大阪 貴人館に新しくオープンしたインディペンデントウォッチメーカーコーナーレポート

ご縁があり、Watch Media Onlineのショップニュースに参加していただけることになった大阪の貴人館。
今年で30周年と言う節目の年に独立系ブランドの扱いを大幅に強化、「INDEPENDENT WATCH MAKERS EXCLUSIVE CORNER（独立時計メーカー専用コーナー）」をオープンさせました。

今回、ショップニュースの開始と共にお招きいただき、実際にINDEPENDENT WATCH MAKERS EXCLUSIVE CORNERを取材させていただくことができましたのでレポートします。



難波駅から徒歩5分、貴人館に到着します。



国内最大サイズのコーナーを誇るパルミジャーニ・フルリエを筆頭に、扱いブランドが並んでいます。
ペキニエ、チャペック、アーミン・シュトロームなどすでに評価を得て反響が大きい独立系から、バーン(BYRNE)やモーロン・ミュジー(MAURON MUSY)と言った徐々に広まっているブランドまで扱われています。



まず、2階のINDEPENDENT WATCH MAKERS EXCLUSIVE CORNERを案内していただきました。
大規模なブランドに比べて独立系の魅力の一つは「作り手」ともいえるキーパーソンの顔が見えること、と言うコンセプトから、ご存じチャペックのザビエル・デ・ロックモーレルや、アーミン・シュトロームのミシェルとクロードなど、ブランドのキーパーソンのポートレートが一緒に飾られています。

コーナー全体は特定のブランドではなく落ち着いたカラーでまとめ、それぞれのブランドの世界観は各ケース内の什器で表現しています。



コーナーオープンにあたり、拘ったポイントの一つは「実機が見られること」。
そのために交渉を重ね、各ブランドの実機を用意したそうです。

現在、高級機械式時計の需要増加や独立系への注目が増えていることもあり、「実機を見ずに買う」のも少し前よりも一般化しつつあるとは感じますが、やはり実機を直接見て納得して買う方がよい、と考えているのでとても共感できるスタンスです。



色々お話を伺うと、独立系への問い合わせなども増えているということで、「勢い」は感じているそうです。
しかし、そのような状態でも過度に希少性を煽るようなことや、予約を受け付けすぎて長く待たせてしまうのはお客さんにとっても良くない、と言う事で状況によってはあえて予約を断ったり、他を提案したりすると伺いました。
お客さんのことを考えた誠実な対応だと思います。



ジュネーブ(ウォッチ&ワンダーズ時期)で取材したけど、書いてないバーン(BYRNE)のジャイロダイヤル。
デイト機構の応用みたいな仕組みで、24時になると12時・3時・6時・9時のインデックスが回転して表示が変化します。
なにか機能と言うより時計のデザインが変わって面白い、と言う面白さ全振りのコンプリケーション、回転するインデックスは4面あるため、4つのデザインが日替わりで楽しめます。

コンプリケーションのユニークさに目を奪われますが、動作の精密さや独特のデザインで精密に仕上げられたケースも注目です。



個人的に今年のヒット作、と言うか良いねと思ったCVDKのアリアドネ。
これは実機を見てほしい！と毎回言っているので見られる場所が増えるのは嬉しいです。



劣化するラバー(樹脂)のOリング無しで防水性を実現するモーロン・ミュジー。



サイラス(CYRUS)からは二つのモノプッシャークロノを1つのムーブメントに搭載し、独立した時間計測を行えるDICE(Double Independent Chronograph Evolution)とクレㇷシスGMTレトログラードが。



アーミン・シュトロームのグラヴィティ・イークォル・フォース。



チャペックのケ・デ・ベルクとアンタークティック。



ルイ・モネ、MOON GIBEON、メモリススピリット。





隣りに移ってポルシェ・デザイン。



さらに隣にはグラハムが。



その隣にはペキニエが勢揃い。



取材の少し前に先行販売が解除されたサフィール・ペルラージュもさっそく入荷していました。



大阪とスイスの時刻で、スイスへ思いを馳せます。





1階に移り、国内最大サイズと言うパルミジャーニ・フルリエのコーナーも拝見。
ウォールナット材に溝を切って曲げるという手間のかかる方法で仕上げられた専用の什器でブランドの世界観を伝えます。

いろいろ文章を書いている立場で言うのも何ですが、「百聞は一見に如かず」という言葉もあるように、やはり実機を見てもらうのが一番いいと思っています。
しかし、特に数の少ない独立系の作品はどこで見られる？と言う問題は常にあったので今回の貴人館さんのコーナーによって実機を見ることができる場所が増えるのは良いことだと思います。
また前述したように、現在の「勢い」に乗るだけではなく、お客さんのことを考えてより良い選択を一緒に考えるのも素晴らしいと思います。

今回はお招きいただき、ありがとうございました。

株式会社　貴人館
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