マルコ・ラング 「ツヴァイゲズィヒト1」の日本2号機、実機レポート
By : CC Fan2023年6月23日追記:写真撮影日が間違っていたのを修正しました
2021年に1号機の到着レポートをお送りした、マスター・ウォッチメーカー マルコ・ラングによる自身の名前を冠したブランド、マルコ・ラング(Marco Lang)。
特に「ネオ」古典と読み取った考え方のセンターセコンド専用ムーブメントで、古典的な「古巣」ラング&ハイネとはまた違う方向を目指したマルコ・ラングの方向性はとても特徴的と考えています。
新型コロナウィルスのパンデミックによるサプライヤーからの納品遅延なども乗り越え、今回日本入荷2本目が入荷した、という事で再び実機を拝見させていただきましたのでレポートします。
しかし、ファイル情報を見ると撮影は5月18日…大変申し訳ない…
さて、シンプルな針の1号機と比べると、スペシャルな針の意匠でより古典的な印象を持つ今回の作品。
少数生産のメリットを活かし、オーナーごとのカスタムが行われているようです。
ケースもローズゴールド素材になり、よりクラシカルな印象です。
上記の写真で何か違和感に気が付かないでしょうか?
「Zweigesicht」、すなわち両面時計を特徴づける機能、ラグ部分の固定ネジを緩めることで表側の面を変更する機能を使い、一見すると表に見えるこのダイヤルは現在は肌に触れる「裏面」になっています。
こちらが「表面」として設定されたムーブメント側。
ブルーのグランフー・エナメルが象嵌された文字盤や、コンプリケーションのショックインジケーターが見えます。
左側には同じオーナー氏が持つ、マルコがラング&ハイネ時代に手掛け、同じスティールブリッジを持つ「ゲオルグ」を並べてもらいました。
ムーブメント側を並べると両方とも同じ方向性が感じられます。
ゲオルグのグランフー・エナメル文字盤に対し、ホワイトシルバーの金属文字盤で異なる方向性の文字盤側。
光の当たり方によってはメタリックな光沢を感じます。
ラグを基準にして「表面」だと、それぞれの個性が出た別物にも…
表裏を入れ替えるこの仕組みは、マルコ曰く、「オーナー自ら交換可能」で「簡単」だそうですが…
それはマスター・ウォッチメーカーのマルコ基準では…というこのシステム。
今回、オーナー氏は果敢に挑戦!
見事成功!という写真を後日送付いただきました。
システムの要である鉄?の止めピンの様子も捉えていました。
上記の写真にもチラッと写り込んでいますが、1号機のレポートでも「使える物は使う」と言うマルコの姿勢の例として紹介した3Dプリンター(熱積層方式)による作業用治具が、1号機付属のものからはアップデートされています。
凹凸を噛みあわせて固定パーツを手で押さえ続けないといけなかったのに対し、ネジによって固定パーツが押さえられるように改良されています。
しかし、納品時には六角レンチが無くて開けられず、その後に調達されたようです。
治具側のネジ山は直接3Dプリンターで成型して金属のネジと噛み合わせている?ようで、それ以外は基本的に前のものと同じ分割に見えます。
同じくオーナー氏が愛用するモーザーのパーペチュアルカレンダー!
以前レポートした1号機のオーナーX氏は「裏返すことはないかな(笑)」とのことだったので、今回初めてムーブメントサイドのリストショットが実現しました。
どちらの面でもリュウズは向かって右側になり、表にする面によって使い勝手は変化しないのがこの方式のメリットです。
ラグ反転なしで当ててみるとこんな感じ、当たり前ですが反転は要りますね…
マルコ→ゲオルグ→角型…と言う連想で、モーザーの角型、ヘンリーも拝見させていただきました。
全部ちゃんと時間と日付が合って、実用!素晴らしい!
室内で拝見するのも良いですが、やはり屋外で自然光の下…
オーナー氏が日本標準時を決める兵庫県明石市の東経135度子午線の前で撮影!
天文科学館の鉄塔を望む、人丸前駅のプラットホームの子午線上でも!
やはり、「太陽の光の下で見てこそ」と言う結論に…
コロナウィルスのパンデミックの混乱を乗り越え作り出されたツヴァイゲズィヒト1。
こちらも素晴らしいオーナーの元に届いたのは喜ばしいです。
良いものが見られて眼福でした、ありがとうございました!
関連 Web Site
Marco Lang Dresden
http://www.marcolangwatches.com/
Noble Styling
http://noblestyling.com/
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