アントン・スハノフ ロータス もっとも驚異的な3軸トゥールビヨン
By : CC Fan今年の前半に、リリース発表直後のユーザーXによるファーストピース発注、緊急開封会、詳細レポート、ユニークピースへの誘いと動画、そして精度も申し分なし!と何度も取り上げてきた気鋭のロシア人ウォッチメーカー、アントン・スハノフ(Anton Suhanov)。
作品自体の素晴らしさはもちろんのこと、その後の状況を考えると本当に幸運なタイミングで拝見できたことは、初作ファロス(Pharos)の希望の象徴としてのキャラクターのおかげだったのかも…と思える作品でした。
その後も新たなクロックとウォッチを作っているという事は断続的に伝わってきていましたが、本日ついに発表されました!
居ても立っても居られないので、とりあえず公式の情報からレポートします!
ハス(蓮)の花の鉢植えを模した作品、ロータス(LOTUS)です。
永続性の象徴として、永年に渡って存在したアレクサンドリアの大灯台を模した初作のファロスと同じく、古代から神聖なシンボルとしてみなされてきた、蓮の花の生命力を巧みな機構に落とし込んでいます。
千年以上前の古代遺跡から見つかった蓮の種や実から新たなる芽が発芽したというエピソードに象徴される驚異的な生命力、泥水(沼地)から、信じられないほどの無垢で美しい花を生み出す…このイメージを現在(2020年)に人類が直面している深刻な困難と恐怖、将来への不安を打ち破る力の完璧さと美しさを兼ね備えた象徴として実装したい、とという時計師の思いがこの作品に込められています。
人類は間違いなくすべての困難を克服するでしょうと締められています。
アントンの「アイコン」と言っても差し支えないような独自設計の脱進機を持った3軸トゥールビヨンは今作でも健在です。
ドーム状のカプセルに封じ込められたトゥールビヨンはファロスのものと比べても、各軸の回転速度がより高速化しており、最内周が18秒、中間が21秒、最外周が60秒になりました(ファロスは33.75秒、60秒、180秒)。
これにより、最外周トゥールビヨンの駆動歯車をスモールセコンドに転用する「ペリフェラル・セコンド」から最外周のキャリッジが直接スモールセコンドを指し示す一般的なトゥールビヨンと同様の方式に変更されています。
後述する24時間ワールドタイムとホームタイムが融合した表示と合わせ、「上から読む」作品であると感じました、これは全ての表示が「横から読む」ファロスとの対比なのかもしれません。
ブランド名や作品名も上から読む形です。
ロータスを表現している極薄の金属板による花びらはもちろん単なる飾りではありません。
本物の花と同じく、夜になると閉じて、夜が明けると開き、正午に満開…という動きをします。
これはデイ&ナイトを作品のテーマに合わせ、ポエティックに表現したものと言えます。
真夜中にはつぼみに戻っています。
これも生命の繰り返し(輪廻転生)の表現と捉えました。
ファロスの直線的な力強さに対し、有機的な優雅さを表現した最内周のケージ、軽量で強度に優れたチタンで作られ、チタンの特性を活かして陽極酸化処理によって鮮やかな色(構造色)が与えられています。
この形状は「蝶」も表現しているという事で個人的にもシンパシーを感じます。
自社で脱進機を作ることが、時計を作るという事だという自らのポリシーに従い、自社設計・自社製造した特別な脱進機。
炎のように見えるユニークなガンギ車やユニークなジオメトリのレバーのほか、3本のピラー構造のうち、カウンターウェイトの役目をする支柱が太いなどディティールにも注目です。
特徴的なスーパールミノバを埋め込んだ三叉のウェイトを持つテンワ。
3軸トゥールビヨンは表裏が見えてしまうので、裏側まで完璧に仕上げられています。
各部に埋め込まれた偏心錘ですが、緩急針も併用しているため、これは緩急調整よりも片重りを取るためのものだと思われます。
スイスよりもスイスの伝統基準に忠実に行われているかもしれない仕上げ、しかし伝統を守るだけではなく最内周ケージの陽極酸化処理に代表させるような最新のテクノロジーも取り入れ、両方を活用した作品作りに活かしています。
極薄の金属板による花びらの表現も最新の加工技術があって実現するものです。
最内周ケージの鮮やかな色がトゥールビヨンに彩を与えます。
極めて長い緩急針の指示部(てこの原理で微調整ができる)も見えます。
3軸で「すべての方向から眺められる」前提に耐えうる仕上げです。
ファロス同様、ルミノバによって暗闇ではテンワの振動が煌めきます、「燃えるような」テンワです。
鉢植えを模したケースに備えられた、時刻表示ディスクもチタンで作られ、24時間のルイ・コティエ様式のワールドタイムをとなっています。
ファロスのホームタイムの時分針+ワールドタイムという形式から、ワールドタイムのホームタウンがホームタイムの時分表示を兼ねる形式になりました。
そのままでは分単位の読み取りが困難(個人的には読めると思いますが)なため、内側に15分の補助目盛とバーニアスケールが設けられ5分以下の読み取りはそちらで行う仕組みになっています。
直感的には理解できましたが、数学的に厳密な理解は現在解析中なので改めて…
地名ディスクは1時間ごとのインデックスで合わせられ、家のマークのホームタイムの前に現在の地名を合わせ、その後、現在時刻に合わせれば設定完了。
巻き上げと時刻合わせはファロス同様カギで、植木鉢の底部に備えられています。
「上から読む」という事が分かるかと思います。
ファロス同様、強固な意思・哲学と素晴らしい完成度が伝わってくるロータス。
SNSでのロータスの発表を見たファロスをオーダーしたオーナー氏も「素晴らしい、今年はアントンで始まり、アントンの年だった」と、とても満足しているのが印象的でした。
最後に公式のスペックと動画を…
デイ&ナイトの動作のイメージがつかみやすいかと思います。
ロシアは絶対に行く!
関連 Web Site
Workshop ≪ANTON SUHANOV≫
http://www.anton-suhanov.com/
Noble Styling
http://noblestyling.com/
作品自体の素晴らしさはもちろんのこと、その後の状況を考えると本当に幸運なタイミングで拝見できたことは、初作ファロス(Pharos)の希望の象徴としてのキャラクターのおかげだったのかも…と思える作品でした。
その後も新たなクロックとウォッチを作っているという事は断続的に伝わってきていましたが、本日ついに発表されました!
居ても立っても居られないので、とりあえず公式の情報からレポートします!
ハス(蓮)の花の鉢植えを模した作品、ロータス(LOTUS)です。
永続性の象徴として、永年に渡って存在したアレクサンドリアの大灯台を模した初作のファロスと同じく、古代から神聖なシンボルとしてみなされてきた、蓮の花の生命力を巧みな機構に落とし込んでいます。
千年以上前の古代遺跡から見つかった蓮の種や実から新たなる芽が発芽したというエピソードに象徴される驚異的な生命力、泥水(沼地)から、信じられないほどの無垢で美しい花を生み出す…このイメージを現在(2020年)に人類が直面している深刻な困難と恐怖、将来への不安を打ち破る力の完璧さと美しさを兼ね備えた象徴として実装したい、とという時計師の思いがこの作品に込められています。
人類は間違いなくすべての困難を克服するでしょうと締められています。
アントンの「アイコン」と言っても差し支えないような独自設計の脱進機を持った3軸トゥールビヨンは今作でも健在です。
ドーム状のカプセルに封じ込められたトゥールビヨンはファロスのものと比べても、各軸の回転速度がより高速化しており、最内周が18秒、中間が21秒、最外周が60秒になりました(ファロスは33.75秒、60秒、180秒)。
これにより、最外周トゥールビヨンの駆動歯車をスモールセコンドに転用する「ペリフェラル・セコンド」から最外周のキャリッジが直接スモールセコンドを指し示す一般的なトゥールビヨンと同様の方式に変更されています。
後述する24時間ワールドタイムとホームタイムが融合した表示と合わせ、「上から読む」作品であると感じました、これは全ての表示が「横から読む」ファロスとの対比なのかもしれません。
ブランド名や作品名も上から読む形です。
ロータスを表現している極薄の金属板による花びらはもちろん単なる飾りではありません。
本物の花と同じく、夜になると閉じて、夜が明けると開き、正午に満開…という動きをします。
これはデイ&ナイトを作品のテーマに合わせ、ポエティックに表現したものと言えます。
真夜中にはつぼみに戻っています。
これも生命の繰り返し(輪廻転生)の表現と捉えました。
ファロスの直線的な力強さに対し、有機的な優雅さを表現した最内周のケージ、軽量で強度に優れたチタンで作られ、チタンの特性を活かして陽極酸化処理によって鮮やかな色(構造色)が与えられています。
この形状は「蝶」も表現しているという事で個人的にもシンパシーを感じます。
自社で脱進機を作ることが、時計を作るという事だという自らのポリシーに従い、自社設計・自社製造した特別な脱進機。
炎のように見えるユニークなガンギ車やユニークなジオメトリのレバーのほか、3本のピラー構造のうち、カウンターウェイトの役目をする支柱が太いなどディティールにも注目です。
特徴的なスーパールミノバを埋め込んだ三叉のウェイトを持つテンワ。
3軸トゥールビヨンは表裏が見えてしまうので、裏側まで完璧に仕上げられています。
各部に埋め込まれた偏心錘ですが、緩急針も併用しているため、これは緩急調整よりも片重りを取るためのものだと思われます。
スイスよりもスイスの伝統基準に忠実に行われているかもしれない仕上げ、しかし伝統を守るだけではなく最内周ケージの陽極酸化処理に代表させるような最新のテクノロジーも取り入れ、両方を活用した作品作りに活かしています。
極薄の金属板による花びらの表現も最新の加工技術があって実現するものです。
最内周ケージの鮮やかな色がトゥールビヨンに彩を与えます。
極めて長い緩急針の指示部(てこの原理で微調整ができる)も見えます。
3軸で「すべての方向から眺められる」前提に耐えうる仕上げです。
ファロス同様、ルミノバによって暗闇ではテンワの振動が煌めきます、「燃えるような」テンワです。
鉢植えを模したケースに備えられた、時刻表示ディスクもチタンで作られ、24時間のルイ・コティエ様式のワールドタイムをとなっています。
ファロスのホームタイムの時分針+ワールドタイムという形式から、ワールドタイムのホームタウンがホームタイムの時分表示を兼ねる形式になりました。
そのままでは分単位の読み取りが困難(個人的には読めると思いますが)なため、内側に15分の補助目盛とバーニアスケールが設けられ5分以下の読み取りはそちらで行う仕組みになっています。
直感的には理解できましたが、数学的に厳密な理解は現在解析中なので改めて…
地名ディスクは1時間ごとのインデックスで合わせられ、家のマークのホームタイムの前に現在の地名を合わせ、その後、現在時刻に合わせれば設定完了。
巻き上げと時刻合わせはファロス同様カギで、植木鉢の底部に備えられています。
「上から読む」という事が分かるかと思います。
ファロス同様、強固な意思・哲学と素晴らしい完成度が伝わってくるロータス。
SNSでのロータスの発表を見たファロスをオーダーしたオーナー氏も「素晴らしい、今年はアントンで始まり、アントンの年だった」と、とても満足しているのが印象的でした。
最後に公式のスペックと動画を…
デイ&ナイトの動作のイメージがつかみやすいかと思います。
ロシアは絶対に行く!
関連 Web Site
Workshop ≪ANTON SUHANOV≫
http://www.anton-suhanov.com/
Noble Styling
http://noblestyling.com/
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