蝶とフェアリーを称えて

 By : KAIROS
蝶とフェアリーを称えて

ヴァン クリーフ&アーペルが掲げるEnchanting Nature™(魅力あふれる自然)を象徴する蝶とフェアリーが、2017年、新たな時の流れの体験へと私たちをいざない、夢のような美しさと調和を披露します。この2つのシンボルは、立体感たっぷりに描かれたり、繊細な動きを見せたり、あるいは美しい絵画の主役としてさまざまな新作の中に登場し、世界の不思議を感じとる力を呼び起こしてくれます。先鋭の技術と優れたクラフツマンシップが融合して誕生した傑作のひとつひとつが、メゾンの時計制作のテーマ、Poetry of Time™(詩情が紡ぎだす時)を受け継ぐリズムで確かな鼓動を刻みはじめます。


Automate Fée Ondine
Extraordinary Object
エクストラオーディナリー オブジェ
オートマタ フェ オンディーヌ

SIHH2017においてヴァン クリーフ&アーペルは、〈エクストラオーディナリーオブジェ〉の初めての作品として、オートマタ フェ オンディーヌを発表します。長年にわたる研究と、著名なオートマタ製造者フランソワ・ジュノとの強いコラボレーションの成果であり、またこの作品に関わった大勢の職人たちのサヴォアフェールがひとつになって生まれた傑作です。
ジュエリーと時計制作の伝統から引き出されたさまざまな技術を結集させた、この独創的なクリエーションが、メゾンの歴史に新たな1章を刻みます。かつてメゾンが制作していた、テーブルクロックをはじめとする希少なオブジェに匹敵するものです。
複数のエレメントを作動させ、同時に時間を表示するという極めて複雑なメカニズム。その制作において最も重視されたのは、一瞬で消え去る詩的な情景を再現することでした。動きと軽やかさ、自然の美しさ、眠りから目覚めたばかりの妖精の優美な姿、貴石とエナメルによる繊細なニュアンス、そのすべてがこの作品に表現されています。宝石で彩られた一枚の絵画に、限りない優しさをもって命が吹き込まれます。メゾンの想像力、クリエイティビティ、伝統技術への深い造詣がひとつになり、驚きあふれる夢のような世界が誕生しました。

エクストラオーディナリー オブジェ
オートマタ フェ オンディーヌ

天面:彫刻とエナメルを施したシルバー ストリップ、ホワイトゴールド、
ピンクゴールド、ダイヤモンド、ピンクサファイア
フェアリー:ホワイトゴールド、ダイヤモンド、サファイア、
アクアマリン、プリカジュール エナメル
睡蓮:シルバー、エナメル、イエローゴールド、ダイヤモンド、
イエローサファイア、オレンジサファイア
蝶:ホワイトゴールド、ダイヤモンド、ピンクサファイア、
オーストラリア産ホワイトオパール
てんとう虫:ピンクゴールド、ホワイトゴールド、ダイヤモンド、
トラディショナル ミステリーセッティング ルビー
台座:エボニー(黒檀)による化粧張り
オートマタ(自動装置)のメカニズム:
オンデマンド アニメーションを搭載した機械式手巻きムーブメント
機械が完全に巻き上げられた場合、50秒のアニメーションを5回見ることが可能
時計のメカニズム:機械式手巻きムーブメント、レトログラード アワー、8日間パワーリザーブ
ユニークピース



コラボレーションの結晶

ヴァン クリーフ&アーペルの豊かな歴史の中でも前例のない作品、オートマタフェ オンディーヌの制作には、各分野における最高の職人たちの技術と経験を必要としました。そこでメゾンはその構想時から、フランスとスイスのおよそ20のアトリエに協力を仰ぎました。その中にはMeilleur Ouvrier de France(フランス国家最優秀職人)やEntreprise du Patrimoine Vivant(無形文化財企業)を授与されたアトリエも含まれます。スイスのサントクロワに居を構えるオートマタ製造者、フランソワ・ジュノの経験は、宝石細工職人、宝飾職人、ストーンセッター、エナメル職人、キャビネット職人らに知見を与えました。

来る日も来る日も、匠と呼ばれる職人たちは互いにコミュニケーションを深め、技術を共有し、各分野においてさらに工夫を重ね、この特別なプロジェクトの要求に応えました。妖精の内部に収納されるメカニズムの小型化、どのような動きでも十分に光を捉えることができる花びらの成形など、その制作は困難の連続でした。職人たちはデザインから最終的な仕上げに至るまで、決して怠ることなく研究を続けました。
優れた専門技術を集結し、この独創的な作品を完成させたことは、この上ないメゾンの誇りです。ヴァン クリーフ&アーペルによる初のエクストラオーディナリー オブジェは、夢のような発想から生まれ、妖精オンディーヌに見守られながら人智の粋を極めた冒険の結晶となりました。
 

            
オートマタの内部、
チャイム機構と時計のモジュールを調節                                    キャビネットの天面の位置を決める


幻想的な情景

レトログラード アワーとオンデマンド アニメーションを組み合わせて、この作品はふたつの情景を表示します。黒檀色の土台部分では、ミステリーセッティングによるルビーのてんとう虫がタイムスケールに沿って静かに動きます。てんとう虫は12時位置に到達すると初めの位置に戻り、また半日をかけて新たな旅をはじめます。
オートマタ(自動装置)は起動操作から約50秒で作動し、幻想的なおとぎ話の情景を再現します。まず睡蓮の葉が、そよ風が吹いたかのように揺れ始めます。澄んだチャイムの音色に合わせて、睡蓮の花がゆるやかに花開きます。やがて妖精が目覚め、顔を上げ、花冠の中心にとまった蝶を見つめます。蝶は宙へ舞い上がり、羽ばたいて旋回します。これらの動きが同時に起きたあと、蝶はその住みかに戻り、妖精は再び眠りにつき、睡蓮の揺れが止まって静けさが戻ります。

繊細な動きを見せるオートマタ フェ オンディーヌ


妖精オンディーヌ
水の妖精、オンディーヌの驚くほど優美なシルエットは、初めにロストワックス鋳造法を使用してホワイトゴールドで成形されます。その後、きらめく装飾で包み込んでいます。ボディとドレスにはサファイアのセッティングでグラデーションを創りだし、頭部にはダイヤモンドのヘッドドレスをあしらいました。
職人の手と目で美しいファセット加工を施した優しい色合いのアクアマリンが、女性らしい表情を引き出しています。オンディーヌの透明な羽はブルーを基調とし、その魅力をプリカジュールエナメルが引き立てています。妖精が不規則なリズムで羽ばたくと、光の加減によってネイビーブルーからターコイズまでさまざまな色合いに変化します。ブリリアントカットダイヤモンドのラインがこの一連の情景をきらきらと輝かせます。その内部では、極めて小さなメカニズムが妖精に命を吹き込み、なめらかな動きを実現しています。

  
    フェアリーの顔を表現する               エナメルの前段階、フェアリーの羽の
   アクアマリンのファセットを形成               最終デザインを決定する

 エナメルを施した羽と施す前の羽


睡蓮の葉
時計の台座天面には、およそ60の細長いピースからなる大きな睡蓮の葉があしらわれ、さざ波のように揺れ動きます。葉にはエングレービングによって葉脈が描かれ、グリーンエナメルのグラデーションときらめくダイヤモンドのしずくにより美しく彩られています。さらに、小さな花々や繊細な蓮がダイヤモンドとピンクサファイアによって表現され、この詩的な情景を完成させています。

睡蓮の花
このプロジェクトにおける技術的な課題の一つは、オートマタ(自動装置)の構成部品を可能な限り軽量化することで、メカニズムによって動きを作動させるということでした。睡蓮の花びらは極めて薄く、すべて手作業で成形した後にエナメル加工を施しています。この最終工程は、サイズの大きな花弁を焼成中に金属が変形してしまうというリスクを伴うため、極めて繊細な作業が必要とされました。色合いを引き出す技法もまた、この作品のための特別なものでした。これによりホワイトからパウダーピンクへと変化する繊細なグラデーションを創りだすことに成功しました。

エナメルの葉に置かれた
ピンクサファイアと睡蓮のつぼみ



メゾンのパピヨン クリップに匹敵するハイジュエリー作品と呼べる蝶のパーツには、宙を舞う動きを再現するために特別な研究を必要としました。ボディは隠し機構を収められるようデザインされ、羽はどの角度からも眺めることができます。
きらめく胸部から広がる羽は、丁寧なカッティングを施したホワイトオパールをあしらった後に優美な構造に組み込んだものです。また、ローズカットダイヤモンドが並ぶレースのようなオープンワークが印象的なアクセントとなり、上からも下からも石が顔をのぞかせます。さらに、オパールの炎(遊色)に呼応するように、4石のピンクサファイアがフェミニンな輝きを放ち、モチーフの魅力を一層引き立てています。

蝶の羽のはばたき具合をテスト

  
ホワイトゴールドで形成された蝶の羽にオパールを嵌めこむ  蝶の羽のホワイトゴールドにオパールを配置


てんとう虫
この上なく優美に時を刻むてんとう虫は、その洗練されたフォルムと精巧なミステリーセッティングが特徴です。ミステリーセッティングはメゾンを象徴する技巧のひとつであり、ルビーの温かみのある色合いとベルベットのような輝きにより、土台となる金属を覆い隠します。ストーンはひとつひとつ手作業で磨き上げられ、丸みを帯びたなめらかなレリーフ効果を創りだしています。さらに、幸運を呼ぶこの虫の斑点をダイヤモンドで描き、印象的に仕上げています。
ミステリーセッティングによるてんとう虫


【お問い合わせ先】
ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
TEL:0120-10-1906
http://www.vancleefarpels.com/jp/ja.html