グランドセイコー オーナーズクラブ GS9 クラブ サロン 2018 レポート

 By : KIH
さて、毎年開かれている「GS9 Club Salon」が今年も虎ノ門ヒルズで開かれました。私も「1ユーザー(ほんと)}として、行って参りました。ここ2年ほど出張等と重なり行けなかったのですが、今年は「GS9 クラブ メンバー 限定モデル」も発表・予約受付、ということもあるようで、楽しみに行って参りました。


予約して、日付も指定の上で登録していないといれてもらえません。今回、途中で日付を変更してもらったのですが、幸い快く変更してくださいました。




入るとすぐに、「ご挨拶」が。今年のテーマは「旅」だそうです。



「時の流れ」



さらに入っていくと、5つのグランドセイコーにまつわるディスプレイが。


で、横を見ると、おや、某時計雑誌の編集長じゃないですか! ご無沙汰です!



毎年お店を出している「BQ」さん。GS9 クラブサロンでお店を出させてもらっているのは、このお店だけ。信頼が厚いんですね。




おお、何やら興味深いものが・・・。







そして、GALANTEとCREDORも。





その1 「針の重さ」: これは「9F(クォーツ)ムーブメント」の物語。従来、クォーツムーブメントは、トルクが小さく、太くて見やすい針を回す力はなかった。しかし、機械式時計にできて、クォーツムーブメントにできないことを1つ1つ潰していって、従来のクォーツムーブメントとは似ても似つかぬ傑作が出来上がったのです。




その2:「光を研ぐ」: 初代グランドセイコーが出たころ、精度の面では世界の頂点近くまで行っていました。しかし、デザイナーにとっては何かが足りないと思っていました。彼は何度も銀座の世界の時計が集まる店に通い、それが何かを考えました。「光が足りないんだ」という結論。すなわち、ケースデザインにおける光の存在。鏡面研磨と曲線の組み合わせ。現場では、それは時計デザインとしての「悪例」とされました。なぜなら、製造現場の効率が落ちるからです。彼は、「ムズカシイ? だったらやってみよう」という心意気で、44GSから始まるセイコースタイルを確立させたのです。





その3:「水晶とゼンマイ」: 先ほども出てきたキャリバ「9F」。クォーツムーブメントです。しかし、そのキャリバーには「ゼンマイ」が組み込んであるという。なぜか? クォーツムーブメントのGSの秒針は長い。何もしなければ、1秒ごとに動く秒針は「震える」。長ければその「震え」も増幅される。それをなくして、スムースな1秒ごとの秒針の動きにしたい。それが、「バックラッシュ・オート・アジャスト」機構で、そこに「ひげゼンマイ」を取り入れてスムースな動きを可能にしたのです。





その4:「鏡面と稜線」: グランドセイコーのケースの美しさはその真骨頂。それを支えるのが「ザラツ研磨」。もともと、ザラツとは、スイスの「ザラツ兄弟車」の研磨機のこと。しかし、それを使わなければ、グランドセイコーの輝きはできない。デザイナーと、研磨現場は密なコミュニケーションでデザインを仕上げていく。不可能なことは言わない。しかし、難しいことだらけだ。そうやって、「腕を磨かせてもらっています」と、研磨のベテランは言います。





その5:「30年後の潤滑油」: 30年間裏蓋をあけられた形跡のない初代グランドセイコーのムーブメントから、30年前の潤滑油がまだあった、と言う報告が、クォーツムーブメント9Fの開発担当者の耳に入った。クォーツムーブメントは従来、機械式時計ほど潤滑油を必要とする部品は少なく、潤滑油についての心配はしなくていい、とも思われていた。しかし、9Fはその耐久性を極限にまで高めたかった。そして、今までのクォーツムーブメントには考えられなかった機構を取り入れ、潤滑油の飛散や流出を防ぐ方法を編み出したのです。





さてさて、GS9 Club 3周年記念限定モデルです!
くれぐれも、これは今回東京を含め3つの地域で開かれたGS9 Club Salonイベントに参加された方だけが予約できる(予約が入った分しか作らない)モデルです! 現場の予想では100にははるかに届かないのではないか、とのこと。限定モデルを手にしたい方はまたとないチャンスです!


なかなか、正しい色を写真で再現することはムズカシイです。これは「勝色(かついろ」が「岩巌模様(いわおもよう)」を描くダイヤルのスプリングドライブ + ブライトチタンブレスレット。



勝色とは、紺色というか濃紺ですね。日付のバックグラウンドも同様の色になっています。白地の日付ではガッカリですもんね。







そして、ケースが若干変わっています。1本、ベゼルに一番近い位置にブラッシュ仕上げの線が1本入っています。新しい感じです。





素直に、「美しい」時計です。個人的には日付はいらない、と常々思っているのですが、グランドセイコーのモットーが「世界最高の実用時計」ですので、日付は「実用性」にとっては必須なのでしょう・・・。



ついでに、初めて見たグランドセイコーのスポーツモデル。クォーツです。なかなかかっこいい。


これの赤も見かけました。


で、クォーツと言えば、年差10秒とか特別モデルは年差5秒とかがグランドセイコーにはありますよね。
こちらは、9Fムーブメント25周年ということで出たモデル。暗くて申し訳ないですが、ベゼルがゴールドキャップになっています。6時の星のマークは年差5秒の印。


特に見ていても動きはないですが、クォーツムーブメントを裏スケで見せる、というのも、スプリングドライブほどではないですが、きちんと仕上げてるなあ、というのがわかります。



で、今年のグランドセイコーのダイヤル模様の特徴。GSとか9Fとか文字を羅列するデザインですね。これがまた凝っていて、年差5秒だし、5時のところにちょっとイタズラを・・・。わかります?



他はGS9Fとずーっとあるのですが、ここ1か所だけ、「9F25」になっています。わかりますか?




あとは、商品の展示から・・・





実演・体験コーナー。





そして奥では、先ほどのクロノスジャパン編集長、広田氏による講演が行われていました。



いやー、グランドセイコー好きにとってはいつもながら楽しい企画です。また来年も来たいと思います!