オーデマ ピゲ 東京ミッドタウンでのエキシビション 『時計以上の何か』 レポート by L'Hiro

 By : Guest Blog


オーデマ ピゲ 東京ミッドタウンでのエキシビション 『時計以上の何か』 レポート
~AUDEMARS PIGUET  beyond watchmaking


先週末から始まったオーデマ ピゲのイベント『時計以上の何か』をレポートします。
東京ミッドタウンが毎年開催する"デザインを五感で楽しむ"の今年で13回目の"Tokyo Midtown DESIGN TOUCH"の一環として企画されたものです。

芝生広場に建てられた建物。

この入り口を入るとイベント会場です。

 

会場内には、ジュウ渓谷と腕時計のダイヤルをミックスした不思議なスペースが広がっています。
このスペースには時計のダイヤルをイメージした12個の部屋が配置され、中心にはジュウ渓谷を彷彿する大きな岩が、まず目に入ります。渓谷の自然をイメージし、壁は緑葉で覆われています。



五感に訴えるコンセプトというテーマだけあって、この緑葉にはピアノ線でつながった丸いゴールドのミニチュア・スピーカーが至るところに配置され、「時計が時を刻む音」、「ジュウ渓谷の森林の風の音」、「高山の氷がきしむ音」などの聴覚を刺激する工夫でオーデマ ピゲの世界に引き込まれます。これは、現在フランスで人間と自然との間の精神的、倫理的、審美的なつながりを可視化し、視覚と聴覚の芸術を創るアレクサンドル・ジョリーさんの作品です。

では、最初の「"起源:ジュウ渓谷"の部屋(ROOMⅠ)」に入ってみましょう。オーデマ ピゲが誕生したル・ブラッシュの位置を示す地図が目に入ります。

その横には分解したロイヤル・オークとCODE11.59が展示されています。
具体的には、初代ロイヤル オークの部品(自社製薄型自動巻きムーブメント〈キャリバー2121〉、ブレスレット、ベゼル、ケース)、CODE11.59の部品(キャリバー4302自動巻き〈3針〉、キャリバー4401自動巻き〈クロノグラフ〉、ラグ、ベゼル、ダイヤモンド)が展示されており、心臓部が丸分かりです。

 

その隣の部屋(ROOMⅡ)には、壁面全部にオーデマ家、ピゲ家の家系図が描かれ、創業前の農家経営時代の写真や四代に渡る歴代経営者の写真が飾られています。


また、中央には、1875年にジュール=ルイ・オーデマが幼馴染の時計師であったエドワール=オーギュスト・ピゲと一緒に時計工房を始める直前の卒業製作である18Kイエローゴールドの見事な複雑機構の懐中時計が展示されています。

 

 


次の部屋(ROOMⅢ&Ⅳ)は、オーデマ ピゲを代表する3タイプの時計(パーペチュアル・カレンダー、クロノグラフ、ミニッツ・リピーター)と、それら全ての機能を搭載したグランド・コンプリケーションが展示されています。

写真は2013年に製作されたロイヤルオーク・オフショアー・グランドコンプリーション(セラミック/チタン/キャリバー2885/モデル26570)です。648個もの部品で構成される逸品は高度なノウハウを持つ時計師でも完成までに6~8カ月もの期間を要するようです。

 

 

 



次はオーデマ ピゲの装飾が体験できるワークショップの部屋(ROOMⅤ)です。
装飾仕上げとネジを組み込む作業を体験できます。筆者もオーデマ ピゲの職人さんにサポートしていただきペルラージュ仕上げとサテン仕上げを体験しました。ペルラージュ仕上げでは回転するゴム砥石をベゼルに押し当て、鱗状の連続模様を入れていく作業で、連続したスタンプの位置を決める際にベゼルを指で少しずつ回転させていくのですが、その回転作業に気を遣いました。
サテン仕上げでは、装飾する側をヤスリの面に真っ直ぐにあてながら優しい一定の力でベゼルを動かさなければならず難しい作業でしたが、作品はオーデマ ピゲのご厚意により無料でいただけます。皆さんも是非お試しあれ。

 


次はオーデマ ピゲのデザインの変遷が分かる各時代毎の時計が並ぶ部屋(ROOMⅥ)です。
アール・ヌーヴォー時代の曲線を意識した芸術的なもの、アール・デコ時代のジュエリーを意識したもの、丸型の時計が流行った戦後の高度成長期時代にオーデマ ピゲが初めて作った四角いもの、スケルトンもの、左右非対称もの、全盛のクオーツに対抗して作った自動巻きのロイヤル・オーク、最近では自動車メーカーがモーターショーなどで披露するコンセプトカーにインスピレーションを受けたコンセプトウォッチなどが展示されています。

 


ここまではオーデマ ピゲの歴史やブランドの真髄を説明するセクションでしたが、これほどまで歴史的に価値のある実機の数々をスイスから直接持ち込んでのエキシビションは素晴らしいと思います。
まだ、6つの部屋しかご紹介していませんが、残り6つの部屋も記事で語り尽くせないほどの逸品揃いです。

後半の部屋ではCODE11.59の魅力が存分に感じられます。混雑が予想される場合もありますので、皆さんぜひオーデマ ピゲのHPでご予約してご覧になってください。
https://watch-media-online.com/news/2448/


以下は、"語り尽くせない逸品"のほんの一部です。

これ↓は1991年イエローゴールドのロイヤルオーク(18Kイエローゴールド/自動巻きキャリバー2125/モデル14790/36ミリ)。


これ↓はアーノルド・シュワルツェネッガーがターミネーター3で着用したクロノグラフ(チタン/キャリバー2246・2840/モデル25863/48ミリ)です。

でも、彼は実は以下↓の特注モデルで上演したかったそうですが、期限までに完成されず、上記のモデルで出演したそうです。

 

会期は11月4日まで。

 【エキシビション 『時計以上の何か』】
会期: 2019年10月19日(土) – 11月4日(月・振休)
会場: 東京ミッドタウン(六本木) 芝生広場
入場料: 無料 (予約優先:以下のリンクからご予約いただけます)
ウェブサイト: www.beyondwatchmaking.jp
開場時間: 11:00 – 19:30
*10月19日(土)は15:00 – 20:00
(最終受付は閉館の30分前までとなります。)