ボヴェのOnly Watch作品「Miss Audrey Sweet Fairy ONLY WATCH」～時計製造史上まだ一度も用いられていなかった全く新しい素材の文字盤を採用

2021年7月30日　By : KITAMURA(a-ls)

【Only Watch2021出品作品】

オリジナリティにあふれた独特の美意識を持って唯一無二の時計を作り続けているボヴェも、Only Watchの常連として、今回も非常に意欲的な作品を提供している。

その画像がコチラだ。

ヨーロッパ風土にちなんだ高貴にしてメカメカしたイメージのあるボヴェが、なんかいやにポップな絵柄で、「これはどうなのか？」と感じられる方もいるかもしれない。
だがしかし、この文字盤の"素材"を知れば、唸り声のひとつもあげたくなるハズだ。

この文字盤は、時計製造史上まだ一度も用いられていなかった全く新しい素材――なんとこれ、"純粋な砂糖"からできているのだ。

話は今年5月にさかのぼる。
「ミス・オードリースウィートアート」とタイトルされた新作が、ボヴェのオフィシャルから発表された。
砂糖文字盤！！！
非常に興味をひかれたが、WATCH MEDIA ONLINEには実機を見てから書きたく思い、掲載を保留していたところ、Only Watch2021に上記のモデルが出品されてきたため、そろそろ紹介しなくては時間切れと感じたのと、不思議なことに、この"超発明"を記事にする日本メディアもほとんど拝見できていないので、あえてチャレンジする次第である。

実機はいまだ未見のため、強度や耐熱性はもちろん、その芸術性や色彩の再現性や光沢など工芸的な利点や欠点についても、強く断言できるほどの自信はないが、とりあえず、まずはカタログ・ヴァージョンのプレスリリースを見ていただきたい。

BOVET 1822の新作「ミス・オードリースウィートアート」～ダイヤルをシュガー・コーティング

タイムピースの顔であるダイアルは、言うなれば世界を見通す窓です。
その時計に惹かれ、興味をそそられるかどうかは、多くの場合、ダイアルの第一印象と関係しているのです。その他のディテールはそれからです。
時計製造の歴史が始まって以来、ダイアルには多種多様な素材が用いられてきました。どれも、他より際立つようにデザインされてきたのです。貴金属、エナメル、ミニチュアペイント、ギョーシェ装飾、エングレービング、マザーオブパール、アベンチュリン、スケルトンなど、BOVET 1822の約200年の歴史の中でそのどの技法もダイアルに採用してきました。
しかし、新作「ミス・オードリースウィートアート」では、時計製造史上、まだ一度も用いられていない全く新しい素材を使用し、革新的な技法によりダイアルを作り上げました。ーー純粋なシュガーから作られた、比類なき逸品です。

愛らしさと純真さを表す「ミス・オードリースウィートアート」のダイアルを飾るシュガークリスタルは、技術革新、素材、そしてミニチュアペイントなど、ボヴェ独自の特徴すべてを代表するものです。

ボヴェ社を率いて今年で20年になるオーナーのパスカル・ラフィ氏の心に生まれた「ミス・オードリースウィートアート」は、愛の甘さと、子供のお菓子に対する無邪気な欲求のような純粋さを捉えることを目指して、シュガークリスタルを用いて息をのむような新たな装飾技法でダイアルを飾りました。

このダイアルの製造工程は極めて複雑です。まず初めに、光や熱に晒されても変形しないように純粋なシュガークリスタルを調整します（ご心配なく。シュガークリスタルが溶けることはありません）。

●クリスタルシュガー

次に、シュガークリスタルのサイズを選び、特別な塗料と混ぜ合わせ、ボヴェのミニチュアペイント職人の手によりダイアルにセットされます。

この特許を取得している厳しい工程で失敗は許されません。一つ間違えれば、最初からやり直しです。
職人の技工と手作業により、ダイアル一つひとつがユニークピースとなっているのです。ソリッドカラーからグラデーションまで、多彩な色合いが揃っています。

結果として、時計製造史上、どのダイアルとも一線を画す、魅力的な質感と煌めきを放つダイアルが実現しました。
「スウィートアート」のダイアルの特別な針は、独特でありながら情熱的な雰囲気をたたえています。ユニークな形にデザインされ、分針が時針に追いつくと、1時間に一度美しいハート型を描き出し、時計を身につける人に愛する人々を想い出させてくれるのです。

時計界のアカデミー賞「ジュネーブウォッチグランプリ（GPHG）2020」にてレディスウォッチ賞を受賞した「ミス・オードリー」モデルは、世界中でコレクターの心を捉えました。
煌めくホワイトダイヤモンドが輝きを見せる腕時計の径36mmのステンレススティール製ケースには、ブランドを象徴するアマデオ・フルリエコンバーティブルケースを採用。

他にはない、特許取得済みのアマデオケースは、工具を用いることなく腕時計、置時計、あるいはペンダントとしてもお楽しみいただくことができます。

振動数28,800回／時（4Hz／秒）の自動巻きムーブメントによって駆動される「ミス・オードリースウィートアート」は、模範的なクロノメトリーです。

BOVET 1822にとって、時間の計測は詩的表現であり、「ミス・オードリースウィートアート」は、精巧な時計製造の情熱的なヴィジュアルを象徴しています。シュガーはスウィート。そこから、「ミス・オードリースウィートアート」と名付けられました。

【技術仕様】
ミス・オードリースウィートアート（Miss Audrey Sweet Art)
［品番］
AS36024-SD12, ブラック＆ブルーグラデーションシュガークリスタルダイヤル

AS36025-SD12, ブラック＆グリーングラデーションシュガークリスタルダイヤル

AS36027-SD12, ゴールド＆ピンクグラデーションシュガークリスタルダイヤル

AS36028-SD12, ブルー＆グレーグラデーションシュガークリスタルダイヤル

［ケース］
タイプアマデオコンバーティブルシステム。工具を用いることなく腕時計、置き時計、ペンダントに変換可
直径：36mm
厚さ：11mm

素材：ステンレススティール。
セッティングボウおよびベゼルに103個のラウンドカット・ダイアモンド(~0.99ct)、サファイア・カボション(0.72ct)で装飾されたリューズとストラップボルトセットストラップフルグレイン・アリゲーター
バックル：ステンレススティール製尾錠ネックレスパールまたはロジウムプレートのシルバー製
防水性：30 m

［ムーブメント］
キャリバー：11BA15
タイプ：自動巻
直径：11 ½’’’
振動数：28,800 回／時
パワーリザーブ：42 時間
機能：時、分、日付

［ダイヤル］
シュガークリスタルを採用したミニチュア絵画。
お好みのカラーを選択可：パープル、ブルー、ブラック、グレー、グリーン、ピンク、イエロー、またはカラーグラデーション。
針：ボヴェ独自のハート型サーペンタイン針
特許：コーバーティブルのアマデオケース

価格：未定
発売時期：未定

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ということなのである。
5月発表段階では、色とそのグラデーションとの組み合わせであったものが、7月のOnly Watchの発表時には、一種の細密画としてまでの進化を遂げてきたのだ。

あらためて出品作を見ていこう。
タイトルは「Miss Audrey Sweet Fairy ONLY WATCH」

もちろんこれも３形態に換装可能

腕時計として

置時計として

ペンダントとして。。。。

そしてわずか3センチ強の小さな文字盤の中に、無数のシュガーの粒を敷き詰めることで描かれたフェアリー・デザイン。
ちょっと凄くないすか？

しかもその絵画部分は暗所では蛍光発色してしまうようだ。
資料によると、『中央の文字盤にはミニチュア・ペインティング、文字盤周囲にはピュア・シュガー・クリスタル、全体にスーパールミノバを使用』とある。　ぜひ動画で確認してみて！

オークションのEstimateは、CHF 45,000 - 70,000。
結果が楽しみな一本には違いない。

【お問い合わせ】
Bovet/ボヴェ（DKSH ジャパン）
cg.csc1@dksh.com