オーデマ ピゲの新作「ミレネリー・フロステッドゴールド・フィロソフィーク」の楕円運動を理解する

 By : CC Fan
先日発表された、哲学的な手法で時を伝える時計オーディマ ピゲ(Audemars Piguet)のミレネリー・フロステッドゴールド・フィロソフィーク。
表示を時針のみとした哲学的な表示と、ミレネリーの楕円形状に沿った運針が特徴的です。

もちろん工芸的な仕上げも興味深いですが、私が技術的に興味を持ったのは、楕円上に針が動く運針の仕組みと、”この楕円は数学的に定義される楕円の軌道なのか”という点。
公式の写真だけではなく、編集長が掲載したいくつかの実機写真を元に中身を考えてみました。





この画像と公式の画像からわかることとして、
  • 本来の時針の位置には小さなディスクが取り付けられていて、回っている
  • 時針はディスクの上にオフセットして取り付けられ、こちらも回っている
ということがわかります。

どうやら、ディスクの半径をa、針の長さをbとすると楕円の長径(長い方の半径)ではb aとなり、楕円の短径(短い方の半径)ではb-aとして長さを調整しているように見えます。
ここまでわかれば、あとは長径と短径で針は90度になるという条件から計算できそうです。



場合分けをします。
12時・3時・6時・9時の正時にディスクの半径と針が長さを足し合わせる関係になるか・引き算する関係になるかを書き下します。
ディスクを表したaの矢印(ベクトル)に注目すると6時位置からスタートし、反時計回りに時針と同じ速度で回っているように見えます。
針を表したbの矢印(ベクトル)は通常の時針と同じく12時位置からスタートし、時計回りに通常の自信と同じように回っているように見えます。
そして、その二つを足し合わせると12時と6時(短径)では長さがb-a、3時と9時(長径)では長さがb aになった合成の矢印(合成ベクトル)ができています。

つまり、この二つの逆方向の回転を合わせると楕円になる…だろうということだろう、ということがわかります。



書きなぐりですが、方程式的にも解くとこんな感じ。
ディスクはy=-aを始点にした逆回転、針はy=bを始点にした正回転と定義され、二つの回転であることがわかります。



上記の式をExcelに代入し、楕円そのものの定義と重ねて誤差を計算。
全領域で誤差0なので、二つの回転を組み合わせる方法で完全な楕円軌道が作れるということがわかります。
ここまで誤差がなければ、これは楕円だろうと考え…



ディスク+針を計算し、三角関数の性質を使って式変形すると楕円の定義に変形できました。
なので、この方式で作られる軌道は完全に楕円…と納得。



後日、ムーブメントの写真を入手し、より具体的な仕組みもわかりました。
遊星歯車機構を使い、針が時計周りに自転しながら、ディスクが反時計回りに公転という動きを作っているようです。
この図だけだとまだ完全には理解できていないところもありますが、単純な回転運動から楕円軌道が作れるというのは非常に面白いと感じました。





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