No.3430ムーブメントとQUAI DES BERGUESムーブメントSXH1の詳細比較

 By : CC Fan
納品されたチャペック(CZAPEK)のケ・デ・ベルク(QUAI DES BERGUES)は現在パワリザーブと精度のテストを行っています。
とりあえず一週間の累積精度を求めるために30日にフルに巻き、現在残り4日になっています。

さて、納品時に観察したところ、4番車相当(秒の歯車・1分で1回転)が二つあり、その間はピニオンで繋がっている輪列と言う事が分かりました。
なぜこのような構成になったのか何か説明できないかと考えた結果、もしかするとデザインモチーフとなったNo.3430ムーブメントから引き継いでいるのでは?と思ったので、改めてNo.3430のムーブメントと比較してみました。


No.3430ムーブメント各部の名称(推測)

推測ベースでNo.3430のムーブメントの写真に各部の名称を追記したものです。
香箱からのトルク伝達を追っていくと、4番車(4番車1)とガンギ車の間に歯車が見えず、おそらく地板の下に埋まっていると予想される個所(4番車2)があり、背の高いピニオンで連結されているようです。
分からないのはスモールセコンドでピニオンが軸になっているようにも見えますが、それだと回転が速すぎるような気がしますので、地板下にある4番車2が回していると思われます。

これに対し、ケ・デ・ベルクのSXH1はこうなります。


SXH1ムーブメント各部の名称(推測)

ムーブメントの全体的な見た目が同じになるようにしましたが、No.3430ムーブメントは真上が文字盤の12時側だったのに対し、SXH1は3時側で90度回転しています。
これにより文字盤の7時30分の位置に軸を設ける必要があるスモールセコンドの位置が変わり、輪列の取り回しが変わっています。

No.3430ムーブメントの4番車を連結しているピニオンの穴石は弧を描くブリッジから飛び出したような形状になっています。
SXH1のピニオンも類似性のある意匠で、イメージしたと思われます。
また2枚ある4番車のうち、片方は見やすく、もう片方は隠すという対比も同じだと言えそうです。

疑問に思っていた輪列について、自分なりに納得できる解が得られたのですっきりしました。
真相については、次にチャペックのXavier氏にお会いした時に聞いてみたいと思います。

関連 Web Site

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https://czapek.com/

Noble Styling
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