『カルティエ、時の結晶』レポート by haru

 By : Guest Blog


ゲストブロガーのharuさんからの、カルティエの大型展覧会『カルティエ、時の結晶』のレポートです。
同展では、展示の「第3章:ユニヴァーサルな好奇心」の一部が写真撮影可となっていますが、WATCH MEDIA ONLINEは会期前のメディア・プレヴュー時に許可をいただき、展示作品ならびに会場の撮影をおこないましたので、その際の画像も交えてお届けしています。

Top画像:《「ロトンド ドゥ カルティエ」ウォッチ》カルティエ、2014年。
イエローゴールド、ゴールドペースト、グリザイユエナメル(パンテールモティーフ)、ダイヤモンド、レザーストラップ、ミステリアス時/分表示。カルティエ コレクション



haruです。
今回は国立新美術館で現在開催中の『カルティエ、時の結晶』のレポートになります!



『カルティエ、時の結晶』展覧会概要文では、 

『本展では、「時間」をテーマに、「序章『時の間』」に続く「色と素材のトランスフォーメーション」、「フォルムとデザイン」、「ユニヴァーサルな好奇心」という3つの章で、カルティエのイノヴェーションに満ちたデザインの世界を探求します。
壮大な時間を経て生成され奇跡的に見出された宝石と、世界各地の文化や自然物など万物から着想を得たデザインが、卓越した職人技術によって結実したカルティエの宝飾。それは世界の縮図であり、地球や文明との時空を超えた対話であるといえるでしょう。 時間を自由に往来し、素材に秘められた可能性を探求することによって、色彩や線、フォルムなど、伝統を継承しつつも、常に宝飾界に新しい風を吹き込み続けるカルティエの想像力に満ちた美の秘密を紹介します。』
となっています。 


序章は「時の間」と題され、1920年代から現在までのミステリークロック、プリズムクロックなどが展示されていました。




●《ミステリークロック》カルティエ、1997年。ホワイトゴールド、54.40カラットのアメシスト 1個(ダイアル)、ダイヤモンド、クリソプレーズ、瑪瑙、真珠母貝(台)、ルビー、エメラルド、サファイア、ダイヤモンド。個人蔵


第1章:色と素材のトランスフォーメーション 

第2章:フォルムとデザイン

第3章:ユニヴァーサルな好奇心

各章ともジュエリー中心ですが、1967年のクラッシュ、1914年パンテール パターンのウオッチ、1912年サントス デュモン、1920年タンク、1915年トノー、1919年トーチュ、1924年グランド タンク サントレ等の時計の展示もありました。





各種パンテールも!

●(画像上)《ブレスレット》カルティエ、2015年。ホワイトエナメル、プリカジュールエナメル(ダイアル)、黒曜石、ブラウンダイヤモンド、ツァボライトガーネット、オニキス、ダイヤモンド。カルティエ コレクション




撮影可能な「第3章 ユニヴァーサルな好奇心」の一部、そこからの写真数点です!


●(画像左上)《ネックレス》カルティエ、2017年。ホワイトゴールド、計16.21カラットのビルマ産オーバルシェイプ ルビー 5個、ダイヤモンド。個人蔵



宝飾品の展示に使われているトルソーは、神代杉や神代欅、屋久杉などの貴重な資材を、現役の仏師(仏像を専門に彫る木彫家専門的な職業)に特注したという、それ自体も芸術作品!

●(画像上段左)《ネックレス》カルティエ、2016年。ホワイトゴールド、91.01カラットのザンビア産カボションカット エメラルド 1個、オニキス、ダイヤモンド。個人蔵。●(上段右)《ネックレス》カルティエ、2018年。ホワイトゴールド、計7.58カラットのオレンジがかったピンクスピネル 2個、計8.39カラットの三角形のダイヤモンド 2個、スピネル、ダイヤモンド。個人蔵。●(画像下段左)上:《ネックレス》カルティエ、2008年。プラチナ、タンザナイト、エメラルド、ダイヤモンド。個人蔵。下:《ブローチ》カルティエ、2008年。プラチナ、37.06カラットのオパール、エメラルド、ダイヤモンド。個人蔵。●(下段右) 《ソートワール》カルティエ ニューヨーク、特注品、1925年。プラチナ、85.60カラットの彫刻を施した六角形のエメラルド 1個、エメラルド、真珠、ダイヤモンド。カルティエ コレクション。


●(画像上左)《ネックレス》カルティエ、2014年。ホワイトゴールド、9.03カラットのコロンビア産ステップカット エメラルド 1個、エメラルド、黒曜石、ダイヤモンド。個人蔵。●(画像下段左)《ブレスレット》カルティエ、2007年。プラチナ、イエローダイヤモンド、ダイヤモンド。個人蔵。●(下段真中)《ヘアバンド》カルティエ パリ、特注品、1923年。プラチナ、ダイヤモンド。カルティエ コレクション。●(下段右) 《「スカラベ」ネックレス》カルティエ パリ、1990年。イエローゴールド、ダイヤモンド。カルティエ コレクション。


カルティエの宝飾技術の高さは素晴らしく、男性の私でも( 9割以上が女性客)楽しめ、また見ておいて良かったと思う『カルティエ、時の結晶』でした。

会場構成:新素材研究所 © N.M.R.L./ Hiroshi Sugimoto Tomoyuki Sakakida

会期は12月16日までです!  
https://Cartier2019.exhn.jp

 


【WATCH MEDIA ONLINE編集部】より
今回の展覧会は個人所蔵の品々も多く、おそらく2度と観ることのできない内容と規模のものであるだけでなく、展示構成を新素材研究所/杉本博司+榊田倫之が担当し、それ自体が章を表現するアートになっている点も見どころです。

また展覧会場内には、下の画像のように、展示台座などに日本各地の有名な石材が使用されています。



そのうち、最も印象的に使用されている「伊達冠石」は、今夏の台風で大きな被害を受けた宮城県丸森町でしか採れない石です。丸森町のみなさまならびに今夏の台風で被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げますと同時に、お亡くなりになられた方に謹んでお悔やみを申し上げます。
みなさまの安全と被災されました地域の一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。
WATCH MEDIA ONLINE編集人 北村(a-ls)