HYT速報 (CARRÉ DES HORLOGERS)

 By : CC Fan
SIHHの小規模メゾンが集まるCARRÉ DES HORLOGERS(カレ・ド・オロロジ:時計の広間)より液体を使った時刻表示を提案するHYT(Hydro Mechanical Horologist)の新作を紹介いたします。

今回は、ムーブメントや液体はそのままで、ポケットウォッチのような新しい形態の提案と、ビスポークサービスの例として既に作られたピースを公開していました。
個人的には以前から伺っている、より液体を活かした"液体コンプリケーション"(H5?)に期待していたのですが、今年はそちら方向の発表は無いようです。

今回の目玉は、ニュースにも掲載されましがスカルの懐中時計版、スカル・ポケット(SKULL Pocket)です。



限定8本のために再設計されたチタン製のケースと、専用のチタン製の鎖を持ちます。
6の部分が蓋を開けるボタンになっています。

今回スカルシリーズとしては初めてH4 メトロポリス(Metropolis)で実用化されたダイナモLEDモジュールを組み合わせています。



開けたところです。
スカルの造形が角ばった感じになっており、インデックスのベース部分にはクル・ド・パリのギョーシェが刻まれています。
リュウズは2時側が巻き上げと時刻設定用、4時側がダイナモモジュールの巻き上げと発光用です。

組み合わされる液体はメトロポリスと同様の緑色で、蛍光チックに光るためダイナモとの相性は一番いいと思います。



発光させたイメージです。
既存の作品と比較すると、スカルはドクロ部分が反射するためか、光が強いように感じましたが、同じ明るさとのことでした。
もしかしたらキャピラリー(流路)が曲がっている部分でLEDの光を受けているせいかもしれません。
LEDは青色で、緑の液体と相まってSF感を感じます。



ムーブメントはH4と同じものです。



蓋の黒い部分はレザーですが、ユニークピースとしてカスタムすることも可能です。
限定8個ですが、実質ユニークピース×8という扱いを想定しているように見受けられます。



ユニークピースの例として、ハンドエングレーブでスカルを彫り込んだものです。

オーナーの"ワガママ"を実現させるビスポークサービスの例として、H4をベースに龍を表現したドラゴン(DRAGON)です。



スカルはパワーリザーブとスモールセコンドが眼孔になっていましたが、ドラゴンではサファイヤとエメラルドを使った宝珠になっています。
龍本体はハンドエングレーブのゴールド、ベースはアベンチュリンです。

既存ピースの素材を変更したビスポークも可能です。



H3をベースに青と白をテーマにしたH3 アイスバーグ(Iceberg)です。
ケースサイドと回転インデックスの白色の部分はセラミックで作られています。



ヨットレースチームのアリンギレーシング(Alinghi Racing)とコラボレーションしたH1 RC44の新ピースです。
アイスバーグと同じ青色の液体を使い、青色の文字盤はグラン・フーエナメルです。



ケースバックにはアリンギレーシングのロゴが。



HYTユーザーのアクセル・ローズ(ロックンローラー、ガンズ・アンド・ローゼズの結成メンバー)とコラボレーションしたスカル・アクセル・ローズです。
スカルのドクロは200以上の層を持つダマスカススチールで作られ、PVDコーディングによって青色に染められています。
インデックスのベース部分にはポケットと同様、クル・ド・パリ模様のギョーシェが刻まれています。



ガンズ・アンド・ローゼスのロゴとアクセル・ローズのサインがあしらわれたグラスバック。

実機として拝見できたのは以上です。
懐中時計の発表、ビスポークサービスの開始とより新しい方向・ユーザー満足度の向上を目指しているとのことでした。

http://www.hytwatches.com/
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