MB&F レガシー・マシン パーペチュアル エヴォ

 From : MB&F (エムビー アンド エフ )

MB&Fの作品は15年間にわたって、身につける人を想像上の地図にしか存在しない場所へと誘ってきました。宇宙船から始まって深海のクラゲにいたるまで、マキシミリアン・ブッサーのマシンは多元的な宇宙の地図を描き出します。

最大の旅はまだまだこれから。進化が真の進歩を示します。今回発表されるレガシー・マシン パーペチュアル エヴォ、新しいマシンを操縦するのはあなた自身です。あなたの人生の地図を描き出してください。旅に出ましょう。時計を置いていく必要はありません。



直径44mmのケースはジルコニウム製。ジルコニウムは光沢のある銀白色のメタルで、その性質はステンレススチールやチタンを凌駕します。開放感とこの上ない明るさを強調する新しいケースプロファイル。特別に開発された一体鋳造の緩衝装置「フレックスリング」を備えた、これまでになく堅牢なマシンがMB&Fから登場です。ステファン・マクドネルにより設計されたLMパーペチュアル エンジンは賞も受賞したパーペチュアルカレンダー。従来のシステム構造に代わる革新的な機械処理装置を採用しています。PVD/CVDコーティングが施された文字盤は3色からお選びいただけます。そのうちの1色はハイエンドなスイス製ウォッチでは初めてのアトミックオレンジです。従来のMB&Fマシン以上にスムーズな装着感を実現する、腕にぴったりフィットする一体型ストラップとなっています。



過去15年間にわたってMB&Fコレクションは、複雑機構と秀逸な時計メカニズムをいくつも採用してきました。2019年のレガシー・マシン サンダードームで発表された記録破りのトライアックス(TriAx)もその一つです。しかし、名声、伝統、革新を組み合わせるという点においては、5年前に発表されたレガシー・マシン パーペチュアルはMB&Fの時計製造の頂点を極め、いまだその右に出るものはありません。MB&Fの実験的な素材の試みに慣れた人は、時計製造にジルコニウムが用いられるのが稀であることもご存知でしょう。ジルコニウムは粉末状で自然発火することで知られ、機械加工は非常に危険です。それでもなお、製造工程で発生するリスクを帳消しにするメリットがジルコニウムにはあるのです。ジルコニウムは低アレルギー性で抗菌性が高く、生物医学への応用において重宝されます。アクティブなライフスタイルのためには最適な素材なのです。



直径は44mmで2015年モデルのまま変更されていませんが、新しいエヴォのケースのデザインは、ベゼルのない構造が特徴で、ドーム型サファイアクリスタルがケースに直接融着されています。カレンダー表示の見やすさと、映画のようなエンジンコンポーネントの遊び心との調和を強調する、開放感がさらに高められたLM パーペチュアル エヴォのデザイン。MB&Fの代名詞である宙に浮くようなテン輪がその上に配されています。より大きな表現を持つLMパーペチュアル エンジンのデザインを再構成するのは簡単ではありませんでした。構造の強度を維持しつつも高さと直径の比率を抑えるという、機械的には相反する目的を達成するようにサファイアクリスタルの形状を新たに計算する必要がありました。さらにLMパーペチュアル エヴォをベゼルから解放するには、サファイアクリスタルとジルコニウムケースを高度な熱接合装置を用いて接合しなければならなかったのです。



パーペチュアルカレンダーを調整するための従来は円形だったプッシャーは、より大きいダブルスプリングの長方形のアクチュエーターに変更され、快適なタッチで調整しやすくなりました。LMパーペチュアル エヴォはMB&Fの作品では初めてスクリューダウン式リューズを採用、80 m防水性能を実現しています。スクリューダウン式リューズの実装に関する小さいながらも重要なディテールとして、巻き真のクラッチがあります。プッシュして締めるとリューズが巻き上げ機構から外れ、手動で主ゼンマイを巻きすぎる可能性がなくなります。



LMパーペチュアル エヴォに加えられたもう1つの新しい要素はフレックスリング(FlexRing)です。これはケースとムーブメントの間に据えられたリング状の緩衝装置であり、縦横両方向の衝撃から保護します。一体鋳造でステンレススチールを機械加工した緩衝装置は、パーペチュアルカレンダーに優れた堅牢性を与えます。パーペチュアルカレンダーはクラシシズムやエレガンスを連想させる機能ですが、あらゆる高度な複雑機構の中でもこれほど実用的で便利なものはありません。

ステファン・マクドネルは、MB&Fのパーペチュアルカレンダーの再設計に着手するにあたって複雑機構の基礎的な機械装置全体を見直したシステムを提案しました。LMパーペチュアルは、多層ディスクからなる「機械処理装置」を使用しています。これは1ヶ月のデフォルト日数を28日とする画期的な処理装置です。論理的に、すべての月に28日以上あるためです。それに各月に応じて追加の日数が加算されます。こうすることで各月の正確な日数が確実になり、日付が誤ってジャンプする可能性がなくなります。日付の切り替え中にはクイックセットプッシャーが内蔵の安全装置により接続解除されます。日付の変更中にプッシャーが誤って作動した場合でもムーブメントが損傷するおそれはありません。



LMパーペチュアル エヴォのダイナミズムと耐久性を高めるのは、得ることが難しい文字盤の鮮やかなカラー。時計製造においてはPVDやCVDコーティングのダークな色合いが長年使用されてきましたが、最近では可視スペクトルのうち寒色系のカラーが主流になり、イエロー、オレンジ、レッドなどの暖色系は実現できませんでした。コーティング素材とコーティング技術分野の技術革新を組み合わせ、LMパーペチュアル エヴォではこのアトミックな色調を実現、時計の新次元を目指したのです。文字盤のカラーは他にもブラックとブルーの2色があります。MB&Fの15周年を祝う、3色それぞれ15点の限定シリーズです。

デザイン、技術、エスプリのすべての面で進化するレガシー・マシン パーペチュアル エヴォ。あなたのストーリーがMB&Fとともに前進します。

LMパーペチュアル エヴォはスポーツウォッチではありません。人生をともに歩む時計なのです。

レガシー・マシン パーペチュアル エヴォの詳細

素材について

LMパーペチュアル エヴォのケースはジルコニウム製。ジルコニウムはその危険性のために機械加工に非常に厳しい条件が課される金属で、時計製造ではほとんど用いられません。ジルコニウムは、工業用機械でさまざまな形に加工する場合など、細かい粉末に砕かれると燃焼することで知られます。従来の機械加工工程では金属粒子が絶えず生成されて環境全体に飛散するため、ジルコニウムは非常に危険であることが分かっています。ジルコニウム金属部品の製造は、管理が行き届いた安全な条件下で行う必要があります。



これまでMB&Fでは、オロロジカルマシン No.3「フロッグ」とオロロジカルマシン No. 5に扱いが難しいこの金属が用いられています。MB&Fが愛する両生類らしい曲線を表現するのに、ジルコニウムはその生体適合性、低刺激性で抗菌性の高い特性で理想的な素材でした。また、技術的な魅力と物理的な特性(スチールよりも軽量でチタンよりも耐久性が高い)は、自動車に着想を得たHM5にはぴったりだったのです。そして今回のLMパーペチュアル エヴォでMB&Fの新しいパラダイムとなるジルコニウム。その使用は時計のコンセプトである想像の旅をサポートするのではありません。あなたが選んだ旅にLMパーペチュアル エヴォが寄り添うための手段なのです。

カレンダーの計算

従来型パーペチュアルカレンダーは通常、既存のムーブメント上に取り付けられた複雑機構からなるモジュールです。カレンダーの表示は、複雑機構の上部を横切って中央を通過する長いレバーによって同期されます。日付が変わると、この長いレバーは前後に移動して適切なコンポーネントや装置に情報を伝えます。この従来のシステムはレバーとコンポーネントの相互作用が美的である一方、きわめて扱いが難しく、レガシー・マシン パーペチュアルのようなものが機械的に成り立たなくする制約を、いくつかの重要な面でムーブメント構造に加えます。

ステファン・マクドネルによりクリエートされ、2015年に発表されたLMパーペチュアル エンジンは、現代の時計製造の世界に存在する最も革新的なパーペチュアルカレンダーシステムの1つです。

従来型システムでは、パーペチュアルカレンダーはすべての月には31日あるとデフォルトで想定しています。31日未満の月の終わりに、機械装置は余分な日付を早送りして新しい月の1日目となります。日付の切り替え中に操作や調整を行うと、メカニズムが損傷してメーカーによる高額な修理が必要になることがあります。パーペチュアルカレンダーの出発点をすべてなしにして、日付の切り替え中にジャンプまたはスキップすることもできます。これで何年もの間、あるいは数十年もの間、調整する必要がなくなります。



レガシー・マシン パーペチュアルは、多層ディスクからなる「機械処理装置」を採用しています。これは1ヶ月のデフォルト日数を28日とする画期的な処理装置です。論理的に、すべての月に28日以上あるためです。それに各月に応じて追加の日数が加算されます。こうすることで各月の正確な日数を確実なものにし、「早送り」する余分な日がないため日付が誤ってジャンプする可能性がなくなります。

従来のパーペチュアルカレンダーのメカニズムでは、ユーザーは正しい月と年に到達するまで最大47か月間スクロールする必要があったのに対し、この機械処理装置はプラネタリーカムを使用して年をすばやく設定でき、月と年が閏年の4年間のサイクルで正しく表示されます。



機械処理装置は、日付の切り替え中は内蔵の安全装置でクイックセットプッシャーの接続を解除でき、日付変更中に損傷するおそれはありません。

2015年、宙に浮くようにホバリングするテンプをエンジン背面の脱進機に接続する、世界最長のテン輪のピニオン(テン真)を備えたレガシー・マシン パーペチュアルが発表されました。この技術的偉業はその後、MB&Fコレクションの他の作品レガシー・マシン スプリットエスケープメントにも取り入れられています。

※機械処理装置については過去の記事もあわせてご覧ください。

オレンジ・アラート

新しい色調でPVDまたはCVDコーティング処理を試みることは一見、審美的な探求に過ぎず、技術的専門知識や革新はあまり必要ではないように思えるかもしれません。しかしそれはまったくの見当違いです。PVDまたはCVD(物理的または化学的気相成長)処理の結果得られる色は、単に通常の顔料を塗布したものではありません。PVDやCVDコーティングは本来、実用目的で行われていました。摩擦学的な理由から、あるいは機械部品の寿命を延ばすために保護材の薄層を塗布していたのです。

後にデザイン目的でPVDまたはCVDコーティング技術が応用されるようになりましたが、これらは装飾に使用された場合でも、長期にわたって美しく素材が安定する高性能な表面処理ソリューションであることに変わりはありません。



PVDまたはCVDコーティングは数ナノメートルに満たない厚さですが、輝くような鮮やかな発色で知られます。これは薄膜干渉と呼ばれる光学効果によるものです。この現象は光が乱されたり、強くなって特定の波長の可視光だけが眼に戻って色として認識されるものです。PVD / CVDコーティングはダークカラーが一般的であり、可視光スペクトルの寒色側に現れる色は、時計製造では馴染みのある色です。イエロー、オレンジ、レッドは、高度な技術を持つ専門家以外はなかなか得ることができないカラーであり、材料の配合や塗布方法はプロにとって職業上の秘密なのです。

LMパーペチュアル エヴォは、MB&Fらしい画期的な時計製造アプローチに沿ってCVDコーティングで鮮やかなオレンジ色を実現した最初の時計です。



レガシー・マシン パーペチュアル エヴォ

技術仕様

レガシー・マシン パーペチュアル エヴォは3モデル、各15点限定で展開:
- CVDコーティング加工が施されたオレンジの文字盤を備えたジルコニウム製ケース
- CVDコーティング加工が施されたブルーの文字盤を備えたジルコニウム製ケース
- PVDコーティング加工が施されたブラックの文字盤を備えたジルコニウム製ケース

エンジン
ステファン・マクドネルがMB&Fのために開発した完全一体型のパーペチュアルカレンダーは、文字盤側の複雑機構と安全装置付き機械処理装置を内蔵したアーキテクチャーとなっています。2つのメインスプリングバレルを搭載した手巻き式。 ムーブメント上部に従来型調整スクリューを備えた、専用の直径14mmのテン輪。全体的に19世紀のスタイルを踏襲した最高級の手仕上げ。面取り加工を施した内部の縁(手作業で研磨)。研磨した面取り部。コート・ド・ジュネーブ仕上げ。手作業によるエングレービング。
スーパールミノバを塗布した数字と針(閏年とパワーリザーブを除く)を備えたガルバニック仕上げブラックの文字盤。
フレックスリング:ケースとムーブメントの間に取り付けられたリング状の緩衝装置で、縦横方向に衝撃から保護
スクリューダウン式リューズ
パワーリザーブ:72時間
テンプの振動数:18,000 振動 / 2.5Hz
部品数: 581
石数: 41

機能 / 表示
時、分、曜日、日、月、レトログラード式閏年、パワーリザーブインジケーター

ケース
素材:ジルコニウム
サイズ:44mm x 17.5mm
部品数: 70
防水性能: 80m / 8 ATM / 270フィート

サファイアクリスタル
上面とディスプレイ背面のサファイアクリスタルは両面に反射防止コーティング加工あり

ストラップ&バックル
ラバーストラップ&チタン製フォールディングバックル

レガシー・マシン パーペチュアル エヴォのフレンズ



コンセプト:マキシミリアン・ブッサー(MB&F)
デザイン:エリック・ジルー(Through the Looking Glass)
技術・製造管理:セルジュ・クリクノフ(MB&F)
ムーブメントデザインと仕上げ仕様:ステファン・マクドネル、MB&F
ムーブメント開発:ステファン・マクドネル、MB&F
研究開発:シモーヌ・ブレット、トマ・ロレンザト、ロバン・アンヌ(MB&F)

歯車、ピニオン、軸:ジャン=フランソワ・モジョン(Chronode)、Atokalpa、ポール=アンドレ・タンドン(Bandi)、ダニエル・ギュミ(Decobar Swiss)、ロドリグ・ボーム(HorloFab)、DMP、Le Temps Retrouvé
テン輪:アンドレアス・クルト(Precision Engineering)、バンジャマン・シニュード(AMECAP)、マルク・ボリス(2B8)
香箱:ステファン・シュワブ(Schwab-Feller)、Swiss Manufacturing
パーペチュアルカレンダーのパーツ:アラン・ぺレ(Elefil)
ムーブメント手彫り:Glypto
FlexRing:Laser Automation
ムーブメント部品手仕上げ:ジャック=アドリアン・ロシャ、デニス・ガルシア(C.-L. Rochat)
PVD・CVD加工:ピエール=アルベール・ステインマン(Positive Coating)
ムーブメント組み立て: ディディエ・デュマ、ジョルジュ・ヴェイジー、アン・ギテ、エマニュエル・メートル、アンリ・ポルトブフ(MB&F)
アフターサービス:トマ・インベルティ(MB&F)
品質管理:シリル・ファレ(MB&F)
ケースとムーブメント部品:アラン・ルマルシャン&ジャン=バティスト・プレト(MB&F)
ケース装飾:Bripoli
文字盤:ハサン・シャイバ&ヴィルジニー・デュヴァル(Les Ateliers d’Hermès Horloger)
ダイアル上のスーパールミノバ:フレデリック・ティエリー(Monyco)
バックル:G&F Chatelain
リューズとコレクター:Cheval Frères
針:Waeber HMS
サファイアクリスタル:Stettler
サファイアクリスタルの反射防止加工:アントニー・シュワブ(Econorm)
ストラップ:ティエリー・ロニョン(Valiance)
化粧箱:オリヴィエ・ベルトン(Soixanteetonze)
プロダクションロジスティックス:ダヴィッド・ラミー、イザベル・オルテガ、アシュレイ・ムシエ(MB&F)

マーケティングおよび広報:シャリス・ヤディガログルー、ヴィルジニー・トラル、アルノー・レグレ(MB&F)
M.A.D.ギャラリー:エルヴェ・エスティエンヌ、ジュリエット・デュル(MB&F)
販売:ティボー・ヴェルドンク、ヴィルジニー・マルション、セドリック・ルーセル、ジャン=マルク・ボリー(MB&F)
グラフィックデザイン:シドニー・ベイ(MB&F)、アドリアン・シュルツ&ジル・ボンダラ(Z Z)
製品撮影:ローラン=グザビエ・ムーラン、アレックス・トイスチャー
ポートレート撮影:レジス・ゴレ(Federal)
ウェブマスター:ステファン・バレ(Nord Magnétique)、ヴィクトル・ロドリゲス、マチアス・ムンツ(NIMEO)
映像:マルク=アンドレ・デシュー(MAD LUX) & Brosky Media
テキスト:スザンヌ・ウォン(Worldtempus)

MB&F – コンセプトラボの誕生

2005年に設立されたMB&Fは、世界初の時計コンセプトラボです。 20個におよぶ驚異的なキャリバーにより、絶賛に値するオロロジカルマシーンとレガシー・マシーンのベースを構築するMB&Fは、伝統的な時計製造の枠を超え、3Dキネティックアートを制作する、創始者兼クリエイティブディレクターのマキシミリアン・ブッサーのビジョンを継承しています。

マキシミリアン・ブッサーは高級腕時計ブランドで15年管理職を務めた後、2005年ハリー・ウィンストンのマネージングディレクターを辞任、MB&F(マキシミリアン・ブッサー&フレンズ)を創立。MB&Fは、ブッサーが尊敬し、働く喜びを分かち合うことのできる才能あるオロロジカル職人を集め、先鋭的なコンセプト・ウォッチのデザインと小規模生産を行う芸術的なマイクロエンジニアリング・ラボなのである。

2007年、MB&Fは初のオロロジカルマシンHM1を世に送り出した。HM1の彫刻のような立体的なケースと美しく仕上げたエンジン(ムーブメント)は、同社の風変わりなオロロジカルマシンの基準となり、その後、時を告げるためというより、「時を語る」マシンが数多く生み出されていく。こうして製作されたオロロジカルマシンでは、宇宙(HM2、HM3、HM6)や大空(HM4、HM9)、道(HM5、HMX、HM8)、そして動物の世界(HM7、HM10)を探索するマシンがイメージされている。

2011年には、MB&Fはラウンドケースのレガシー・マシン コレクションを発表。これらはMB&Fにとってよりクラシカルなもので、現代的な芸術品を創作するために往年の偉大な時計製造革新者とは異なる視点で複雑機構を解釈し、19世紀の腕時計製造の卓越性への敬意を払っている。LM1及びLM2に続いて発表されたLM101は、全て自社開発したムーブメントを搭載する初のMB&Fマシン。そして、コレクションの幅をさらに広げるレガシー・マシン・パーペチュアル、レガシー・マシン・スプリットエスケープメント そしてレガシー・マシン・サンダードームの登場。2019年は史上初のレディース用MB&Fマシン「LM フライングT」の制作によりターニングポイントを迎えた。MB&Fは創設以来、現代的で型破りのオロロジカルマシンと、歴史からインスパイアしたレガシー・マシンを交互に発表している。

MB&Fの「F」が「フレンズ」(Friends)を表していることから分かるように、優れたアーティストや時計職人、デザイナー、様々な分野の製造業者をブランドにとっての「フレンド」と考え、協力関係を築くことはごく自然な成り行きだった。

そうした姿勢がブランドにもたらしたのが、パフォーマンスアートとコラボレーション作品という新たな2つのジャンルだった。パフォーマンスアート・モデルは、創造性豊かな社外のフレンドがMB&Fのマシンをベースにしてアレンジを加え、新たな形で表現した作品だ。一方、コラボレーション作品は、腕時計ではなく別のタイプのマシンで、MB&Fのアイデアとデザインに基づいて独創的なスイスのマニュファクチュールが設計、製造する。レペ1839と共同で製作されたクロックなど、コラボレーション作品の多くは時を語るマシンだが、リュージュやカランダッシュとのコラボレーションでは別の種類のメカニカル・アートが創作された。

ブッサーは、こうして誕生したあらゆるマシンに、その魅力を発揮できる舞台を与えるため、従来型のブティックに陳列するのではなく、他のアーティストによる多彩なメカニカル・アートとともにアートギャラリーに展示することを思いついた。このアイデアにより、ジュネーブに最初のMB&F M.A.D.ギャラリーが設立され(「M.A.D.」はMechanical Art Devices:メカニカル・アート・デバイスの略)、その後台北、ドバイ、香港にもM.A.D.ギャラリーがオープン。

MB&Fがこれまでに成し遂げた革新的な成果に対しては、いくつもの権威ある賞が与えられてきた。全てを網羅することはできないが、名高い「ジュネーブ ウォッチ グランプリ」においては5つもグランプリを獲得している。2019年にはLM FlyingT(LM フライングT)が「ベストレディースコンプリケーション賞」を、2016年にはLM Perpetual(LM パーペチュアル)が「ベストカレンダーウォッチ賞」を受賞。2012年にはLegacy Machine No.1(レガシー・マシン No.1)が「パブリック賞(時計ファンによる投票)」と「ベストメンズウォッチ賞(プロの審査員による投票)」をダブル受賞。また2010年の同グランプリでは、HM4 Thunderbolt(HM4 サンダーボルト)で「ベストコンセプト&デザインウォッチ賞」を受賞。そして2015年には、HM6 Space Pirate(HM6 スペースパイレート)が、国際的な「レッドドット・デザイン賞」において最優秀賞である「レッドドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞した。

詳細についてはこちらまでお問い合わせください
シャリス・ヤディガログルー cy@mbandf.com/アルノー・レジュレ arl@mbandf.com
MB&F SA, Rue Verdaine 11, CH-1204 Genève, Switzerland
電話番号: 41 22 508 10 38