モリッツ・グロスマン、 独自の振り子式自動巻き機構を搭載した「ハマティック」に、新たな2つのモデルを発表

 From : Moritz Grossmann (モリッツ・グロスマン )





独自の振り子式自動巻き機構を搭載した「ハマティック」に、新たな2つのモデルを発表~ダイヤルに古典的なシルバーフリクションコーティングを採用したハマティック・ヴィンテージのバリエーションモデル


モリッツ・グロスマンはハマティック・ヴィンテージのバリエーションモデルとして、ホワイトゴールドケースに加え、新たにローズゴールドケースを採用しました。ダイヤルに用いられるシルバーフリクションコーティングは19世紀にグラスヒュッテで行われていた伝統的な技法です。また、ハマティックの革新的なムーブメントのアイデアも、同じ時代の技術にインスピレーションを得ています。モリッツ・グロスマンにより完璧に設計されたキャリバー106.0は、重りを用いた振り子式の古典的なメカニズムと現代の優れた技術を結び付けました。ハマティック・ヴィンテージ シルバーフリクションダイヤルはモリッツ・グロスマンのクォリティの高さを見事に表現しています。



グラスヒュッテの時計職人は、時計の外観だけではなく精度にも関わる、細やかな仕上げに注力してきました。高級時計に施される仕上げは、ムーブメントの品質の高さも表しています。伝統に倣い、モリッツ・グロスマンでは他の部品に隠れてしまう小さなパーツも丹念に磨き上げ、手作業でのエングレービングを施しています。



シンプルかつ上質なシルバーフリクションダイヤル
モリッツ・グロスマンは高級腕時計の設計から製造までを自社で行う世界的なマニュファクチュールです。ブランド名でもある時計職人モリッツ・グロスマンの知識と技術は、19世紀後半のグラスヒュッテにおける時計産業の発展に貢献しました。
モリッツ・グロスマンのマニュファクチュールは‘Schönstes Deutsches Handwerk’ 「最も美しいドイツの職人技」の理念に基づいた時計製造を続けており、ハマティックはその代表モデルの1つです。クラシカルなダイヤルには、古典的な技法のシルバーフリクションコーティングが施されています。視認性に長ける、ベルベットのようにきめ細かな粒子が輝く見事な仕上がりです。



この伝統的な製法では、銀の細粒と塩を含む粉に少量の水を加え、ブラシで擦りつけることでダイヤルにコーティングを施します。より美しく仕上げるため、事前に文字盤上の汚れを徹底的に落とし、表面を粗めに仕上げる必要があります。シルバーコーティングの前にダイヤルのインデックスやロゴ部分には手彫りのエングレービングが施され、そこにブラックラッカーが充填されます。ラッカーは銀のパウダーをはじくため、シルバーコーティングの影響を受けません。



その後、文字盤表面に特有の質感が残るよう注意深く研磨が施され、同時に余分なラッカーも取り除かれます。手彫りされたインデックスやロゴはシルバーコーティングされることなくブラックラッカーが残り、輝くようなシルバーのダイヤルと美しいコントラストを成します。 シルバーフリクションコーティングを施したダイヤルを酸化や環境の変化による影響から守るために、表面にはさらに保護コーティングがかけられています。



これらの工程はすべて手作業で施されます。熟練したスキルと高い集中力、そして経験を必要とするシルバーフリクションコーティングの技術を習得しているのは、現代ではわずかな職人のみです。光沢感とマットな質感の両方を併せ持ったダイヤルは特有のコントラストを生み出し、その魅力を長く楽しむことができます。



19世紀にモリッツ・グロスマンが製作した懐中時計にインスピレーション得たハマティック・ヴィンテージは、細く繊細なローマンインデックスが印象的です。1875年に使われていた「M. GROSSMANN」のロゴがクラシカルなデザインを強調し、繊細な梨型に手仕上げされ一本ずつ直火でブラウンバイオレットへ焼き戻された針が視認性を高めます。



細部のパーツまで丁寧に仕上げられた振り子式自動巻きキャリバー106.0
プレーンな18Kゴールドケースに組み込まれるムーブメントは、古典的な支柱構造と幅広のストライプ模様が施された2/3プレートを持つ自社製キャリバー106.0です。革新的な構造を持つ振り子式巻き上げ機構は左右両方向に機能し、常に噛み合った2つのラチェットホイールが巻き上げ方向の瞬時の切り替えを実現しました。



ハンマー式巻き上げ機構のもう一つの利点は、ムーブメントの直径を最大限に生かし、支点からハンマーヘッド先端までの十分な距離が高いトルクを生み出すことです。それはすなわちゼンマイの高い巻き上げ効率を意味します。ハンマーヘッドがわずか5°、つまり2mm動けばゼンマイを巻き上げることが可能です。時計を着用している間に継続的にゼンマイが巻かれ続けることにより、安定した高い精度も保証されます。ハマティックは完全に巻き上げられた状態から72時間にわたり動き続けます。



新たに開発された自動巻きムーブメントは、わずかな腕の動きを捉えるだけではなく、大きな衝撃のダメージからムーブメントを守るよう設計されています。ハンマーフレームの両端に取り付けられたS字型のバネは、強い衝撃が時計に加わった際にショックアブソーバーとして機能します。
効率的な自動巻きのメカニズムを補完する手巻き機構は、別のブリッジに取り付けられています。ハンマーフレームによる自動巻き機構がアクティブな状態では、手巻き機構はカンヌキによって角穴車より切り離されます。手巻きを行う際には、アンクル爪フリーホイールによりラチェットホイールが切り離され、自動巻き機構へ負担がかかることを防ぎます。
キャリバー106.0は革新的な機能面に優れるだけではなく、小さなパーツにまで精巧な仕上げが施されており、ムーブメントを覆い隠すことのないハンマーフレーム越しにその美しさを細部まで堪能することができます。ハンマーヘッドに取り付けられた18Kゴールド製の重りはデザインのアクセントになるだけでなく、わずかな振動を捉える役割も果たしています。



18Kローズゴールド・ホワイトゴールドケース、世界限定各8本
ケースの色味に映えるよう、ローズゴールドケースモデルにはダークブラウンのアリゲーターストラップを、そしてホワイトゴールドケースモデルにはブラックアリゲーターストラップを合わせました。それぞれ世界限定8本のリミテッドモデルです。




【バリエーション】
Ref. MG-003160

ケース 18Kローズゴールド
ダイヤル シルバーフリクションコーティング、エングレービングを施したブラックインデックス
針 手仕上げ、ブラウンバイオレットに焼き戻されたスチール
価格 ¥6,380,000(税込)
限定数 世界限定8本


Ref. MG-003168

ケース 18Kホワイトゴールド
ダイヤル シルバーフリクションコーティング、エングレービングを施したブラックインデックス
針 手仕上げ、ブラウンバイオレットに焼き戻されたスチール
価格 ¥6,380,000(税込)
限定数 世界限定8本



【仕様】
ムーブメント :自社製キャリバー106.0、自動巻き、5姿勢調整
部品数 :312個
石数 :38石(うち3石はネジ留め式ゴールドシャトンに使用)
脱進機 :アンクル脱進機
調速機 :質量ネジ4本および調節ネジ2本を装着した耐震軸受式グロスマン製テンプ、ニヴァロックス1ヒゲゼンマイ
テンプ :直径: 10.0 mm 振動数: 21,600振動/時
パワーリザーブ :完全巻き上げ状態から約72時間
機能 :時、分、ストップセコンド機能搭載スモールセコンド
操作 :リュウズ18K ゴールド(時計の巻き上げおよび時刻設定用)
ケースサイズ :直径: 41.0 mm /厚さ: 11.35mm
ムーブメントサイズ :直径: 36.4mm /厚さ: 5.15mm
ケース :スリーピース、18Kゴールド
ダイヤル :シルバーフリクションコーティング、エングレービングを施したブラックインデックス
針 :手仕上げ、ブラウンバイオレットに焼き戻されたスチール
風防 :片面反射防止加工をしたサファイアクリスタル
ストラップ :手縫い、アリゲーターストラップ、バックル18Kゴールド



[特徴]
グロスマン製テンプ/段差式テンプ受け、グロスマン製精密調整ネジによる緩急調整装置/表面処理をしない洋銀のプレートおよび支柱構造・テンプ受けのハンドエングレービング/幅広く水平なグラスヒュッテ・ストライプ模様、/平型ネジ留め式の盛り上がったゴールドシャトン/時刻設定時にテンワを止めるストップセコンド機能/ハンマー振り子式自動巻き機構/両方向ラチェット歯車/アンクル爪によるフリーホイール/レバー式手巻き機構




[モリッツ・グロスマン]
モリッツ・グロスマンは1826年にドレスデンに生まれ、偉大なドイツ人時計職人たちにおいて先駆者とみなされます。若く才能に恵まれた時計職人であったグロスマンは、友人のアドルフ・ランゲの説得により1854年に自身の工房をグラスヒュッテに設立しました。評価の高い時計企業を運営する一方で、グロスマンは政治的・社会的な活動に努め、1878年にはドイツ時計学校を設立します。1885年にモリッツ・グロスマンは突然亡くなり、彼の死とともに時計マニュファクチュールも解体されました。
このモリッツ・グロスマンの伝統的な時計作りが2008年に復活しました。時計師クリスティーネ・フッターが、かつてグラスヒュッテの時計ブランドであった「モリッツ・グロスマン」に出会い、その商標を取得し、構想を練り、素晴らしく繊細な腕時計とともに残された120年前のグロスマンの遺産を受け継いだのです。そして、個人の時計愛好家からの支援によって2008年11月11日にグロスマン・ウーレン社がグラスヒュッテに設立されました。今日のグロスマンの時計師は、歴史的な部分を単に模倣するのではなく、新たな伝統を作り上げています。モリッツ・グロスマンは、革新と卓越した技能を基に、伝統的であると同時に最新の仕上げ技術と高品質の素材を使い、時計作りにおける「新しい時代の原点」を創り出します。
www.grossmann-uhren.com