MB&F x エマニュエル・タルパン レガシーマシン フライングT「アイス」&「ブリザード」

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )

もうすぐ冬です。けれどもそれは悪いことではないでしょう。渦巻く雪と氷の石筍(鍾乳石)にインスパイアされた、レガシーマシン フライングT 限定エディションの2つのモデルが登場するなら、なおさらです。新作「アイス」&「ブリザード」(各8点限定)は、MB&Fと、自然への愛、彫刻、革新的な素材、宝石を組み合わせたユニークな作品で知られるフランス人ジュエリーデザイナー、エマニュエル・タルパンとのコラボレーションから生まれた作品です。



MB&F創設者マキシミリアン・ブッサーは語ります。「私たちはジュエラーではなく、ウォッチメーカーです。」「MB&Fではタイムピースにダイヤモンドをあしらうことはありましたが、それは最低限のものでしかありませんでした。私は素晴らしいジュエラーたちに打診を始めました。彼らの芸術性とジュエリーを、真っ白なキャンバスに絵を描くように、MB&FのフライングTに注ぎ込むことに興味があるか尋ねたのです。」

これはレガシーマシン フライングTコレクションで2回目のコラボレーションです。第1回は、世界中でよく知られるイタリアの名高いラグジュアリーブランド、ブルガリとのコラボレーションで、今回とは対照的なものでした。今回タッグを組んだのは、自ら顧客やサプライヤーと会い、会社のあらゆる面を文字通り1人で切り盛りし、単独で仕事をすることを好む独立系若手アーティストです。エマニュエル・タルパンにとって、パーソナルなつながりは最も重要なもの。このつながりがどのようなものであるかによって、プロジェクトを選定しています。



彼がマックス・ブッサーと初めて出会ったのは、ジュネーヴ造形芸術大学(HEAD)在学中、マックスが学生を前にMB&Fについてプレゼンテーションを行ったときのことでした。数年後、エマニュエル・タルパンの名が新進気鋭のジュエリーデザイナーとして注目を集めるようになりました。マックスがオンラインで彼について検索したところ、すでにビジネス向けSNS「リンクトイン(LinkedIn)」上でつながっていることに気づき、メッセージを送りました。その後の成り行きはご存知のとおりです。

「コラボレーションはほとんど行いません。自分の作品に集中するほうがずっと好きですから」エマニュエル・タルパンはこう言います。「けれども、私たちの場合はチャットで話してから直接会い、意気投合しました。とても面白いプロジェクトだと思いました。時計を扱うのは初めてでしたが、マックスと仕事をすることは自然なことであり、スムーズでした。」

タルパンはレガシーマシン フライングTのボリューム感にたちまち魅了されました。大部分の時計が平らであるなかで、垂直に構築されたこのメカニズムを取り巻くドーム型の空間に心を奪われたのです。何ものにもとらわれず自由にデザインすることを許された彼は、テーマを冬に決めました。冬は彼の好きな季節であるばかりか、故郷のアヌシーとジュネーヴの間を行き来するうちに、幻想的な冬景色が広がる光景によって、彼が求めていた何かが瞬く間に湧き上がったのです。



「アイス」と呼ばれる1番目のモデルは、サファイアクリスタルのドームとムーブメントに入り込むアシンメトリーなダイヤモンドのセッティングが施された石筍が特徴です。氷の石筍は、自然が形づくる不規則な性質のままに、それぞれが異なります。タルパンは、冬になると湖の端から内側に向けて凍っていき、ついに湖すべてが凍りつく、シベリア南部のバイカル湖への旅でインスピレーションを得ました。ダイヤモンドの石筍の爪がムーブメントとマットなラピスラズリの文字盤を邪魔することなく、メカニズムの美しさと時間は見やすくなっています。

「ブリザード(吹雪を運ぶ嵐)」と名づけられた2番目のモデルでは、タルパンは2歳の頃からスキーをしていたアルプスへと想像力を広げました。彼は吹雪に巻き込まれた記憶をレガシーマシン フライングTに託します。ブリリアントカットのダイヤモンドをサファイアクリスタルのドームの下に、クローズドセッティングのダイヤモンドをマットなラピスラズリの文字盤にセッティングして地面に舞い降りる雪の結晶を描き出し、動くスノードームのような効果を生んでいます。



ラジカルなアーキテクチャと構造が、宝石に彩られた冬らしいクロークと美しいコントラストを奏でるLM フライングTは、このコラボレーションにうってつけのキャンバスとなりました。当初より、この作品は女性らしさへのオマージュとして構想されていました。フライングTの「T」は、マックス・ブッサーの妻ティファニーのイニシャルであり、フライング「トゥールビヨン」を表します。ムーブメントについては、こうした親密なアプローチが極めて精緻に体現されており、身に着ける人だけが時刻を読み取ることができるように設計されています。ケースバックからは、太陽の形をしたローターを見ることができます。サンドブラスト仕上げとポリッシュ仕上げが施されたサンレイモチーフが、プラチナ製カウンターウェイト上部に配されたルテニウムのディスクに放射状に描き出されます。

ムーブメントに関して、エマニュエル・タルパンからはいくつかの要望が出されました。まずは、ホワイトゴールドのケースと氷のテーマにそぐわないと思われる、ゴールドカラーの要素を取り除くことが求められました。この一見なんでもない要求はそれほど簡単ではありませんでしたが、イエローゴールドやレッドゴールドの要素はすべて変更され、テン輪はブルーに着色されました。もう1つの要望は、トゥールビヨンの中央にセッティングされたダイヤモンドと2つのリューズを、稀少なターコイズカラーのパライバストーンに変更して氷河らしさをさらに強調することでした。



このモデルでは、調速機構とローターの間に配された香箱によって、100時間というパワーリザーブが確保されます。これは、歯車の数を減らすことで可能になりました。この立体的な構造はドーム型サファイアクリスタルによって守られ、その内側でムーブメントが繰り広げるスペクタクルを眺めることができます。

このパートナーシップが素晴らしいのは、複雑なレディース ジュエリーウォッチの領域をはるかに超えている点にあります。このコラボレーションでは、2つの世界観が広がり、全く異なる2つの形で創造性が実現されています。それらが調和の取れたコラボレーション作品の中で一体化し、その力を鮮やかに示しているのです。

フライングT エンジンについて

現代的なウォッチでは構造を面で捉えて放射状にアプローチするムーブメントですが、LM フライングT のムーブメントは、メカニズムを完全に見ることができるアーキテクチャ全体をまとめる軸を中心に、垂直方向のアプローチを採用している点が異なります。この点に関しては、あえて伝統に逆らっているといえるでしょう。というのも、この時計では、通常は表側から見えない様々な部分が、立体的な構造で露わになっているからです。

フライングトゥールビヨンはLM フライングTの文字盤プレートから大胆に突き出た姿が映画のようで、回転する脱進機の様子を視覚的に美しく見せた好例であり、文字盤の内部側に収まっている通常のフライングトゥールビヨンと一線を画しています。



フライングトゥールビヨンはその名からも分かる通り、底部にしか固定場所をもたず、支えとなるブリッジがないので横方向の動きを制御することができません。すると全体を強く固定する必要が出てくるので、フライングトゥールビヨンはムーブメント内という目立たない位置に配置されていることが多いのです。レガシーマシン フライングTはムーブメント保護に必要なこの制約を解決しているため、トゥールビヨンの姿を存分に堪能できるようになっています。

文字盤を50度も傾斜させながら表示時刻の精度を追求するために、円錐形の歯車を用いて面から面へのトルク伝達を最適化しています。280個もの部品で構成されたレガシーマシン フライングTのエンジンは、MB&Fでも最長クラスとなる4日間(100時間)のパワーリザーブを誇ります。


 

【技術仕様】
LM フライングT「アイス」&「ブリザード」

いずれのエディションも、ダイヤモンドのフルセッティングが施された18Kホワイトゴールド製ケースとブルーのマットなラピスラズリ製文字盤プレートを備える、「アイス」エディション8本および「ブリザード」エディション8本



エンジン
社内で考案・開発された立体的な垂直構造のMB&F フライングT 自動巻きムーブメント。ブルーのテン輪を搭載
中央に配置された60秒フライングトゥールビヨン
パワーリザーブ:100時間
テンプの振動数:18,000 振動 / 2.5Hz
ブルーのマットなラピスラズリ製文字盤プレート
18K 5N+レッドゴールド、チタン、プラチナ製の立体的に太陽を模した巻き上げローター
部品数:280
石数:30

機能 / 表示
垂直方向に50度傾斜した時分表示の文字盤、2本のサーペントハンド
2つのリューズ:左側は巻き上げ用、右側は時刻合わせ用

ケース
素材:18Kホワイトゴールド、ダイヤモンドをセッティング
両面反射防止加工を施したハイドーム型サファイアクリスタル、裏面にサファイアクリスタル
サイズ:39 x 20mm
部品数:17
防水性能:30ATM / 30m / 90フィート

ストーン
「アイス」エディション:
• 「アイス」装飾のブリリアントカット ダイヤモンド:約0.611カラット
• リューズのブリリアントカット ダイヤモンド:約0.138カラット
• ケースのブリリアントカット ダイヤモンド:約1.402カラット
• リューズのパライバストーン2石:約0.11カラット、トゥールビヨンのパライバストーン1石:約0.03カラット

「ブリザード」エディション:
• 文字盤のブリリアントカット ダイヤモンド:約0.0457カラット
• 「ブリザード」装飾のブリリアントカット ダイヤモンド:約0.921カラット
• リューズのブリリアントカット ダイヤモンド:約0.138カラット
• ケースのブリリアントカット ダイヤモンド:約1.402カラット
• リューズのパライバストーン2石:約0.11カラット、トゥールビヨンのパライバストーン1石:約0.03カラット

ストラップ&バックル
パヴェセッティングを施したホワイトゴールド製ピンバックルを備えた、ケースに合わせたアリゲーターレザーのストラップ

エマニュエル・タルパンについて



エマニュエル・タルパンは、フランスのオート・サヴォア地方アヌシー出身の30歳の独立系ジュエリーデザイナーです。幼い頃から芸術と宝石に魅了され、ジュネーヴのジュネーヴ造形芸術大学(HEAD)でジュエリーデザインを学んだ後、ヴァン クリーフ&アーペルのスタジオで研修生として勤務しました。

ジュエリー業界のあらゆる側面を学ぶことに意欲的だった彼は、引き続きメゾンに残り、ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリー工房でさらに3年間勤務しました。

2017年、タルパンは25歳のときに自身の名を冠したビジネスを立ち上げ、彼の作品が持つ唯一無二のスタイルに惹かれる個人顧客からの受注でのみユニークピースを制作するようになりました。彼の作品は、アルミニウム、ブロンズ、銅などの珍しい素材を稀少でカラフルな宝石と組み合わせることで実現するボリューム感、軽やかさ、質感、動きで高く評価されています。

彼の作品はすぐにジュエリー愛好家の関心を引きました。彼の初期の作品は2017年12月にニューヨークで開催されたクリスティーズの「マグニフィセント・ジュエルズ」オークションに出品され、さらなる脚光を浴びました。

アヌシー湖とフランス側アルプスの山々に囲まれた地域で育ったタルパンにとって、自然は、重要なインスピレーション源の1つです。彼のジュエリーは貝殻、クラゲ、ゼラニウムの葉、アルム ユリ、野生のランなどのフォルムを象っています。

彼は説明します。「自然は尽きることのないインスピレーション源です。花のめしべ、葉の曲線、色、グラデーション、素材や質感の遊びなど、あらゆるディテールにこだわります。大切なのは視覚だけではなく、肌に触れたときの感触も重要です。」

タルパンはパリのスタジオを拠点に、制作の全工程を監督しています。顧客やサプライヤーとの直接的な人間関係は、創造のプロセスでタルパンが最も楽しむ過程です。

2020年、彼はMB&Fとの最初のタイムピースプロジェクトに着手、レガシーマシン フライングTの2つのモデルを自由に解釈することを任されました。タルパンは、ジュネーヴ造形芸術大学(HEAD)在学中、時計ブランドについてのプレゼンテーションでMB&F創設者のマキシミリアン ブッサーに出会いました。2人は直接対面した後すぐに意気投合し、タルパンは冬をテーマにユニークな作品2点のデザインに着手します。そしてこの作品によって、若いデザイナーの才能がさらに証明されることになります。


LM フライングT「アイス」と「ブリザード」担当の「フレンド」たち



コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
製品設計:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)、エマニュエル・タルパン
技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
研究開発:トマ・ロレンザト、マエル・メンデル、ピエール=アレクサンドル・ガメ、ロバン・コトレル(MB&F)

ケース:ジュゼッペ・ディ・ステファノ(STG Creation)
ホイール・ピニオン・軸のプロファイル研削:ポール=アンドレ・タンドン(Bandi)、Decobar Swiss、Gimmel Rouages、Le Temps Retrouvé
ゼンマイ、ジャンパー:アラン・ぺレ(Elefil Swiss)
主ゼンマイと香箱:ステファン・シュワブ(Schwab-Feller)、Atokalpa
トゥールビヨン:Precision Engineering
プレートとブリッジ:バンジャマン・シニュード(AMECAP)、ロドリグ・ボーム(Horlofab)、DEM3、マルク・ボリス(2B8)
ダイヤモンドセッティング(ケース・文字盤プレート・リューズ):ジュゼッペ・ディ・ステファノ(STG Creation)
文字盤プレート・リューズ用ジェムストーン:サンドラ・リップ(Groh Ripp)、ジュゼッペ・ディ・ステファノ(STG Creation)
太陽を模した巻き上げローター:ジャン=フィリップ・シェトラ(Cendres et Métaux)
ボールベアリング:MPS Micro Precision Systems
ムーブメント部品手仕上げ:ジャック=アドリアン・ロシャ、デニス・ガルシア(C.-L. Rochat)、ステファン&アレクシ・グレコ(Rhodior)
サファイアガラス:Sebal
サファイアクリスタルの反射防止加工:アントニー・シュワブ(Econorm)
サーペントハンド:イザベル・シリエ(Fiedler)
文字盤(時・分ディスク):ジュゼッペ・ディ・ステファノ(STG Creation)
ムーブメント組み立て:ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アンヌ・ギテ、エマニュエル・メートル、アンリ・ポルトブフ、マチュー・ルクルトル、アマンディーヌ・バスク、アントニー・ミュニエ(MB&F)
ケースとムーブメント部品:アラン・ルマルシャン、ジャン=バティスト・プレト、ステファニー・カルヴァロ、ファビアン・ラマジナ(MB&F)
品質管理:シリル・ファレ、ジェニファー・ロングペ(MB&F)
アフター・サービス:トマ・インベルティ(MB&F)
バックル:ジュゼッペ・ディ・ステファノ(STG Creation)
リューズ:ジュゼッペ・ディ・ステファノ(STG Creation)
ストラップ:Multicuirs
化粧箱:オリヴィエ・ベルトン(Soixanteetonze)
プロダクションロジスティックス:ダヴィド・ラミー、アシュレイ・ムシエ、ファニー・ブティエ、フーダ・ファイルー、メラニー・アタイド、ティボー・ジョアナール(MB&F)


マーケティングおよび広報:シャリス・ヤディガログルー、ヴァネッサ・アンドレ、アルノー・レジュレ、ポール・ゲ(MB&F)
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、ヴィルジニー・マルション、セドリック・ルーセル、ジャン=マルク・ボリー、オーギュスタン・シヴォ、セリーヌ・マルタン(MB&F)
グラフィックデザイン:シドニー・ベイ(MB&F)
製品撮影:ロラン=グザヴィエ・ムラン
ポートレート撮影:レジス・ゴレ(Federal)、ゾエ・フィジー
ウェブサイト:ステファン・バレ(Idéative)
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX)

MB&F – コンセプトラボの誕生



2005年に設立されたMB&Fは、世界初の時計製作専門コンセプトラボとして傑出した創造性を誇ります。ブランドはこれまでに約20種類の秀逸なキャリバーを開発し、それらをベースにして製作されたオロロジカル・マシンとレガシー・マシンは高い評価を得てきました。そして現在も、創業者でありクリエイティブディレクターでもあるマキシミリアン・ブッサーのビジョンに基づき、従来の時計作りの殻を破ってキネティックアートを思わせる立体感豊かな作品を生み出し続けています。

マキシミリアン・ブッサーは15年間にわたり高級腕時計ブランドをマネージング。2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターの職を辞し、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立しました。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボです。

2007年、MB&Fは初のオロロジカルマシーンであるHM1を世に送り出しました。HM1の彫刻の様な立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、その後のブランド特有のオロロジカルマシーンの基準となりました。全てのマシーンは時を告げるためというより、時を語るマシーンなのです。こうして製作されたオロロジカルマシンでは、宇宙(HM2、HM3、HM6)や大空(HM4、HM9)、道(HM5、HMX、HM8)、動物王国(HM7、HM10)を探索するマシンがイメージされています。

2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシーマシン・コレクションを発表。これらはMB&Fにとってよりクラシカルなものです。現代的な芸術品を創作するために往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈し、19世紀の腕時計製造の卓越性への敬意を払っています。LM1 及びLM2に続いて発表されたLM101は、全て自社開発したムーブメントを搭載する初のMB&Fマシン。そして、コレクションの幅をさらに広げるLM パーペチュアル、LM スプリットエスケープメント、LM サンダードームの登場。2019年は史上初のレディース用MB&Fマシン「LM フライングT」の制作によりターニングポイントを迎えました。2021年には、MB&Fはレガシー・マシン誕生10周年を記念してLMXを発表。MB&Fは現代的で型破りなオロロジカルマシーンと、歴史からインスパイアしたレガシーマシンを交互に発表しています。

MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「友人たち」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きでした。

そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルでした。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品。一方のコラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造を行います。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時間を知らせるマシンとなり、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作されました。

ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンにその魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いつきました。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後台北、ドバイ、香港にもM.A.D.ギャラリーがオープンしました。

MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきました。いくつか例を挙げると、名高い「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」においては、その年の最も優れた時計に授与される最高賞「金の針賞(エギュイユ・ドール)」を含めた、9つものグランプリを獲得しています。2022年、LM シーケンシャル エヴォが「金の針賞」を受賞。またM.A.D.1 レッドが「チャレンジウォッチ賞」を受賞しました。2021年にはLMXが「ベスト メンズ コンプリケーション賞」を、そしてLM スプリットエスケープメント エディ・ジャケ「Around The World in Eighty Days」が「アーティスティック・クラフト賞」を受賞。2019年にはLM フライングTが「ベスト レディース コンプリケーション賞」を受賞し、2016年にはレガシー・マシン・パーペチュアルが「ベスト カレンダー ウォッチ賞」を、2012年にはレガシー・マシン No.1が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「最優秀メンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞しました。また2010年には、HM4サンダーボルトで「最優秀コンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。さらに2015年には、HM6スペースパイレートが国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞しています。


詳細についてはこちらまでお問い合わせください
シャリス・ヤディガログルー - cy@mbandf.com/アルノー・レジュレ arl@mbandf.com
MB&F SA, Route de Drize 2, CH-1227 Carouge, Switzerland
電話番号: 41 22 508 10 38