アントン・スハノフ ファロス 3Dトゥールビヨンクロックが近々来日!

 By : CC Fan

初作でいきなり3D トゥールビヨンを搭載したクロック ”ファロス”を発表し、話題を呼んでいるロシア人ウォッチメーカー、アントン・スハノフ(Anton Suhanov)。

ライネとほぼ同じ経緯で、”某ビッグカスタマー氏”からノーブルスタイリング葛西氏に情報がもたらされ、葛西氏がコンタクト、ナンバー1番・生産も最初に行われた真のプロダクションデリバリー1号機が日本にもうすぐやって来るそうです!
本来であればライネ同様バーゼルでお会いできそう…という事でしたが、昨今の状況でそれは厳しく、まずは作品からになりそうです。

まずは画像と動画を。





泣く子も黙る3Dトゥールビヨン!
そして、テンワに蓄光塗料が施され、光ります。



ケージの周りは24時間表示+地名のワールドタイム表示になっており、全世界の時刻を直感的に知ることができます。

まずアントン・スハノフについて公式情報を引用します。



About the Master

Anton Suhanov(アントン・スハノフ)は、すぐに時計業界に参入したわけではありません。サンクト・ペテルブルク工科大学のCAD (Computer-Aided Design .コンピュータ支援による設計)/ CAM(Computer-Aided Manufacturing .コンピュータ支援による製造)/ CAE(Computer-Aided Engineering .コンピュータ上の試作品を用いてシミュレーションし分析する技術)/ PDM(Product Data Management .製品情報管理)/ PLM(Product Lifecycle Management -製品に関するマーケティング、企画、製造から販売、保守、廃棄までのライフサイクル全般にわたる情報、製造・販売コストや部品供給会社など外部の関連情報までを包括的に管理すること)技術の修士号を取得した後、防衛企業の設計局で働いていました。

2007年にKonstantin Chaykin(コンスタンチン・チャイキン)と運命的な出会いを果たし、ChaykinはAntonを、彼が立ち上げた若い野心的な工房のコンストラクターとして招き入れました。Antonは2018年までの10年間、この職を務め、その期間に会社の発展に貢献するとともに、時計製造の分野での経験を積みあげ、それを蓄積し、彼自身のスキルとスタイルを完成させました。2016年、Antonはバーゼルのウォッチメイキング・コンテストで優勝し、多くのすぐれたウォッチメーカーに出会ったことが、時計産業における彼のヴィジョンに影響を与えました。2018年まで、AntonはKonstantin Chaykinで、製造部門のディレクターとして働きましたが、その間に、時計製造技術におけるすべてのニュアンス、組織での経験、現代の技術と伝統的なウォッチメイキング技術を融合した開発など、大きな知識を得ることができました。

2019年Anton Suhanovは、自身の工房を設立しました。11月には、Anton Suhanov名義での初めての時計、PHAROS(ファロス)テーブル・クロックが発表されました。



Manufacture

時計を作るということは、常に非常に複雑、費用もかかるし、骨の折れるプロセスが要求されます。特に、伝統的なスイスのウォッチメイキングにおける最高水準に沿ってそれがなされる場合にはなおさらです。しかし、時計製作に必要なパーツをどこで調達するか(自社工房で作る、あるいはサプライヤーから供給してもらう)ということを選択できるスイスのウォッチメーカーとは異なり、私たちにはそのような選択肢はありません。現在ロシアには、求められる特性と適切なレベルでの仕上げのクォリティを備えたパーツを供給してくれるようなところは無いのです。ですから、設計、エンジニアリング、技術面における準備、製造管理、仕上げからアセンブルに至る一連の過程は、すべて私の工房内で行われました。

まさにコンピューターの申し子と言った経歴、サプライヤーに恵まれたスイス・ドイツに比べると、ロシアというのはハンディがあるでしょう、奇しくもコンピューターエンジニアから時計師に転向したトリスティ・ライネとの共通点を感じます。
2016年のF.P.ジュルヌヤングタレントコンペティションでバーゼルワールドに進出、初作品のクロックを披露します。

そして、今年いよいよクロック ”ファロス”引き下げてデビューします。
こちらも公式情報を。

世界でもっとも明るく光り輝くトリプル・アクシス・トゥールビヨン

サンクト・ペテルブルクの独立時計師Anton Suhanov(アントン・スハノフ)によるユニークなテーブル・クロックPharos(ファロス)をご覧ください。いまここに、数年にわたる作業の末、完成した作品をご披露することができます。クロックの外観は古典的な灯台の形をしていますが、このPharosは、ファロス島に存在した古代の灯台に由来しています。世界の七不思議のひとつであるファロス灯台の物語が、このクロック創作のインスピレーションとなりました。

この古代の建造物は、設計と技術の面で、その時代よりもはるかに先を行き、1,000年以上も存在し、その歴史を人類の最大の業績のリストに永遠に置きました。古代以来、海運の発展に伴い、暗闇や嵐の中で船を航行するために灯台が建設されました。何千年もの間、灯台は水と土地の境界における建築上の支配者でした。そして偉大な水があるところ、それは同時に危険がある場所です。したがって、灯台は希望の象徴でした。何世紀にもわたって、大事な光を見たいという希望を持って地平線をのぞき込む船員たちの目は疲れていました。ですから、数か月間海をさまよった後の灯台の閃光は、疲れた旅行者に良いニュースと帰国の本当の幸福を与える最初のものでした。

クロックに灯台のエッセンスを取り込むために、時計師は既存クロックのデザインを完全にレビューし、搭載するムーブメントについてのフィロソフィーをゼロから開発しなければなりませんでした。このクロックのために、特別にレバー脱進機と発光体がインサートされたテン輪が開発されました。テン輪が振動すると、インサートされた発光体は、ひとつの明滅するリングとなります。それは遠くから、暗闇の中でもはっきり見える光の明滅、あるいは古代の灯台で使用されていた炎を象徴しています。

しかし時計師はそこにとどまらず、テン輪がどのポイントでもはっきり見えるようにすることを考えました。このために、3軸のトゥールビヨンが開発され、テン輪が3つの角度で振動し、すべての方向にその動きを見せることが可能になりました。最大の開放性を備えたトリプル・アクシス・トゥールビヨンは、ガラスドームの下、クロックの最上部に設置されています。

第3のキャリッジの外側のホイールには、秒表示スケールが配置され、それが時計の周りを回転し360度、あらゆる方向から見ることができます。トゥールビヨン・キャリッジの周りには、円錐状の24時間表示、上部の円錐状のディスク上面にはタイムゾーン表示のための数字、側面には、各タイムゾーンを代表する都市名があります。これにより、世界中の地点の時刻を知ることができるだけではなく、時計のどの側からもそれを確認することができます。



希望の象徴としての灯台をモチーフにし、蓄光塗料が仕込まれた特製ののテンワは灯台の光…マリンクロノメーターの存在から時計と航海は関連付けられることが多いですが、むしろ置時計というのは航海(様々な困難を伴う外出)から帰ってきたときの自宅を守る灯台では?と考えるとなるほどという視点です。

この1号機はすでに”ご成約済み”、オーナー氏のご協力もあってWMOでも納品会の様子とファーストインプレッションを掲載させていただく予定です。
真の1号機として何かスペシャルなことを…というオーナー氏がサプライズを予定しているというのも楽しみです。



オーナー氏から提供いただいたボックスの写真。



中身が入っていない外装だけの状態。
外装は強固なステンレススティール、イメージソースのアレクサンドリアの大灯台が1000年にわたって立ち続けた永続性をイメージしています。

関連 Web Site

Workshop ≪ANTON SUHANOV≫
http://www.anton-suhanov.com/

Noble Styling
http://noblestyling.com/