するための十分な時間が確保できます。停止したクロノグラフはゼロにリセットされ、次のラップでツインバーターを使用して再スタートできるようになります。LM シーケンシャルは分積算計を搭載しているため、平均ラップタイムが1分を超えるスポーツイベント(モータースポーツの大部分を含む)で効果的に使用できます。
5. フライバックモード
フライバックは当初、パイロットが航空機の経路の地点間飛行時間を正確に計測できるよう、1930年代に開発されました。クロノグラフの停止、リセット、再スタートに時間がかかりすぎてナビゲーションにエラーが発生し、複数の行程を経る経路ではエラーが蓄積されてさらに間違いが多くなっていました。フライバック機能があればリセットボタンを1回押すだけで、停止、リセット、再スタートを同時に実行できるようになります。新しいフライバック機能をシーケンシャル キャリバーの他の計測モードと組み合わせると、さらに多くの機能が生まれます。例えば、パイロットは1つのクロノグラフで全体の飛行時間を計測しながら、もう1つのクロノグラフでフライバック機能を使用して各区間の時間を正確に計測できます。
【お問い合わせ]
シャリス・ヤディガログルー - cy@mbandf.com/ アルノー・レジュレ - arl@mbandf.com
MB&F SA, Route de Drize 2, CH-1227 Carouge, Switzerland
電話番号: 41 22 786 36 18
[MB&F]~コンセプトラボの誕生
2005年に設立されたMB&Fは、世界初の時計製作専門コンセプトラボとして傑出した創造性を誇ります。ブランドはこれまでに20種類以上の秀逸なキャリバーを開発し、それらをベースにして製作されたオロロジカル・マシンとレガシー・マシンは高い評価を得てきました。そして現在も、創業者でありクリエイティブディレクターでもあるマキシミリアン・ブッサーのビジョンに基づき、従来の時計作りの殻を破ってキネティックアートを思わせる立体感豊かな作品を生み出し続けています。
マキシミリアン・ブッサーは15年間にわたり高級腕時計ブランドをマネージング。2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターの職を辞し、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立しました。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボです。
2007年、MB&Fは初のオロロジカル・マシンであるHM1を世に送り出しました。HM1の構築的で立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカル・マシンの基準となり、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されました。こうして製作された奇想天外なオロロジカル・マシンを通じて、宇宙やSF、大空、スーパーカー、動物王国、建築といった多様なテーマを探求してきました。
2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。MB&Fとしてはクラシカルなスタイルを採用したこれらのモデルは、19世紀の腕時計製造の卓越性に敬意を払いながら、往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈することにより、現代的な芸術品に仕上がっています。また、一部のレガシー・マシンには、コレクターのアクティブなライフスタイルに合わせて防水性と耐衝撃性を高めたEVO(エヴォ)エディションも誕生しました。MB&Fは現代的で型破りなオロロジカル・マシンと、歴史からインスピレーションを得たレガシー・マシンを交互に発表しています。
MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「友人たち」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きでした。
そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルでした。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品。一方のコラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造を行います。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時間を知らせるマシンとなり、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作されました。
ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンにその魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いつきました。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後、ドバイにもM.A.D.ギャラリーがオープン。また、シンガポール、台北、パリ、ビバリーヒルズには、より小規模なスペースに限られた数の作品を展示するMB&Fラボが誕生しました。
MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきました。いくつか例を挙げると、名高い「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ」においては、その年の最も優れた時計に授与される最高賞「金の針賞(エギーユ・ドール)」を含めた、9つものグランプリを獲得しています。2022年、LM シーケンシャル エヴォが「金の針賞」を受賞。またM.A.D.1 レッドが「チャレンジウォッチ賞」を受賞しました。2021年にはLMXが「ベスト メンズ コンプリケーション賞」を、そしてLM スプリットエスケープメント エディ・ジャケ「Around The World in Eighty Days」が「アーティスティック・クラフト賞」を受賞。2019年にはLM フライングTが「ベスト レディース コンプリケーション賞」を受賞し、2016年にはレガシー・マシン・パーペチュアルが「ベスト カレンダー ウォッチ賞」を、2012年にはレガシー・マシン No.1が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「最優秀メンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞しました。また2010年には、HM4サンダーボルトで「最優秀コンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。さらに2015年には、HM6スペースパイレートが国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞しています。
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