12月5日オープンのヴァシュロン・コンスタンタン新旗艦ブティック・内見レポート～ブティック空間にまさに"Classic with a twist"を体現

2021年12月2日　By : KITAMURA(a-ls)

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銀座4丁目・晴海通り沿いという、望みうる最高の立地にその新店はある。

今年の夏に告知されたヴァシュロン・コンスタンタンの新旗艦店。いよいよ間近に迫ってきた12月5日のグランド・オープンを前に、内見にお招きいただいたので、その様子をレポートしたい。

店内に一歩入って感じたのはとても開放的なイメージだった。
これまでのパターンであれば、ヨーロッパの重厚なしつらえで高級感を醸し出していた調度品や装飾が、ここでは非常にカラフルでポップなものが多用されている印象を受けた。

ここには世界三大機械式時計ブランドの重鎮というイメージ以上に、さらにファッショナブルで、2021年のテーマともなっている"Classic with a twist"に示されるような、コンテンポラリーなライフスタイルをも反映していこうとする最近のヴァシュロン・コンスタンタンの方向性をよく表現しているように感じた。

その大いなる要素として、数々の賞を受賞しているイラストレーター兼絵本作家の山崎杉夫氏の作品が店内の様々なポイントに飾られているほか、氏の作品と展示されている時計が綺麗にカテゴライズされていたりして、ヴァシュロン・コンスタンタンのひとつひとつのタイムピースに、とてもクールなインスピレーションを与えてくれている。

続けて2階にあがると、そこには銀座の象徴である4丁目交差点も臨める大きな窓から注がれる採光でさらに明るい作りとなっていて、ゆったりとしたソファー、ウォッチメイカーのデスクなど、時計の展示がメインの１階よりもさらに深い対面コミュニケ―ションが想定されていた。

面白いところでは、モニターを通してストラップをステッチの色まで細かくカスタムオーダーできる最新のシステムなど、たいへんに興味深く、ある意味、マニアックな空間となっていた。

●ステッチの糸サンプル

このヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店の、他にはない大きなサービスとひとつに、ヴァシュロン・コンスタンタンのヘリテージ部門のスペシャリストがセレクトし、修復チームが現在のコレクションと同様の保証が提供できるまでに修復を施した希少性の高いヴィンテージピースの販売コーナー、 Les Collectionneurs（レ・コレクショナー）があると聞いていたが、どの展示ケースにもそれらしきものはなかった。

この日わたしはヴァシュロン・コンスタンタンのヴィンテージ・ウォッチをつけていたのだが、それを見たスタッフが、「こちらはいかがでしょう」と、思いもかけない場所から Les Collectionneurs（レ・コレクショナー）を紹介してくれた。これはネタバレしない方が良いと思うので、ぜひ皆さんが見つけて体験してみて！

モダンな点を強調してきたが、もちろんヴァシュロン・コンスタンタンならではのヒストリカルな展示もある。そのひとつがコレ。

この新旗艦店の前にこの場所にあった明治12年創業の天賞堂時計店が、1897年にヴァシュロン・コンスタンタンに送ったカタログの送付の依頼状が、ヴァシュロン・コンスタンタンの保管資料室に残っていたとのことで、今回の"縁"を記念する意味もあって、さりげなく展示されていたりもするのだ。

日本の江戸時代は比較的長く続いたと習ったがそれでも26４年。かたやこのヴァシュロン・コンスタンタンの歴史はすでに今年で266年を数えるのである。この新ブティックのオープンを機に、ヴァシュロン・コンスタンタンの266年を、そしてここ最近、時計マニアというニッチ層以外にもその知名度を格段に高めているヴァシュロン・コンスタンタンを改めて研究してみたく思っている。