CZAPEK Japan Preview Presentation

 By : CC Fan
以前の記事で告知させていただいたCZAPEK Japan Previewイベントに参加してきました。
スイス本国から、ChairmanのHarry Guhl氏、CEOのXavier de Roquemaurel氏がコレクションを持って来日しました。

ブランドのルーツとなった19世紀の宮廷時計師フランソワ・チャペック自身は、アントワーヌ・パテックとの共同会社Patek, Czapek & Coや独立後のCzapek & Coという会社で名声を残したものの、晩年の消息は不明とのことでした。


歴史研究の教授によるフランソワ・チャペックの歩みの説明

肖像画なども残っておらず、現在残っているものはチャペックが作成した時計そのものや、ポーランド語で記した時計学の教科書など非常に僅かです。


チャペックによる時計学の教科書(復刻版)

復活にあたり、ナポレオン三世の懐中時計として有名なNo3430をモチーフとした、4時30分と7時30分というかなり低い位置にサブダイヤルをセットした特徴的なデザインが選ばれました。


デザインコードの元となったNo3430

このデザインを腕時計に合わせたファーストコレクションがケ・デ・ベルク(QUAI DES BERGUES)です。
これはチャペックが工房を構えたジュネーブの通りの名前です。


ケ・デ・ベルク

来年リリース予定の第二作はパレス・ヴァンドーム(PLACE VENDÔME)で、チャペックがブティックを開いたパリのヴァンドーム広場のことです。
曰く、チャペックに所縁のある地名をつけているのではないかと思われるとのことでした。

ケ・デ・ベルクには男性向け、女性向け、ユニセックスの3タイプがあり、素材は貴金属(RG・WG)、グレード5チタン、ステンレス(XOスチール)の3タイプです。
今回のプレビューでは、機械が入っていないものもありましたが、男性向けのほとんどを見ることができました。

文字盤側のみならず、搭載されるムーブメントSXH1もNo3430のデザインをモチーフとしています。
ムーブメントは著名なムーブメントメーカー、ジャン=フランソワ・モジョン(Jean-Francois Mojon)率いるクロノード(Chronode SA)が供給しています。


ムーブメントSXH1


No.3430のムーブメント

特徴的な巻き上げ輪列をデザインとして取り込んでいることが分かります。
懐中時計はおそらくテンプが6時方向だったと思われますが、腕時計化に伴い90度回転しています。

デザインありきでスモールセコンドの位置などに合わせて設計したとみられ、針位置を動かすための中間車などもないきれいな設計に見えます。

追記
最小限必要な歯車に対し、ピニオンが1つ追加されたような構造になっていました。
これはオリジナルの3430の意匠を引き継いだものだと思われます。
詳細はこちらをご覧ください。

ムーブの仕上げは一見シンプルですが、細かいショットブラストによる均一な梨地で質感は高いです。
また、ケース素材によってムーブの仕様は変わらないとのことです。

まずは速報でイベントの概要をお伝えしました。
実機の写真は追って掲載いたします。

速攻で帰ってしまうかと思っていたのですが、土曜日のお昼ぐらいまでは一部ですがノーブルスタイリングギャラリーで展示されているそうです。
是非ご覧ください。

関連 Web Site

CZAPEK Geneve
https://czapek.com/

Noble Styling
http://noblestyling.com/