ヴァシュロン・コンスタンタンが「クラシック ウィズ ア トゥイスト(Classic with a Twist)」展を開催~20世紀初頭に発揮した独創性と大胆さを称える展覧会、9月7日より

 By : KITAMURA(a-ls)

本年末に銀座に新たな旗艦ブティックのオープンを告知(https://watch-media-online.com/news/4594/)、さらには3世紀に近いブランドの偉大なアーカイヴや歴史を展示するイベントを全国ブティックで次々開催するなど、今、ヴァシュロン・コンスタンタンが熱い。最近でも、
2021年7月5日~8月23日:ヴァシュロン・コンスタンタンとスポーツウォッチをテーマとする展覧会
2021年8月19日~10月6日:ヘリテージ コレクションからの女性用モデルを展示する ヘリテージ・レディース展
などの展示会がとても精力的に行われている。

こうしたアーカイヴ・モデルを見られる機会は非常に稀だし、ましてや、スイスに行かずとも拝見できるのはとても喜ばしくかつ勉強にもなるのだが、このたびまたもうひとつの新たな展示イベントがヴァシュロン・コンスタンタンから発表された!!



 「クラシック ウィズ ア トゥイスト(Classic with a Twist)」/20世紀初頭にヴァシュロン・コンスタンタンが発揮した独創性と大胆さを称える展覧会が、2021年9月7日(火) ~10月11日 (月)の期間、ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座ブティックで開催


早速、発表資料を引用してその内容と展示予定ピースをみていこう。



【主題】
◆ヴァシュロン・コンスタンタンは今年、時計収集家の間で人気を博すアイコンウォッチ「アメリカン 1921 」の100周年を祝います。
◆展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト (Classic with a Twist)」は、伝統と型破りが絶妙な調和を成すように技術とスタイルを凝らした精神を称えます。


「アメリカン 1921」の100周年を機に、ヴァシュロン・コンスタンタンが20世紀初頭に発揮した自由闊達な創作を称える展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト (Classic with a Twist)」が2021年9月7日(火) ~10月11日 (月) ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座ブティックにて開催されます。

1910年代から1930年代のヴァシュロン・コンスタンタンは、並外れた芸術的創作に熱心に取り組んだことで有名でした。この展覧会で披露される多種多様な「フォルム」と呼ばれるケース(非ラウンド型ケース)や特殊な表示には、ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史における刺激的な一時代が映し出されています。


●クッション型腕時計18Kイエローゴールド、11時と12時の間にリュウズ(Ref.12131 1919年)

「Classic with a Twist = 伝統的でありながら遊び心がある」は、なによりまず自由の物語、それは、さまざまな形状やデザイン、幾何学図形を大胆に用いた狂騒の20年代やアールデコ運動の流れの中で生まれた唯一無二のスタイルの物語です。たとえば、型破りな形状、厳格な正方形、驚くようなひし形、優雅なクッション型、さらにはいくつかの特殊な表示やオフセンターの表示などです。展覧会「クラシック ウィズア トゥイスト (Classic with a Twist)」は、大胆な運動を作り出し、伝統に逆らい、あらゆるデザインに道を開くことに貢献した活気あふれる1910年代から1930年代の終わりにヴァシュロン・コンスタンタンが創作に発揮した旺盛なエネルギーを証明しています。

19世紀の終わりまで女性だけが着けるアクセサリーと考えられた腕時計は、20世に入ると腕に着けた時計で時刻がわかる機能性や快適さが理解され、男性をも魅了するようになりました。常にパイオニア精神を発揮するヴァシュロン・コンスタンタンは、腕に着けて使うスタイルの将来性を見抜き、早い時期から注意を向け、1889年にはバングルタイプの女性用ブレスレットウォッチを創作しました。これは、メゾンの歴史遺産の中で時期を知ることができるおそらく最も古い腕時計です。

ヴァシュロン・コンスタンタンでは、ムーブメントの小型化の目覚ましい進歩によって驚くほど多種多様な前衛的デザインが可能になり、それらを通じて独創的な表現の領域を自由に広げました。すなわちトノー(樽型)、ロザンジュ(ひし形)、レクタングル(長方形)、クッション、オーバル、横から見て湾曲したケースなどです。展示に選ばれた時計を通じて「Classic with a Twist」は、私たちが現在知るあらゆるアイコニックなケース形状が1910年代から20年代に創作されたことを思い起こさせます。


時代のエッセンス
展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト (Classic with a Twist)」で披露される豊かなデザイン表現は、当時の時代精神や顧客をとらえたヴァシュロン・コンスタンタンの能力を語っています。この展覧会は、時計製作はもとより、20世紀初頭に生じたライフスタイルと社会の変化、衣服における好みや流行の進展を映し出しています。それが語るのは、狂騒の20年代、新たに見出された自由と軽快さ、沸き立つ芸術、豊かな暮らし、活気あふれる文化の世界などに彩られた物語です。


●湾曲したトノー型腕時計18Kイエローゴールド(Ref.10357 1922年)

さらにまた、アールデコ運動の勃興と、建築や芸術の分野のみならず時計産業にも生じた幾何学デザインの魅力をたどります。そしてこの展覧会で思いおこさせるのは、ヴァシ ュロン・コンスタンタンが1832年の進出以来強い絆を築いてきたヨーロッパとアメリカ合衆国の市場に行き渡った新しい精神です。

ヴァシュロン・コンスタンタンがクッション型を初めて腕時計に採用したメゾンの一つだった背景には、まさにこの時代の幸福感がありました。1919年から1921年にメゾンはアメリカ市場専用を意図したいくつかの時計を製造しました。クッション型ケース、斜めに傾いた型破りの表示、オフセットのリュウズから成るアバンギャルドなデザインが特徴的なこの珍しい腕時計は、特に時計収集家の間で人気を博し、今年はその100周年を祝います。今回の展覧会「クラシック ウィズ ア トゥイスト (Classic with a Twist)」で展示されるオリジナルモデルは、メゾンが創設以来、絶えず証明してきた創作エネルギーの最も印象的な例の一つです。


アメリカの伝説
この伝説の腕時計は、1920年代の自動車で典型的な大型ステアリングホイールを握ったまま、時刻を斜めのダイヤルで読み取れることがおそらくダンディなドライバーたちを魅了し、さらには当時の進歩的な人物たちからも絶賛されました。その一人である牧師のサミュエル パークス キャッドマンは、聖職者で新聞作家であり、人種差別や反ユダヤ主義と闘ったことで知られ、ラジオ放送を利用して何百万もの聴衆に初めて説教を行った一人でした。モントルーで休暇を過ごした際に、彼は当時作られたこの腕時計を2本手に入れました。夜光の数字を配したものと、ブラックエナメルによるアラビア数字を配したものです。展覧会「クラシックウィズ ア トゥイスト (Classic with a Twist)」で展示されるそのオリジナルモデルは、メゾン創設以来、とりわけ20世紀初頭に発揮した創作エネルギーの最も印象的な代表作になっています。



時計の詳細
1 - スクエア型腕時計18Kイエローゴールド、Ref.10242 1917年
1910年代に起こった伝統的なラウンド型の懐中時計との決別は、スクエア(正方形)やレクタングラー(長方形)型の腕時計によく表われていました。この新しい幾何学デザインは、偶然生じたわけではありません。時計として革新的なこの形は、産業や芸術、建築の分野ですでに用いられていたからです。1917年に製作されたこのモデルは、18Kイエローゴールドのスクエア型ケースにオープンワークのシルバーダイヤルを配し、幾何学デザインのトレンドが見事に反映されています。

2 - ポインテッド・ロザンジュ型腕時計18Kイエローゴールド、Ref.11144 1919年
ヴァシュロン・コンスタンタンは、1910年代はじめに「ポインテッド・ロザンジュ(尖ったひし形)」で知られるこの洗練されたフォルムを製作しました。その大胆で独創的なデザインは、18Kイエローゴールドのケースが、ケースのラインに向かって長く伸びるブラックエナメルのアラビア数字で飾り、細かなグレイン仕上げを施したシルバートーンのダイヤルを囲むこの1919年のモデルによく表われています。また、18Kイエローゴールドのしなやかなブレスレットによって本物のジュエリーのように腕のカーブを包みます。



3 - クッション型腕時計18Kイエローゴールド、Ref.11507 1919年
パイオニア精神を忠実に守るヴァシュロン・コンスタンタンは、腕への装着に適したケース形状をたくさん考案し、伝統的な慣習の打破に大胆に挑んだ最初のウォッチメゾンの一つでした。例えば、ヴァランセ侯爵、あるいはサガン公やシャルル=モーリス・ド・タレーラン・ペリゴール公の甥の息子として知られる人物が所有した時計のように、クッション型が1919年という早い時期に姿を現します。この慈善家で審美眼の持ち主たちは、当時のヴァシュロン・コンスタンタンの忠実な顧客の一人でした。

4 - クッション型腕時計18Kイエローゴールド、11時と12時の間にリュウズ、Ref.12131 1919年
ヴァシュロン・コンスタンタンは、1919年から1921年にかけて大胆なオフセットのリュウズが備わる6個のクッション型腕時計を2シリーズ製作しました。1919年の18Kイエローゴールドのモデルは、径11リーニュのRAニュー・アメリカン・キャリバーが搭載され、リュウズはダイヤルの12時に合わせてケースの右側に置かれています。マニュファクチュールが今年100周年を祝う「ヒストリーク・アメリカン 1921」と異なり、この歴史的モデルのダイヤルはオフセンターではありません。スモールセコンドはもともとの位置の7時から8時の間に置かれ、リュウズと対角線を成しています。



時計の詳細
1 - 湾曲したトノー型腕時計18Kイエローゴールド、Ref.10357 1922年
腕時計は、世紀の変わり目に一種のジュエリーとして次第に日常的なアクセサリーになりました。トノー型(樽型)は、隙間なく一体になったストラップのラグとケースのおかげで必然的に登場しました。ヴァシュロン・コンスタンタンは1922年にそれを18Kイエローゴールドの湾曲したケースで表現しました。このモデルの細かなグレイン仕上げが施されたシルバートーンのダイヤルには、ブラックエナメルによる12個の上品なアラビア数字と外周にミニッツトラックが配されています。

2 - 湾曲トノー型腕時計18Kホワイトゴールド、Ref.11487 1928年
腕時計の発展にともない、ヴァシュロン・コンスタンタンは、腕時計用ムーブメントの小型化で目覚ましい進歩を遂げました。1929年に『Journal Suisse de l’Horlogerie(スイス時計ジャーナル)』は、ヴァシュロン・コンスタンタンの工房で1916年頃に開発された6.5mm×26mmというバゲット型ムーブメントのプロトタイプに言及しています。このミニチュアの芸術作品は、1923年に完成形が開発され、18Kホワイトゴールドのこの湾曲トノー型腕時計が見事に示しているように、手元に上品さをもたらす美しいプロポーションの時計を作ることができるようになりました。また、ケースバックにはアメリカ合衆国でヴァシュロン・コンスタンタンの代理店をつとめた «E.E.Robert New York» の名が刻まれ、この種の時計がアメリカの顧客を魅了したことを示しています。



3 - 超薄型懐中時計「クロノスコープ」18Kイエローおよびホワイトゴールド、Ref.10152 1929年
1920年代にヴァシュロン・コンスタンタンはまた、時計の背景にある精巧な製作技術を披露する特別な表示を通じて創造性の幅広さを表現しました。ジャンピングアワーが備わる18Kイエローゴールドとホワイトゴールドのこの懐中時計は、1920年代後半にロベール カールが発明し「クロノスコープ」の名で特許を取得した大胆な複雑機構が特色です。1929年に製作されたこのモデルは12時位置の窓で時間の数字が示され、分はダイヤルに沿って回転するミステリアスなアロー型のインデックスによって示されます。

4 - ハンドバッグ ウォッチ18Kホワイトゴールド、Ref.10164 1929年
1879年にフェルディナン ヴェルジェがフランスにおけるヴァシュロン・コンスタンタンの代理人になりました。
緊密な関係は1938年まで続き、パリとジュネーブの間で驚くような時計がいつくか誕生しました。「サプライズ ウォッチ」としても知られる「ハンドバッグ ウォッチ」は、ヴェルジェ フレールが特許を取得したシャッターウォッチの原理を生かして1929年に作られました。ハンドバッグやポケットの中にしまい携行したり、あるいはデスクに置いて使えるこの工夫を凝らした小さな宝石は、ホワイトゴールドで作られ、両側にカボションカットのルビーが10個あしらわれています。


まとめ

「フォルム」と呼ばれる特殊な形のケースの時計から独創的な表示に至るまで、この展覧会は、狂騒の20年代の屈託のない精神やアールデコ運動のデザイン美学の影響が特徴的な時代を映し出しています。1910年代から1930年代、ジュネーブからアメリカ合衆国へと向かう時代を背景にして、この展覧会は、当時の嗜好や腕に時計を着けるスタイルの普及について詳しく紹介するとともに、伝統と型破りが絶妙な調和を成すようにテクニックとスタイルを凝らし、思いもよらぬ美的表現を開発して成功を収めたヴァシュロン・コンスタンタンの転換点をも浮彫にします。



引用は以上だが、いかがだろうか。

「クラシック ウィズ ア トゥイスト(Classic with a Twist)」は、「ヒトリーク・アメリカン 1921」の100周年に合わせ、ヴァシュロン・コンスタンタンが20世紀初頭に発揮した自由闊達な創作をテーマにして催される展覧会だが、こうして見ていくと、時計という装身具はその時代のファッションとして、人々が求めるものを柔軟に反映していることがわかるし、我々が知らない過去の時代やその熱情を、自社のアーカイヴで語ることができるヴァシュロン・コンスタンタンというブランドのヒストリーの重厚さを改めて感ずる次第である。

ぜひ観に行きたい。


【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)