オクト フィニッシモ スケルトン 2017チタンケース誕生

 By : KAIROS
連載と言いながらだいぶ遅くなってしまいましたが、今回はオクト フィニッシモ スケルトンを紹介したい。

ここ数年、ブルガリは薄型時計に力を入れているのをご存知だろうか。

2014年オクト フィニッシモ(手巻き)、オクト フィニッシモ トゥールビヨン
2016年オクト フィニッシモ スケルトン、オクト フィニッシモ  ミニッツリピーター
2017年オクト フィニッシモ オートマチック、オクトフィニッシモ  スケルトン トゥールビヨン

と今年に入って6種類のムーブメントを4年間で発表した。開発製造期間を考えると、ブルガリが時計製造に本腰を入れ始めた2010年時点で、これらムーブメントは既に計画に入っていたと推測がつくだろう。ではなぜ、ブルガリが薄型の世界に進出してきたのだろう。
答えは簡単である。エレガントで美しいからだ。
もともとブルガリはジュエラーである。ジュエラーが美しさを追求するのは自然な事だ。それが女性用であれ、男性用であれ同じである。そして製造したものを作品と呼ばれる域にまで昇華させられるブランド、それがブルガリなのである。

現在の時計業界には多くの薄型時計が存在する。
当然、薄く製造・組立をするには技術力が必要だが、加工技術の進化と共に昔に比べるとその難易度は変化しているかもしれない。しかし組み立てには通常以上の時間と技術力が必要になるのは事実である。その中で、常に頂点を目指し続ける姿勢に、ジュエラーであるブルガリの時計製造への強い意気込みが感じられるのは、筆者だけではないはずだ。

さて2017年に発表されたオクト フィニッシモ オートマチック、オクトフィニッシモ  スケルトン トゥールビヨンの他に今年オクト フィニッシモ コレクションにもう1つバリエーションが増えている。それがオクト フィニッシモ スケルトンの チタンケースである。


これは2016年に発表されたDLC処理のSSケース+ピンクゴールドベゼルの素材違いにあたる。2016年モデルはいかにもブルガリらしいデザインで、ムーブメントもブラックに加工する事で時計の視認性を上げながら、ゴールドベゼルの鮮やかさと見事に調和し、更に薄型ケースが鮮烈な印象を与える作品である。

搭載されるムーブメントBVL 128SKは前回と同じという事だが、仕上げはヘアラインで効率を重視してか工業的な仕上げである。薄型ムーブメントにスケルトン加工をする難しさと組み立てる難しさを考えれば、これ以上の作業を追加する事は手の届く金額(税込み予価¥2,592,000)をはるかに超えてしまうであろう。
 


バックサイドは、造形美を強調する様にスケルトン加工されており、非常に美しい。
時間を忘れて歯車の動きを見続けてしまう程、引き込まれていく魅力的な美しさはさすがである。



そしてお気づきだと思うが、2014年に初めて発表されたフィニッシモ(手巻き)の裏面パワーリザーブ表示を文字盤側に持ってきている。そのため単に初期モデルをスケルトン加工しただけではなく、正面から見た時の美しさと裏面から見た時の美しさを計算して設計している“魅せる”ムーブメンなのである。まさに見るだけの時計ではなく見せる時計なのだ。

ケースはオクト フィニッシモ オートマチックに同じチタンだが、その加工の難しさや造型については前回に記したとおり見事である。
大きさは40㎜、厚さ5.37㎜のチタンケースは、非常に軽く、薄いために腕へのフィット感も悪くない。そしてステッチ無しのアリゲーターストラップは、よりこの時計のエレガントさを演出している。
65時間のパワーリザーブも十分であり、そのインジケーターが文字盤側にあるのは使用するユーザーにとっては使い勝手が良い。

ジュエラーでありウォッチメーカーであるブルガリ、次の“魅せる”時計が楽しみである。


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