アントン・スハノフ ロータス 詳細&動画レポート
By : CC Fan去年末に発表され、先日の日本橋三越本店 Arts and Crafts watches and Clocks イベントにてお披露目された、新進気鋭のロシア人ウォッチメーカー、アントン・スハノフの驚異的な生命力を持つ蓮をモチーフとしたアートピース、ロータス。
日本橋三越本店から速報的に「ケース越し」のレポートを掲載しましたが、今回はオーナー氏の協力もいただき、動画を含めたロータスのレポート、そして前作ファロスとの比較をお送りいたします。

時計という機能とはなかなか結び付かない、金属を使った花の彫刻そのものと言った造形。
「鉢」に設けられた文字盤自体は24時間で1周するワールドタイム表示+Nonius Scaleによるクオータ以下の補助表示のため、動きはほとんど感じられず、花の中心に設置された高速3軸トゥールビヨンを注視することになります。
トゥールビヨンを覆い、デイ&ナイト表示を兼ねる24時間周期で開閉する7枚の花弁は蓮の生命力による生まれ変わり(輪廻転生)をイメージしています。
百聞は一見に如かずで、まず動画をご覧いただいた方が良いと思うのでどうぞ。
花や蝶をイメージし、酸化処理による構造色で鮮やかなピンクに染められた有機的な造形の最内周ケージがファロスとのキャラクターの違いを雄弁に表しています。
3軸トゥールビヨンによって表も裏もすべて見えてしまうことを前提に仕上げられた各部のパーツには隙がありません。
動画のなかでも光を捉えてケージがキラリと光るダイナミックな一瞬が伝わりましたでしょうか?

3軸トゥールビヨンは18秒・21秒・60秒の重ね合わせで、全く同じ状態に戻るまでは1260秒(70回転・60回転・21回転)=21分が必要なため、たとえ同じ場所から見続けていたとしても同じ表情は現れず、変わり続けることになります。

光を捉えた瞬間を何とか静止画でも押さえることができました。
更に、テンワ自体もほぼ振りのピークで静止して見える良いタイミング、公式写真と比べ、テンワに何か違いが感じられないでしょうか?

このテンワはファロスでも用いられアントンの「アイコン」になっている、スーパールミノバを埋め込み暗所で発光する「フレーミング・バランス」ではなく、スーパールミノバを無くしたカスタムのテンワです。
これは、「ファロスとロータスのキャラクターの違いをより明確にしたい」というオーナー氏からのリクエストを受け、アントンが設計・製造したもので、スーパールミノバよりも比重が重い金属の無垢になったため細身のテンワとなりました。
アントンは、シャープな細さと片重り調整用のマスロットを日本文化の「刀と手裏剣」に喩えていました。
リクエスト後すぐにCADによって慣性モーメントを見積もり、同じ振動数かつ見ごたえも優れた形状を算出、CAMにより一個作りで制作するフットワークの軽さはコンピューターを最大限に活用してこそでしょう。

外装がステンレスのファロスに対し、ロータスは主にチタン合金を使用。
花弁の表現は何気ないですが、チタン合金を薄く加工する高度な加工技術があってはじめて実現できます。
先程の動画は連続オートフォーカスで全体に何となくピントが合うようにしたものですが、固定フォーカスでトゥールビヨン中心にピントが合うようにしたものも撮影。
こちらはこちらで、また別の表情が見えるのでないでしょうか。
ここで終わらず、さらなる挑戦を…

「ロータスvsファロス」!
ロータスの鉢とファロスの土台を細心の注意で、できるだけ近づけて撮影。
両方とも5振動、脱進音も大きいため、わずかにレゾナンス?という様な現象もみられ非常に興味深い撮影でした。
基本構造は一緒ですが、最内周ケージの造形及び各軸の周期の違いによって表情が違うという事が伝われば幸いです。
そして、並べるとこの二つは「対になる存在」という事を改めて実感します。
最後にiPhoneで手軽に撮った動画も…
これが一番きれいかも?
この素晴らしい作品に続き、アントンは現在も新しいプロジェクトを進行中。
「新作シーズン」に何かが発表されるかも、これからも目が離せません。
関連 Web Site
Workshop ≪ANTON SUHANOV≫
http://www.anton-suhanov.com/
Noble Styling
http://noblestyling.com/
日本橋三越本店から速報的に「ケース越し」のレポートを掲載しましたが、今回はオーナー氏の協力もいただき、動画を含めたロータスのレポート、そして前作ファロスとの比較をお送りいたします。

時計という機能とはなかなか結び付かない、金属を使った花の彫刻そのものと言った造形。
「鉢」に設けられた文字盤自体は24時間で1周するワールドタイム表示+Nonius Scaleによるクオータ以下の補助表示のため、動きはほとんど感じられず、花の中心に設置された高速3軸トゥールビヨンを注視することになります。
トゥールビヨンを覆い、デイ&ナイト表示を兼ねる24時間周期で開閉する7枚の花弁は蓮の生命力による生まれ変わり(輪廻転生)をイメージしています。
百聞は一見に如かずで、まず動画をご覧いただいた方が良いと思うのでどうぞ。
花や蝶をイメージし、酸化処理による構造色で鮮やかなピンクに染められた有機的な造形の最内周ケージがファロスとのキャラクターの違いを雄弁に表しています。
3軸トゥールビヨンによって表も裏もすべて見えてしまうことを前提に仕上げられた各部のパーツには隙がありません。
動画のなかでも光を捉えてケージがキラリと光るダイナミックな一瞬が伝わりましたでしょうか?

3軸トゥールビヨンは18秒・21秒・60秒の重ね合わせで、全く同じ状態に戻るまでは1260秒(70回転・60回転・21回転)=21分が必要なため、たとえ同じ場所から見続けていたとしても同じ表情は現れず、変わり続けることになります。

光を捉えた瞬間を何とか静止画でも押さえることができました。
更に、テンワ自体もほぼ振りのピークで静止して見える良いタイミング、公式写真と比べ、テンワに何か違いが感じられないでしょうか?

このテンワはファロスでも用いられアントンの「アイコン」になっている、スーパールミノバを埋め込み暗所で発光する「フレーミング・バランス」ではなく、スーパールミノバを無くしたカスタムのテンワです。
これは、「ファロスとロータスのキャラクターの違いをより明確にしたい」というオーナー氏からのリクエストを受け、アントンが設計・製造したもので、スーパールミノバよりも比重が重い金属の無垢になったため細身のテンワとなりました。
アントンは、シャープな細さと片重り調整用のマスロットを日本文化の「刀と手裏剣」に喩えていました。
リクエスト後すぐにCADによって慣性モーメントを見積もり、同じ振動数かつ見ごたえも優れた形状を算出、CAMにより一個作りで制作するフットワークの軽さはコンピューターを最大限に活用してこそでしょう。

外装がステンレスのファロスに対し、ロータスは主にチタン合金を使用。
花弁の表現は何気ないですが、チタン合金を薄く加工する高度な加工技術があってはじめて実現できます。
先程の動画は連続オートフォーカスで全体に何となくピントが合うようにしたものですが、固定フォーカスでトゥールビヨン中心にピントが合うようにしたものも撮影。
こちらはこちらで、また別の表情が見えるのでないでしょうか。
ここで終わらず、さらなる挑戦を…

「ロータスvsファロス」!
ロータスの鉢とファロスの土台を細心の注意で、できるだけ近づけて撮影。
両方とも5振動、脱進音も大きいため、わずかにレゾナンス?という様な現象もみられ非常に興味深い撮影でした。
基本構造は一緒ですが、最内周ケージの造形及び各軸の周期の違いによって表情が違うという事が伝われば幸いです。
そして、並べるとこの二つは「対になる存在」という事を改めて実感します。
最後にiPhoneで手軽に撮った動画も…
これが一番きれいかも?
この素晴らしい作品に続き、アントンは現在も新しいプロジェクトを進行中。
「新作シーズン」に何かが発表されるかも、これからも目が離せません。
関連 Web Site
Workshop ≪ANTON SUHANOV≫
http://www.anton-suhanov.com/
Noble Styling
http://noblestyling.com/
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