GRAND PRIX D'HORLOGERIE DE GENÈVE - pre selection (2)

 By : NOBLE STYLING GALLERY
先日、ジュネーブ・ウォッチ・グランプリで最終選考に残っている弊社取扱ブランドのうち、FIONA KRÜGER とCZAPEKの各モデルをご紹介しましたが、本日は、MANUFACTURE ROYALE(マニュファクチュール・ロワイヤル)とArmin Strom(アーミン・シュトローム)の作品についてのお話です。

TRAVEL TIME - MANUFACTURE ROYALE / ADN





まず「ADN」って何 ? と思われるでしょう。これはフランス語でDNAを意味する言葉です(Acide désoxyribonucléique)。その名のとおり、ブランドのDNAコードを継承し、原点に立ち返って新たな価値を見出そうとするものです。このモデルを見ていくと、これまでさまざまなモデルで表現されていたことが、この新作に現れています。

ケース形状は、ブランドの復活作Operaや、第2作Androgyneからの着想です。ケースのカーブは丸く滑らかに仕上げられ、「スティームパンク」スタイルによりモダンな印象を与えています。可動式ラグは、ミドルケースを囲む2つのキャリアで形成されたフレームで回転し、丸みを帯びたベゼルは12本のネジで留められています。
また6時位置には、フライング・トゥールビヨンが搭載されています。

アンドロジーン

そして、4時位置には、Haute Voltige(オート・ヴォルティージュ)で表現された、リューズ1つで分単位まで設定できる第2時間帯表示があります。
             オート・ヴォルティージュ



そして、このモデルに搭載されてる第9番目のキャリバー、MR09は、パーツを最大限くりぬいて必要な部分だけを残し、ハイテク技術によりスケルトン感と立体感を演出しています。12時位置には、上面のディスクが動くことにより「時」を表示する「能動的」なジャンピングアワーがセットされています。この見せ方は、窓に見える数字だけではなく、窓の位置からでも時間を確認することができます。







MECHANICAL EXCEPTION - ARMIN STROM / MIRRORED FORCE RESONANCE



「隣接する2つの振動体は互いに影響を及ぼし、やがて同期する」これは共振として知られる物理現象です。時計の同期現象は、昔から時計職人の心を捉えてきましたが、この現象を応用した時計製作は極めて困難なため、この現象を使いこなせる職人は、片手で数えられる程度です。
この機能を、レゾナンス・クラッチ・スプリングという機構を開発し搭載した自社製ムーブメントにより実現したモデルが、このMirrored Force Resonanceです。
この複雑な機構に関しては、CC Fanさんが詳しく説明してくれています。

Armin Strom社も、このモデルが国際Red Dot Award受賞したのに続き、この「Mechanical Exception - 極めて優れた機械式時計」のカテゴリーの最終選考に残っていることを大変喜んでいるようです。

さあ、本選までもう少しです。
どのモデルが、今年は受賞するでしょうか。