ヴァシュロン・コンスタンタンのオートオルロジュリー➂~ 精度向上に役立てられるトゥールビヨン

 By : KITAMURA(a-ls)


ブランドのオフィシャルサイトのメディア用ページにひっそりと置かれているアーカイヴ資料的テキストを、自分の勉強も兼ねて掘り起こしてみようという企画。
過去、ヴァシュロン・コンスタンタンのオートオルロジュリー①として「クロノグラフと精密性」と、ヴァシュロン・コンスタンタンのオートオルロジュリー②~「レトログラード表示」という2つの記事を紹介したが、今回はさらにワンランク アップの複雑さを持ち、ある意味、現代機械式時計の花形でもある「トゥールビヨン」に関する記述をまとめてみたい。
ヴァシュロン・コンスタンタン曰く、「厳密には言えば、トゥールビヨンは時計の複雑機構とはいえない」というのはどういうことなのか、いよいよ残り少ない夏休みの自由研究。




ヴァシュロン・コンスタンタンのオートオルロジュリー➂
「精度向上に役立てられるトゥールビヨン」


アブラアン-ルイ・ブレゲによって発明され、19世紀の幕開けに特許が登録されたトゥールビヨンの主要な機能は、重力が時計機構に及ぼす影響に対抗することにあり、この装置は、高度な専門技術と職人技の象徴になっています。ヴァシュロン・コンスタンタンの保存資料によると、トゥールビヨンの初めての商品化は1901年に遡ることがわかっています。それ以来、この複雑機構はメゾンの時計製造の中で継承され、懐中時計や1990年代初期以降の腕時計のみならず、時計に精通する愛好家やコレクター向けの特別モデルにも組み込まれてきました。


●「リファレンス 57260」(2015年)のキャリッジ


トゥールビヨンの歴史
トゥールビヨンは時計製作技術の最高傑作としばしば考えられていますが、厳密には言えば、時計の複雑機構ではありません。というのは、トゥールビヨンは時刻表示と一緒であり、それ以外の付加機能というわけではないからです。にもかかわらず、その機械機構が極めて複雑なため、大いに人々の興味をそそります。
アブラアン-ルイ・ブレゲが1795年に開発し、1801年に特許を取得したトゥールビヨンは、地球の重力によって生じる誤差を排除するために考案されました。

19世紀を通じてごくわずかなウォッチメーカーがトゥールビヨンに挑みましたが、製造数は極めて少量でした。しかしこの調速装置としての機構は、絶対精度を追求するいわゆるクロノメトリーウォッチへの利用のみならず、グランド・コンプリケーションモデルの構成部品として選ぶのに十分考慮に値するものであることがことが判明しました。ヴァシュロン・コンスタンタンは、この複雑機構に完璧に熟達した技術をもってクロノメトリーウォッチとグランド・コンプリケーションの両分野で頭角を現しました。

トゥールビヨンの発明は、服装に関する慣例と並んで、18世紀後半の時計の知識や使い方と密接に関係があります。当時の懐中時計は、機械のいくつかの不具合に悩まされていました。その原因は特に職人が作る部品にありました。それらの平衡を巧みに保つのは難しく、過度の摩擦に耐えることもありました。摩擦をある程度軽減する唯一の方法は潤滑油を施すことでしたが、当時手に入る油は固まりやすいものでした。
さらに時計をベストのポケットに入れて着用するため、時計はほとんど垂直の姿勢のままでじっとしています。この状態で時計のムーブメント、とりわけ脱進機と一体になった調速機は、地球の重力からの悪影響を受けて、テンプのひげゼンマイの等時性が乱れます。つまりそれは、歩度に偏差が生じ、精度が失われることを意味しています。
そこで新たな可動機構に解決を求めることになりました。伝統的な機械式ムーブメントの場合、脱進機とひげゼンマイ付きのテンプは、それぞれの軸で回転しながら互いに噛み合うようにして地板の所定の位置に置かれています。
トゥールビヨンでは、これらの部品一式が回転キャリッジに組み込まれ、このキャリッジの軸が上下2つの軸受けで支えられています。このキャリッジ自体が4番車とカナの機能を果たし、3番車からの動力で回ります。これによって、時計がベストのポケットの中で静止したままでも、ひげゼンマイに対して次々にあらゆる縦姿勢を取らせることができるようになります。その結果、さまざまな姿勢の組み合わせが偏差を補正して歩度の平均化をもたらし、それが精度の向上に結びつくことになるのです。

トゥールビヨンは1世紀半もの間ほとんど変化がなく、常に回転キャリッジという同じ原理に基づいてきました。バリエーションとして意義深い唯一の機構は、1892年にオランダの時計師バーネ ボニクセンが特許を取得したカルーセルでした。カルーセルの機構も、脱進機と調速機一式を回転式のモジュールに格納して時計の精度を改善することを目的にしていました。トゥールビヨンと異なるのは、2系統の動力によってキャリッジと脱進機がそれぞれ動く点です。

そして、常に姿勢が変わるのが当然という腕時計が出現すると、懐中時計の世界で「プラ・パンデュ」と呼ばれるいわゆる水平と垂直の問題、すなわち同じ時計が水平と垂直の姿勢ではテンプの振り角が同じでも歩度に差が観測される問題が争点になったように、時計産業の関係者の間では、腕時計におけるトゥールビヨンの実用性をめぐる論争が何度も繰り返されました。
決定的な解答は見つかっていないものの、最近の研究やトゥールビヨンに追加された革新的な特徴が現在存在する最良の解決法だと考えられます。


ヴァシュロン・コンスタンタンとトゥールビヨン
ヴァシュロン・コンスタンタンの保存資料に初めて懐中時計トゥールビヨンについての言及があったのは、1901年に遡ります。パリの顧客からメゾンに寄せられた手紙です。そこには、トゥールビヨン脱進機をはじめ、ダブル・クロノグラフ、グランおよびプチ・ソヌリ、ミニット・リピーター、ムーンフェイズを装備するパーペチュアルカレンダー、パワーリザーブ表示を併せ持つ時計の注文が書かれていました。
トゥールビヨンを要求するこの特別な時計は、言い換えればクロノメトリー(高精度認定)を取得するためにジュネーブ天文台の基準にも従わなければならないことを示しています。ヴァシュロン・コンスタンタンは、1755年の創業以来複雑時計の分野で培ってきた専門技術を披露する機会をこの時すでに手に入れていたのです。

20世紀へと移る時期に、ヴァシュロン・コンスタンタンの専門技術は超複雑時計の創作で新たな次元へと飛躍しました。トゥールビヨンを含む超複雑時計としては、偉大な時計コレクターとして知られるパティアラのマハラジャが購入した1917年の懐中時計もそのひとつです。
1950年代までにメゾンは、高度な技術を駆使した懐中時計の製作では第一人者となり、それらが時計史の一部を成すまでになりました。ヴァシュロン・コンスタンタンの260周年を記念する2015年に発表された、今や有名な懐中時計スタイルの「リファレンス 57260」もまた、これらの複雑時計への賛辞です。57の複雑機構には、球形のひげゼンマイが備わる3軸トゥールビヨンという非常に珍しい機構が含まれ、とりわけ注目に値します。

●「リファレンス 57260」(2015年)

このトゥールビヨンは、時計を使用する者の不規則な姿勢の変化が時計にまったく影響を及ぼさないように重力の作用を規則正しく調整します。

ヴァシュロン・コンスタンタンは、2019年に「オーヴァーシーズ」コレクションにトゥールビヨンを迎え入れることによって、再び熟達の専門技術を披露しました。超薄型の自動巻きムーブメント、キャリバー2160は、翌2021年に、ケースに18K(5N)ピンクゴールドを用いブルーのラッカーダイヤルを配した「オーヴァーシーズ・トゥールビヨン」に搭載されました。


●「オーヴァーシーズ・トゥールビヨン」 2021年


正確さを追求する伝統
気品を放ちながら堅牢で信頼性に富み、高精度の時計を製造したいと常に願ってきたヴァシュロン・コンスタンタンにおいて変わらないのは、正確さの追求です。1972年以来マニュファクチュールはジュネーブやヌーシャテル天文台が主催する多くの精度コンクールはもとより、イギリスおよびアメリカ合衆国での精度コンクールに定期的に参加し、いつも金メダルや1等賞を獲得していました。
ヴァシュロン・コンスタンタンのキャリバーの信頼性が高かったおかげで、メゾンの調整師は、こうしたコンクールの期間中に驚くような素晴らしい成果を上げました。立役者のひとりエドモンド オリバーは、こうしたコンクールの背後で才能を発揮した人物として歴史に名を残しました。ジュネーブ天文台の精度コンクールに彼が出品した何点かの懐中時計は正確さの点で群を抜いていました。また彼は調整師のエレーヌ ジャカールに特に指導したことでも知られ、彼女自身も多くの記録保持者になりました。

ヴァシュロン・コンスタンタンでは、この精度に関わる性能が主要な品質のひとつになり、その評判を高めるのに大いに貢献したのが「クロノメーター・ロワイヤル」です。
1907年に発表されたこの懐中時計は、正確さを追求するという伝統を不朽のものとし、20世紀を通じ世界で成功を収めました。この正確さの追求にはまた、ムーブメントの構造やトゥールビヨンの調速システムについてさらに先端的な研究も含まれました。ヴァシュロン・コンスタンタンは、1900年代の早い時期にトゥールビヨンを唯一の「複雑機構」として組み込んだ懐中時計を発表しましたが、トゥールビヨンは計時における精度を保証する追加機構と見なされていました。


●イエローゴールドの懐中時計1分間トゥールビヨン (Ref.Inv.11968) 1945年

これらの時計は必然的に天文台による精度テストを受けました。1907年のモデルもそこに含まれますが、この時計のエボーシュを開発したのは、アルバート ペラトンでした。優れたウォッチメーカーの彼は、学校を卒業してすぐにヴァシュロン・コンスタンタンの研究開発部門に雇われました。その後40年以上にわたり不運に見舞わ
れることなく、ヴァシュロン・コンスタンタンのトゥールビヨンを搭載する懐中時計クロノメーターは、さまざまな精度コンクールでの受賞で名声を博し、そこには第一級の認定が3つ、最優秀賞が6つ含まれていました。


腕時計で主役を演じるトゥールビヨン
ヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計にトゥールビヨンが登場したことにも同じように正確さへの関心が表れています。また、クオーツの脅威にさらされながらも、機械式時計を復活させたいというメゾンの姿勢が明確に
示された時期でもありました。
ヴァシュロン・コンスタンタンでは、1980年代の終わりに、トゥールビヨンとミニット・リピーターという伝説的な複雑機構を取り入れた腕時計のための新しいキャリバーを開発する2つのプロジェクトが発足し、最初のトゥールビヨン「モデル 30050」が1992年に製造されました。これで調子を取り戻したヴァシュロン・コンスタンタンは、トゥールビヨンが不可欠の役割を演じるモデルで複雑時計に力を注ぐようになりました。

●プラチナの腕時計トゥールビヨン、パワーリザーブ表示付き「30050 モデル」(ref.Inv.11984) 1993年

その後、調速機構のトゥールビヨンは、メゾンのさまざまなコレクションに次第に取り入れられ、精度向上や他の複雑機構との組み合わせとして、ある場合はグランド・コンプリケーションモデルの一部として用いられました。このような展開は、1998年にヴァレ・ド・ジュウに設立された、複雑時計のムーブメントを手がける専用のマニュファクチュールによって一段と強化されました。そこでの最初のプロジェクトは「マルタ」コレクションのモデルに搭載するトノー型トゥールビヨン・ムーブメントの開発でした。
長年に及ぶこのトゥールビヨンの専門技術を生かした数々の注目すべき搭載例がこれまで見られました。例えば250周年を記念して発表されたトゥールビヨンを含むパーペチュアルカレンダーウォッチの「サン・ジェルヴェ」です。

●プラチナの腕時計トゥールビヨン「サン・ジェルヴェ」、パーペチュアルカレンダーおよびパワーリザーブ表示付き(Ref.Inv.11475) 2005年

4つの香箱で250時間という驚異的なパワーリザーブを実現するこのモデルのトゥールビヨン・ムーブメント(キャリバー2250)を皮切りに、シリンダー型のひげゼンマイを装備した2軸トゥールビヨン(キャリバー1990)、自動巻きにペリフェラルローターを用いた初の自社製トゥールビヨン(キャリバー2160)などです。これらすべての成果の中心にあるのは、時計の科学を芸術へと高める素晴らしいメカニズムです。

●「. レ・キャビノティエ・レトログラード・アーミラリー・トゥールビヨン」2016年



ヘンリー グレーブス ジュニアとヴァシュロン・コンスタンタン
アメリカ人銀行家ヘンリー グレーブス ジュニア(1868-1953)が時計産業の世界で誰もが知る有名人なのは、1920年代から1930年代に実業家のジェームズ ウォード パッカードとの間で繰り広げられた「勝負」が主な理由です。高級時計の熱烈なコレクターだった2人は、世界で最も複雑な時計をどちらが手に入れるかを決めるのに互いに競っていたのです。多機能時計を熱心に収集したヘンリー グレーブス ジュニアは、しかし一方で高精度のクロノメーターにも情熱を注いでいました。彼が1928年にヴァシュロン・コンスタンタンと出会ったのもそこにありました。

●ヘンリー グレーブス ジュニアとヴァシュロン・コンスタンタンの間で交わされた書簡 1928年

彼はこの年ヴァシュロン・コンスタンタンのトゥールビヨンがジュネーブ天文台のコンクールで高精度の記録を樹立したことを知りました。銀行家にとってこのモデルは、自身のコレクションにぜひとも加えなくてはならないものになりました。ヘンリー グレーブス ジュニアとヴァシュロン・コンスタンタンとの間で手紙が交わされたのはこの時期です。購入を希望するその手紙には、"Awarded First Prize (866 Points) Geneva  Astronomical Observatory Timing Contest 1927-28 - No. 401562 - Henry Graves Jr. - NewYork - by Vacheron& Constantin, Geneva, Switzerland" という文言を彫ってほしいとの要望が添えられていました。ヘンリー グレーブス ジュニアとヴァシュロン・コンスタンタンとの関係はこれで終わらず、メゾンに対してグレーブスの提案は続き、メゾンもこの偉大なコレクターに応えました。それを実証する手紙がヴァシュロン・コンスタンタンの歴史資料に保存されています。


主な代表モデル
1.イエローゴールドの懐中時計1分間トゥールビヨン (Ref.Inv.10811) 1943年
高精度を追求が、トゥールビヨンを装備した懐中時計に結実しました。これらのモデルは、さまざまな天文台が催す精度コンクールにたびたび出品され、数多くの受賞に輝きました。この1分間トゥールビヨンを搭載するイエローゴールドのモデルは、キャリッジに配したスモールセコンド針や、ホワイトエナメルのダイヤル、レイウウェイのミニッツ・トラックなども特徴で、1931年、1933年、1941年のジュネーブ天文台の精度コンクールでは第1位を獲得しました。



2.イエローゴールドの懐中時計1分間トゥールビヨン (Ref.Inv.11968) 1945年
22リーニュのムーブメントを搭載するこのイエローゴールドの懐中時計1分間トゥールビヨンは、スモールセコンドを配し、上品な表情が際立ちます。エナメルのローマ数字やレイルウェイのミニッツ・トラックが並ぶシルバートーンのダイヤルの上を先端に丸いモチーフを配した針が回ります。気品を重んじるデザインへの配慮は、時計の裏側から見えるムーブメントを覆う3分2プレートと、そこに施されたコート・ド・ジュネーブの装飾にもよく表れています。ムーブメントのこの構造は、慣性ブロックを備えたテンプによって極めて繊細な精度調整が可能になるトゥールビヨンを引き立ています。この天文台コンクール用の時計は、高精度クロノメーターとして設計されました。



3.ホワイトゴールドの懐中時計トゥールビヨン「レ・コンプリカシオン」(Ref.Inv.11927) 1990年
この懐中時計は、ロンドンのニューボンドストリートに本店を構えるアスプレイからの発注で作られた限定モデルです。1990年代はじめ、高精度クロノメーターを懐かしむコレクターの要望に応えるために、ヴァシュロン・コンスタンタンは、このホワイトゴールドのモデルを製作し、ダイヤルにはパニエ(編み籠)模様のギヨシェ彫りが施され、それにふさわしい径22リーニュのムーブメントが選ばれました。1940年代初期に設計され、何度もテストを受けたこの1分間トゥールビヨンは、1990年代までに19回も精度コンクールに出品されました。ダイヤル6時位置に設けられた窓で調速機構の絶妙な姿を鑑賞することできます。




4.プラチナの腕時計トゥールビヨン、パワーリザーブ表示付き「30050 モデル」(ref.Inv.11984) 1993年

この時計は、ヴァシュロン・コンスタンタンの腕時計トゥールビヨンの最初のシリーズのひとつ。イエローゴールドとプラチナで300本限定のこのモデルは、サファイアクリスタルのケースバックからツインバレルを備えたムーブメントが見えます。3つのローマ数字と6つのバーインデックスを配したグレイン仕上げのダイヤルの6時位置に、スモールセコンド針を乗せた1分間トゥールビヨンが置かれています。12時位置にはパワーリザーブ表示が置かれ、トゥールビヨンとシンメトリーを成しています。また、ケースバックからは、トゥールビヨンのブリッジを含む3つのブリッジに施された面取りとコート・ド・ジュネーブ模様の装飾が鑑賞できます。



5.「マルタ」コレクション、ピンクゴールドのトノー型腕時計トゥールビヨン、パワーリザーブ表示付き
(Ref.Inv.11498) 2003年
「マルタ」コレクションに属すこのピンクゴールドのトノー型モデルは、ダイヤルに施されたサンバーストのギヨシェ彫り、中央部のシルバートーンのグレイン仕上げ、9本のアプライドインデックスが調和して美しい表情を放っています。剣型針によるオフセンターの時刻表示や、パワーリザーブ表示と日付表示を上方に寄せたレイアウトは、軸にスモールセコンド針が備わる1分間トゥールビヨンに対して広々としたスペースをもたらしています。このフォルム型(非ラウンド型)のモデルには、防水機能をもったトノー型ケースの完全に合わせた特別な形状のムーブメントが搭載され、サファイアクリスタルのケースバックからその姿を鑑賞できます。



6.プラチナの腕時計トゥールビヨン「サン・ジェルヴェ」、パーペチュアルカレンダーおよびパワーリザーブ表示付き
(Ref.Inv.11475) 2005年
ヴァシュロン・コンスタンタンにとって、250周年は過去を称える機会になっただけでなく、技術革新の優れた能力を強調するための好機にもなりました。それが完璧に表現されているモデルが「サン・ジェルヴェ」です。手作業のギヨシェ彫りを施したプラチナ製のダイヤルを配したこの時計は、パワーリザーブを表示する複雑な領域をまず確保していました。トゥールビヨンとパーペチュアルカレンダーを装備し、4個の香箱で250時間の連続駆動を実現する「サン・ジェルヴェ」は、グランド・コンプリケーションウォッチの分野に新たなマイルストーンを打ち立てました。





[まとめ]
・19世紀の幕開けに姿を現したトゥールビヨン。その複雑で興味深い機構は、重力が時計機構に及ぼす影
響に対抗するために考案された。
・1901年よりヴァシュロン・コンスタンタンの歴史の一部を成してきたこの複雑機構は、マニュファクチュ
ールにおける高精度の探求で重要な役割を演じてきた。
・完成度が最も高いトゥールビヨンは、グランド・コンプリケーションに不可欠な傑作。ヴァシュロン・コン
スタンタン独自の専門技術が現行コレクションに発揮され、ユニークピースの「レ・キャビノティエ」におい
ても多くのモデルでも中心的な役を演じる。


【お問い合わせ】
Vacheron Constantin
0120-63-1755(フリーダイヤル)





【ヴァシュロン・コンスタンタン】
1755年に創業したヴァシュロン・コンスタンタンは、265年以上にわたり一度も時計づくりを中断したことがない、時計製造の分野で世界最古のマニュファクチュールです。何世代にも渡る名工たちによって培われた時計づくりの卓越した技術と洗練されたスタイルを途切れなく代々継承し、そこに根差す輝かしい遺産を守り続けてきました。 メゾンが創作する時計は、控えめで気品豊かなスタイルに高級時計の素晴らしい価値が体現されています。その一つ一つに、最高峰の職人技と仕上げを維持しながら、ヴァシュロン・コンスタンタンならではの技法や美意識が表現されています。 ヴァシュロン・コンスタンタンを代表するコレクション「パトリモニー」や「トラディショナル」、「メティエ・ダール」、「オーヴァーシーズ」、「フィフティーシックス」、「ヒストリーク」、そして「エジェリー」などでは、つねに比類ない伝統と革新の精神が一体になっています。さらにメゾンでは、時計に精通した顧客の方々の難しい要望に応え、“レ・キャビノティエ”部門を通じて特注によるユニークピースの提案も行っています。