ヴァシュロン・コンスタンタンが「エジェリー・クリエイティブ・エディション」を発表

 From : VACHERON CONSTANTIN (ヴァシュロン・コンスタンタン )




「エジェリー」コレクションにイタリア、ブラーノ島の繊細なレースから着想を得た新しいモデル「エジェリー・クリエイティブ・エディション」が登場


• 極めて繊細でまつ毛ほどのホワイトゴールドのレース。
• ブラックエナメルのダイヤルに眩い輝きをもたらす4カラット以上のダイヤモンド。
• プッシュボタンで付け替え可能なインターチェンジャブルストラップ。
彫金やタペストリー技法、エナメル、ジェムセッティングなど、267年におよぶメゾンの歴史の中で受け継がれるメティエ・ダールの技術を結集。


1755年の創業から一度も途切れることなく時計事業を継続するヴァシュロン・コンスタンタンは、長年に渡り女性向けの時計作りも取り組んできました。新作「エジェリー・クリエイティブ・エディション」は、メゾンとレディスモデルにおいて、新たなページを刻みます。着想を得たブラーノ島の繊細なレースと、メゾンが大切にする卓越した時計製造技術とを融合したこの新作は、高級時計製造の芸術を新たに証明するものとなりました。



2020年に発表したエジェリーのタイムピースは、オートクチュールとオートオルロジュリーとを融合し、女性らしさを称えたデザインとなりました。   
コレクションは、19世紀初頭からヴァシュロン・コンスタンタンの時計製造の一部を成してきた装飾の職人技が用いられています。



極めて繊細な針づかいで作るブラーノ島のレース職人のように、メゾンの熟練職人たちは、現代にマッチした女性らしさを表現するために彫金やエナメル、タペストリ ー技法、ジェムセッティングの技を駆使しました。









女性と強い絆を築くメゾン
ヴァシュロン・コンスタンタンは、これまで常に女性顧客を意識してきました。メゾンが最初に製造した女性用懐中時計から新しい「エジェリー・クリエイティブ・エディション」に至るまで、男性用モデルをもとにするのではなく、女性のために特別にデザインされていることが特徴です。

資料には女性顧客から発注を受けた時計が数多く記録され、複雑機構を搭載することもしばしばありました。
その独創的な時計作りは、ハンター型ケースの懐中時計や各種の腕時計が語っています。アールヌーボーやアールデコ期は、スケルトンウォッチと並んで、レース工芸さながらの精巧な時計が登場し、ケースに花モチーフの装飾や神話に登場する人物を象ったカメオなどが加えられました。



「エジェリー・クリエイティブ・エディション」は、まさに21世紀のシルエットです。特徴は、オフセンターのムーンフェイズ表示や、ローズカットダイヤモンドを戴きケースの1時と2時の間に置かれたリュウズのようにアシメトリーの構成にあります。それが "刺繍"のように繊細なダイヤルを引き立て、ダイヤルで回転する優美な針もこのモデルのために特別にデザインされています。


メティエ・ダール相互の出会い
ブラーノ島のレースさながらに巧みな彫金装飾が施された「エジェリー・クリエイティブ・エディション」のダイヤルには、絶妙な専門技術を含む5つの工芸が同時に用いられています。
昔から受け継がれてきた装飾技法で、今なお20世紀初頭に遡る機械を用いる熟練職人のギヨシェ彫りによって、ホワイトゴールドのダイヤルにプリーツ模様のタペストリーが生み出され、ブラックエナメルがそれを一段と引き立てます。
コントラストとボリューム感をもたらすエナメルは、透明感と色彩とのバランスを維持する技術に習熟することが特に難しい素材です。熟練のエナメル職人による技は、ムーンフェイズの窓にも見られます。プリカジュール・エナメルによる雲のモチーフの下に現れる、夜の星空を描いたマザーオブパールは、ヴァシュロン・コンスタンタンでは史上初の0.27mmという薄さに抑えられています。

ホワイトゴールドによるレースの糸は、まつ毛のように細く、それを曲げずに指でつまむのは物理的に不可能なほどです。
したがって熟練の彫金職人と宝石職人は、専門技術を余すところなく発揮しました。彫金職人は、花や平坦な部分、そして本人の選択に任された部分には個人の創意による表現を加えます。一方の宝石職人は、250個に及ぶブリリアントカットダイヤモンドでモチーフを飾り、さらに292個によってケースやリュウズに眩い輝きをもたらします。総力をあげての並外れた技巧に仕上げのタッチを加えるのは、サテン調に仕上げたブラックのカーフスキンストラップと、21個のダイヤモンドを配したバックルです。ストラップはボタンに触れるだけで外すことができ、付属するブラックのミシシッピアリゲーターレザーストラップに付け替えられます。


クリスチャン セルモニへの質問

――ヴァシュロン・コンスタンタンが刺繍から着想したのは今回が初めてですか?
『ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史には、刺繍やレースから着想した時計が点在しており、特にアールヌーボーやアールデコ期に見られます。20世紀初頭、1908年と1910年のペンダントウォッチ (Ref.Inv.10982 や Ref.Inv.10184)、また1909年の懐中時計 (Ref.Inv.10466)のように装飾を極めた貴金属モデルが登場します。


●1910年のペンダントウォッチ(左:Ref.Inv.10184)と1909年の懐中時計 (右:Ref.Inv.10466)

これらはしばしば貴金属でも最も高貴なプラチナで作られ、刺繍を思わせる花のモチーフがあしらわれていました。アールデコ期をとりわけ特徴づけるのは、凝ったデザインや多種多様なフォルムでしたが、ここでもまた繊細なレース工芸からの着想がありました。当時のデザイナーたちは、レースから得て、非常に独創的な構造を用いたモデルに自己の創意を存分に表現しました。たとえば、全面にダイヤモンドをセットしたブレスレット
にレースのモチーフを採用する1918年のプラチナ製ブローチウォッチ (Ref.Inv.10668)です。

●1918年のプラチナ製ブローチウォッチ (Ref.Inv.10668)

最近の例では、レースから着想した「メティエ・ダール・ファブリ・オーネマン(2016)」です。フレンチレースがテーマのこのタイムピースは、ギヨシェ彫りとグランフー・エナメル、ジェムセッティングが組み合わされています。光り輝くホワイトゴールドは、優美なギピュールレースを形作り、手動で施したギヨシェ彫りに半透明のグランフー・エナメルを被せ、サファイアとダイヤモンドをあしらったダイヤルを引き立てます。この芸術的に磨き上げられたレースは、フランス刺繍の偉大な伝統を想起させます。』

――「エジェリー・クリエイティブ・エディション」にはどのようなジェムセッティングの技法が用いられ、また、作業にはどれほどの時間がかかりましたか?
『このタイムピースに用いられた技法はビーズセッティングです。ダイヤモンドに被るゴールドを減らすことで、精巧に作られたモチーフにより大きな輝きをもたらすことができました。宝石を留める職人は、地金に窪みを掘った石座に宝石を敷き詰め、その後、小さな金属のビーズで宝石を固定することでパヴェを形成させました。これには約6時間を要します。』



――透かし彫りの技法とこのダイヤモンドをあしらったゴールドのレースの間に、どのような共通点をみいだすことができるのでしょうか?
『ダイヤモンドをセットしたゴールドのレースと透かし彫りは、素材の除去に多くの細心かつ巧みな手仕事が求められ、その手腕が問われるという意味では関連しています。』





――このタイムピースを作るにあたって、特に苦労した点は何ですか?
『このタイムピースの制作において、3つの挑戦がありました。1つ目の挑戦は、ブラックエナメルを使用することです。ブラックは、表面のざらつきや小さな穴、微細な気泡が光に当たると目立ってしまうため、使いこなすのが最も難しい色です。




2つ目の挑戦は、まつ毛と同じくらいの極めて繊細で薄く、表面にレース模様が彫られたアップリケ(装飾材)に関係します。この部品は、曲げずに指でつまむことが困難だからです。



そして3つ目の挑戦は、メゾンが大切にする職人技と人間味を大切にしながら、メゾンが目指す一貫した姿勢を尊重し、彫金職人が自由に使えるスペース(色や花の占有部を除く)でそれぞれ創造性を表現できるようにすることでした。こうしてモチーフをつなぐ糸の部分は彫金職人自身が望む装飾が施され、時計は1点1点異なります。』




ヴァシュロン・コンスタンタンとブラーノ、受け継がれる遺産
ブラーノ島のレースさながらに巧みな彫金装飾が施された「1755年9月17日、ジャン=マルク・ヴァシュロンがジュネーブで若い時計職人を徒弟に迎える契約書にサインをし、時計製造の歴史に名を残すメゾンが誕生たとき、ブラーノ島のレース職人は、すでに2世紀にわたって名を馳せていました。
「プント・ブラーノ」というニードルポイントレースが正式に登場したのは18世紀とされています。非常に繊細な網目と控えめな花ののモチーフで構成されるこのニードルポイントレースは、トンボロと呼ばれる布製の円筒系クッションに施され、世界で最も繊細なステッチの一つとされています。レースづくりはヴェニス近郊の小さな島で代々受け継がれています。



新しい「エジェリー・クリエイティブ・エディション」は、芸術的な工芸技法と時計製造の専門技術を融合させ、それを称えています。それはメゾンを突き動かす伝承の精神にも通じています。



レース博物館(ブラーノ島)は、
「ヴァシュロン・コンスタンタンのように、私たちは何世代にもわたって職人から受け継がれてきた独自のノウハウを永続させたいと考えています。ブラーノのニードルレースが唯一無二なのは、ヨーロッパ全土に広がるニードルレースの先駆けであり、影響を及ぼした点です。ブラーノでステッチが完成され、職人技が発揮されるようになり、島の熟練したレース職人たちが旅先で自らのノウハウを伝達していきました」と、説明しています。




【概要】
ヴァシュロン・コンスタンタンと女性との関係は18世紀の幕開けに始まり、今日まで続いています。ブラーノ島のレースから着想を得た新作「エジェリー・クリエイティブ・エディション」は、ヴァシュロン・コンスタンタンが永続に努める時計製造の専門技術にメティエ・ダールが組み合わされ、タペストリー技法や彫金、エナメル、ジェムセッティングによる、4カラットを超えるダイヤモンドが輝く高貴なタイムピースです。






【技術データ】
エジェリー・クリエイティブ・エディション
リファレンス・ナンバー: 8006F/000G-B942

キャリバー・ナンバー:1088L(ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造)
駆動方式:機械式自動巻き
ムーブメント・サイズ:直径30mm×厚さ5.03mm
パワーリザーブ:約40時間  
振動数:4HZ(毎時2万8800回振動)
部品数:164
石数:26  
表示:時、分、センターセコンドによる秒、ムーンフェイズ
ケース:18Kホワイトゴールド
・292個のラウンドカットダイヤモンド
・リュウズにローズカットダイヤモンド
・サファイアクリスタルのシースルーケースバック
ケース・サイズ:直径37mm×厚さ10.53mm   
防水機能:3気圧(約30m)
文字盤:18Kホワイトゴールド
・ブラックの半透明エナメル
・タペストリー技法による “プリーツ”模様
・ブラーノ島のレースから着想を得た:
・ダイヤルに250個のラウンドカットダイヤモンド
・手彫りの模様、プリカジュール・エナメルによる雲の背後に
・マザーオブパールによる月のモチーフ
ストラップ:2本のインターチェンジャブルストラップ
・サテン調に仕上げたカーフスキンレザー
・艶加工のミシシッピアリゲーターレザー
どちらもカーフスキンによるライナー

クラスプ:2本の各ストラップに18Kホワイトゴールドのクラスプ、各クラスプに21個のラウンドカットダイヤモンド
ダイヤモンド総数:585個、総重量約4.46ct(最低保証カラット数)
取扱い:ヴァシュロン・コンスタンタン・ブティックのみでの販売



【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)