商館時計

 By : Daiwatokeiten
時々、商館時計を見かけます。
明治時代、日本の貿易は『商館』と呼ばれる外国人商社に独占されており、
その商館が輸入した時計を商館時計と呼びます。
当時輸入されていた懐中時計の割合としては
スイス製が90%で、他にアメリカ製が5%、残り5%がフランス製やイギリス製だったんだとか。

1897年頃にはアメリカでは工場での生産が開始されていましたが、
スイスではそれぞれの時計工房が商館からの注文に応じて
1つ1つ製作をしており、
商館のマークが入っている時計を商館時計を呼びます。

神戸と横浜を拠点に明治36年まで営業していたBRUHL BROS&Coは
服部時計店の創業者 服部金太郎とも関係が深かい商館でした。



当時、ステータスの証でもあった商館時計は
勿論、実用品でもありましたが、
「見せる時計」としての要素が強い為、
彫りなどは凝っているけど、ムーブは・・・という物が多いのですが、
1880年~1890年頃に作製されたこの商館時計は
機械も凝ってて、商館時計としてはちょっと珍しいです。



それにしても120~130年前の懐中時計が
良いコンディションで残っているのって凄いですね。
一般的な商館時計ではちょっと物足りないという方、
この時計は良いですよ。