Basel World 2017 : Romain Gauthier実機写真

 By : CC Fan
バーゼル実機画像、ローマン・ゴティエ(Romain Gauthier)です。
ローマン・ゴティエはジュウ渓谷に拠点を置くブランドで、ジュウ渓谷の伝統と革新性を両立したタイムピースを製作しています。

今年はブランド初となる自動巻き、インサイト マイクロローター(INSIGHT MICRO-ROTOR)を発表しました。
参加したa-lsさんから頂いた実機写真を見ながら気が付いたことなどを書きたいと思います。

まずはダイヤル側です。





インサイト(洞察力)と名付けられたように、ダイヤル側からも機構が見渡せるような構造になっています。
ローマン・ゴティエの他のタイムピースと共通した針とダイヤルの意匠で一目でブランドが認識できるデザインです。
細かい意匠ではネジの頭に切られた溝が通常のマイナスではなく~のような形になっています。

時分針・スモールセコンドはこの時計の"主役"たるマイクロローターとテンプを遮らないようにコンパクトなサブダイヤルにまとめられています。
文字盤は高温焼成エナメル製です。



ムーブメント側です。
大きめのルビーによって支えられた独特なスポークを持つ歯車を使った巻き上げ輪列が見えます。



マイクロローターはの回転は方向によってギアが切り替わる逆転歯車(マイクロローターの軸の下側に見える弧状の溝にある歯車)によって、一方向に整流され、原則歯車を経て香箱を巻き上げます。
手仕上げで仕上げられた鋭角のブリッジと"ジュウ渓谷"の銘板がも見えます。



マイクロローターは安定性最優先のため軸の両端をブリッジで支える構造になっています。



斜めから見ると、マイクロローターが地板の厚みほどと結構厚いことに気が付きます。
香箱からテンプへの計時輪列はサブダイヤルの下に配置されているようです。

2017年4月7日追記
現地で話を聞いたa-lsさんによると輪列はロジカル・ワンのものと同じような構成で、時分→スモールセコンド→テンワが中央部に揃うようにした点がアピールポイントのようです。
ロジカル・ワンはチェーンの都合なのか右側にオフセットしていました。





ブラックエナメル文字盤・ホワイトゴールド針バージョンです。
光の当たり方によってマイクロローター・ブリッジと地板の表情の変わり方が異なり、楽しめそうです。



ブラックエナメル文字盤・ホワイトゴールド針とホワイトエナメル文字盤・青焼き針バージョンです。
同じデザインでも仕上げによってずいぶんと印象が変わります。
文字盤・ケースに合わせムーブメントの素材・仕上げも変えられているようです。



ムーブメント側です。
こちらも仕上げによってずいぶんと印象が変わります。

レギュラーモデルも各仕様10本限定ですが、更にレアなジュエリーセットバージョンも。



プラチナケースにバゲットダイヤをセットし、メテオライトダイヤルを使った限定8本のモデルです。
メテオライトの落下位置などを記した証明書が付属し、この個体はナミビアに落下したものだそうです。
マイクロローターにもダイヤがセットされています。



メテオライトは繊維状?の独特の表情を持ちます。



サイドから。
風防は単純なドームやフラットではなく、6時から12時に向かって盛り上がる複雑な造形です。
これはレギュラーモデルも同様です。



PGケースに847個のダイヤ(合計4.8カラット)をセットし、MOPダイヤルのモデル、ユニークピースで1本です。
MOPダイヤルは縦ラインを重視して、選び抜いたそうです。



ジュエリーセットモデルを二つ並べて。
RGの方は女性向けでしょうか?



ケースサイドにもダイヤがセットされています。



尾錠にもケース側に合わせたダイヤがセットされます。

前作、ロジカル・ワン(Logical One)もそうでしたが、理詰めの設計を工芸的な美しさで作るというスタンスには共感を覚えます。



こちらがロジカル・ワンです。
古典的なコンスタントフォース機構であるチェーン・フュゼに対し、力学的なアプローチから問題点を解決したスネイルカムとルビーチェーンを使った機構を備えています。
詳細は一度別にまとめたいとは思っています。



文字盤・テンワ・ブリッジなど一目で同じブランドの時計とわかるアイデンティティを備えています。

http://www.romaingauthier.com/