MB&F レガシー・マシン サンダードーム アワーグラスグループ40周年記念リミテッドモデルの実機拝見!
By : CC Fan2020/1/18:動画を追加しました
去年末に発表されたMB&Fのレガシー・マシン サンダードーム(Legacy Machine Thunderdome)、あまりの衝撃にCAD図を提供いただき解説記事をしたためました。
実機を拝見したい!とは思ったものの、ドバイは私がキャンセルしてしまったので、4月末のSIHH(WWG)&バーゼルまで”お預け”かな…と思っていましたが、実機を拝見するチャンスに恵まれましたのでレポートします。

アワーグラス40周年記念リミテッドモデル!
ローンチピースのプラチナ950ケース・ライトブルー(33点限定)に対し、アワーグラス限定で作られた10点限定のタンタルケースのダークブルー文字盤とアベンチュリン文字盤の2モデル。
この2本を並べて拝見できるのは”最初で最後”でしょう!!

まずは停止している状態のダークブルーから。
最高のクオリティを誇るヴティライネン先生作のギロッシェに、ポジティブ・コーティングによるCVDコーティンで色付けされたギロッシェ文字盤が主役たるTriAxを彩ります。

光を捉えて変わる表情を写し込むのはなかなかに困難。
ギロッシェの光学効果とCVDコーティングの効果が重なって様々な表情を見せます。

角度によっては暗めのトーン。
レアメタルのタンタルケースは磨き上げられて、言われなければ貴金属ケースだと思ってしまいそうな仕上がり、ドーム状の風防で大きく見えますが、ケースそのものは薄く、装着感は良好。

動いているアベンチュリン文字盤が合流、こちらもケースはタンタル、プラチナ950に比べると物性的には軽いはずなので、より使いやすいと思われます。

この素晴らしさの前には、言葉なんて要らないのかもしれません。

ムーブメントもじっくりと。
作品を作り上げたエリック・クドレ(Coudray)とカリ・ヴティライネン(Voutilainen)の名前が記されています。
あくまでムーブメント側に記し、文字盤側はMB&Fの控えめなロゴ以外文字がないというのも素晴らしい。
二人の名前の下は大型のパワーリザーブインジケーター、手巻きにはありがたい機能で、文字盤側ではなくムーブメント側に配置するのも実用性と美しさの良いバランスだと思います。
巻き上げ輪列と香箱のレイアウトは極めてユニーク、向かって右側は並列に接続された二つの香箱、巻き芯から対称の位置にさらに一つの香箱を配したトリプルバレル構造です。
並列接続された二つの香箱ともう一つの香箱からの出力はそれぞれ独立した2番車を駆動し、TriAxを駆動する2枚重ねの3番車で合流します。
トルクが大きい並列接続された香箱の方から分岐させ、時分針を動かす軸にもかみ合っています。
TriAxの8秒・12秒・20秒の3軸回転はどう考えても”大食い”なので、パワーリザーブ45時間にこれだけの香箱が必要なのでしょう。
ヴティライネン先生の仕上げはもちろん完璧を期しており、文句のつけようがありません。

二つともひっくり返す。
トゥールビヨンやカルーセルといった、回転式脱進機の既存のカテゴリーには分類できないというTriAxだけではなく、このムーブメントの作りも一線を画しています。

TriAx側から。
完璧に磨き上げられたMB&Fのアイコニックなブリッジが見えます。
レガシーマシン1から同じモチーフを使い続けたことにより、レガシーマシンと言えばこのブリッジとドーム状の風防と認知されるアイコンに至ったのではないでしょうか。

アベンチュリンは星空・宇宙のイメージで語られることが多いですが、アベンチュリンの星空の中に球体のTriAxが浮かんでいる様は星の自転を思わせます。

ユニークなのはアベンチュリン文字盤のベルト逆向きにつけられていたこと。
これはすでにご成約済み(!)オーナーの”小さな文字盤よりもTriAxを眺めていたい”ということで、普通に見るとTriAxが見られるように取り付けて納品してほしいという要望から。
…そう、この2本はすでにご縁があり、それぞれがご成約済みなのです!!

これを毎日使えたら幸せでしょう。

”ダーク”とはいえ、光の当たり方ではここまで明るく。

アベンチュリンも何枚か。
TriAxの複雑性をアベンチュリンの煌めきが彩ります。
そして、ラッカー仕上げの文字盤はあくまでも視認性優先のシンプルな仕上げ、古典的なローマンインデックスです。

ドーム感が伝わりますかね?

数字上のケース直径は44mm、厚みは22.2mmですが、ケース本体が薄いおかげで手首へ収まりは良いと感じました。
リュウズが2時位置でサイドに出っ張っていないのも好印象です。
斜めになっている文字盤は一見すると奇抜ですが、手首をひねる必要がない分、むしろ平面より読みやすそうです。

立体的な構造なので、光の当たり方によって落ちる影がまた別の表情を作ります。
アベンチュリンもギロッシェもどちらも素晴らしい!

実機を拝見して、ニュースの画像やCAD図で感じた”凄み”がそのまま現実世界に形作られ動いている純粋な驚き、これを実現するクドレ・ヴティライネン先生・MB&Fの”フレンズ”こと水平分業サプライヤーの底知れぬ実力に震えました。
女性向けへの応用や、さらなるコンプリケーションも期待です!
すでに述べたように、アワーグラス40周年記念限定の日本分アローケーションであるこの2本は、素晴らしいことに、あっという間に成約済みとなったそうですが、ご興味のある方は是非、アワーグラス銀座店までご連絡してみてください。同店の"シンガポール・コネクション"を通じ、取り寄せ可能な場合もあるとのこと! 限定品(2モデル合わせて10本)ですので、価格等を含め、早めのお問合せをお薦めします。

偶然写り込んだポジティブコーティングのCVD文字盤仲間…
動いている様子を動画でどうぞ!
サンダーの名前に違わぬ速さ…
去年末に発表されたMB&Fのレガシー・マシン サンダードーム(Legacy Machine Thunderdome)、あまりの衝撃にCAD図を提供いただき解説記事をしたためました。
実機を拝見したい!とは思ったものの、ドバイは私がキャンセルしてしまったので、4月末のSIHH(WWG)&バーゼルまで”お預け”かな…と思っていましたが、実機を拝見するチャンスに恵まれましたのでレポートします。

アワーグラス40周年記念リミテッドモデル!
ローンチピースのプラチナ950ケース・ライトブルー(33点限定)に対し、アワーグラス限定で作られた10点限定のタンタルケースのダークブルー文字盤とアベンチュリン文字盤の2モデル。
この2本を並べて拝見できるのは”最初で最後”でしょう!!

まずは停止している状態のダークブルーから。
最高のクオリティを誇るヴティライネン先生作のギロッシェに、ポジティブ・コーティングによるCVDコーティンで色付けされたギロッシェ文字盤が主役たるTriAxを彩ります。

光を捉えて変わる表情を写し込むのはなかなかに困難。
ギロッシェの光学効果とCVDコーティングの効果が重なって様々な表情を見せます。

角度によっては暗めのトーン。
レアメタルのタンタルケースは磨き上げられて、言われなければ貴金属ケースだと思ってしまいそうな仕上がり、ドーム状の風防で大きく見えますが、ケースそのものは薄く、装着感は良好。

動いているアベンチュリン文字盤が合流、こちらもケースはタンタル、プラチナ950に比べると物性的には軽いはずなので、より使いやすいと思われます。

この素晴らしさの前には、言葉なんて要らないのかもしれません。

ムーブメントもじっくりと。
作品を作り上げたエリック・クドレ(Coudray)とカリ・ヴティライネン(Voutilainen)の名前が記されています。
あくまでムーブメント側に記し、文字盤側はMB&Fの控えめなロゴ以外文字がないというのも素晴らしい。
二人の名前の下は大型のパワーリザーブインジケーター、手巻きにはありがたい機能で、文字盤側ではなくムーブメント側に配置するのも実用性と美しさの良いバランスだと思います。
巻き上げ輪列と香箱のレイアウトは極めてユニーク、向かって右側は並列に接続された二つの香箱、巻き芯から対称の位置にさらに一つの香箱を配したトリプルバレル構造です。
並列接続された二つの香箱ともう一つの香箱からの出力はそれぞれ独立した2番車を駆動し、TriAxを駆動する2枚重ねの3番車で合流します。
トルクが大きい並列接続された香箱の方から分岐させ、時分針を動かす軸にもかみ合っています。
TriAxの8秒・12秒・20秒の3軸回転はどう考えても”大食い”なので、パワーリザーブ45時間にこれだけの香箱が必要なのでしょう。
ヴティライネン先生の仕上げはもちろん完璧を期しており、文句のつけようがありません。

二つともひっくり返す。
トゥールビヨンやカルーセルといった、回転式脱進機の既存のカテゴリーには分類できないというTriAxだけではなく、このムーブメントの作りも一線を画しています。

TriAx側から。
完璧に磨き上げられたMB&Fのアイコニックなブリッジが見えます。
レガシーマシン1から同じモチーフを使い続けたことにより、レガシーマシンと言えばこのブリッジとドーム状の風防と認知されるアイコンに至ったのではないでしょうか。

アベンチュリンは星空・宇宙のイメージで語られることが多いですが、アベンチュリンの星空の中に球体のTriAxが浮かんでいる様は星の自転を思わせます。

ユニークなのはアベンチュリン文字盤のベルト逆向きにつけられていたこと。
これはすでにご成約済み(!)オーナーの”小さな文字盤よりもTriAxを眺めていたい”ということで、普通に見るとTriAxが見られるように取り付けて納品してほしいという要望から。
…そう、この2本はすでにご縁があり、それぞれがご成約済みなのです!!

これを毎日使えたら幸せでしょう。

”ダーク”とはいえ、光の当たり方ではここまで明るく。

アベンチュリンも何枚か。
TriAxの複雑性をアベンチュリンの煌めきが彩ります。
そして、ラッカー仕上げの文字盤はあくまでも視認性優先のシンプルな仕上げ、古典的なローマンインデックスです。

ドーム感が伝わりますかね?

数字上のケース直径は44mm、厚みは22.2mmですが、ケース本体が薄いおかげで手首へ収まりは良いと感じました。
リュウズが2時位置でサイドに出っ張っていないのも好印象です。
斜めになっている文字盤は一見すると奇抜ですが、手首をひねる必要がない分、むしろ平面より読みやすそうです。

立体的な構造なので、光の当たり方によって落ちる影がまた別の表情を作ります。
アベンチュリンもギロッシェもどちらも素晴らしい!

実機を拝見して、ニュースの画像やCAD図で感じた”凄み”がそのまま現実世界に形作られ動いている純粋な驚き、これを実現するクドレ・ヴティライネン先生・MB&Fの”フレンズ”こと水平分業サプライヤーの底知れぬ実力に震えました。
女性向けへの応用や、さらなるコンプリケーションも期待です!
すでに述べたように、アワーグラス40周年記念限定の日本分アローケーションであるこの2本は、素晴らしいことに、あっという間に成約済みとなったそうですが、ご興味のある方は是非、アワーグラス銀座店までご連絡してみてください。同店の"シンガポール・コネクション"を通じ、取り寄せ可能な場合もあるとのこと! 限定品(2モデル合わせて10本)ですので、価格等を含め、早めのお問合せをお薦めします。

偶然写り込んだポジティブコーティングのCVD文字盤仲間…
動いている様子を動画でどうぞ!
サンダーの名前に違わぬ速さ…
関連Web Site
MB&F
https://www.mbandf.com/en
アワーグラス銀座店
〒104-0061 東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座1F
TEL: 03-5537-7888
http://www.thehourglass.co.jp/
MB&F
https://www.mbandf.com/en
アワーグラス銀座店
〒104-0061 東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座1F
TEL: 03-5537-7888
http://www.thehourglass.co.jp/
BRANDS :
COMMENTS
コメントを投稿する
※ 匿名(ニックネーム可)での投稿も可能となっております。