ヴァシュロンコンスタンタン 「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン-フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)-」~ “レ・ロワヨーム・アクアティック(水の王国)”より発表の新作ユニークピース

 From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )





“レ・ロワヨーム・アクアティック(水の王国)”
レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン-フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)-~




フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)と幽霊船から着想を得たレ・キャビノティエ・ミニットリピーターとトゥールビヨンのユニークピース。ミニアチュール・エナメルとグリザイユ・エナメルを使ったダイヤルには、稲妻と波が荒れ狂う嵐の中へと航海する船が描かれています。自社開発製造のキャリバー 2755 TMRは、1分間で1回転するように調速されたトゥールビヨンに、ミニット・リピーター機構も搭載されています。




「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン - フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)」は、17世紀に遡る海の伝説から着想を得て製作された時計です。当時から船乗りたちは、ある呪われた船長の言い伝えを広めてきました。その船長は乗組員とともに波間にしばしば出没し、霧の中で彼の船首を見た者はそれが凶運の前兆になるという話しです。ワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」では、運命にうちのめされた男の姿が描かれており、「おれが、陸で探し求める安らぎは、決して見つかりはしない。大洋の潮よ、おれはおまえにどこまでも従う」と歌われています。



「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン - フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)」に描かれている船の甲板に見られるオランダ人船長は、神を冒涜したことによって本当に永遠にさまよい続けるのでしょうか。このユニークピースのダイヤルは極めて写実的なタッチで、嵐の真只中で荒波に突っ込む幽霊船の怪異な姿を描き出しています。このドラマティックな物語の舞台は、荒れ狂う海、崩れ落ちる波、そして満月の夜空を切り裂く稲妻です。まるでこの時計のミニット・リピーターが、航路を横切る船乗りを機械仕掛けの海の渦巻く深みに引きずり込み、彼の死を弔う鐘の音を奏でるかのようにデザインされています。


創造性に満ち溢れる芸術工芸品
ダイヤルは、職人技の極みであり、それ自体が華やかさを演出しています。ヴァシュロン・コンスタンタンの熟練職人は、ミニアチュール・エナメルとグリザイユ・エナメルとを組み合わせるという非常に稀な技法を用いました。最初の作業は、17世紀にジュネーブを有名にしたミニアチュール・エナメルの絵画の偉大な時代を思い起こさせます。
この技法は、下地となる金の上に不透明なホワイトエナメルの層を重ねて背景を作り、そのエナメル層の上に、金属酸化物を砕いた粉末を油性の溶剤に混ぜた釉薬を絵具にしてモチーフを描くことで成り立っています。キャンバスにガッシュのように極細の筆で色を塗り、描画の工程毎に窯に入れてエナメルの色を焼成していきます。その温度と時間には完璧なコントロールが求められます。



このフライング・ダッチマンのタイムピースの場合、稲妻の光に切り裂かれた鉛色の空の下に荒れ狂う海の情景を描き、そこに隠れるようにして船を配置しなければならず、この海洋絵を完成させるために十数回もの焼成が必要でした。そして最終工程ではエナメル画をフォンダン(透明エナメル溶剤)でコーティングし、次にラッピングと呼ばれる非常に目の細かな石
を使った研磨作業をおこなうことで、表面に滑らかな光沢が生まれます。
そして最後に「グレージング」という艶出しのための焼成を行うことで、エナメルがドーム状に盛り上がります。これでミニアチュール・エナメルによる作業は終了します。

しかし「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン - フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)-」の場合は、ここまでの作業は下描きにすぎません。あの有名な幽霊船を完成させなくてはならないからです。職人は光と影が入り混じる船のシルエットを描くためにグリザイユ・エナメルを用いました。



グリサイユ・エナメルは、白もしくはリモージュホワイトのエナメルを用いて何度もモチーフを重ね描きし、順々に窯で焼成して薄い層を形成していく技法で、温度と焼成時間のコントロールが極めて重要です。このホワイトエナメルは、下地のミニアチュール・エナメルより低温の約40度で溶融するため、ミニアチュール・エナメルが変質することなく、定着させるには2秒も時間がかかりません。ダイヤル製作の第2段階であるこの作業は、約10回の窯入れを必要としますが、完成したミニアチュール・エナメルの絵の上に作業を行うため、より繊細な作業となります。職人たちが2カ月かけて完成させた傑作時計は、わずかな作業の誤りでも、台無しになってしまうおそれがあるのです。




自社製グランド・コンプリケーション・ムーブメント、キャリバー2755 TMR
このモデルには、471個の部品から成るミニット・リピーターとトゥールビヨンを装備するキャリバー2755TMRが搭載されています。ヴァシュロン・コンスタンタンのグランド・コンプリケーションモデルを代表するキャリバー2755から派生したこの手巻きモデルは、毎時1万8000回振動(2.5Hz)の1分間で1回転するように調速されたトゥールビヨンを備え、ケースバックには58時間のパワーリザーブが表示されています。







メカニズムを補完するのが、必要に応じて時間を音で知らせるミニット・リピーターです。ベゼル上のスライドボタンで操作するこの極めて複雑なチャイム機構を作り出すために、ヴァシュロン・コンスタンタンのエンジニアと時計職人たちは、2005年の創業250周年記念モデル「トゥール・ド・リル」の特にストライクガバナーから着想を得ました。



このシステムは、円環状の2本のゴングをハンマーが叩いた時、時、クォーター(15分)、分を奏でる音をはっきりと区別することができ、同時に調和をもって響くように、音列の長さを完璧なタイミングで行うことができます。またこのモデルには、フライホイール・ストライク・ガバナーが搭載され、ストライク機構に過度な負担をかけることがありません。



キャリバー2755 TMRは、コート・ド・ジュネーブ装飾が施されたブリッジの丁寧な手作業による面取りや、地板のペルラージュ模様、トゥールビヨンのキャリッジのバーに施された丸みなど、オート・オルロジュリーの仕上げが施されています。



ムーブメントを構成する各パーツは、機構内のどの位置にあっても、たとえ見えないところにあっても、手作業で仕上げられ、装飾されています。これはダイヤルを扱う時と同じように細部へのこだわりを持ち、全体の美しさと調和を追求するヴァシュロン・コンスタンタンの美学に不可欠な要素であることを表しています。



キャリバー2755 TMRは直径45mm、厚さ13.52mmの18Kホワイトゴールドのケースに搭載、ホワイトゴールド製のフォールディングクラスプとブルーのアリゲーターレザーストラップが付属されています。





“レ・ロワヨーム・アクアティック(水の王国)”
※本項目に関しては、https://watch-media-online.com/news/5532/ を参照ください。




ヴァシュロン・コンスタンタンと海
※本項目に関しては、https://watch-media-online.com/news/5532/ を参照ください。


レ・キャビノティエ:ユニークピースの創作
「レ・キャビノティエ」は、ヴァシュロン・コンスタンタンにおいて、グランド・コンプリケーションやユニークピースのパーソナライズに特化した部門です。この伝統は18世紀にまで遡ります。当時の時計職人は、ジュネーブの建物の最上階に設けられた光あふれる場所、すなわち「キャビネット」と名付けられた工房で働き、「キャビノティエ」と呼ばれていました。啓蒙時代の新しい思想を受け継いだ職人たちの手から、天文学や精密機械工学、芸術などから着想を得た比類ない時計が誕生しました。ジュネーブの偉大な時計づくりの伝統を築くことになったこの専門技術は、1755年の創業以来ヴァシュロン・コンスタンタンに脈々と受け継がれてきました。




THE ANATOMY OF BEAUTY(美の構造)

「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン - フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)-」は、ヴァシュロン・コンスタンタンの今年のテーマである"The Anatomy of Beauty" (美の構造)に相応する時計であり、細部まで気配りを徹底するメゾンの姿勢を称えています。この並外れた労苦が求められる細部へのこだわりは、デザイナーの美的選択や好み、そして職人による入念な仕上げ作業によって表現されています。



ヴァシュロン・コンスタンタンの時計のあらゆる部品は、たとえムーブメントの組み立てが終わると見えなくなる部品であっても、細やかな配慮が行き渡っています。鋭い目の持ち主は、ダイヤルに施された繊細なギヨシェ彫りの模様や宝石、ミニッツトラックにセッティングされた宝石を見逃さないでしょう。またブレスレットのリンクには、メゾンを象徴するマルタ十字が象られていることも見抜くでしょう。トゥールビヨン・キャリッジで秒表示に用いられる小さな青焼きのスクリューやミニット・リピーターのハンマーのミラーポリッシュ仕上げにも気付くはずです。またプレートの面取りやブリッジの丸み仕上げに見られる職人の繊細なタッチを称賛し、稲妻に切り裂かれた荒海に翻弄される船を描いたミニアチュール・エナメルの絵画を賛美するでしょう。ヴァシュロン・コンスタンタンでは、何ひとつとして成り行きに任せず細部への気配りこそが美の構造を繊細に形作って
いるのです。



【概要】
「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン - フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)-」は、とりわけワーグナーのオペラに影響を与えた呪われた船長についての伝説にオマージュを捧げ、ヴァシュロン・コンスタンタンが2022年のテーマに選んだ“レ・ロワヨーム・アクアティック(水の王国)”を深く追求した時計です。
嵐の中に浮かぶフライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)の幽霊船を時計のダイヤルに描き出したこのモデルは、希少なエナメル技法を用いて誕生した傑作です。エナメルの熟練職人は満月の夜空を切り裂く稲妻のもとで荒れ狂う海を描くために、“ジュネーブ・エナメル”で知られる17世紀や18世紀の偉大な伝統を反映したミニアチュール・エナメル画でそのシーンを作り上げました。さらに、幽霊のように出現する船をグリザイユ・エナメルで表現し光と影が織り成す幻想的な伝説の世界を完璧に表現していいます。



このモデルには、471個の部品から成るミニット・リピーターとトゥールビヨンを装備するキャリバー2755 TMRが搭載されています。ヴァシュロン・コンスタンタンのグランド・コンプリケーションモデルを代表するキャリバー2755から派生したこの手巻きモデルは、毎時1万8000回振動(2.5Hz)の1分間で1回転するように調速されたトゥールビヨンを備え、ケースバックには58時間のパワーリザーブが表示されています。
- レ・キャビノティエ部門から海と海にまつわる神話の世界に焦点を当てた新しいシリーズ。
- フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人)の伝説から着想を得たユニークピース。
- ダイヤルには希少なミニアチュール・エナメルとグリザイユ・エナメルの技法を用いて描かれた嵐の海に漂う幽霊船。
- ヴァシュロン・コンスタンタンが自社開発製造したキャリバー 2755 TMRは、トゥールビヨンとミニット・リピーター機構を搭載。





【技術データ】
レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン- フライング・ダッチマン(さまよえるオランダ人) -
リファレンス・ナンバー :6540C/000G-034C
ジュネーブ・シール  :取得

キャリバー・ナンバー  :2755 TMR(ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発製造)
駆動方式 :機械式手巻き
ムーブメント・サイズ :直径33.9MM×厚さ7 .1 MM
パワーリザーブ :約48時間
振動数 :2.5HZ (毎時1万8000回振動)
部品数 :471
石数 : 40
表示 :時、分(2カ所のリュウズにより調整)。トゥールビヨンのキャリッジによるスモールセコンドの秒
機能   :トゥールビヨン、ミニット・リピーター、ケースバックにパワーリザーブ表示
ケース素材   :18Kホワイトゴールド
直径   :45MM×厚さ13.52MM
文字盤 :18Kホワイトゴールド、グラン・フー・ミニアチュール・エナメルとグリザイユ・エナメルで“フライング・ダッチマン”を描写。18Kホワイトゴールド製の針
ストラップ :ダークブルーのミシシッピアリゲーターレザー。手縫いサドルステッチ、ラージスクエア・スケール
クラスプ :18Kホワイトゴールド製フォールディングクラスプ。ポリッシュ仕上げの半マルタ十字
付属ボックス  :レ・キャビノティエ専用ボックス
ユニークピース   :時計裏面に《LES CABINOTIERS》、《PIÈCE UNIQUE》、《AC》の文字を刻印






【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)