時計愛好家のためのヨーロッパ(パリ編)by k.hillfield
By : Guest Blog
世界中どこに旅をしていても、気が付いたら時計店のショーウィンドーの前に立ち止まっている人も多いのではないでしょうか。もちろん私もそんな一人です。
今回はパリについて書かせていただきます。
定番の旅行先ではありますが、時計愛好家が最も楽しむことができる都市の一つです。
時計愛好家の目的地となり得るエリアはいずれもパリ市内ですが、《オペラ駅周辺》、《マレ地区》、《サンジェルマン地区》の三つのエリアがメインになってくると思います。
《オペラ駅周辺》
ヴァンドーム広場には時計・ジュエリーの旗艦店が集まっており、来店の事前予約をすることで、より楽しむことができます。また、カミーユ・フォルネやジャン・ルソーで革ベルトを購入するのもおすすめです。
(1)ブレゲミュージアム(予約不要ですが、事前連絡でギョーシェ彫り体験可)
まずは、フランスと言えば、やはりブレゲです。
ブレゲブティックはヴァンドーム広場と呼ばれるエリアにあります。ミュージアムにおいては予約なしでも、素晴らしいブレゲの時計をたくさん見せていただけるのですが、事前に連絡をすれば、伝統的なギョーシェ彫りを体験することもできます。(無料)
https://www.breguet.com/jp/歴史/ブレゲ・ミュージアム/breguet-museum-paris
●ミュージアム内の歴史的なブレゲの時計の数々。トラディションの原型になったモデル。エマニュアル・ブレゲ氏の私物の時計と、その原点となった懐中時計。ヴィンテージのタイプ20。(著者による撮影)
●ギョーシェ彫り体験。(著者による撮影)
●ブレゲレコード(非公開) ブレゲの顧客名簿です。右下にはBonaparte general(ナポレオン)の名前もあります。(著者による撮影)
●初代アブラハム=ルイ・ブレゲから数えて7代目のエマニュエル・ブレゲ氏と、ブレゲブティック店長のヴァサール氏。
(2)リッツ・パリ(見学のみなら予約不要)
最近、改装されて新しくなったリッツ・パリ。
現代におけるヴェルサイユ宮殿のような役割を果たしている場所です。
廊下の左右に並ぶ美しいショーケースの中には最新のファッションのコレクションや華やかなジュエリーが並んでいます。FPジュルヌの時計やヴァシュロン・コンスタンタンの時計を見ることができます。すぐ近くのジュルヌのブティックの行き方も、FPジュルヌの時計のディスプレイに書かれています。
https://www.ritzparis.com/ja-JP
●リッツ・パリ入口にて。アランデュカスのチョコレートと、私物のIWCのアンティークウォッチ。(著者による撮影)
(3)レコール・ヴァンクリーフ&アーペル(要予約)
ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーと宝飾芸術の学校です。
ヴァンクリーフのクラフトマンシップと、美しい世界観を体験することが可能です。ジュエリーのデザインからセッティング、時計の製作などを体験することができます。英語とフランス語のコースがあります。(不定期ですが、日本、ドバイ、ニューヨークなどでも講座が開かれることもあります。)
もちろん、ヴァンドーム広場のブティックも素晴らしく、日本ではなかなか見られないぽエティックコンプリケーションの様々なモデルや、ヴァンクリーフが特許を取得したミステリーセッティングのジュエリーを見ることができます。
https://www.ritzparis.com/ja-JP
●パリのレコールにて。ジュエリーのデザインからセッティングまで一通り学ぶコース。デザインに色を付けています。(著者近影)
●ミステリーセッティングのフェアリー。宝石の留め具が見えない、美しいセッティング。(著者による撮影)
(4)ヴァンドーム広場のスウォッチブティック(予約不要)
ヴァンドーム広場のスウォッチ。基本的にはここでしか展開されていないラグジュアリーコレクションと呼ばれる高級ラインのスウォッチが揃っています。フランスには多くのスウォッチブティックがありますが、フランス限定のスウォッチや、シャンゼリゼ通りのブティック限定のモデルなどもあり、各店訪問してみるのも面白いです。
https://www.swatch.com/ja_jp/store-locator/france/ile-de-france/paris/place-vendome-paris
●スウォッチ ラグジュアリーコレクション「ラストラスブリス」。文字盤にパヴェ・セッティングのダイヤモンド(計0.7カラット)。4000本限定で発売。定価約15万円(著者私物)
(5)ラ・ぺ通りのカルティエブティック(予約不要)
ヴァンドーム広場と、オペラ広場を結ぶ通り。各時計ブランドのブティックが並ぶ通りです。
カルティエのラ・ペ通りのブティックは世界中のカルティエのファンが憧れる場所でしょう。屋内の美しい階段、ケースに入った美しいジュエリーの数々、このお店こそがカルティエの世界観そのものです。階段を上がった先にはVIPルーム及び、VIP向けのヴィンテージウォッチ・ジュエリーが展示・販売されています。
http://www.cartier.fr/fr/find-boutique/store-locator-listing/france/paris/boutique-cartier-paris---13-paix-BTQ1201.html
●建物外観。(著者による撮影)
(6)カミーユ・フォルネ(予約不要)
高級革ベルトで有名なカミーユ・フォルネ。パテック・フィリップの時計のストラップも作っています。
サンプルの多さ、早さ、安さが素晴らしいです。ボームアンドメルシェのラグが特殊な形の時計の革ベルトをオーダーしたのですが、店頭で手際よく採寸していただき、クリスマス時期にも関わらずなんと3週間で仕上げてくれました。(工房が近くにあるので早いそうです。)英語も通じますので、パリにお越しの際は、ぜひ革ベルトをオーダーされるのをお勧めいたします。
https://www.camillefournet.com/en/leather-shop/camille-fournet-boutique
(7)ジャン・ルソー(予約不要)
高級革ベルトと言えば、ジャン・ルソーもカミーユ・フォルネのすぐ近くにあります。
日本では見られないガルーシャのスターマーク(背中部分)のみを使った美しいストラップなど、日本では見られないようなエキゾチックレザーの珍しいサンプルを見ることができます。
http://www.jean-rousseau.com/ja/salePlace
(8)コレット(予約不要)
日本のビームスやユナイテッドアローズのようなセレクトショップ。2017年12月をもって閉店予定。
セレクトショップですがファッションや雑貨とともに、本格的なスイス高級時計がラインナップされています。各ブランドのコレット限定モデルや、日本ではあまり目にすることがないバンフォードのカスタムウォッチを見ることができます。(PVDのオールブラックのサブマリーナーなど)
GQ JAPAN 「パリ、コレット閉店!! 20年の幕を下ろす」
https://gqjapan.jp/fashion/news/20170713/colette-to-close-its-doors
(9)Romain Rea Printemps(予約不要)
アンティークウォッチ店Romain Reaのプランタンの店舗。
Romain Reaは日本のアンティークウォッチ店のお客さんも多いそうです。このプランタンの店舗に関しては観光客向けの価格ですが、比較的コンディションの良いものが多いです。(私自身、デッドストックのユニバーサル・ジュネーブの時計の購入を検討したこともあります。)品揃えとしては、パテックやヴァシュロンが中心です。日本と違い、ヴァシュロンのヴィンテージの三針モデルも、パテック並みの価格で取引されているのが印象的でした。
《マレ地区》
人気のカフェやレストラン、雑貨店が立ち並ぶエリアです。
(1)メゾン・ルサージュ(要予約)
シャネルのオートクチュールに刺繍を施してきたメゾン・ルサージュ。
近年ではシャネルの時計「マドモアゼル・プリヴェ」の文字盤においてもルサージュの刺繍が大きな特徴となっています。問い合わせに関しては下記よりご確認願います。
●ワークショップで作った刺繍の作品。小さな作品ですが、製作に数時間要しました。(著者による撮影)
2)Euro Art Et Collection
ヴィンテージウォッチの有名店の一つ。
過去に有名時計ブログサイトHODINKEEにも取り上げられたことがあるお店です。
住所 5 Rue de la Grange Batelière, 75009 Paris
【余談】著者が選ぶ、マレ地区でぜひ訪れたいカフェ・レストラン3店
①ヤンクーブルパティスリー(パティスリーの有名店)
https://tabelog.com/france/A5701/A570101/57000944/
②Aux Deux Amis(パリで安くて一番美味しいタパスに選ばれたこともあるお店)
パン、チーズ、ワインだけで幸せになれます。ゴートチーズがあれば、ぜひ注文されてみてください。https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g187147-d3158528-Reviews-Aux_Deux_Amis-Paris_Ile_de_France.html
⓷Ober Mamma(イタリアンの有名店)
お手頃価格ですが、ボリュームも多く、出来立てのイタリアン料理はとても美味しいです。https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g187147-d8365421-Reviews-Ober_Mamma-Paris_Ile_de_France.html
《サンジェルマン地区》
世界最古の百貨店・ボンマルシェの周りにはたくさんのアンティーク店が存在。落ち着いた雰囲気は表参道に少し雰囲気が似ています。日本食が恋しくなったとき、このエリアにある一風堂のパリ店に立ち寄りました。
●サンジェルマン近辺のアンティークウォッチ店で見かけたアンティークウォッチ。(著者による撮影)
(1)Romain Rea (予約不要)
アンティークウォッチ店。
日本のアンティークウォッチ店も仕入れに来ているそうです。品揃えは多いです。私が初めて訪れたとき、ヴィンテージのロンジンやミネルバのクロノグラフの人気モデルや、IWCのCal.83の金無垢のモデルなどが置いていたのが印象的でした。
(2)コレクタースクエア(要予約)
日本語サイトも展開している中古時計専門店。
アポイントメントをとって、具体的に見たいモデルを伝えた上で、訪問するのがおススメです。https://www.collectorsquare.com/jp/
パリにはシャンゼリゼ通りや凱旋門、エッフェル塔にヴェルサイユ宮殿など、美しい観光地も多く、地下鉄や徒歩ですぐに行けます。例えば、シャンゼリゼ通りや凱旋門はオペラから歩いていくことも可能です。
また、フランスはパン・チョコレート・ワイン・チーズがおいしいです。
チョコレートで言えば、アランデュカス、パトリック・ロジェ、ジャック・ジュナンなど日本に未入荷の美味しいショコラティエが存在しています。
時計愛好家を満足させる様々な機会と、華やかなライフスタイルを体験することができるのがパリの魅力ではないでしょうか。
次回(12月)の「時計愛好家のためのヨーロッパ」は、
パリから電車で約3時間、スイス・ジュネーブについて取り上げる予定です。
パリとジュネーブは東京⇔大阪くらいの距離で、TGV(高速鉄道)で約3時間です。
(シェンゲン協定内のためパスポートチェックもございません)。
おたのしみに。
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