クレヨン バーゼルワールドに参加決定&完全新作ピースを公開予定!
By : CC Fan捨てる神あれば拾う神あり、ではないですが、すでに十分な知名度を持ち大規模展示会を必要としないと考える大手がバーゼルワールドから抜ける一方で、より露出を求める小規模・独立系が参加しているようです。
Time ÆON Foundationに続き、個人的”Buy the watchmaker, not the watch."の極致だと考え、応援しているクレヨン(Krayon)が出展することが決まりました!
クレヨンについては、過去の記事もご参照ください。
参加を決めたのはただ単に既存のピースを紹介するだけではなく、新しいムーブメントを搭載した完全新作ピースが完成したお披露目を兼ねているのが大きな理由です。
この新作については、去年の時点でCADによる設計がほぼ完成していて、新年には機能を確認するワーキングプロトタイプが完成、数日前に仕上げまで施したプロダクションタイプが完成、いよいよ情報を出していく段階になったようです。
今回は”ティザー”としてチラ見せします。
ぼかしたワーキングプロトタイプムーブメント。
レミ(Rémi Maillat)の設計を感じる上半分にオフセット配置した計時輪列と、下半分に配置したコンプリケーション部分が…
いわゆる二階建てではない、完全統合設計です。
機能に加え、ムーブメントのコンストラクション(構造)についても、”コロンブスの卵”的なアイディアが盛り込まれており、間違いなくクレヨンのアイコンになるのではないかと思っています。
ああ…伝えたい!
文字盤側、これだけぼかしても”アレ”はしっかり見えていますね…
自然から学ぶというレミのキャラクターを如実に表したクレヨンらしいコンプリケーションで、個人的には”使うため”の機能としての着眼点も素晴らしいと思っています。
こちらはプロダクションタイプのムーブメント。
メッキとペルラージュ仕上げが施されています。
コンプリケーションのコア部部分もちらっと見えています。
”前職”時代から実用性を重視し、薄いムーブメントにこだわってきたレミ。
今回のピースは手巻きでよりシンプルな構成です。
機構のハイライトとなるパーツ。
マッチの先端との比較。
90度でクロスした軸…何に使われるのでしょう?
今回、仕上げに関して”ジュウ渓谷の名匠”の相談し、指導を受けたというレミ、個人的にはエブリウェアの機能に形状が従うようなヌーシャテルスタイルが好きだったので、ジュウ渓谷は…?と聞いたところ、あくまで”エッセンス”であり、ヌーシャテルスタイルは続けていくと聞いて一安心。
また、レミは大学卒の設計エンジニア出身で、時計師ではなかったのですが、”神の手”ダミアン・スーリスの指導を受けて今回のワーキングプロトタイプは自分で組み立てたそうです!(プロダクションはダミアン)
混合されがちですが、設計する設計エンジニアと組み立てを行う時計師は異なるスキルであり、両方を兼ね備えた人はあまり見かけない印象です。
メゾンによっては理論優先の設計エンジニアと、実践優先の時計師が、互いに”あいつらは分かっていない”と対立しているところを見てきました。
もちろん、本業の時計師には及ばないでしょうが、設計エンジニアが自ら”実践”して自分が設計したものがどのようになるかを肌感覚で知るのは重要ではないでしょうか。
ますます、将来が楽しみです、まずはバーゼルで!
関連 Web Site
Krayon, mécanismes horlogers suisses(英語サイト)
https://www.krayon.ch/en/accueil
参考資料 国立天文台 暦計算室
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
参考資料 海上保安庁 海洋情報部 日月出没計算サービス
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/automail/sun_form3.html
Noble Styling
http://noblestyling.com/
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亀のオートマタのラウル・パジェス氏はパルミジャーニ氏の工房でピストルのレストアを担当したという話を伺いました。
ピストルは二つあり、一つ目はパルミジャーニ氏、二つ目をパジェス氏が修復したそうです。
キモノウォッチお持ちなんですね!
実はあの個体は"見本”で針がついてないんですよね…
神の手、元祖はパルミジャーニ・フルリエのミシェル・パルミジャーニでしょうか?
他にも、フランク・ミュラー、アントワーヌ・プレジウソとかのAHCIメンバーも呼ばれていた覚えがあり、「神の手多すぎでは?千手観音かよ」みたいなジョークで使っているところもあります。
ダミアン・スーリスとボデ氏はジャケ・ドローの時にノーブルスタイリング葛西氏と一緒にやっていたんだよ!というのを断片的に伺っており、クレヨンでは完全にサプライズな再会になりした。
過去記事にもいくつか掲載したので、よろしければ…
https://watch-media-online.com/blogs/1733/
https://watch-media-online.com/blogs/1887/
https://watch-media-online.com/blogs/1107/
経歴はそこまで詳しくは聞きませんでしたが、メゾンのレギュラー時計師では二進も三進もいかない、複雑時計の組み立てを担当する"必殺仕事人"みたいなフリーランス時計師として活動しているようです(名刺も個人事務所?みたいな感じでした)。
クレヨンも専属では無いようですが、今は注文が多くて結構張り付いているようです。