Baselworld 2017: セイコー クレドール彫金新作モデルレビュー

 By : KIH
もうおなじみとなった、照井氏の超絶技巧彫金モデル。桜井氏の得意とする薄型68系ムーブとの組み合わせは、もはや伝説的でもあります。

今年は、桜と牛車をモチーフに、裏が表より豪華に作られている、「裏勝り」という、日本ならではの奥ゆかしい「おしゃれさ」を持ったモデルです。学生服の裏地とか、スーツの裏地に凝る人たちもいますよね。それがまさに「裏勝り(うらまさり)」なわけです。

最初のモデルですが、ダイヤル面は、ぱっと見、シンプルな白に青針(2針)ですが、よく見るとこれがMOPで亀甲型に彫られています(これは機械彫り)。そして、3時、6時、9時、12時にはダイヤモンドが。


超キレイです。






68系の薄型時計にしてはやや大振り。それもそのはず、40㎜のプラチナケースです。この大きさがないと裏のケースに賭けなかったんですね。

そして裏っかえせば、この通り。この綱のリアルさは鳥肌モノです。是非、実物を見ていただきたいですね。

牛車(ぎっしゃ)から眺める「都の夜桜」がテーマ。雅(みやび)ですねえ。平安時代にタイムスリップしたような気分です。日本人にしかわからない風情かもしれません。

解説しますと、下図のように、最前面の桜の花びらからベースとなるMOPまで1.75㎜という薄さの中で、「桜」は四層、「牛車」は三層のパーツで構成。








残念ながら、この牛車の車輪はテンワの丁度上にありますが、テンワと一緒には回りません・・・。これが回ったらすごいですよね。。。トルクはどこから取ってくるのか・・・。

そして、お気付きでしょうか。一番下の葉っぱに「T」の頭文字。照井氏のイニシャルです。

限定8個! すべて照井氏が作ります。桜の花びらはこれまたMOP。海外からも絶対買いに来ますね。こういう名作は是非日本に残してほしいものです。950万円+税金。どなたか!


次にご紹介するのは、限定モデルではありませんが、例によって、いつまで作るかわからないモデルですので、これもお早めに手を上げないとすぐにディスコンになってしまいそうな気がします。こちらは、照井氏監修のもと作られています。


上のモデルと同様、桜をモチーフにしたスケルトンモデル。大きさも38㎜、厚さ7.3㎜と、やや小ぶり。スイートスポットなサイズです。イメージは「吉野山」、上半分は空、下半分は桜の彫金を華やかにあしらっています。これまた、日本人にしかわからない風情かも。



空には「つばめ」が飛んでいます。つばめの周りは、非常に細かい線を手作業でつけています。「絹目仕上げ」と呼ばれ、手の角度がずれないよう、長時間同じ姿勢で堀づつけなければなりません。気が遠くなりそうです。






こちらは、440万円+税。どちらかは欲しくなる、日本の名作です。誰か、買ってください・・・。
38㎜は、私の細い手首にもばっちりです。。。。


以上、クレドールの実機レビューでした。


SEIKOの皆さま、予めお時間をいただき、ありがとうございました!

KIH