インサイト マイクロローター INSIGHT MICRO-ROTOR 前例のない効率性とエレガンスの共存

 From : Romain Gauthier (ローマン ゴティエ )

インサイト マイクロローター

INSIGHT MICRO-ROTOR

前例のない効率性とエレガンスの共存


ローマン・ゴティエがこのたび製作したインサイト マイクロローターは、エレガンスと効率性、高精度とパワー、そしてシンプルさと壮麗さといった、相反するように見える世界を両立させる、ハイエンドな自動巻タイムピースです。

インサイト マイクロローターの時、分およびスモールセコンド表示は、自社で一から開発製造された22Kゴールド製の両方向回転式マイクロローターを搭載する、職人の手によって美しく仕上げられた自社製キャリバーが行います。ダイアル側からもディスプレイバックからも可視化されているこの小型のローターは、摩擦を最小限に抑える耐摩耗性のルビーベアリングで固定された二つのブリッジの間を、滑らかかつ音を立てずに回転します。
 
どんなに動きが目立たなくても、またどちらの方向に回っていたとしても、このマイクロローターは、フルに巻き上げた状態で80時間というロングパワーリザーブをもたらす二つの香箱を、絶えず巻き上げています。これらの香箱は、調速機に一定のトルクを伝達するために直列配置されています。こうすることで、ムーブメントの巻き上げ状態に関わらず、歩度が保たれます。

エレガントなのは、この時計の機械効率だけではありません。インサイト マイクロローターのオープンダイアル上では、ディテール、奥行き、そして魅力的な機械の動きが、まるで一枚の絵のように調和しています。

ダイアル中央を囲むように、スモールセコンド、12時位置には時分表示用サブダイアル、6時位置には鼓動を刻むテンプが配置され、そして地板を丸くくり貫いて特徴的な空間が用意された9時位置では、マイクロローターがスイングしています。ローマン・ゴティエのロゴを配した小さなプレートは、マイクロローターを視覚的に対比させる演出となる一方で、外縁に等間隔にレイアウトされた、面取り済みのブリッジの数々は、光を浴びて輝きます。曲線美を誇るブリッジ類のアーチが、ケース内側の輪郭と見事に呼応しています。

丸く突き出した形状のサファイアクリスタル風防は、12時に向かって徐々に盛り上がり、そこから急降下するという、巧妙なデザインでつくられました。また、直径39.5mmの控えめなサイズのケースは、インサイト マイクロローターが、スリムな手首にも心地よくフィットすることを約束します。

ディスプレイバックからは、ムーブメントをより良く鑑賞することができます。ここでもまた、マイクロローターが主役となり、この装置の両方向回転を可能にする逆転歯車から始まる輪列の動きにトルクを伝達しています。歯車やラチェットは、美しく面取りされた円形のアームによって際立つ存在となっています。他方で、ブリッジは職人の手によって見事に磨き上げられ、様々な装飾や穴石用の穴が施されると同時に、ローマン・ゴティエならではの審美性に優れるS字スクリューでしっかりと固定されています。さらに、ブリッジ類が描く曲線は、それらに取り付けられた4枚の直線状のプレートと完璧なバランスを見せています。

ローマン・ゴティエは、この時計を鑑賞する人々がその壮観な構造と洗練された仕上げを瞬時に堪能することができるよう、インサイト マイクロローターのムーブメントの視認性をできる限り高めました。この作品を「インサイト(洞察力)」と名付けたのには、そこに理由があります。

「インサイト マイクロローターはオートオルロジュリ作品であると同時に、その簡単な操作方法によって、デイリーな使用を楽しめる時計でもあります。平日毎日着用していると、その存在を忘れてしまうかもしれません。この時計は着け心地が快適なうえ、マイクロローターは二つの香箱を素早く、効率良く、そして静かに巻き上げてくれるので、手で巻き上げる必要がありません。金曜日の夜にインサイト マイクロローターを外して月曜日に再び着用しても、たっぷりとパワーリザーブは残っていますし、高い精度も保たれています。」―― ローマン・ゴティエ

レッドゴールド製インサイト マイクロローター および プラチナ製インサイト マイクロローターは、それぞれ3種10本ずつの限定エディションで、ホワイト、ブラック、またはブルーエナメルのダイアルをご用意しています。


インサイト マイクロローターの詳細


なぜこの自動巻時計にマイクロローターを採用したのか
ローマン・ゴティエの初期の自社製キャリバーには、フラットな裏蓋リューズを備えたもの(プレスティージ HM および プレスティージ HMSに搭載)や、ケースバンド上に巻き上げボタンを備えたもの(ロジカル ワンに搭載)があり、どちらも巻き上げ効率の向上および審美性や触覚性をもたらす極めて独創的な機構を採用しています。両方向回転式マイクロローターを組み込んだムーブメントを設計および製造することは、大胆不敵な自社製ムーブメントを一から創出するというゴティエのオートオルロジュリに対する信念や、極めて効率的な巻き上げ機構を平凡ではない方法で実現するという彼の探求心をしっかりと反映しています。

なぜこのようなマイクロローター装置にしたのか
自動巻時計では、両方向回転式マイクロローター(回転方向を問わず)が、着用者の腕の動きによって生み出される運動エネルギーを、主ゼンマイへの位置エネルギーに変換します。ローマン・ゴティエは、この効率性に魅力を感じ、インサイト マイクロローターを開発しました。なんら驚くことではありませんが、多才なゴティエは、自らの自社製ムーブメントの設計に対するエンジニアのアプローチを導入するための、精密機械をつくるコンストラクターとしての資格も持っているのです。

両方向回転式のマイクロローターは、逆転歯車によって実現しています。この歯車の軸は、歯車の側方運動および回転を促進させるためにブロックポリッシュされた2枚のアーチ型のスティール製プレートに入れられた曲線状の開口部に沿って左右にグライドします。これによってマイクロローターの回転方向が変わる際、逆転歯車の歯が逆に噛み合うよう働きかけられ、逆方向にもスライドするようになります。

ゴティエは、ルビー製ベアリングにそれぞれ取り付けられた二つのブリッジの間を、マイクロローターが回転するよう設計しました。金属対金属の接触を避けることは時計作りにおける原則なので、金属対ルビーとなるようにしたのです。ルビーは摩擦係数が低いのに対し耐摩耗性に優れるため、この装置では例えば雑音や摩耗をもたらす恐れのある金属製ボールベアリングではなく、滑らかかつ音を出さないマイクロローター回転を実現する、この赤い石を採用しました。

ゴティエはこのマイクロローターの相対的重量(3.86g)を考慮し、下部からの一つのブリッジの支えしか無い“フライング”ローターの採用は避けました。その代りとして、上部および下部から二つのブリッジにサンドイッチのように挟まれた、より安定性の高いマイクロローターを設計しました。

パワー、精度、そして手仕上げ
インサイト マイクロローターのムーブメントは、スイス・ジュウ渓谷にあるローマン・ゴティエのマニュファクチュールで、設計から開発、製造、装飾、組み立て、そして調整までが行われています。ムーブメントの二つの香箱は、フルに巻き上げた状態で組み合わせると、合計80時間のエネルギーを確保します。二つの香箱は、ローマン・ゴティエを象徴するカーブしたアームを持つテンワおよび目盛付きの偏心ウェイト、そして職人の手によって組み立てられた頑丈な三角形のアンクルから成る調速機構に一定のトルクをもたらすために、直列配置されています。計時精度の面でも、インサイト マイクロローターは非常に安定しており、オートオルロジュリにふさわしい許容誤差内の精度を誇ります。

インサイト マイクロローターのムーブメントにあしらわれた、目を見張るような装飾項目には、手作業による面取りおよびポリッシュ、渦巻き模様、ストレートグレイン仕上げ、サーキュラーグレイン仕上げ、そして手作業でポリッシュされた穴石用の穴を含みます。プラチナ エディションのムーブメントには、手作業によるフロスティングも施されます。

エレガントなケース
3パーツ(ケースバンド、ベゼル、裏蓋)から成る直径39.5mmのケースは、インサイト マイクロローターを男女どちらの手首にも完璧にマッチする時計にしています。手首の動きを妨げないよう、リューズは2時位置に配されています。はんだ接合されたラグは優美にケースバンドと出会い、一方で前面のサファイアクリスタルにつけられた傾斜は、インサイト マイクロローターを時計界の傑作に押し上げる、絶妙なデザイン要素の一つとなっています。

技術仕様


限定数
18Kレッドゴールド製ケースにNAC処理を施したムーブメント – 3 × 10本の限定エディション
  • ホワイトエナメル製ダイアル(18Kゴールド製のベース)に青焼き針:10本
  • ブラックエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kレッドゴールド製針:10本
  • ブルーエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kレッドゴールド製針:10本
950プラチナ製ケースにパラジウム加工のムーブメント – 3 x 10本の限定エディション
  • ホワイトエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に青焼き針:10本
  • ブラックエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kホワイトゴールド製針:10本
  • ブルーエナメル製ダイアル(18Kゴールド製ベース)に18Kホワイトゴールド製針:10本

 

機能 および 表示
オフセンター時表示、分・スモールセコンド表示、自社製自動巻ムーブメント、22Kゴールド製両方向回転マイクロローター、80時間パワーリザーブを実現するダブルバレル

ダイアル および
焼成されたエナメル製ダイアル(18Kゴールド製のベース)、18Kゴールド製 または 青焼き針(エディションによる)
 
ムーブメントおよび仕上げ
サイズ:32.1mm × 6.8mm
パワーリザーブ:80時間
石数:28
部品数:206
振動数:毎時28,800回/4Hz
部品の素材:22Kゴールド製マイクロローター、スティール、ステンレススティール、ベリリウム銅、真鍮、洋銀
仕上げ:オートオルロジュリレベルの手仕上げ

ケース
サイズ:39.5mm × 12.9mm (最も高い位置)
防水性:50m/5気圧
風防ガラスおよびディスプレイバック:内側にも反射防止加工をしたサファイアクリスタル
2時位置に巻き上げおよび時刻調整用リューズ

ストラップ および バックル
スイスでハンドスティッチされたアリゲーターレザー製ストラップ、レッドゴールド製ケースにはレッドゴールド製尾錠、プラチナ製ケースにはホワイトゴールド製尾錠

ローマン・ゴティエについて

ローマン・ゴティエRomain Gauthier
2005年に誕生したローマン・ゴティエは、情熱に満ちた創業者ローマン・ゴティエ本人が指揮を執る、スイス・ジュウ渓谷に拠点を置く高級時計ブランドです。ゴティエは、スイスの時計製造の中心地であるこの絵のように美しいジュウ渓谷で生活し、学び、そして働くことで培ったノウハウを、オートオルロジュリ(高級時計製造)に対する妥協のないアプローチと結びつけることで、類まれなタイムピースを創出しています。
 
これらのタイムピースは、その人目を引き付けるデザイン、革新的な自社製ムーブメント、そして極めて高いレベルの仕上げによって称賛されています。ローマン・ゴティエの時計の特別さは、年産約60本というわずかな生産本数からも保たれています。
 
ブランド創業者について
ローマン・ゴティエは1975年、スイスの時計作り発祥の地と言われるジュウ渓谷に生まれました。ローマンはこの地で、伝統的なオートオルロジュリへの情熱、機械学やエンジニアリングへの理解、そしてデザインに対する鑑識眼を養いました。
 
技術学校で精密機構を学んだローマンは、その後1997年に精密機械のコンストラクターとしての資格を取りました。1年後、彼は初仕事として時計部品メーカーの機械プログラマー兼オペレーターの職に就き、その工場をヨーロッパ内で最も性能の良い設備の整った施設へと進化させました。
 
ローマンは、自身の高級時計を一から創造するだけでなく、自らの高級時計ブランドを立ち上げることを固く決心し、2002年にMBAを取得しました。彼の修士論文は、自身のブランドの経営計画についてでした。

3年間非公開で自身のタイムピース製作に取り組んだ彼は、2005年にローマン・ゴティエ ブランドを創設し、ブランドのファーストモデル「プレスティージ HM」を、2007年のバーゼルワールドで披露しました。その後、次々とプレスティージ HMS(2010年)、ロジカル ワン(2013年)、ロジカル ワン シークレット(2014年)、インサイト マイクロローター(2017年)を発表。これらの作品群は、クラシカルで洗練された作品、現代的でカジュアルな作品、そして極めて優美な芸術的作品を網羅し、そのどれにも、最高の仕上げが施された自社製ムーブメントが搭載されています。
 
2013年、時計界のオスカーと称されるジュネーブ・ウォッチ・グランプリにて、ローマン・ゴティエの「ロジカル ワン」は、ベスト・メンズ・コンプリケーション賞を受賞しました。

マニュファクチュール・ローマン・ゴティエ
ローマン・ゴティエが類まれなタイムピースを製作できるのは、彼が着実につくり上げていった、スイスのル・サンティエにあるマニュファクチュールのおかげです。
 
このマニュファクチュールでは、熟練した職人たちと昔ながらの時計製造工具が、経験豊かな技術者たちおよび最先端の製造方法と融合し、ローマン・ゴティエの時計に搭載するムーブメントの設計から製造、装飾、組み立て、調整に至るまでの工程すべてを一貫して行う設備が整っています。
 
これらのノウハウは、妥協のない品質および優れた精度を約束するだけでなく、ローマン・ゴティエのタイムピースに最高の美しさと唯一無二の魂をもたらしています。

http://www.romaingauthier.com/